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転出届はいつから提出できる?引っ越しまでの期限や注意点を解説

最終更新日: 2024年10月29日

転出届は他の市区町村へ引っ越すとき、旧居の市区町村による転出証明書の交付に必要な書類です。旧居の市区町村で発行した転出証明書と、新居がある市区町村の転入届を提出すれば、住民票の記載が変わって新しい住所で行政サービスが受けられます。

引っ越しが決まったとき、転出届はいつから提出できるのでしょうか。仕事や家事で忙しい人でもできる提出方法や期限、注意点を含めて解説します。

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転出届はいつからいつまで提出できる?

新居の引っ越しが決まったら、最初に住民票を現住所から新住所へ異動する必要があります。その際、引っ越し先の住所によって提出する書類が異なります。

現住所から異なる市区町村へ引っ越す場合は「転居届」と「転入届」を、同じ市区町村内に引っ越す場合は「転居届」を提出しましょう。それぞれのケースにおける提出書類と期限は、下記のとおりです。

ケース/提出書類の期限 転出届 転居届 転入届
現住所から異なる市区町村へ引っ越す場合 引っ越し予定日の前後2週間以内 不要 引っ越し当日から14日以内
現住所と同じ市区町村内に引っ越す場合 不要 引っ越し当日から14日以内 不要

現住所から異なる市区町村へ引っ越す場合

現住所を管轄する市区町村役所に「転出届」を現住所の市区町村役所に提出します。提出期限は引っ越し予定日の前後2週間後以内です。

転出届を提出すると、現住所の住民票がある市区町村の住民基本台帳から住所が削除され、「転出証明書」が交付されます。ただし、引っ越し日が近づくにつれて荷造りやライフラインの手続きなどで忙しくなるため、なるべく14日前に提出するのがおすすめです。

引っ越しが終わった後、新居を管轄する市区町村役所に「転出証明書」と「転入届」を提出します。期限は引っ越し当日から14日以内ですが、2〜3月の引っ越しが多い時期は役所も混み合うため、早めに手続きをしましょう。

現住所と同じ市区町村内に引っ越す場合

引っ越し先の住所を管轄する役所に転居届を提出します。期限は引っ越し当日から14日以内です。転出届の提出は不要ですが、引っ越し後に住民票の異動手続きは忘れずに行いましょう。

転出届を提出する4つの方法

初めて引っ越しをする人や、仕事や家事が多忙で役所に行く時間が確保できない人は、下記いずれかの方法で手続きを行いましょう。

おすすめの人 転出届の提出方法 手続きの期限
確実に引っ越し手続きを終わらせたい人 市区町村役所に直接提出 引っ越し予定日の前後2週間以内
時期をずらして自宅で手続きをしたい人 マイナポータルによる手続き 引っ越し予定日の14日前から引っ越し日の10日以内
すでに遠方へ引っ越している人 郵送による手続き 引っ越し予定日の14日前から引っ越し日の10日以内
夫婦や子どもの代わりに手続きをしたい人 代理人による手続き 引っ越し予定日の前後2週間以内

確実に引っ越し手続きを終わらせたい人向けの提出方法

初めての引っ越しに伴って着実に手続きを完結させたい人は、現住所を管轄する市区町村の役所の窓口に足を運んで、直接転出届を提出しましょう。

必要な書類の準備

転出届を提出するにあたって引っ越し日の14日前までに必要な書類は、下記のとおりです。

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
  • 国民健康保険証
  • 介護保険被保険者証(介護保険サービスの利用者)
  • 印鑑
  • 印鑑登録証明書、印鑑登録証(印鑑登録を抹消する登録者全員分)

現住所の市区町村役所に転出届を提出

必要な書類が揃ったら、現住所のある市区町村役所で転出届を記載して窓口に提出します。記載する内容は、以下のとおりです。

  • 旧居と新居の住所
  • 世帯主名
  • 氏名
  • 生年月日
  • 本籍

窓口の担当者に必要事項が記載されているか確認した後、本人確認書類と必要書類を提示し、問題がなければ受理されます。その後、転出証明書が交付されるので受け取りましょう。

なおマイナンバーカードを持っている人は、「転出証明書」の発行が省略されて、このカードが証明書の代わりになります

ただし自治体によって異なりますが、土日祝日は基本的に手続きができないほか、引っ越しのシーズンである2〜3月は混雑します。事前に営業時間を確認しておきましょう。

時期をずらして自宅で手続きをしたい人向けの提出方法

仕事や家事で忙しくて役所に足を運ぶ時間がない人はマイナポータルの利用がおすすめです。マイナンバーカードを持っていれば、オンラインで転出届を提出できます

手続きに必要なものの準備

マイナポータルでの手続きを行う前に下記のものを準備しましょう。

  • マイナンバーカードと各種パスワード
  • マイナンバーカードの読み取りができるスマホ
  • マイナポータルアプリ
  • 連絡先電話番号
  • 引っ越し先の住所

手続きは引っ越しをする本人のみですが、家族で引っ越す場合は、マイナンバーカードを持った代表者がまとめて手続きできます。ただし、世帯全員がマイナンバーカードを持っていない人や、カードの情報が最新でない人はマイナポータルでの手続きができないので注意しましょう。

マイナポータルにログインして必要な情報を入力する

必要なものを用意したら、以下の手順で手続きを行います。

  1. スマホのマイナポータルアプリでパソコンに表示されたQRコードを読み取る
  2. 利用者証明用の電子証明書のパスワード(数字4桁)を入力する
  3. スマホアプリからマイナンバーカードを読み取る
  4. ログイン後、メニューから「引っ越しの手続き」を選択する
  5. 案内に従って人数や引っ越し先、転入届を提出するための来庁日等を入力する

必要な情報の入力が終わると、転出届の提出は完了です。ただし、役所での処理が完了するまでには約3開庁日かかります

それに伴い、引っ越し予定日の14日前から引っ越し日の10日以内に手続きを終わらせておきましょう。引っ越し日から11日を過ぎてしまうと、マイナポータルから転出届の提出ができなくなり、直接旧居の役所で手続きを行う必要があります。

引っ越し作業が完了した後、新居を管轄する市区町村役所に足を運んで転入届を提出します。その際、マイナポータルで転出届の申請状況が「完了」になっていることを確認しましょう。

すでに遠方へ引っ越している人向けの提出方法

土日でも受け付けている自治体がありますが、それでも都合がつかない人や、会社の都合ですでに遠方へ引っ越している人は、郵送による転出届の手続きができます

提出書類の準備

現住所を管轄する市区町村のホームページから転出届をダウンロードします。印刷して必要事項を記入した後、マイナンバーカードや運転免許証といった本人確認書類のコピーと、切手を貼った返信用封筒を用意しましょう。返信用封筒がないと、役所から転出証明書が届きません。

現住所の市区町村の担当窓口に送付する

提出書類を用意したら、現住所を管轄する市区町村の担当窓口に郵送します。転出届を受理した後、転出証明書が返送されるまで7〜10日かかるので、引っ越し予定日の14日前から引っ越し日の10日以内に送付しておくと安心です。

引っ越しの予定日が近い人は、返信用封筒の宛先を新居の住所にしたり、速達分の切手を貼布して送付しましょう。

なお一緒に引っ越す人の中に、マイナンバーカードを持っている人がいれば、「特例転出」として転出証明書なしで引っ越せます。転出証明書の返送を待つ時間も短縮できるので、マイナンバーカードのコピーも忘れずに同封しましょう。

夫婦や子どもの代わりに手続きをしたい人向けの提出方法

転出届は原則として引っ越しをする本人や世帯主、本人と同一世帯の人が手続きできます。大学の進学で子どもが寮に引っ越すときや、夫または妻が仕事で多忙なときにおすすめです。

市区町村のホームページから転出届と委任状をダウンロードして、引っ越す本人自筆の委任状と転出届を作成した後、代理人に託します。その後、代理人本人のマイナンバーカードやパスポートといった確認書類と印鑑持参のもと、引っ越す本人が在住する役所に行って転出届を提出しましょう。

窓口で必要事項を確認した後、本人確認書類と必要書類を提示し、問題がなければ受理されて転出証明書を受け取ります。届出は引っ越し予定日の前後2週間以内に済ませておきましょう。

転出届を期限内に提出しないとどうなる?

転出届は引っ越し日の後でも提出できますが、引っ越し日の14日以内に転入届を提出しましょう。転入手続きが遅れると、運転免許の更新、図書館といった行政サービスや公共施設の利用ができないほか、選挙の投票もできません

加えて病気や災害といった正当な理由もなしに、引っ越し日の14日以内に転入届を提出しないと、住民基本台帳法の違反で5万円以下の罰金が科されるケースがあります。実際に科されるかは簡易裁判所の判断によりますが、リスクを避けるためにも、引っ越し予定日の14日から3日前までを目途に転出届を提出しましょう。

転出届を出す出さない3つのケース

引っ越しに伴う転出届を提出するにあたって、下記3つのケースについて解説します。

  1. 現住所から離れても1年以内に戻るときは転出届の提出は任意
  2. 1年以上国外に滞在する時は海外転出届の提出が必要
  3. 引っ越しが中止になったら転出届を抹消する

1.現住所から離れても1年以内に戻るときは転出届の提出は任意

会社の転勤で単身赴任する世帯主や、進学を理由に1人暮らしを始める学生で現住所から離れる場合、1年以内に戻る予定があれば、例外的に転出届の提出は任意です。あわせて週末に家族のいる住所に帰宅するケースも同様です。

ただし一時的な引っ越しであっても、転出届と転入届を提出しておくと、新居のある自治体で税金の支払いや運転免許の更新といった行政手続きが受けられるので、提出しておくと安心です。

2.1年以上国外に滞在する時は海外転出届の提出が必要

国外への滞在期間が1年未満のときは転出届は不要ですが、1年以上滞在するときは「海外転出届」を現住所のある役所に提出しましょう。期限は渡航の14日前から当日までです。

必要な書類は本人確認書類とマイナンバーカードですが、海外転出届を受理した後、マイナンバーカードは失効され、返納手続きも必要です。

なお、マイナポータルでは海外転出届の手続きはできないので注意しましょう。

3.引っ越しが中止になったら転出届を抹消する

転出届を提出した後、病気などを理由に引っ越しが中止になった場合、現住所のある市区町村役所に行って転出届の抹消する必要があります。その際、転出届の提出時に受け取った「転出証明書」を持参しないと、役所窓口での抹消手続きができません。

加えて転入届の抹消手続きを行わないと、住所不定となり、行政サービスや証明書類の発行などができなくなってしまうので、忘れずに手続きしましょう。

転出届の提出とあわせて引っ越し準備も進めよう

転出届を期限内に提出することは、引っ越し先で新たなスタートをするうえで大切なことです。手続きを怠ってしまうと、行政サービスが受けられなくなり、生活に支障をきたしてしまいます。引っ越しが決まったら、期日内に転出届と転入届を提出するのとあわせて、引っ越しの準備も進めましょう。

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