引越しの際、なるべく安い価格で引越し業者を選ぶには「相見積もり」がおすすめです。複数の引越し業者から提示された料金の差を比較すれば、納得してサービスを受けられます。
今回は引越しに必要な見積もりのやり方や、費用を安く抑えるポイントについて解説します。
なぜ引越しの見積もりが必要なのか?
引越し業者による見積もりが行われる理由は、引越し当日にかかる費用を算出するにあたって、部屋の様子や荷物量、作業員の人数といった情報を正確に把握するためです。部屋の間取りや建物の設備などを調べることで、引越し当日に作業や料金で依頼主とトラブルが起こらないように見積もりを行っています。
引越しをする際の見積もりのやり方
引越し業者に見積もりを依頼するやり方として、一括見積もりや業者の見積もりサイトを含むオンラインをはじめ、訪問やZOOMなどのビデオ通話を含む電話、メールの4種類があります。これらのやり方次第で引越しの見積もり料金が変わるほか、引越し業者からの営業電話や勧誘メールの有無も変わってくるでしょう。具体的なやり方のポイントは下記のとおりです。
正確な料金計算 | 時間の短縮 | 自宅への訪問不要 | 営業電話無 | 勧誘メール無 | |
オンラインでの一括見積もり | △ | 〇 | 〇 | △ | △ |
引越し業者の見積もりサイト | △ | △ | △ | △ | △ |
訪問見積もり | 〇 | △ | × | 〇 | 〇 |
電話見積もり | △ | 〇 | △ | × | 〇 |
メール見積もり | △ | 〇 | △ | △ | × |
リモート見積もり |
△ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
オンラインでの一括見積もり
複数の引越し業者が登録されているサイトを通して、条件に合った業者から一度に見積もりを取るやり方です。荷物の量や引越しの日時といった必要な情報を入力すると、引越し業者が自宅へ訪問することなく、オンラインで複数の業者から見積もりが取れます。
個別に依頼するよりも手間が省けるため、効率よく正確な引越し料金を把握できる一方で、複数の引越し業者から届く見積もりに目を通さないといけません。またサービスによっては、頻繁に営業電話や勧誘メールが届き、業者の品質が担保されづらくなる可能性があるので注意しましょう。
主にメールアドレスのみ登録すれば利用できるサイトや、簡単な質問に答えると複数の引越し業者から相見積もりが取れるサイトがあります。たとえばミツモアでは、パソコンやスマートフォンで引越しに必要な情報を入力すると、自動で最大5件の引越し業者から条件に合う見積もりが届きます。引越し業者から営業電話や勧誘メールは送られてこないため、慎重に引越し業者を選べるでしょう。
引越し業者の見積もりサイト
引越し業者のWebサイトから直接見積もりを取るやり方です。引越し業者によって異なりますが、ヤマトホームコンビニエンスやアップル引越センターのように訪問見積もりはなく、Webサイトのみで完結できるサービスがあります。
ただし一括見積もりサイトのように複数の引越し業者から同時に見積もりを取れず、1社ごとに見積もりを取らないといけません。またWebサイトで見積もりを取っても、概算しか出さず訪問見積もりで正確な引越し料金を出す業者や、見積もりを依頼した後に電話やメールで勧誘する業者がいるので気をつけましょう。
訪問見積もり
引越し業者の営業担当者が自宅に訪問し、荷物の量や引越し先の環境、利用するサービスなどの情報を確認しながら見積もりを依頼します。正確な引越し料金が出しやすく、不明な点や困ったことがあれば気軽に相談できる一方で、必ず立ち会わないといけません。見積もりを依頼する業者が多いほど時間がかかるほか、訪問見積もり後に勧誘目的で電話をかけたり、メールを送ったりする業者もいます。
具体的には日本通運やサカイ引越センターなど、大手を含む数多くの引越し業者が提供しています。
電話見積もり
直接引越し業者に電話して見積もりを依頼するやり方です。約20分~30分かけて荷物の量や引越しの時期などを伝えていきます。日程を調整することなく、電話をかけたタイミングで対応してもらえるほか、部屋の中を見られる心配はありません。ただし引越し料金を割高に設定する可能性があります。依頼者からヒアリングした内容に基づいて見積もりを取っており、荷物の誤差や申告漏れにも対応するためです。あわせて営業電話をかけてくる引越し業者もいるので、注意しましょう。
電話見積もりを提供する引越し業者は、主にサカイ引越センターをはじめとした大手業者や中小の引越し業者です。
メール見積もり
メールで引越し業者に見積もりを依頼するやり方です。自宅に担当者が訪問することなく、24時間いつでも申し込めるので、効率よく進められます。ただし電話見積もりと同様、ただし引越し料金を割高に設定する可能性があるほか、勧誘メールを送ってくる業者がいます。また荷物の量や料金など、細かい情報を伝えにくかったり、質問しづらいケースもあるので気をつけましょう。
主にケーエー引越センターやアート引越センターといった引越し業者がメール見積もりに対応しています。
リモート見積もり
ZOOMをはじめとしたビデオ通話を使って引越し見積もりをとるやり方です。依頼主の都合にあわせて希望の日時に見積もりを依頼できるため、自宅への訪問見積もりによる時間や負担を軽減できます。見積もりを取った後、勧誘目的で電話をかけたり、メールを送ったりすることはありません。
引越し見積もりを依頼するときの手順
引越し業者に見積もりを依頼する際、下記のような手順で相見積もりを依頼することが大切です。
直接引越し業者へ見積もりを依頼する
引越しが決まったら、引越し予定日の1か月前までを目標に見積もりを依頼しましょう。特に3月~4月の繁忙期に引越しをしたい人は、2か月以上前に依頼することをおすすめします。
なおミツモアの利用者に行ったアンケート調査によると、引越し業者に見積もりを依頼したタイミングについて最も多かったのは、「2週間前から1か月前」で単身世帯は36.3%、家族世帯は43.3%という回答結果になりました。
訪問や電話、メールを通して見積もりを出してもらう
見積もりを依頼した後、担当者から折り返し電話またはメールで連絡が入ります。引越しをする人の状況にあわせて見積もりを出してもらえますが、荷物の量が多い人や家族で引越しをする場合は、訪問見積もりを利用するといいでしょう。
また複数の引越し業者に依頼したい場合は、オンラインでの一括見積もりサービスを利用しましょう。指定されたフォームに引越しに関する必要な情報を入力して送信した後、短時間で複数の業者から見積もりの概算を受け取れます。
引越し業者の候補を絞る
見積もりを出してもらった後、金額やスケジュール、作業スタッフの人数などを比較して引越し業者を絞ります。時間帯や家具の組み立て費用、サービス内容、満足度の高さなどを考慮したうえで選ぶようにしましょう。
訪問見積もり当日の流れ
オンラインでの一括見積もりサービスで算出した見積もりはあくまでも概算です。引越し当日に想定外の作業が発生すると、想定よりも高めの見積もりを算出してしまうことがあります。こういった事態を避けるためにも、自宅に訪問して正確な見積もりを出してもらうようにしましょう。訪問見積もり当日の具体的な流れを解説します。
訪問見積もりの前に部屋の片付けをする
訪問見積もりを行なう際、部屋の中が散らかっていると正確に荷物の量を計算できません。引越し業者が自宅に訪問する時間までに部屋の荷物を整理し、掃除をしておきましょう。あまりにも散らかっていたり、汚れたりすると引越し業者から依頼を断られる場合があります。
クローゼットや部屋の扉を開けておく
荷物の量を確認するとき、荷物が置いてある部屋とすべての収納を確認します。スムーズに作業ができるように押し入れやクローゼット、部屋の扉を開けておきましょう。あわせて業者に見られたくない荷物がある場合は、口頭で担当者に伝えておきます。
詳細な引越し内容を伝える
自宅に担当者が来たら、観葉植物や楽器など、特殊な荷物の有無を確認したうえで荷物の量を確認します。新居に運ぶ荷物を伝え漏れてしまうと、当日引越しができなくなったり、追加料金が発生する可能性があるので、正確に伝えるようにしましょう。あわせて希望する引越しの日にちや依頼する作業内容も詳細に伝えます。
引越し作業について説明を受けた後、見積書の作成を依頼
荷物量の確認とヒアリングを行なった後、担当者から当日の作業内容について説明します。その後「標準約款約款」と見積もり金額を確認して問題がなければ、見積書の作成を依頼しましょう。これまでに確認した内容の説明を受け、受諾した後に契約を締結します。
引越し費用を安く抑えるポイント
引越し業者に見積もりを依頼する際、少しでも費用を安く抑えたいと考えている人は下記のポイントを意識してみるといいでしょう。
引越しの相場を事前に確認しておく
引越し料金は閑散期(5月~1月頃)と繁忙期(3月~4月頃)によって料金が異なります。繫忙期は進学や就職で新生活を始める人が多くなるため、通常よりも引越し料金が高くなります。少しでも安く抑えたいなら、人の動きが落ち着く閑散期に見積もりを依頼しましょう。
荷物の量を減らしておく
引越し料金は距離や時期だけでなく、荷物の量によって変動します。当日使用するトラックのサイズや作業スタッフの人数も料金に直結するため、新居に持っていく荷物の量を減らせば、料金を安く抑えられるでしょう。
値切り交渉ができる業者か確認しておく
引越しの見積もりの際、業者によっては引越し料金の交渉ができます。オンラインでの一括見積もりサービスで複数の業者に依頼するときは、料金の値切り交渉ができるかどうか確認しておくといいでしょう。事前に相見積もりであることを伝えておけば、他社よりも少しでも安い料金を提示する場合があるため、お得に引越しを依頼しやすくなるかもしれません。
また第一希望の業者が決まっている場合、他社からの見積もり価格を提示された段階で交渉できるため、最後に見積もりを依頼しましょう。
見積もり提示後、返答を待ってもらえる業者か確認しておく
複数の引越し業者から見積もりを提示した後、即決してしまうと相見積もりを取った意味がなくなってしまいます。すべての業者から見積もりを受け取り、比較したうえで依頼する業者を決める必要があるため、すぐに返答を求めない業者かどうか、確認しておくといいでしょう。
オンラインの一括見積もりで最適な引越し業者を選ぼう
引越し業者に見積もりを依頼するとき、スムーズに探したいならオンラインでの一括見積もりサービスを利用して最適な業者を選ぶのがおすすめです。良心的な価格で丁寧に説明してもらえる業者を見つけて、引越しの準備を進めましょう。