単身引越しや初めての一人暮らしなど、荷物量の少ない引越しでは、できるだけ費用を抑えたい人も多いのではないでしょうか。
引越しの荷物量が少ない場合、引越し業者へ依頼する以外にも、宅配便やレンタカーを利用するなど、さまざまな方法で費用を節約できます。
荷物が少ない引っ越しに最適な5つの方法を、それぞれの特徴やメリットとともに紹介します。
荷物の少ない引越しに適した方法5選
そもそも荷物が少ない引越しとは、どのくらいの荷物量を指すのでしょうか。「段ボール10箱以下」や「軽トラック1台分以下」と言われることもあり、認識は人によってさまざまです。
そこで荷物量と移動距離ごとに、料金を安く抑えられる最適な引越し方法をまとめました。
シチュエーション | おすすめの引越し方法 | 料金例(近距離) | 料金例(長距離) |
---|---|---|---|
ダンボール10箱以下 × 近~長距離の引越し | 宅配便 | 17,700円~ | 19,700円~ |
家具家電なし × 近距離の引越し | 自力で引越し | 6,000円~ | 37,280円~ |
家具家電あり × 近距離の引越し | 中小引越し業者 | 19,500円~ | 85,000円~ |
家具家電あり × 近~長距離の引越し | 単身者向け引越しパック | 23,100円~ | 33,000円~ |
家具家電あり × 近~長距離の引越し | ミニ引越しプラン | 9,900円~ | 要見積もり |
※一般的な宅配サービスや大手引越し業者のプラン、ミツモアの引越し料金をもとに作成
近距離の料金例は数駅先などの近場、長距離の料金例は東京から大阪など500km先の遠方へ引っ越したときの費用相場です。
引っ越す時期やお住まいのエリア、対応する業者によっても料金は変動するため、あくまで参考として確認しましょう。
【ダンボール10箱以下×近~長距離】宅配便
「初めて一人暮らしをする」「家具家電付き物件へ引っ越す」など、ダンボールに収まる荷物量のみなら宅配便を利用した引越しがオススメです。
ダンボール10箱程度であれば、引越し業者に依頼するよりも安く荷物を運搬できます。
宅配便は年間を通して運賃が変わらないので、料金が上がる3~4月の繁忙期に引っ越す必要があるときにも便利です。
宅配便を利用した引越しの料金相場
引越しで一般的に使う、120サイズのダンボールを10箱送った場合の料金例は以下の通りです。
業者名 | 1箱あたりの運賃 | 10箱の料金 |
---|---|---|
クロネコヤマト | 1,850円~ | 18,500円~ |
日本郵便(ゆうパック) | 1,770円~ | 17,700円~ |
佐川急便 | 2,180円~ | 21,800円~ |
※佐川急便のみ120サイズの設定がないため、140サイズの料金を記載
宅配便を利用して引っ越すときの料金は、送る荷物の個数と運賃で計算できます。たとえば送るダンボールが5箱のみであれば、1万円前後におさめられます。
運送料は公式サイトに明記されているため、何円かかるのか分かりやすいです。たとえば東京~大阪の長距離配送の場合、日本郵便なら1箱1970円、10箱で1万9700円で送れます。
こののち紹介する単身パックでも3万円以上かかるため、大幅に安く引っ越すことが可能です。
宅配便を利用した引越しが向いている人の特徴
- 洗濯機や冷蔵庫、ベッドなどの大型家具・家電がない
- 運ぶ荷物量はダンボール箱10箱以下
- 長距離の引越し
- 3~4月の引越し
宅配便を利用して運べる荷物の大きさの目安は、3辺合計が180cm以内かつ重さが20kg未満です。洗濯機や冷蔵庫、ベッドなど大型の家具・家電はこの条件から外れてしまうので運べません。
なお電子レンジなどの小型家電は、宅配会社が規定するサイズに収まっていれば配送できます。
宅配便は1年を通して運賃が変わらず、長距離への運送でも数100~1000円前後しか値上がりしないのが特徴です。
引越し業者の料金が高くなる3月~4月ごろの移動や、長距離引越しでとくに役立つでしょう。
引越しに利用できる宅配便業者は3社
引越し時に利用しやすい宅配業者はクロネコヤマト、日本郵便、佐川急便の3社です。3社は全国に営業所を置き、コンビニからの発送にも対応しているため気軽に利用できます。
それぞれの特徴を表にまとめました。
業者名 | 特徴 |
---|---|
クロネコヤマト |
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日本郵便(ゆうパック) |
|
佐川急便 |
|
宅配便で引っ越すときの注意点
宅配便を利用して引っ越すときは以下の3点に気をつけましょう。
- 荷物の到着は最短でも翌日
- 梱包資材を自力で調達しなければならない
- 荷物の破損・紛失等で補償されるのは30万円まで
宅配便で引越しの荷物を運ぶのであれば、シーズンオフの衣類や本、CDなどを優先しましょう。
当日に使うものは持ち歩くカバンに入れ、自分で運ぶようにすると当日に慌てることもありません。
宅配便引越しについて、より詳しい費用と方法は以下で解説しています。
【家具家電なし×近距離】自力で引越し
大型の家具家電はないものの、ダンボールに収まらない荷物がある場合は、車を使って自力で引っ越すのも手段のひとつです。
近距離への引越しでレンタカーを6時間借りる程度なら6000~1万円ほどのため、引越し業者よりも数万円安く引っ越せます。
一方、人手や時間がかかる点がデメリットです。新居や旧居が傷つかないよう配慮する必要があり、荷物量によっては2~3名の手伝いが必要になります。
自力引越しの料金相場
自力引越しには運搬のための車代が必要です。冷蔵庫や洗濯機、ベッドなどがなく、段ボール10~15箱と小型の家具のみであれば軽バンで十分でしょう。
自宅の車を利用すればもちろん車代はかかりません。レンタカーを借りる場合は、引越し作業に向いている車として挙げられることが多いトヨタのハイエースシリーズとダイハツ・ハイゼットカーゴがおすすめです。
ニッポンレンタカーでレンタルをしたときの料金は以下の通りです。
車種 | 6時間レンタル | 24時間レンタル |
---|---|---|
ハイエースロング(トヨタ) | 11,330円 | 17,270円 |
ハイゼットカード(ダイハツ) | 5,940円 | 8,360円 |
近隣へのへの引越しなら1日で終わるため、6時間のレンタル代で問題ありません。東京から大阪など運搬に2日かかるような場合は、レンタカー代にガソリン代、高速道路代を足して4万円ほどかかります。
そのほか梱包資材の調達費用(3000円程度)や、手伝ってくれた人への謝礼は用意しておきましょう。
自力での引越しが向いている人の特徴
- 洗濯機や冷蔵庫、ベッドなどの大型家具・家電がない
- 運びたいダンボールの数は20箱未満
- 車の運転に慣れている
- 引っ越し作業に丸1日かけられる
- 2~3人、手伝いの人を呼べる
自力で引っ越すとき、ネックとなるのが大型家具・家電の運搬です。冷蔵庫や洗濯機を無理に運ぶと、家財や物件に傷や汚れをつけてしまったり、運送中にケガをする可能性が上がったりします。
そのため自力の引越しは家具や家電が少量の場合におすすめできます。家具家電がある場合は、運搬補助のため2~3名手伝いの人を呼ぶ必要があるでしょう。
またすべての作業を自分で行うので、引越しに時間がかかります。1日~2日間、自由に使える時間がある人であれば問題ありません。
自力引越しの注意点
自分ですべての荷物の運搬をするので、壊れたり傷つけたりした場合も自己責任です。
車の運転や荷物の取り扱いに不安があるなら、宅急便やミニ引越しプランを使うことをおすすめします。
レンタカーでの自力引越しについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【家具家電あり×近距離】中小引越し業者
大型の家具・家電があり、自力での引越しも難しい人は中小引越し業者の利用がおすすめです。近場への引越しであれば、単身パックよりも安く依頼できることがあります。
中小引越し業者は知名度は大手業者に及びませんが、作業品質は大手と引けを取りません。対応エリア内であれば利用を検討するべき引越し方法です。
中小引越し業者の引越し料金相場
荷物が少ないダンボール15個以下の人が、中小の引越し業者に依頼したときの費用は以下の通りです。
距離/段ボール数 | 0~5個 | 6〜10個 | 11〜15個 |
---|---|---|---|
0~15km未満 | 19,500~26,500円 | 23,710~32,900円 | 29,900~37,000円 |
15~50km未満 | 19,800~27,200円 | 26,200~33,500円 | 33,3601~45,100円 |
50~200km未満 | 28,680~38,000円 | 33,000~41,710円 | 36,670~49,000円 |
200~500km未満 | 50,000~65,850円 | 59,000~76,200円 | 63,500~101,300円 |
500km~ | 110,000~113,500円 | 100,000~105,300円 | 85,000~110,800円 |
※ミツモアで実際に成約した引越し価格の中央値(集計期間:2022年4月1日~2024年3月31日)
家具家電あり+段ボール数10箱以内なら、2万円前後です。500km以上の長距離引越しの場合は、荷物量に関わらず10万円前後かかります。
中小の引越し業者の料金は業者によって大きく異なり、中には「引越し先が数駅先」など近場への引越しなら1万円程度で対応してくれる業者もいます。
中小引越し業者の利用が向いている人の特徴
- 近距離の引越し
- 荷物の運搬に手間をかけたくない
- 引越し料金を節約したい
「引越し料金を抑えたいけれど、自分で荷物を運ぶのは難しい」という人は中小引越し業者の利用が向いています。
中小引越し業者はネームバリューこそ大手業者に敵いませんが、大手引越し業者から独立した人もいて作業の質に大きな差はありません。
荷物の取り扱いに長けた人に運び込んでもらえるため、安心できます。
中小引越し業者利用時の注意点
中小引越し業者を利用するときは以下のポイントに注意しましょう。
- 追加料金が発生する条件
- 見積もりの不明点を質問する
- 質問に対して明快に答えているか
- 対応に誠実さが見られるか
- 補償の有無と補償金額
「ダンボールをプレゼント」など大手業者では無料のサービスでも、中小規模の業者ではコストカット等の理由から受けられないこともあります。さまざまなオプションサービスを受けたい方は満足できないかもしれません。
また中小の業者の場合、大手よりも接客の質が劣る可能性があります。事前に口コミを見て、当日までのやり取りや作業が十分満足できたかを確認しておくことが大切です。
【家具家電なし×近~長距離】引越し単身パック
単身者向け引越しパックとは、決まったサイズのボックスやコンテナに荷物を積み込み、他の人の荷物と同じトラックに載せて運ぶプランです。ボックスに収まる少ない荷物量なら近場で2万~3万円、長距離でも4万円前後から引っ越せます。
ボックスやコンテナのサイズは業者によって違いますが、縦170cm×横幅100cm×奥行100cmほどのサイズが多いです。
引越し単身パックの料金相場
単身者向け引越しパックのうち、評判の良い業者の料金を表にまとめました。
専用ボックス・コンテナに乗り切る分ならば定額で運んでくれるので料金計算がしやすいのが特徴です。
サービス名 | 料金(近距離) | 料金(長距離) |
---|---|---|
わたしの引越(ヤマトホームコンビニエンス) | 23,100円~ | 33,000円~ |
単身パックL(日本通運) | 29,700円~ | 41,800円~ |
単身者向け引越しパック利用が向いている人の特徴
- 長距離の引越し
- 見積もりや業者の比較に割く時間がない
進学や就職などで県や地方が変わるような長距離の引越しをする人は単身者向け引越しパックを使うとお得に引っ越せます。
専用のボックスやコンテナに積み切れる分の荷物を運ぶ積み切り型の契約なので、訪問見積もりも不要です。
単身者向け引越しパック利用時の注意点
単身者向け引越しパックを利用するときは追加料金が発生する条件に注意が必要です。
追加料金が発生する代表的な例と料金目安を表にまとめました。
夜間配達 | 2,000円~ |
土日・祝日の配達 | 2,000円~ |
繁忙期の配達 | 5,000円~ |
詳細は利用したい業者の公式サイトに記載されています。利用申し込みをする前に目を通すとよいでしょう。
引越しの単身パックについてより詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。
【家具家電あり×近~長距離】ミニ引越しプラン
ミニ引越しプランとは、主に大手の引越し業者が提供している単身で荷物が少ない人向けのプランです。
「現在の住居から車で片道30分程度」「日数がかかる場合がある」といった細かい規定が定められているものの、条件にあえばリーズナブルに引っ越せます。
大手業者が提供するサービスのため、ダンボールが無料など特典が充実していることも多いです。
ミニ引越しプランの料金相場
大手業者が提供するミニ引越しプランは、単身者向け引越しパックとは異なり、見積もり後に価格を提示するのが一般的です。
ミニ引越しプラン | 料金 | 利用条件 |
---|---|---|
ミニ引越し(アーク引越センター) | 要見積もり | ・1R~1LDK規模の家財量まで ・長距離プランも別途あり |
ミニトラック引越便(ハート引越センター) | 9,900円~ | ・同市内 ・東京23区内 |
アリさんマークの引越社 | 要見積もり | ・3畳ぐらいの広さに入る量まで |
カンガルー引越便(西濃運輸) | 要見積もり | ・記載なし |
赤帽ストライク運送 | 14,300円~ | ・記載なし |
ハート引越センターの最低金額が、23区内または同市内での引越しで9900円~です。他の業者に依頼するときも最低1万円はかかるつもりでいると良いでしょう。
条件によっては「安い」とは言い切れない場合もあるため、中小の引越し業者や附帯サービスも比較しながら確認することが大切です。
ミニ引越しプランの利用が向いている人の特徴
- 大型の家具・家電がある
- 家財の配置を任せたい
- 大手のサービスを安く受けたい
ミニ引越しプランは近距離の単身引越しを想定しています。
単身パックに積み切れないような荷物量がある人で、搬入後の家具の設置までお任せしたい場合におすすめです。
プランによってはダンボールを50枚無料でもらえたり、梱包から依頼できたりします。すべてプロに任せたい人、忙しくて引越し準備も時間がない人にも向いています。
単身パックとミニ引越しプランの違い
ミニ引越しプランと単身パックの1番大きな違いは、荷物の到着日です。
ミニ引越しプランは通常の引越しプランと同じく、チャーターしたトラックに荷物を積み込み、旧居から新居までダイレクトに運搬します。
単身パックは荷物を預けた翌日以降に配送するため、引越し日当日から新生活を始めることは難しいです。
ミニ引越しプランであれば1日で引越しを終えられるので体力的な負担も少ないでしょう。
ミニ引越しプラン利用時の注意点
ミニ引越しプランを利用するときは、荷物量の把握のために訪問見積もりが必要になるケースがあります。
見知らぬ他人を家に上げたくない人は注意が必要です。
荷物の少ない引越しをもっと安くする方法
基本的に荷物が少なければ安く引っ越せます。
とはいえどうせ同じ条件で引っ越すのならば、節約できる部分はとことん節約したいですよね。
荷物の少ない引越しをもっと安くするには以下4つの方法が有効です。
順にその方法やコツを確認しましょう。
引越しを安く済ませる方法をもっと知りたい方はこちらの記事もチェックしてください。
相見積もりをとって業者を比較する
引越し業者に依頼するのであれば相見積もりを取って業者の比較検討をしましょう。
1社の見積もりだけでは相場観が分からず、その料金が妥当なのか判断できません。
一括見積もりサイトを利用すれば1回情報入力で複数社の見積もりを取れるので効率的です。
荷物をより減らす
運ぶ荷物を減らすのは労力・費用を削減する最も有効な手段です。
荷物を少なくするために以下の方法を試してみましょう。
- 本やCDなど重量が増えやすい荷物は積極的に処分・売却する
- 1年以上使用しなかったものは捨てる
- 5年近く使用している家具・家電は引越し先で買い替える
- 分解できる家具はなるべく分解しておく
複数の方法を組み合わせて引っ越す
長距離の引越しになる場合、複数の引越し方法を組み合わせた方が安くなることがあります。
たとえば単身者向け引越しパックの荷物量をオーバーしてしまったときは他の方法との組み合わせが有効です。
宅配便を併用したり、自分で運んだりなど他の手段も組み合わせて引っ越しましょう。
繁忙期を避けて引っ越す
引越しの時期をある程度自由に決められるのなら、3~4月の繁忙期は引越し業者の利用を避けましょう。
3~4月の繁忙期は1年で最も引越し業者が忙しい時期で、料金も相応に高騰します。また業者の予約を取りづらい、作業の質が低くなりがちといった懸念点もあります。
ただし宅配便や自力引越しの料金は繁忙期でも変わりません。繁忙期に引っ越すしかない場合は、それぞれの方法を比較検討して安い手段を選びましょう。
引越し業者を探すときは一括見積もりを活用しよう
日本には中小規模の業者や企業専門業者もあわせると3,000もの引越し業者があります。
その中から自分にあった業者を見つけるのは一筋縄ではいきません。
一括見積もりサイトを使えば簡単に業者を見つけることができ、準備時間の短縮につながります。
ミツモアのように地域の業者が多数参加しているサービスであれば料金が安く、サービスの良い業者も見つけやすいですよ。