引越しの日程が赤口(しゃっこう)に決まってしまい「縁起が悪いのではないか?」と心配な方も多いと思います。引越し日程はそう簡単に変更できるものでもないので、不安を抱えたまま当日を迎えるのは嫌ですよね。
結論からお伝えすると、引越しと赤口の関係はあまり気にしなくても大丈夫です。その理由や、少しでも縁起を良くする対策を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
赤口の引越しは本当に縁起が悪いのか?
赤口は引越しとの相性が悪く、縁起が悪いと考えられているのは本当です。六曜で「赤口は万事に用いない悪日」と言われている凶日で、昔から行事やお祝い事には向かない日とされています。
赤口が縁起悪いと言われている理由
赤口が縁起悪い日とされているのは「赤」という文字が火や血を連想させるためです。ケガや火事を想像させてしまうため、避けるべきだと考えられているんですね。
ここで「一番縁起が悪いのは仏滅じゃないの?」と思う方がいるかもしれません。しかし仏滅は、引越しに関しては前向きな解釈があります。仏滅は「物事が一度滅して新たに始まる」という解釈があり、新生活のスタートを意味する引越しに関しては、大安より適しているとも考えられるのです。
それに対し赤口は、どう考えても前向きな解釈にはなりません。そのため引越しに関しては、赤口が一番縁起が悪いとされているのです。
赤口の由来
赤口の由来は、陰陽道の「赤舌日(しゃくぜつにち)」という凶日です。赤舌日とは羅刹神という横暴な鬼が支配する日のことで、お祝い事が台無しにならないように行事を避けます。
ただし、1日中が凶というわけではありません。赤口は午前11時~午後1時の間だけ吉になるので、引越しをするのであればこの時間帯がおすすめです。
ほとんどの人は赤口を気にせず引越しをしている!
六曜によると、赤口は確かに「縁起の悪い日」とされています。しかし現代では、引越し日と赤口の関係はあまり気にしない方がほとんどのようです。
というのも、日本通運さんの調査によると実際に引越しで六曜を気にしている方は全体の2割程度しかいないのだそう。つまり、10組の引越しがあればそのうち8組は気にしていないのですね。
ただ「以前六曜を信じて行動をした結果、ご利益があった」という方は、赤口を信じて対策を取るのも良いですね。そのような方は記事後半の「縁起をよくする対策」や「引越し日程を変更できる場合」を参考にしてください。
また自分が赤口を気にしないとしても、周囲で六曜を信じている方への配慮は必要です。たとえば引越しの挨拶は赤口以外の日に済ませたり、吉とされる時刻のお昼に行ったりすることが相手の気持ちを考えた行動と言えるでしょう。
むしろ赤口の引越しは安く済むことがある?
「赤口は縁起が悪いから引越しをする人が少なく、費用が安くなる」と言われることがあります。しかし実際には、凶日だからという理由だけで値引きをしている引越し業者はあまりありません。
赤口が安いのではなく、大安が高いと考えるのが正しいです。つまり人気が集中する大安の料金が高くなるのであって、他の日が安くなっているわけではないのですね。
もしも安さを一番に優先するのであればシーズンオフの平日の赤口が狙い目です。繁忙期ではない平日の凶日であれば、割引をしてくれる業者もあります。
引越し日が赤口でも縁起をよくする5つの対策・ゲン担ぎ
「赤口と引越しに関係はああまり気にしなくてもいいということは分かった。でもやっぱりちょっと気になる…。」そういう方もいるでしょう。
しかし引越しの日を延期や変更することは、簡単ではないですよね。そこで、引越し日が赤口でも縁起をよくする5つの対策・ゲン担ぎを紹介しましょう。
- 午前11時~午後1時に引越しを済ませる
- 前日までの縁起の良い日に小さな荷物を運び入れておく
- 盛り塩などを行う
- 神社の参拝や祈祷を行う
- 自分のマナーを良くし、謙虚にふるまう
順番に解説していきます。
対策1.午前11時~午後1時に引越しを済ませる
赤口は何事も悪い日でしたね。しかし、一時的に吉となる時間帯があります。
それは11時から13時までの2時間。この時間は鬼が休むとされているんです。
家族や友達とミニバンなどで手軽に行えるような小さな引越しであれば、その2時間の間に済ませてしまうことも可能でしょう。それができれば、凶を吉にできます。
対策2.前日までの縁起の良い日に小さな荷物を運び入れておく
引越しの前日に、引越し作業を開始してしまいましょう。
具体的には、小さな荷物を先に新しい住居に持ち運ぶのがおすすめ。たとえば次のような日用品です。
- 食器
- 衣服
- 布団
- 衛生用品
- 観葉植物
さらに新居で食事をしたり、一泊して引越し当日を迎えるというのも良いですね。事前にこういったことを済ませてしまい、当日は荷物の配送日という扱いにしてしまいましょう。
対策3.盛り塩や万年青(おもと)など、縁起の良いものを新居に置く
引越し当日の荷物を運び入れる前に、新居の玄関やベランダに盛り塩を置く方法もあります。盛り塩には悪い気を家の中に持ち込まない・災いや穢れを寄せ付けないという意味があります。
また、引越しを吉にするパワーがあると言われる万年青(おもと)を飾るのも良いでしょう。万年青とは観葉植物1つで、引越し現場に飾られていることも多々あるものです。
万年青はいつでも青々とした張りのある緑色をしており、これを先に新居の玄関に飾れば縁起が良いと言われています。
対策4.神社の参拝や祈祷を行う
厄払いやご利益を頂くために、引越し前後に神社での参拝や御祈祷をすることもおすすめです。厄除けをしてもらえば災いは避けられますし、安心して新生活にのぞめます。
対策5.自分のマナーを良くし、謙虚にふるまう
結局のところ、自分のふるまいによって幸運は引き寄せられます。いくら縁起を担いで吉日に引越し作業をしたとしても、周囲の住民への配慮を欠いていたり住むスペースの管理がずさんだったりすれば、運は下降するでしょう。
引越しではマナーや作法に気を付け、謙虚なふるまいをするのがおすすめです。周囲に好印象を与えればラッキーも降ってきます。それこそが一番のゲン担ぎになるはずですよ。
引越し日程を変更できる場合は、大安・友引・先勝がおすすめ!
引越し日の変更もまだ可能という方は、縁起の良い日に変更してしまうのがおすすめです。六曜の観点で引越しの日取りにおすすめなのは、以下の3つです。
- 大安
- 友引
- 先勝
縁起が良くなる理由を、それぞれ説明していきます。
大安で縁起がよくなる理由
カレンダーに赤字で書かれている大安(たいあん・だいあん)とは、「何を行っても吉となる日」ですね。一日中最高の日であり、時間帯による強弱もありません。
縁起を大切にしている方は気分よく行動できますし、縁起を大切にする人から意見を言われることもないでしょう。安心して良い気分で行動ができると、より多くのラッキーを運び込めます。
ただし、大安は引越しの日取りで最も人気の高い日。既にいっぱいだったり、費用が高くなったりしてしまいがちです。
友引で縁起がよくなる理由
友引(ともびき)とは、大安につぐ吉日とされています。しかし大安と違って一日中いつでも吉なのではなく、朝と夕が吉で、昼は凶です。
凶とされる時間を割けるべきですので、友引の日に引越しをするのであれば、11時から13時以外の時間帯に行うのがおすすめ。引越しが長時間になる恐れがあるのなら、お昼過ぎのスタートにしましょう。
先勝で縁起がよくなる理由
先勝(せんしょう・さきがち)とは、急ぎ事や願掛け、訴訟などに吉の日とされています。急な引越しの場合には相性が良さそうですね。
ちなみに午後から凶となるため、引越しのゲン担ぎをするのであれば午前の早い時間が望ましいでしょう。