引っ越し業者を選ぶうえで最適なのは、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」です。
料金が高い業者を回避するのに有効な方法で、一括見積もりサイトを利用すれば、必要事項を入力するだけで複数の業者から提示した見積もりを比較でき、依頼者の希望に合った引っ越し業者を選べます。
限られた時間や予算をムダにしないためにも、相見積もりの具体的な進め方や上手な交渉術を理解しておきましょう。
引っ越し相見積もりで料金が安くなる3つの理由
相見積もりで引っ越し業者から見積もりを取ると料金が安くなる理由は、以下3つです。
1.引っ越し料金の相場を把握できるから
引っ越し料金は主に荷物の量や新居までの移動距離、時期などによって変わるのが特徴です。1社だけ見積もりを取っても適正な価格がわからず、料金交渉がしにくくなります。
相見積もりをすれば、複数の業者による見積もりを比較でき、相場よりも高い価格を把握できるだけでなく、引っ越しにかかる適正料金を把握できます。
2.引っ越し業者との交渉を有利に進められるから
相見積もりで引っ越し料金の適正価格を把握すれば、業者との交渉を有利に進められるのも安くなる理由のひとつです。
「他の引っ越し業者のほうが安かった」と見積もり時に伝えるだけで、他社よりも安い金額を提示するため、価格交渉が有利に進められやすくなります。
3.引っ越し業者のサービス内容を比較できるから
料金だけでなく、ダンボールをはじめとした梱包資材やオプションサービスの有無、補償制度といったサービス内容も引っ越し業者によって異なります。
たとえば、洗濯機や冷蔵庫などの大型家電・家具の取り外し・設置が有償、または無償のところもあり、料金を含めて比較することでニーズに合った業者を選べるでしょう。
引っ越し相見積もりを手間なく取るやり方
引っ越し業者による相見積もりを手間をかけずに取るには、事前準備とやり方を理解することが大切です。大まかな流れは、下記のとおりです。
1.引っ越し日時を決める
相見積もりを依頼する前に引っ越し日時を決めましょう。入退去時に無駄な出費が発生しないように以下のポイントを踏まえて、日時を決めることが大切です。
引越し日時を決めるポイント
- 退去日から3~7日前後に設定する(退去時の清掃や忘れものを取りに行けるため)
- 契約上の入居日と実際に入居する日が離れないようにする
退去日と入居日がかぶってしまうと、落ち着いて荷造りや荷ほどきができなくなるので、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
2.荷物量や依頼内容を含めた情報を把握しておく
ダンボールの個数や大型家具・家電がどれくらいあるのか確認します。「引っ越し先に持っていく荷物」と「処分する荷物」に分けておくと手間なく見積もりが取れるでしょう。
あわせて以下の情報も相見積もりを取る前に把握しておくことが大切です。
引っ越しの相見積もり時に必要な情報
- 旧居と新居の住所
- 階数と部屋の間取り
- エレベーターの有無
- トラックが止められる場所
- 梱包作業の有無 など
あわせて荷物の搬出入や運搬だけでなく、家電の取り外しや設置、家具の解体・組み立てといった作業を有償で引き受ける業者もあるため、依頼したい作業も決めておきましょう。
3.引っ越しの一括見積もりサイトで見積もりを取る
引っ越し日時や依頼内容を含めた情報を確認したら、引っ越し一括見積もりサイトで複数の業者から見積もりを取ります。依頼する際、必ず同じ条件で出してもらうようにしましょう。
依頼者は情報を一度入力するのみで相見積もりができ、一般的な流れは下記の手順です。
引っ越しの一括見積もりサイトで相見積もりする流れ
- 利用する引っ越し一括見積もりサイトを選ぶ
- 住所や引越し日、運びたい荷物など必要情報を入力
- 申し込みボタンなどを押して見積もり依頼
- 複数の引越し業者から、メールや電話で見積もりが届く
引っ越しの一括見積もりサイトは手間なく相見積もりができる一方で、引っ越し業者から営業電話がかかったり、大量のメールを送られたりするサイトがあります。
「営業電話を避けたい」「料金だけ知りたい」人は、チャットでやり取りが完結できるサイトを利用しましょう。
4.重要視するポイントを明確にして2~5社に絞る
見積書が揃ったら、料金やサービス内容を比較したうえで2〜5社に絞りましょう。業者を比較するうえで、以下のような表にまとめておくとわかりやすいです。
相見積もりによる引っ越し業者比較表の例
引っ越し業者 | 料金 | オプションサービス | 口コミ評価 |
---|---|---|---|
A社 | 70,000円 | 梱包資材無料 | ★★★★☆ |
B社 | 65,000円 | エアコン取り外し料金割引 | ★★★☆☆ |
C社 | 75,000円 | ダンボール回収サービス | ★★★★★ |
料金だけでなく、作業内容やオプションサービス、口コミ評価など、重要視するポイントを明確にしたうえで比較すると、深く考えることなく自分にあった引っ越し業者を選べるでしょう。
なお一括見積もりサイトで見積もりを出した後、依頼するつもりのない引っ越し業者に断りの連絡を入れる必要はありません。
5.依頼したい引っ越し業者を決める
2〜5社に絞って見積もりを比較したら、依頼したい引っ越し業者を1社に絞ります。電話やメールで契約する旨を連絡すれば予約完了です。
依頼しない引っ越し業者には、コールセンターやメールなどでキャンセルの連絡をすることを忘れないようにしましょう。
引っ越し相見積もりでさらに安くする5つのコツ
引っ越しの相見積もりを取るとき、さらに料金を安くするコツを知っておくと数千円から数万円の差が出る可能性があります。具体的なコツは、下記5つです。
1.繁忙期以外の日時に調整する
引っ越しの日時を決めるとき、料金を少しでも安く抑えたい場合は、できる限り通常期(5〜1月)や平日に日程をずらしたり、午後またはフリー便の時間帯で見積もりを依頼しましょう。
就職や進学などをきっかけに引っ越す人が多い繁忙期(2〜4月)をはじめ、土日祝日や午前中の時間帯は需要が多く、料金が高くなりやすい傾向です。
引越し日時を決める際のポイント
- 日程は繁忙期(2~4月)を避けて通常期(5~1月)にする
- 「午前便」よりも「午後便」、または「フリー便」の時間帯にする
業者によっては閑散期に料金の値下げ交渉ができるケースもあり、20〜30%抑えた金額で引っ越せる可能性もあります。
2.荷物量を減らす
ダンボールの個数や大型家具・家電の数を把握できたら、相見積もりを取る前に不要な荷物を処分したり、リサイクルショップで売却したりして荷物量を減らしましょう。
荷物量の減らし方の例
- 2年以上着ていない洋服や雑貨などはリサイクルショップに売却する
- 今後使用するかわからないものは処分する
- 引っ越し予定日の1か月前から日用品の買い置きはしない など
荷物量を少なくした状況で見積もりを取ると、条件によっては通常のプランよりも料金が安い「単身パック」や「ミニ引っ越しプラン」で引っ越せる可能性があります。
3.できる限りオプションサービスを利用しない
引っ越し業者から相見積もりを取るとき、有償のオプションサービスはできる限り利用しないことも安くするコツのひとつです。具体的には、下記のようなことを行いましょう。
引っ越し業者のオプションサービスを減らすコツ
- 荷造りや荷ほどきは自分たちで行う
- 自家用車やバイクは自分で引っ越し先まで運転する
- 耐震マットをはじめとした防震グッズは100円ショップで買う など
サービスの内容によって変わりますが、数千円から数万円抑えられる可能性があります。
4.平日の日中に値引き交渉する
引っ越しの相見積もりを取った後、料金やサービス内容を比較したうえで値引き交渉するのも選択肢に入れておきましょう。
引っ越し業者と値引き交渉するポイント
- 相見積もりを取るとき、希望よりも少し高めの金額を伝える
- 交渉する時期は平日で日中の時間帯に行う
- 他社と相見積もりを取っていることを伝えたうえで交渉する
ただし、やみくもに価格だけを下げると、サービスの品質に影響を与えるケースもあるため、バランスを見ながら交渉することが大切です。
5.訪問見積もりする場合、希望の業者は1番最後の日にする
引っ越し業者によってはオンラインで相見積もりを取った後、直接自宅へ訪問して間取りや荷物量などを確認して見積もりを作成するところがあります。
2〜3社まで引っ越し業者を絞った後、契約を考えている業者を最後に訪問してもらうように日程を調整しましょう。
最初の業者からもらった見積書をもとに、最後の業者と交渉することで、料金の値下げやより良いサービスを受けられる可能性があります。
相見積もりで引っ越し業者を1社に絞る際の注意点
相見積もりで契約したい引っ越し業者を1社に絞るにあたって、すぐには契約をせず、以下3つのポイントに注意しましょう。
1.料金の内訳を明確に記載されているか確認する
見積書に記載されている料金の内訳を確認しましょう。何にどんなお金がかかるのかが明確にわかれば、当日に作業の依頼をし忘れたり、トラックに荷物が載りきらないといったトラブルを防げます。
見積書に記載される内訳の一例
- 作業員料:2人分 22,000円
- 階段の上り下り:3階分 3,000円
- 交通費:25km分 2,500円
- 駐車場代:無料
- 荷物の運搬料
- ベッドフレーム:1個 × 700円 =700円
- 2ドア冷蔵庫:1個× 1000円 =1,000円
- ダンボール:10個× 110円 =1,100円
- オプション作業料
- 家具の解体:1個 × 1,050円 =1,050円
- 家具の組立:1個 × 1,050円 =1,050円
実際の依頼では本棚や電子レンジといった運ぶ荷物の項目がより多くなるでしょう。あわせて、エアコン取り外し工事をはじめとしたオプションサービスの料金や作業スタッフの人数、トラックのサイズも記載されています。
2.キャンセルや日程変更時の約款を確認する
引っ越し業者と契約した後、何らかの理由でキャンセルや日程変更を行うと、申し出た日にちによってはキャンセル料が発生します。見積書だけでなく、各業者の「標準引越運送約款」で解約手数料や延期手数料の発生日と金額を確認しましょう。
あわせて引っ越し当日に予想していた荷物量が多かったり、トラックを駐車するスペースがなくて駐車場に停めなければならないときは、追加料金が発生することがあるので注意しましょう。
3.口コミ評価や評判を調べる
相見積もりで引っ越し業者と契約する際、料金やサービス内容だけでなく、事前に口コミや評判を調べることも大切です。口コミが多く評価が高い業者は、サービスの質や信頼性が高い一方で、内容を精査したうえで契約するか判断しましょう。
なお、メール返信の早さや電話対応といった接客態度、手際の良さも判断材料にするのもおすすめです。
相見積もりで安い引越し業者を探すならミツモア
相見積もりで引っ越し業者を決めるのは、なるべく料金を抑えてお得なサービスで引っ越したいときに有効な手段です。
料金の安さだけでなく、作業内容やオプションサービス、口コミなどの情報を総合的に判断したうえで引っ越し業者を選びましょう。
ミツモアなら大型荷物の個数や引っ越し先の情報など、簡単な質問に答えるだけで最大5つの業者から見積もりが届きます。届いた後も業者からの営業電話やメールはなく、料金や口コミなどの情報を比較したうえで冷静に判断できるので、安心して利用できるでしょう。