賃貸物件から引っ越すときはタイミングが重要です。
せっかくならば費用を抑えて引っ越せるときに引越ししたいですよね。
引越しを考えるタイミングや月別にまとめた引越しの注意点などをご紹介します。
賃貸物件から引っ越すのに適切なタイミングは?
多くの賃貸物件では2年ごとに賃貸契約の更新をします。
物件や地域によって多少差はありますが、更新料は月々の賃料1か月分を納めることが多いです。
賃貸物件からの引越しを考えるタイミングやきっかけは主に4つあります。
それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
契約更新のお知らせが来たとき
多くの人が引越しを考えるタイミングとなるのが契約更新に関するお知らせが来たときです。
首都圏を始めとする一部地域では、賃貸物件の契約更新時に更新料の支払いを求められます。
家賃の約1ヶ月分程度が相場なので、「高い更新料を支払うなら、せっかくだから新しい環境に引っ越そう」と考える方もいます。
契約更新をするか意向を確認する通知は、更新月の3~4ヶ月前に来ることが多いです。
通知が来てからすぐに引越し先を見つけられれば、余計な出費を抑えて引越しができます。
物件や周辺環境によるストレスが大きいとき
内見時には気づきづらい条件によって、時には家にいることが苦痛になってしまうほどストレスをためてしまうことがあります。
ストレスを感じやすい要素の例は以下の通りです。
- 湿度が高すぎてカビが発生しやすい
- 害虫をよく見かける
- 隣人や周囲がうるさい
- セキュリティ面で不安がある
- 管理会社の対応が悪い・連絡が遅い
自宅にいることがつらくなってしまうほどストレスを感じているのであれば早急に引越しを考えた方が良いでしょう。
利便性の悪さが気になるとき
駅から遠く、通勤・通学に支障が出ているときや、コンビニやスーパーなど日常の買い物をする場所から遠すぎる場合も引越しを考えるきっかけになります。
たとえば毎日の通勤で駅まで自転車を使っているとすれば、自転車を停めておく駐輪場の利用料が必要です。
駅まで徒歩圏内の家に住めば駐輪場代が浮くため、人によっては引越しをする理由になります。
収入に対して家賃が高すぎるとき
一般的に家賃は手取り収入の3割を目安と言われることが多いです。
とはいえあくまで目安は目安にすぎないため、人によっては目安にあった家賃であっても負担が重いことがあります。
また日々の暮らしはできるものの貯金に回す余裕がないときも、固定費を抑えるためにもっと賃料の安い物件に引っ越す理由になるでしょう。
契約更新か引っ越すか迷ったときは費用計算をしよう
賃貸の契約期間が終わりに近づくと、契約更新と引越しのどちらがお得か気になりますよね。
契約更新と引越しのどちらがお得になるか、シミュレーションを用いてご説明します。
シミュレーションの設定条件は以下の通りです。
- 現在の家賃は80,000円
- 更新月には更新料(家賃1ヶ月分)、火災保険料(20,000円)、保証会社利用料金(家賃0.5ヶ月分)が必要
- 初期費用は家賃5か月分で計算
入居月時点 | 半年後 | 1年後 | 2年後 | |
---|---|---|---|---|
今の家に住み続ける | 220,000円 | 700,000円 | 1,180,000円 | 2,140,000円 |
家賃70,000円の家に引っ越す | 378,500円(+158,500円) | 798,500円(+98,500円) | 1,218,500円(+38,500円) | 2,058,500円(-81,500円) |
家賃60,000円の家に引っ越す | 328,500円(+108,500円) | 688,500円(-11,500円) | 1,048,500円(-131,500円) | 1,768,500円(-371,500円) |
新居の家賃がかなり安くなるなら引越しを検討する
新居の家賃がどのくらい安くなれば元が取れるかを確認してみましょう。
まず入居月の時点では契約更新をした方が出費が少ないです。
ただし20,000円家賃が安い物件に引っ越した場合、半年後に出費の総額が逆転し、元が取れる計算になります。
今より10,000円家賃が安い物件に引っ越す場合は引越しから2年後にようやく出費総額が逆転することが分かります。
今までの家賃より20,000円安くなるなど、大幅に家賃が変わるのであればすぐに元が取れるので引越しがおすすめです。
単身者の1人暮らしでかかる初期費用や初期費用を含めた引越し料金の総額については以下の記事をご参照ください。
家賃があまり変わらないなら契約更新が金銭的負担は少ない
新居と旧居の家賃差が1万円未満であったら引越しよりも契約更新をした方が費用を抑えられます。
引越しによる金銭的負担を鑑みて、今の住居で我慢できるか、どれくらい引っ越したいかどうかで決めましょう。
ただし住環境に対して強いストレスを感じているのであれば、多少損をしてでも引越しをすることをおすすめします。
健康を損なうと後々まで悪影響を及ぼす可能性が高いためです。
賃貸物件からスムーズに引っ越す手順
賃貸物件をスムーズに引っ越すにはコツがあります。
引越しの需要が少ない通常期であれば以下のタイムスケジュールを参考にしてください。
- 退去の2か月前:新居を探す
- 退去の1か月前:新居を契約し、現在の住居の退去告知をする
- 退去の2週間前:引越しの準備をする
- 退去の1週間前:引越し業者を決める
- 退去日当日:退去立ち合いなど必要な手続きを完了させる
引越しの流れについては関連記事に詳細があります。
物件探しは退去予定日の2ヶ月前から行うのが理想
進学や就職・転勤などで引越ししたい日程が決まっている場合、物件探しを始めるのに最適なタイミングは2ヶ月前です。
複数エリアから候補を絞ったり家賃や間取り・設備が希望に合うかを吟味したりしていると、想像以上に時間がかかります。
可能な限り多くの物件を比較した方がエリアごとの相場感も分かりやすく納得感をもって引っ越せます。
物件選びで妥協してしまい、引越し後に後悔する可能性もゼロではありません。
自分のペースで慎重に物件を選ぶためにもできるだけ余裕を持って早めに動くのがおすすめです。
定められた期限までに退去を告知する
賃貸物件にはそれぞれ退去告知期間が決められています。
退去日から1か月前までに告知するように定められていることが多いです。
退去の告知が遅くなると賃料を余分に支払わなければなりません。
退去告知期間は入居時の契約書に記載されています。
契約書をなくしてしまったなど、書面での確認が難しいときは不動産会社、大家さんに問い合わせてください。
新居の契約は退去予定日の1ヶ月前を目安に行う
賃貸物件で重要なのが家賃が発生するタイミングです。
新居の契約が早すぎると実際に住んでいない期間にも家賃が発生します。これを二重家賃と言います。
理想は旧居の退去日と新居の入居日を同じ日にすることです。
退去日と入居日が同じならば二重家賃は発生せず、出費を抑えられます。
二重家賃の期間を無くすには退去日から逆算して入居日を決める
退去日は自由に決められる場合もあれば、規約により月末のみなど決められている場合もあります。
入居日が決まってから退居日が指定されていたことに気づくということがないよう、退居日を確定させてから入居日を設定しましょう。
退去が月の途中になるときは退去する月の家賃が日割り計算か月割り計算かを確認しましょう。
最終月も家賃の支払いが月割りで計算される場合、新居の入居日を月末に合わせなければ引越し後も旧居の翌月分の家賃も支払うことになるため注意が必要です。
賃貸から賃貸に引っ越す費用を安くおさえるポイント
賃貸物件から賃貸物件に引っ越すときの費用を安くするには、以下の3点に注意しましょう。
工夫次第で無駄な出費を減らせるので、引っ越したいけど費用面が心配という方はぜひ対応策もチェックしてくださいね。
二重家賃の期間をなるべく短くする
東京都内の物件を借りると基本の賃料だけで80,000円を支払うことも珍しくありません。
退去日と入居日が同日にできず、二重家賃が発生すると賃料だけで100,000円近く支払うことになるかもしれません。
二重家賃の期間を作らないようにするか、必要最低限の日数にできるよう工夫をしましょう。
フリーレント付きの物件を借りる
フリーレント物件とは1~3ヶ月程度の期間、家賃の支払いを免除してくれる物件のことです。
初期費用が抑えられることから人気が高い物件です。
初めからフリーレント物件として募集をしていることもありますが、大家さんとの交渉結果次第ではフリーレント期間を設けてくれることがあります。
契約時の不要なサービスを断る
新居の賃貸契約には様々なオプションサービスがついていることがあります。
このうち不要なものは解除できないか、契約書にサインをする前に確認してみましょう。
特に玄関ドアの鍵交換は自分で業者を手配した方が料金が安く済むことがあります。
月別引越し時の注意点
1年を通して同じ条件で引越しができるわけではありません。
月ごとの大まかな傾向をまとめたのでご確認ください。
1~2月に引っ越すときの注意点
1~2月は繁忙期直前に安く引っ越すチャンスです。
年明け頃から徐々に物件の情報が多くなるため、物件の条件にこだわりたい人には特におすすめの時期です。
また1月は新築物件の情報が公開され始める時期なので、引越しして心機一転新しい気持ちで新生活を始めるにはぴったりです。
3~4月に引っ越すときの注意点
3~4月は引越し業者の繁忙期のため業者探しに難航するでしょう。
ただし物件情報は多いため、たくさんの選択肢の中から物件を探したい人にはおすすめです。
3~4月に引っ越すのであれば引越し料金を抑える工夫が必須といえます。
繁忙期の引越しで気をつけたいことは以下の記事に詳しくあります。
5~8月に引っ越すときの注意点
繁忙期が過ぎた5~8月は物件情報は少ないものの引越し料金が安く抑えられる時期です。
この時期は単身者よりも2人以上のファミリー世帯の引越しに向いています。
6月は2人暮らし向けの物件情報が、7月は2LDKなどファミリー世帯向けの物件情報がそれぞれ増える傾向があります。
9~10月に引っ越すときの注意点
9~10月は引越し業界の第2の繁忙期と言われることがありますが、3~4月ほどの混雑はありません。
転勤や秋入学のタイミングをずらせるのであればおすすめの時期です。
気候も安定していることが多く、引越し作業でかかる負担が少ないこともおすすめの理由に挙げられます。
11~12月に引っ越すときの注意点
11~12月に引っ越すのであれば、年末を避けることをおすすめします。
料金が高騰するということはないものの、Uターンラッシュなど交通渋滞に巻き込まれてしまい引越し作業が遅れてしまうことが考えられるためです。
また徐々に寒さが厳しくなり、日が落ちるのも早くなるので引っ越す時間帯にも注意しましょう。
引越しにかかる費用と手続きの例
引っ越すにはたくさんの費用を用意し、様々な手続きを完了させる必要があります。
引越し時にかかる費用と行うべき手続きの例を挙げますのでぜひご確認ください。
引越しに関する手続きについてもっと知りたい方はこちらもチェックしてください。
退去に伴って必要になる費用
退去時には以下の費用がかかります。
- 退去月の家賃
- ハウスクリーニングの料金
- 原状回復費用
ハウスクリーニング代や原状回復費用は、入居時に敷金を納めていた場合はそこから支払われます。
余った分は返してもらえるので普段から気をつけて生活しましょう。
引越し前に行う手続き
引越し前に行う手続きの例を以下に列挙します。
- 転出届の提出
- 電気・ガス・水道の契約変更
- インターネット契約の変更
ライフラインに関わる手続きにミスがあると快適な生活を送るのが難しくなります。
繁忙期では引越しの1~2か月前まで、通常期は1~2週間前までを目安に手続きを完了させましょう。
新居に入居するときに必要になる費用
新居に入居するときには以下の3つの費用が必要です。
- 物件の初期費用
- 引越し業者へ支払う作業料金
- 家具・家電の購入費
物件の初期費用は家賃の5~6ヶ月分が大まかな目安です。
引越し業者の作業料金は当日に現金で払うことが一般的であるため、用意を忘れないようにしましょう。
単身引越しで必要になる初期費用については関連記事に詳細があります。
引越し後に行う手続き
引越し後は主に住所変更の手続きをすることになります。例を以下に挙げます。
- 転居・転入届の提出
- マイナンバーカードの住所変更
- 運転免許証の住所変更
住所変更手続きには住民票を必要とすることが多いです。
転居・転入届を提出した日に新しい住所の住民票を何枚か取得しておくと他の手続きもスムーズに進むでしょう。
手続き内容を詳しく知りたい方は関連記事もご覧ください。
引越し業者を簡単に探せる一括見積もりサービスを使おう
ベストタイミングで引越しをしようとしても、引越し業者が見つからなければ実際に住まいを変えることは難しいでしょう。
引越し業者というとテレビCMなどで有名な大手業者を思い浮かべますが、中小規模の業者も数多くあります。
中小引越し業者は大手業者よりもリーズナブルな料金設定であることが多く、引越し料金を節約したい人にはおすすめです。
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