引越しは「荷物量、移動距離、引越し月」で料金が大きく変わります。特に荷物量は少ないほど、引越し料金は安く済みます。
もし運びたい荷物がすべてダンボール箱に収まるサイズならば、引越し業者ではなく宅配便を利用するともっと安く引っ越せるかもしれません。
宅配便の配送料と引越し料金の比較、宅配便引越しのメリットとデメリットをチェックし、お得に引っ越せる方法を選びましょう。
宅配便引越しに使える大手3社の宅配料金
数ある宅配業者のうち、引越しによる荷物の配送に使いやすいのは日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の3社です。
この3社は運送業界の中でもシェア率が非常に高く、全国各地に営業所があります。営業所が多いと旧居で荷物を発送するときだけではなく、新居で荷物を受け取るときも便利です。
例えば、横+縦+高さの合計サイズ別の「関東から関西まで」の配達料金表です。3社が提供している宅配便サービスの特徴や違いを確認しましょう。
サイズ | 日本郵便 | ヤマト運輸 | 佐川急便 |
140cm | 25kgまで2,300円 | 20kgまで2,310円 | 20kgまで2,310円 |
160cm | 25kgまで2,610円 | 25kgまで2,630円 | 30kgまで2,570円 |
180cm | - | 30kgまで3,730円 | 50kgまで3,660円 |
200cm | - | 30kgまで4,500円 | 50kgまで4,480円 |
※ミツモア調べ(2024年11月時点)
日本郵便「ゆうパック」
ゆうパックは日本郵便株式会社が提供している宅配サービスです。
ゆうパックで送れる荷物のサイズは、縦×横×高さの合計が170cm以下、重さ25kg未満のものです。重さが25kg以上30kg未満であれば重量ゆうパックが利用できます。
割引サービスも充実しており、引越しで利用することを考えると複数口割引が魅力的です。
同じ種類・宛先の荷物を2個以上発送することで、1個あたり60円の割引が適用されます。さらに荷物を郵便局で発送することで1個あたり120円の持込割引が適用されます。
持込割引とは併用できないものの、ゆうパックスマホ割アプリを利用することで180円の割引を受けられます。さらに受取場所を郵便局に指定して発送すると100円割り引かれます。
ヤマト運輸「宅急便」
宅急便はヤマト運輸が提供している宅配サービスです。
縦×横×高さの合計が200cm以下、重さ30kg以内の荷物を発送できます。
割引制度の中でもっとも魅力的なのが、にゃんPayでの支払いです。クロネコメンバーズに会員登録をするとにゃんPayが利用できます。にゃんPayを利用したキャッシュレス決済では宅急便の料金が12%オフになります。
にゃんPayのほかにも便利な機能やお得なサービスが受けられるため、ヤマト運輸を利用して引っ越すのであればクロネコメンバーズに登録すると良いでしょう。
佐川急便「飛脚宅配便」
飛脚宅配便は佐川急便が提供している宅配サービスです。
送れる荷物のサイズは縦×横×高さの合計が160cm以内かつ重さ30kg以内のものです。大きさの制限が3社の中でもっとも厳しいという特徴があります。
飛脚宅配便では受け付けられない大きさの荷物は、飛脚ラージサイズ宅配便で受け付けます。3辺の合計が260cm以内、50kg未満の荷物を配送してもらえます。
飛脚宅配便を利用する1番のメリットは送料の安さです。また飛脚ラージサイズ宅配便も飛脚宅配便と同じスピードで配送してもらえるため、大きい荷物も安く、早く運んでほしいのであれば佐川急便の利用をご検討ください。
宅配便引越しと引越し業者の料金比較
まずは宅配便の運賃を確認しましょう。以下の表では、東京から関東地方へ、東京から近畿地方へ発送した荷物の運賃を例に挙げています。
ゆうパック(関東あて) | 宅急便(関東あて) | 飛脚宅配便(関東あて) | ゆうパック(近畿あて) | 宅急便(近畿あて) | 飛脚宅配便(近畿あて) | |
100サイズ | 1,500円 | 1,530円 | 1,490円 | 1,620円 | 1,650円 | 1,610円 |
120サイズ | 1,830円 | 1,850円 | – | 1,940円 | 1,970円 | – |
140サイズ | 2,170円 | 2,190円 | 1,980円 | 2,300円 | 2,310円 | 2,100円 |
※2023年10月現在の運賃です。最新の情報は各事業者にお問い合わせください。
佐川急便の飛脚宅配便には120サイズにあたる運賃設定がないことにはご注意ください。
もし飛脚宅配便を利用するのであれば、100サイズ内に収めるか、140サイズの料金を払う必要があります。
宅配便・単身向けパック・通常プランの料金シミュレーション
宅配便は140サイズの荷物を12個発送した想定です。持ち込み割引をはじめとした各種割引は考慮していません。
単身向けパックは日本通運の単身パックLのLサイズボックスを1個利用した基本料金を掲載しています。
繁忙期(2~4月)
ゆうパック | 宅急便 | 飛脚宅配便 | 単身向けパック | 通常プラン | |
東京→埼玉県(50km程度) | 26,040円 | 26,280円 | 23,760円 | 31,900円 | 32,367円 |
東京→大阪府
(500km以上) |
27,600円 | 27,720円 | 25,200円 | 41,800円 | 140,450円 |
※ミツモア調べ(調査期間:2023年2月1日~2023年4月30日)
閑散期(5~1月)
ゆうパック | 宅急便 | 飛脚宅配便 | 単身向けパック | 通常プラン | |
東京→埼玉県(50km程度) | 26,040円 | 26,280円 | 23,760円 | 31,900円 | 29,400円 |
東京→大阪府
(500km以上) |
27,600円 | 27,720円 | 25,200円 | 41,800円 | 130,000円 |
※ミツモア調べ(調査期間:2022年5月1日~2023年1月31日)
宅配便での引越しがお得な荷物量の目安
運ぶ荷物がダンボール12箱以下であれば、引越し業者を利用するよりも低料金で引越しができます。
ただしあくまで運賃のみを比較した試算であるため、梱包資材の購入費用などは考慮していません。実際に宅配便のみで引っ越すのであれば、送るダンボール箱は10箱未満に留めなければ高上がりになります。
単身者の荷物量については以下の記事に詳しく記載されています。あわせてご確認ください。
宅配便で引越しする3つのメリット
宅配便を利用した引越しには3つのメリットがあります。
1. 1年を通して料金が一定
引越し業者とは異なり宅配便の運賃は1年中同じです。シーズンごとの料金変動もなければ、時間帯指定による割増料金もありません。
引越し業界の繁忙期であれば、宅配便を利用した引越しの方が低料金で引っ越せる可能性があります。
2. 荷物が少ないほど割安に引っ越せる
家具家電付きの物件に引っ越す場合や実家に戻るときなど、必要最低限の荷物だけ送れば良いという場合には、引越し業者を利用するよりもずっと安い金額で引っ越せます。
荷物が少ないのであれば単身者だけでなく2人暮らしの家族であっても、宅配便を利用した引越しができます。
ただし発送する荷物が増えれば増えるほど割高になってしまいます。
3. 料金の目安が立てやすい
宅配便では運賃が一定額であるため、引越し全体にかかる費用の計算がしやすいです。
引越し業者を利用するときは業者ごとで料金に大きな幅があり、引越し費用の総額が難しいというデメリットがあります。
しかし宅配便であれば運賃は公式サイト等に明示されています。このサイズの箱を10箱送ったから料金は○○円だ、とすぐに計算ができるため、引越しの予算内に収まるかといった検討もしやすいでしょう。
このほかにも着払いが利用できる点は大きなメリットでしょう。引越し業者を利用したときの料金は、引越し日に現金で支払います。
宅配便であれば着払いも選択できるため、到着日を給料日後にすることで引越し関連で1度に支払う金銭的負担を軽くすることも可能です。
宅配便で引越しする4つのデメリット
続いて宅配便引越しのデメリットを確認しましょう。主なデメリットは4つです。
1. 梱包資材を用意する必要がある
引越し業者を利用するのであれば、荷物を入れるためのダンボール箱をはじめとした梱包資材は無償で提供してもらえることがあります。
しかし宅配便を利用して引っ越すのならば、梱包資材はすべて自力で調達しなくてはなりません。
梱包資材は宅配業者から購入するほか、インターネット通販でも購入できます。ダンボールに限っていえば、スーパーやドラッグストア、ホームセンター等で譲ってもらえることもあります。
緩衝材の数や量が不十分だと荷物が壊れる可能性があります。十分な量の資材を調達できないのであれば梱包資材を提供してくれる引越し業者を利用した方が良いでしょう。
2. 荷物のサイズと重さに注意が必要
宅配便の料金は荷物の大きさと重さ、配達先までの距離で決まります。大きさと重さのうち、より大きい料金基準が適用されます。
たとえば箱の大きさが100サイズ相当の荷物の重さが120サイズ相当の場合、120サイズの運賃が適用されます。
1つの箱にあまりにも多くのものを詰め込んでしまうとかえって高くつく可能性があります。
もし荷物が多いのであれば宅配便を利用するのではなく、ヤマトホームコンビニエンスの「わたしの引越し」やSGムービングの「カーゴ便」といった単身者向け引越しプランの利用をおすすめします。
3. 荷物は最短でも翌日以降の到着になる
引越し業者を利用したときは、地域をまたぐような長距離の引越しでなければ旧居で荷物を預けた日と同じ日に新居に届きます。そのため引越したその日から新生活を始められます。
しかし宅配便を利用した場合、それがたとえ同じ市内に発送したものであっても翌日にしか到着しません。
宅配便を利用して引っ越すのであれば、荷物の到着が入居日になるように配達日を指定することがマストと言えます。
4. 荷物の破損リスクがある
宅配便の荷物は出荷されたら配送センターや営業所を経由して、届け先に配達されます。1つの荷物は複数回積み替えられるため、荷物の破損リスクは引越し業者を利用したときよりも高いです。
もちろん各工程に携わるスタッフたちも丁寧な作業を行っています。しかし積み替えの回数が増えれば増えるほど、不慮の事態が起こる可能性は高くなってしまいます。
運送保険による保証金額の目安は1つの荷物につき300,000円です。送るものによっては十分な補償とはいえないかもしれません。
引越し業者に安く引越しを依頼する方法
いくつかのポイントを押さえれば、安い料金で引越しを依頼できます。3つのコツをチェックしましょう。
一括見積もりで条件にあった業者を探す
引越し業者を探すときは一括見積もりサイトを活用しましょう。全国に営業所を持ち、テレビCMなどで有名な大手業者から、地域密着型の中所業者まで1度に見積もりの依頼を出せます。
一括見積もりサイトを使うと大量の営業電話が来てしまうイメージがあるかもしれませんが、見積もりを出す業者数を絞り込むことができるサービスやそもそも電話番号入力が不要なサービスもあります。
一括見積もりサイトも様々あるため、登録業者数や1回の情報入力で何社に見積もりを出せるかという点だけではなく、業者からの連絡方法についても確認するとストレスなくスムーズに業者探しができます。
お得なプランを利用する
単身者向け引越しパックをはじめ、荷物の少ない依頼者向けのプランを利用することで引越し料金を安く抑えられます。
単身者向け引越しパックを利用しないのであれば、時間的余裕があることが前提となるものの、作業開始時間を指定しないフリー便の利用や安くなる曜日・時間帯を指定しましょう。
安くなるプランと工夫を組み合わせることでお金がかかる引越しも安く済ませることができます。
引越し料金を安くする工夫をもっと知りたい方はこちらの記事もチェックしてください。
地域密着型の業者を利用する
同一県内での引越しなど移動距離が短い引越しであれば、地域密着型業者の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
地域密着型含む中小引越し業者の特徴は対応エリアに対する知識量が豊富であることです。スタッフ1人ひとりがその地域についてよく理解しているため、スムーズに作業を進められます。
また大手業者よりも柔軟な対応をしてくれる業者も多く、当日に発生したイレギュラーな事象にも的確に対応できます。
中小引越し業者を選ぶときにはぜひ口コミを参考にしてください。料金やサービス内容だけでは分からない特徴が分かります。
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