引越し料金が安くなる時期は、6月、7月、8月です。逆に料金が高い時期は、3月15日から4月7日です。新生活シーズンで引越し需要が集中すると料金が上がり、学生や社会人の引っ越しが完了すると、安くなるといった背景があります。
ただし、近年は単身世帯の増加や転勤時期の多様化により、引越しのピークが分散化しています。安いでも週末や祝日前は引越しを希望する人が多くなるため、需要が高まります。そのため、引越し料金を安く抑えるには、閑散期の中でも需要が高まる日を避けることがポイントです。
引越しが安い時期と高い時期の料金差は?
引越し料金は時期によって大きく変動します。引越し料金が安い5月~1月は、引越し料金が高い2月~4月と比べて、平均25%程度の差が出ます。以下の表は、世帯人数別の引越し料金を通常期と繁忙期で比較したものです。
表を見ると、すべての世帯人数において、通常期の引越し料金が繁忙期を下回っていることがわかります。1人暮らしは単価のわりに料金差が大きく、27.8%も差がありました。
世帯人数別の引越し料金
1人暮らし | 2人暮らし | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
安い時期(閑散期・通常期) 5月~1月 |
平均39,900円 | 平均48,100円 | 平均52,600円 | 平均56,100円 | 平均54,600円 |
高い時期(繁忙期) 2月~4月 |
平均50,800円 | 平均60,300円 | 平均64,500円 | 平均69,600円 | 平均57,400円 |
料金差 | 27.8%(10,900円) | 25.3%(12,200円) | 22.6%(11,900円) | 24.0%(13,500円) | 5.1%(2,800円) |
※ ミツモアにおける引越し依頼への応募価格の平均値(2023年5月1日~2024年3月20日)
次に、移動距離別の引越し料金について、安い時期と高い時期で比較し、最安値と最高値の料金幅を算出しました。
安い時期の料金はすべての距離において、料金が低い傾向があります。表では20%程度の差異が見られますが、日によっては50%の差になることもあるため、引越しでは日付選びが大切です。
移動距離別の引越し料金
~15km未満 同じ市区町村 |
15~50km未満 同じ都道府県 |
51~200km未満 同一地方 |
201~500km未満 近隣地方 |
500km以上 遠距離 |
|
安い時期(閑散期・通常期) 5月~1月 |
15,900~61,100円 | 18,100~80,200円 | 25,700~89,000円 | 50,000~149,500円 | 91,200~242,100円 |
高い時期(繁忙期) 2月~4月 |
18,400~71,700円 | 20,400~99,100円 | 28,700~99,900円 | 52,700~155,100円 | 91,600~265,600円 |
※ ミツモアにおける引越し依頼への応募価格の平均値(2023年5月1日~2024年3月20日)
引越しが安い月は6・7・8月
引越し料金が安い順に並べると、「6月、7月、8月」が安く、「10月、5月、9月、11月、12月、1月」が普通、「4月、2月、3月」が高くなります。日本では新年度が始まる4月の前は、進学や入社、転勤など、さまざまな理由から引越しの需要が非常に高まります。
繁忙期を過ぎると引越しの需要は落ち着くため、引越し料金が安くなります。中でも6~8月は引越しの需要が少ない時期で料金も安く、引越しのチャンスです。
単身の引越しで安い6~8月
単身者の引越し料金は6月が最も安いです。6月は4月の新生活が始まるシーズンを過ぎ、梅雨の時期で引越し作業が大変になりやすいです。荷物の水濡れ対策を取る時間があり、引越し時期を自由に決められるのであれば、6月がお得です。
7月と8月も引越し料金が比較的安い月です。ただし、7月後半からお盆休みにかけては一時的に需要が高まります。8月は夏休みが終わり学生の引越しが落ち着くため、需要が減少します。また、残暑が厳しく作業が大変になることから、料金が安くなる傾向にあります。
月別 | 料金の高さ | 平均料金 |
1月 | 高い | 33,000円 |
2月 | 高い | 32,200円 |
3月 | 高い | 34,390円 |
4月 | 標準 | 27,200円 |
5月 | 標準 | 27,230円 |
6月 | 安い | 24,750円 |
7月 | 安い | 25,300円 |
8月 | 安い | 25,030円 |
9月 | 標準 | 25,580円 |
10月 | 標準 | 26,130円 |
11月 | 標準 | 29,150円 |
12月 | やや高い | 31,080円 |
※ ミツモアにおける引越し依頼への応募価格から算出(2023年3月21日~2024年3月20日、同じ都道府県の場合)
家族の引越しで安い6~8月
家族の引越し料金は、6月と8月が最も安くなります。6月は4月の新生活シーズンと5月のゴールデンウィークが落ち着き、引越しの需要が減少するためです。7月から8月にかけては、夏休みやお盆の影響で家族の引越しが増加傾向にあり、料金も上昇します。ただし、9月は子供の新学期や会社の異動時期と重なるため、その手前の8月下旬がピークになることがあります。
月別 | 料金の高さ | 平均料金 |
1月 | 高い | 63,080円 |
2月 | 高い | 63,610円 |
3月 | 高い | 67,930円 |
4月 | 標準 | 53,730円 |
5月 | 標準 | 52,040円 |
6月 | 安い | 47,310円 |
7月 | 安い | 48,360円 |
8月 | 安い | 47,830円 |
9月 | 標準 | 48,880円 |
10月 | 標準 | 49,930円 |
11月 | 標準 | 55,720円 |
12月 | やや高い | 59,400円 |
※ ミツモアにおける引越し依頼への応募価格から算出(2023年3月21日~2024年3月20日、3人家族、同じ都道府県の場合)
引越しが安い日は上旬・中旬・下旬の順
1年間の引越しの平均料金の推移です。3月の高さが目立ちますが、各月とも上旬より下旬のほうが高い傾向があります。
1カ月間における引越し料金の推移を拡大しました。上旬、中旬、下旬ごとに平均料金を算出すると、上旬が最も安い傾向が見られます。この理由は転勤や転職は発生し、月初めが新しいシーズンになりやすいからです。新生活を1日からスタートさせるために、事前に引越しを済ませようと下旬に引越し需要が高まります。
ただし、引越し業者によって料金設定は異なるため、一概にすべての引越し業者で同じ傾向が見られるとは限りません。そのため、複数の引越し業者に相見積もりを取ると、割安な引越し業者が見つかりやすくなります。
引越しが安い曜日をカレンダーから選ぶ
一般的に月曜日から木曜日は安く、金曜日から日曜日は高くなるとされていますが、年間を通してみると、曜日による差はそれほど大きくありません。
節約のためだけに平日を選ぶ必要はあまりないでしょう。引越し業者から見ても、平日も休日も作業内容そのものは変わらないため、曜日の違いが直接料金に反映されるわけではありません。
ただし、料金カレンダーを見ると、別の側面が見えてきます。例えば、2024年4月は、上旬の平日が新年度のピークで全般的に高くなっています。また、下旬は連休の合間の平日もかなり料金が上昇しています。
5月は連休が明けた後の平日が比較的お得になります。ただし、平日でも料金が高い日は、大安など縁起が良い日が関係していることがあります。
1年間の料金カレンダーは次の通りです。
賃貸物件の初期費用が安くなる時期も6・7・8月
引越しの需要が少ない6月から8月は、不動産業界にとっても閑散期です。この時期には、初期費用の負担額が少なくなるキャンペーンを行うことがあるため、お得に引っ越せます。
大家さんや物件のオーナーにとって、空室は1番損をしている状態です。春の引越しシーズンが一段落した6月から8月は、思わぬ掘り出し物物件が見つかることもあります。
家賃の値下げ交渉は難易度が高い
初期費用は月々の家賃を基準に算出される項目が多いため、交渉して家賃を安くできれば初期費用も月々の負担も抑えられると思われるかもしれません。
しかし、周辺物件と比べて明らかに家賃が高い、使えると聞いていた設備が設置されていなかったなど、減額に足る根拠がなければ家賃の値下げ交渉は成功しません。
家賃そのものを下げるのではなく、フリーレントにできないかなどの打診であればまだ成功する可能性があります。
値下げ交渉をするなら礼金・仲介手数料がおすすめ
もし初期費用を抑えたいのであれば、礼金や仲介手数料の値下げ交渉をするか、そもそもそれらの費用がかからない物件を探すことをおすすめします。
なお敷金0円の物件は確かに入居時の負担は低いものの、退去時にハウスクリーニング代等の負担が発生することが多いため注意が必要です。
引越し時期をずらさずに安く引っ越す方法
学校や職場の都合などにより、引越し料金が安い時期に引っ越せないことがあります。そのようなときもできるだけ引越し料金は安く抑えたいです。引越しの時期がずらせない場合も安く引っ越す方法を4つご紹介します。
1. 相見積もりを取って業者を比較する
引越し業者を選ぶときは必ず相見積もりを取りましょう。業者によって得意とする引越しの内容は異なるため、相見積もりをとって費用とサービス内容を比較することをおすすめします。
相見積もりを取るのであれば一括見積もりサービスを活用しましょう。1回の情報入力で複数の業者から見積もりを受け取れるためタイムパフォーマンスが高いです。
2. 不用品を処分して運ぶ荷物を減らす
引越しはいらないものを捨てるチャンスです。使わないものや壊れているものは不用品回収業者に引き取ってもらえば比較的安価に処分できます。
家具や家電を1点から回収するプランやトラックの積み荷に乗り切る分を定額で引き取るプランがあるため、引き取ってもらいたい不用品の量に応じて最適なプランを選択しましょう。
3. 必要最低限の家具・家電のみを運ぶ
引越しをするときはあれもこれも新居に持っていきたくなってしまいがちですが、運びたい荷物が多ければ多いほど引越し料金は高くなってしまいます。
引っ越してすぐに使う生活必需品のみを運んでもらい、残りは引越し後に買いなおしたり、生活が落ち着いてから送ってもらったりすれば比較的料金を安く抑えられます。
引越しの当日から使うものや引越し後すぐに揃えたいものを詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてください。
4. 午後便・フリー便で依頼する
引越しで人気があるのは朝1番で作業を始める午前便です。業者によっては1便など別の呼び名があります。
他の依頼者の引越し作業が終わった後に作業をする午後や夕方の便は朝の便に比べると人気が低いため作業料金が安くなります。
引越し日を1日空けられるのであれば、作業開始タイミングを業者の都合に合わせるフリー便にしてもらうと格安料金で引っ越せる可能性が高いです。
引越しが安い時期も見積もりでさらにお得に
時期を問わず引越し業者を探すときには一括見積もりを活用しましょう。一括見積もりサービスを使えば効率よく見積もりを集められるため、引越しに関するほかの作業にも時間を割けます。
一括見積もりをすると営業電話やメールがしつこいというイメージがありますが、ミツモアでは業者とのやり取りがアプリ内チャットで完結します。自分のペースでやり取りができるため、1度見積もりを取ってはいかがでしょうか。