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引越し費用の総額はいくら?ケース別の料金を具体的に計算

最終更新日: 2024年10月24日

引越しには物件の初期費用や家具家電の購入費、引越し業者など多くのお金がかかります。予算のめどが立たないと引越しの計画が立てにくいですよね。

引越し費用の総額は、一人暮らしでは30万~100万円、2名以上の家族引越しでは50万~150万円が目安です。総額費用は敷金礼金や、家具家電の購入の有無によって大きく変動します。

各家庭のモデルケース別に、引越し費用の総額がいくらになるかを詳しく見ていきましょう。

引越し見積もりで費用をチェックする

引越しにかかる総額費用は3種類に分けられる

引越しにかかる費用は大きく分けると3種類あります。

  • 物件契約にかかわる費用:賃料の4~7か月分
  • 引越し業者の作業料:2万~20万円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費:2万~100万円

それぞれの詳細を見てみましょう。

物件契約にかかわる費用

引越しにかかる費用のうち、一番多い額を占めるのが物件の初期費用です。

初期費用には敷金・礼金、仲介手数料などさまざまな項目が含まれ、不動産会社や契約内容によって異なります。

一般的な項目を以下にまとめました。

 

【物件契約の初期費用に含まれる項目】

  • 賃料(入居月の家賃)
  • 共益費・管理費
  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 鍵交換代
  • 火災保険料
  • 家賃保証料
  • 部屋の消毒・クリーニング代
  • カギ・スペアキー代
  • サポートサービス利用料
  • 前家賃・日割り家賃

金額は、賃料の4か月~7か月分になることが多いです。

なお賃貸物件を退去するとき、損傷が多い場合には「現状回復費」も請求されます。

初期費用や退去費用は、以下でも詳しく解説しています。

引越し業者の作業料金

引っ越すときは引越し業者に依頼して新居まで荷物を運んでもらうことがほとんどです。

引越し業者といってもすぐに名前が浮かぶ大手業者から、地域密着型を含む中小業者まで、日本には4000もの業者があるといわれています。

どこに依頼するかによって作業料金は大きく変わるため、相見積もりをとって業者を選ぶことが重要です。

一般的には荷物量や移動距離で料金が決まります。近距離で荷物が少ない引越しなら2万~3万円、遠方への引越しだと10万~20万円が目安ですが、時期によっては30万円以上かかることもあります。

引越し業者へ支払う作業料金の相場を詳しく知りたい人は、関連記事もご覧ください。

家具・家電等生活にかかわるものの購入費用

引越しを機にベッドや机、冷蔵庫や洗濯機と言った家具家電を新しく買うのであれば、その購入代も計算しなければなりません。

洗剤やトイレットペーパー、掃除用具といった日用品の購入費用も必要です。現在実家や寮で暮らしている人は見落としがちなポイントのため、計算し忘れないように注意しましょう。

すべての家具家電や日用品を揃えるとなると単身引越しで20万円、家族引越しでは100万円ほどかかります。

新生活を始めるうえで必要なものを詳しく確認したい人は、以下の記事もチェックしてください。

その他、引越し先の下見にかかる交通費、住所変更の手続きに伴う郵送代も必要な場合があります。

1人暮らしの引越し費用の総額は30万~100万円

単身者は引越しをする世帯の中で最も多く、引っ越す理由も進学や就職、転職、単身赴任などさまざまです。

初期費用と引越し代のみなら30万~40万円で済みますが、家具家電を揃えるとなると100万円近くかかる場合があります。

単身者×県内(都内)で引越しする場合

東京23区内に住む人が、転職に伴い5月の半ばに引越しをしたという想定の総額費用を見ていきましょう。

【モデルケース】

  • 単身者の引越し(荷物量は1人分)
  • 移動距離:東京都荒川区→練馬区
  • 引越し時期:5月中旬
  • 新居の家賃:8.1万円
  • 家具・家電は再購入しない

この場合、引越し費用の総額は「48万6700円」になりました

 

【総額費用の内訳】

  • 賃料:8万1000円
  • 共益費・管理費:5000円
  • 敷金:8万1000円(賃料の1ヶ月分)
  • 礼金:8万1000円(賃料の1ヶ月分)
  • 仲介手数料:4万500円(賃料の0.5ヶ月分)
  • 鍵交換代:1万5000円
  • 火災保険料:2万円(2年分)
  • 家賃保証料:1万5000円
  • 部屋のクリーニング代:3万円
  • カギ・スペアキー代:5000円
  • サポートサービス利用料:1万円
  • 前家賃・日割り家賃:2万6500円
  • 退去費用:4万円
  • 引越し業者の作業料:2万6200円
  • キッチン用品・食器の買い足し:5000円
  • トイレ・バス用品の買い足し:3000円
  • 日用品・消耗品の買い足し:1万円

東京都内は他地域と比べて単身者向けの物件であっても月々の賃料が高額な傾向です。

そのため賃料をもとに計算される敷金や礼金、仲介手数料などの費用も高く、物件の初期費用が総額のほとんどを占めることになるでしょう。

単身者×県外・別地方へ引越しする場合

就職に伴い、兵庫県から千葉県へ引っ越すケースを例に総額費用を算出しました。就職先は東京都ですが、家賃の関係で新居は千葉県という想定です。

【モデルケース】

  • 単身者の引越し(荷物量は1人分)
  • 移動距離:兵庫県尼崎市→千葉県船橋市
  • 引越し時期:3月末
  • 新居の家賃:6.5万円
  • 家具・家電を一から揃える

越し費用の総額は「62万1500円」になりました。今回は500kmほどの長距離引越しですが、運搬する荷物が少ない点を踏まえ単身パックやミニ引越しといった安いプランを利用することを想定しています。

【総額費用の内訳】

  • 賃料:6万5000円
  • 共益費・管理費:5000円
  • 敷金:6万5000円(賃料の1ヶ月分)
  • 礼金:6万5000円(賃料の1ヶ月分)
  • 仲介手数料:3万2500円(賃料の0.5ヶ月分)
  • 鍵交換代:1万5000円
  • 火災保険料:2万円(2年分)
  • 家賃保証料:1万5000円
  • 部屋のクリーニング代:3万円
  • カギ・スペアキー代:5000円
  • サポートサービス利用料:1万円
  • 前家賃・日割り家賃:2万1500円(引越し日が月末と仮定)
  • 引越し業者の作業料:8万円
  • 家具(ベッド、机、椅子、本棚):8万円
  • 家電(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機):10万円
  • キッチン用品・食器:1万円
  • カーテン・寝具類:1万円
  • トイレ・バス用品:5000円
  • 日用品・消耗品:5000円

今回は家具や家電を購入するケースで計算しましたが、旧居から持っていく場合は費用がかかりません。一方で、荷物量が多くなるため引越し業者の作業代が高くなるでしょう。

引越し先の下見に新居へ一度訪れている場合、往復で3万円ほどの交通費が追加で必要です。

2人暮らしの引越し費用の総額は50万~120万

現在同居している夫婦やカップル、これから同居・同棲を開始する人の引越し費用の総額は50万~120万円が目安です。

2人暮らしの場合、家賃にもよりますが物件の初期費用で40~50万円ほどかかります。家具や家電をすべて買い直す場合は追加で40万円~70万円は見ておく必要があるでしょう。

2人暮らし×同一市内で引越しする場合

東京都に住む社会人の2人が同棲やルームシェアを開始したケースでは、越し費用の総額は「87万5000円」となりました。

総額費用の内訳は、「物件契約にかかわる費用」「引越し業者の作業料」「家具・家電等、生活必需品の購入費」の3つにまとめて紹介します。

【モデルケース】

  • これから同居する2人
  • 移動距離:東京都練馬区→東京都世田谷区
  • 引越し時期:6月中旬
  • 新居の家賃:10.8万円
  • 家具・家電は一部買い換える

【総額費用の内訳】

  • 物件契約にかかわる費用:53万4000円
  • 引越し業者の作業料:5万2400円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費:28万8500円

引越し業者の作業料は、15km以内の近距離1人分の費用×2で計算しました。2人が別々の場所から同じ場所へ引っ越す場合、同日なら2つの家に寄ってくれる「立ち寄りプラン」の利用も安くておすすめです。

同棲の開始時は、お互いが使っていたものを持ち寄ると家具や家電の購入費を抑えられます。今回は机・椅子・冷蔵庫・洗濯機・カーテンのみを新調する想定で計算しました。

2人暮らし×県外・別地方へ引越しする場合

現在東京都で2人暮らしをしている夫婦が、夫の転勤により大阪に移り住むことになったケースを見ていきましょう。引越しの総額費用は「69万6800円」です。

【モデルケース】

  • 2人暮らしの夫婦
  • 移動距離:東京都大田区→大阪府大阪市
  • 引越し時期:3月中旬
  • 新居の家賃:8万円
  • 家具・家電はすべて持っていく

【総額費用の内訳】

  • 物件契約にかかわる費用:48万円
  • 引越し業者の作業料19万6800円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費:2万円

今回は家具家電を買い換えない想定で計算しました。新居で使うトイレットペーパーやキッチン用品など、生活必需品の買い足しは必要です。

引越し先へ下見にいった場合には、新幹線代が追加で3万円ほどかかります。

3人家族の引越し費用の総額は60万~130万円

3人で暮らせるファミリー向けの物件は広さもあり、賃料が高くなる傾向があります。総額費用は60万~130万円を見ておきましょう

すべての家具家電を買い換える場合は少ないと思いますが、部屋の広さに合わせて一部新調したり、子ども用の家具を買い足したりケースがあります。

3人家族×県内引越しする場合

小さな子どものいる家族が、より住みやすい地域へ引っ越す場合を想定しました。総額費用の目安は「80万6000円」です。

【モデルケース】

  • 3人家族(夫婦+乳幼児)
  • 移動距離:埼玉県和光市→埼玉県浦和市
  • 引越し時期:9月
  • 新居の家賃:14万円
  • 家具・家電は一部買い換える

【総額費用の内訳】

  • 物件契約にかかわる費用:61万円
  • 引越し業者の作業料:5万1000円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費:14万5000円

家具家電等の用品は、子ども用ベッドやマットレス、その他一部の家具のみ買い換えている想定です。

小さな子どものいる家庭は、子どもの成長に合わせて椅子や机、洋服などを買い換えます。なるべく初期費用を抑えて今後に備えると良いでしょう。

3人家族×県外・別地方へ引越しする場合

家庭の事情や転勤で、子どもと一緒に県外や遠方へ引っ越すこともあるでしょう。家族で妻の地元へ移り住むケースを例として、総額費用を算出しました。合計金額は「120万800円」です。

【モデルケース】

  • 3人家族(夫婦+小学生)
  • 移動距離:愛知県名古屋市→茨城県つくば市
  • 引越し時期:5月
  • 新居の家賃:9万円
  • 家具・家電はほぼ買い換える

【総額費用の内訳】

  • 物件契約にかかわる費用:44万円
  • 引越し業者の作業料13万800円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費:63万円

家具や家電は、比較的安価なダイニングセット、ソファ、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジや炊飯器、カーテンを買い換えることを想定しています。

4人家族の引越し費用の総額は70万~150万円

4人家族が引っ越すときは、子どもの成長に合わせてより広い家に移り住む、夫の転勤に伴い移動するといったケースが多いです。

4人家族の場合も、初期費用や家具購入費用によって引越し費用が大きく変動します。総額70万~150万円が目安です。

4人家族×県内で引越しする場合

小学生が2人いる4人家族が、隣の市に引っ越すケースを例に確認しましょう。総額費用は「102万3900円」になりました。

【モデルケース】

  • 4人家族(両親+小学生2人)
  • 移動距離:千葉県浦安市→千葉県松戸市
  • 引越し時期:6月下旬
  • 新居の家賃:14万5000円
  • 家具家電等を一部買い替え

【総額費用の内訳】

  • 物件契約にかかわる費用:59万6500円
  • 引越し業者の作業料:4万7400円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費: 38万円

家具家電等の購入費は、ダイニングテーブル、ソファ、カーペット、マットレスの買い替えを想定しました。

4人家族×県外・別地方へ引越しする場合

夫婦2人、中学生と小学生の子供1人ずつがいる4人家族が、夫の転勤により遠方へ引越すケースもあります。総額費用は「115万300円」になりました。

 【モデルケース】

  • 4人家族(両親+中学生・小学生2人)
  • 移動距離:兵庫県伊丹市→神奈川県川崎市
  • 引越し時期:3月下旬
  • 新居の家賃:19万4000円
  • 家具や家電は買い換えない

 【総額費用の内訳】

  • 物件契約にかかわる費用:83万円
  • 引越し業者の作業料:22万300円
  • 家具・家電等、生活必需品の購入費:10万円

家具や家電はほとんど買い換えず、一部の生活用品や新居に合わせたラグやカーテンのみを新調する場合を想定しています。

新居に合わせて冷蔵庫や洗濯機を新しくしたり、子ども用のグッズを購入したりすると追加で数十万円かかるでしょう。

なお借り上げ社宅で初期費用が会社負担の場合、総額を大幅に減らせます。

引越し費用の総額を安くする方法

シミュレーション結果からわかるように、引越しでは人数にかかわらず多額の費用がかかります。

これから紹介する節約のコツを活用して引越し費用の総額を安く済ませましょう。

引越し業者代を安く済ませる方法をもっと知りたい方は下記の記事もご覧ください。

賃料の安い物件を探す

引越し費用のうち大きなウエイトを占めるのが賃貸物件の初期費用です。

初期費用は月々の賃料を基準に算出される項目が多いため、賃料が安い物件を契約すれば引越し費用を抑えられます。

しかしながら賃料が安い物件は築年数が古かったり、駅までの距離が遠かったりなど安くなるだけの理由があります。

物件の条件や周辺環境などを総合的に判断して物件選びをしましょう。

家賃が高いかも?と思った方は以下の記事をチェックし、自分の収入に適した家賃がいくらくらいかを確認してみてください。

礼金がかからない物件を探す

多くの賃貸物件では大家さんや物件の持ち主に対し礼金を支払います。

敷金・礼金とひとまとめにされることが多いですが、敷金と礼金は大きく性質が異なるものです。

敷金は家賃納入が遅延した場合や退去時のハウスクリーニング等に充填するために預け入れるもので、退去時にいくらか返還される可能性のある費用です。

礼金はお礼として納入するもので退去時に返還されません。

礼金は1か月分の賃料を納めることが多いので、礼金0円の物件であれば1か月分の賃料が丸々浮き、引越し費用の節約につながります。

いらない物を処分し運ぶ荷物を減らす

引越し料金を決定する要素の1つが運ぶ荷物の量です。

荷物が少なければ軽トラックでも運びきれますが、荷物が多いと2トントラックなど大きなトラックで運ぶことになります。

大きなトラックは車体の重さなどの理由から多くの燃料費を必要とします。

また荷物量が多いと作業スタッフを多めに派遣するなど人件費もかさむでしょう。

新居で使わないものは処分して引越し料金を節約しましょう。

いらないものは不用品回収業者に引き取ってもらえば比較的安価に処分できますよ。

不用品回収業者を探す

引越し業者を一括見積もりで探す

引越し費用の総額に占める割合は少ないものの、引越し業者へ支払う作業料金も節約すると良いでしょう。

引越し業者を探すときは一括見積もりサイトを活用しましょう。

一括見積もりをサイトを使うと、引越し業者は他社見積もりを意識した金額を提示します。

初めから安い見積金額が提示されるため、価格交渉の手間を軽くできます。

引越し業者を一括見積もりで探す

助成金等が利用できないか確認する

新婚世帯や子育て世帯が引っ越すのであれば、引越し先の自治体に引越しの補助をする助成金があるかを確認しましょう。

助成金の情報は自治体の公式サイトから確認できます。

引越し先の自治体名と助成金、補助金などのキーワードで検索すると効率よく該当のページを探せますよ。

引越しに関する助成金がある自治体

引越しで使える助成金・給付金について詳しく知りたい方は関連記事もご覧ください。

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引越し費用の総額は、引越し業者代を安くすることでも抑えられます。

一方で、安さのみを重視してしまうと接客や運搬の技術面で後悔するかもしれません。

引越し業者を選ぶ時は、金額のみではなく業者のサービス内容や評判も確認するのがおすすめです。

ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで、最大5つの引越し業者から見積もりが届きます。

料金と合わせて口コミもチェックできるので、安くて安心できる引越し業者を見つけられます。

やりとりはチャットで始められ、営業電話もかかってこないので安心です。

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