引越し費用はどう決まるのでしょうか。引越し費用は主に「荷物量」「輸送距離」「引越し時期」で大きく決まります。それぞれミツモアでのデータを交えて解説していきます。


また「引越し費用の節約方法」「追加費用が発生するケースと対策」「キャンセルが発生した場合」についてもあわせて解説していますので、引越し時の参考にしてみてくださいね。
引越し費用が変わる要素1.「荷物量」
引越し費用が決まる1つ目の要素は、荷物の総量です。よく単身かファミリーかで表記されていることがありますが、あれはおよその荷物量を示すためです。最終的には運ぶ荷物の量が多いか少ないか(◯t トラック何台分か) で決まります。
単身世帯と家族世帯の相場
単身世帯と家族世帯(2人・4人) の引越しについて、荷物量で比較しました。結果、荷物量が多いほど引越しの費用がかさむことがわかります。
【単身世帯】引越し費用平均(通常期)
平均 | ~15km未満(同市区町村程度) | ~50km未満(同都道府県程度) | ~200km未満(同一地方程度) | ~500km未満(近隣地方程度) | 500km以上(遠距離) | |
荷物量が少ない | 28,722円 | 25,872円 | 27,288円 | 33,904円 | 69,115円 | 86,438円 |
荷物量が多い | 37,415円 | 31,450円 | 33,613円 | 41,049円 | 74,536円 | 104,207円 |
【ファミリー(家族世帯) 】引越し費用平均(通常期)
平均 | ~15km未満(同市区町村程度) | ~50km未満(同都道府県程度) | ~200km未満(同一地方程度) | ~500km未満(近隣地方程度) | 500km以上(遠距離) | |
2人家族 | 54,169円 | 49,448円 | 50,095円 | 60,983円 | 97,518円 | 120,504円 |
4人家族 | 78,423円 | 72,059円 | 84,353円 | 80,960円 | 128,486円 | 179,059円 |
出典:ミツモアの通常期(5月~1月)の費用データ |
荷物の量で費用が変わる理由
荷物の量によってトラックのサイズ・台数、スタッフの人数は増減します。ワンルーム・1K・1DKであれば、標準的に使用するトラックは2tトラック1台です。
しかし荷物が多い場合には、増車したり大型トラックを使ったりと、そのたびに費用が高くなっていきます。複数のトラックを使う場合は運転手が増員されるため、人件費も上乗せされるのです。
荷物の搬出入に関しても、通常の荷物量に比べ作業量が増えるため、スタッフが増員されます。このように荷物の量が多いだけで引越し費用の節約は難しくなるでしょう。
引越し費用が変わる要素2.「輸送距離」
引越し費用と荷物の輸送距離には密接な関係があります。輸送距離と引越し費用の関係を一覧にまとめ、下記にわかりやすく解説しました。
単身世帯と家族世帯の費用相場
単身世帯と家族世帯(4人) それぞれについて、距離の違いによる引越し費用の相場を比べてみましょう。荷物の輸送距離によって引越し費用が大きく変わることがわかりますね。とくに県外への引越しは、輸送距離が長くなるほど費用の増え方が大きくなります。
【単身世帯】荷物の輸送距離別の引越し費用平均(通常期)
輸送距離 | ~15km未満(同市区町村程度) | ~50km未満(同都道府県程度) | ~200km未満(同一地方程度) | ~500km未満(近隣地方程度) | 500km以上(遠距離) |
相場費用 | 31,450円 | 33,613円 | 41,049円 | 74,536円 | 104,207円 |
【家族世帯(4人家族) 】荷物の輸送距離別の引越し費用平均(通常期)
輸送距離 | ~15km未満(同市区町村程度) | ~50km未満(同都道府県程度) | ~200km未満(同一地方程度) | ~500km未満(近隣地方程度) | 500km以上(遠距離) |
相場費用 | 72,059円 | 84,353円 | 80,960円 | 128,486円 | 179,059円 |
出典:ミツモアの通常期(5月~1月)の費用データ |
輸送距離で費用が変わる理由
引越し費用が変動するのは、ガソリン代や高速道路の料金といった実費と、スタッフの人件費が関係しています。県外への引越しや、本州から北海道など遠方への引越しでは運転手の交代要員が必要なため、人件費が上乗せされるのです。引越し会社ごとに料金に違いが出るのも、輸送距離に関係があります。
配車は引越し会社の重要なスキルの1つです。移動時間を正確に予測するには、引越しの経験値やノウハウが重要なため、会社ごとに能力に差が出ます。効率的な配車を実現しコストを抑えている業者は、競合他社より低い価格設定で、サービスを提供できるのです。
引越し費用が変わる要素3.「引越し時期」
引越し費用は引越しする時期によっても違いが出ます。繁忙期と通常期の二つの時期を比較しました。
単身世帯と家族世帯の相場
単身世帯、家族世帯(4人) の引越し費用を、利用時期を変えて比較しました。引越し業者の繁忙期(3~4月)と通常期(5~2月)では、同じ世帯でも費用に大きな違いが見られます。
【単身世帯】引越し費用平均
全国平均 | ~15km未満(同市区町村程度) | ~50km未満(同都道府県程度) | ~200km未満(同一地方程度) | ~500km未満(近隣地方程度) | 500km以上(遠距離) | |
通常期 | 37,415円 | 31,450円 | 33,613円 | 41,049円 | 74,536円 | 104,207円 |
繁忙期 | 47,043円 | 39,543円 | 42,262円 | 51,611円 | 93,716円 | 131,021円 |
【家族世帯】引越し費用平均(4人家族世帯の場合)
全国平均 | ~15km未満(同市区町村程度) | ~50km未満(同都道府県程度) | ~200km未満(同一地方程度) | ~500km未満(近隣地方程度) | 500km以上(遠距離) | |
通常期 | 78,423円 | 72,059円 | 84,353円 | 80,960円 | 128,486円 | 179,059円 |
繁忙期 | 100,277円 | 90,601円 | 106,058円 | 121,792円 | 161,548円 | 225,134円 |
出典:ミツモアの引越し費用データ |
時期によって費用が変わる理由
引越しが多くなる時期は一般的に3~4月です。入学・就職・人事異動などで引越しの件数が増える時期のため、需要と供給のバランスが崩れて費用が割高になります。
繁忙期は通常期よりも費用が高くなるだけではなく、希望の日時での予約が取りにくくなるというデメリットもあります。
引越し費用の内訳を知って節約につなげよう
引越しの費用の内訳を知ることで、費用を抑えるポイントがより具体的に見えてきます。
引越し費用の内訳
引越し費用は多くが以下の3つで構成されています。
- 基本料金
- 実費
- 付帯サービス
基本料金は「時間制運賃」「距離制運賃」から算出されます。時間制運賃は基本時間を超えると、8時間ごとに料金が加算され、距離制運賃は100kmを超えるごとに追加料金が加算される仕組みです。
混雑を避ける時間帯の利用や作業をスムーズに行うことで、基本時間を超えないよう工夫しましょう。実費にはスタッフの人件費・トラックの使用料・梱包資材の費用・有料道路の使用料が含まれます。
節約には作業時間をかけず梱包資材を使いすぎない工夫が有効です。付帯費用に含まれるのは、エアコンの取り外し・取り付けの費用や、家具の組み立てなどです。専門的な技術が必要な作業以外は、自分で行うことで節約できます。
引越し費用の節約方法
引越し費用を節約する具体的な方法を5つ紹介します。いずれも引越しする日より、事前に取り掛かることで、より効果を発揮するでしょう。
1. 梱包・荷ほどきは自分でする
自分でできることはできる限り行うことで、引越し費用を節約できます。梱包や荷ほどきを引越しスタッフに任せると、スタッフの拘束時間が長くなるため、費用が割高になるのです。大型家具や大型家電を除く梱包作業は、極力自力で行うのがおすすめです。
無料で受け取れる段ボールの大きさや枚数は、あらかじめ引越し業者に聞いておきましょう。引越しで使う段ボールやテープ類が足りず、追加を頼むとオプション料金がかかります。足りないようであれば、オプション料金と自分で購入した場合を比較して、より安価な方を選びましょう。
2. 相見積もりを取る
相見積もりは複数の引越し業者から見積もりを取って、比較する方法です。料金はもちろんサービス内容や口コミ、実際にホームページなども確認して、契約したい業者に対し、交渉の材料として他社の見積もりを活用します。単身世帯で比較的荷物が少ない場合は、インターネット上で見積もりと契約を済ませることも可能です。
家族世帯の場合は家財が多様で量も多くなるため、基本的に営業担当者が現地で見積もりを作成します。相見積もりがそろうまでは「他社とも比較したい」と伝え、契約を控えましょう。なお見積もりの段階でキャンセルしても、キャンセル料は発生しません。
3. 不用品は処分する
荷物の量が多いだけで引越し費用は高くなります。引越し費用をできる限り抑えたい場合は、思い切って荷物を減らしましょう。
使わなくなった家具や家電、買い替え時期が近いものは、リサイクルショップやフリマアプリ、オークションサイトを利用して売却します。売ったお金を引越し費用に充てることで、引越し費用の削減にもつながるでしょう。
引越し業者は不用品回収業の許可を取っていないケースがほとんどです。買い取りが無理だったものは、不用品回収業者に処分を依頼します。
4. 宅配便も併用する
荷物の量が少ない場合は、冷蔵庫やベッドなど大きな荷物だけを引越し業者に任せ、衣類や雑貨は宅配便を利用する方法でも、引越し費用の節約につながる可能性があります。
宅配便を使うメリットは、費用が時期によって変動しない点です。複数の荷物をまとめて同じ場所に送ることで、送料が割引される場合もあります。箱の大きさや数によっては、引越し費用より割高になる可能性があるので、十分な比較が必要です。
5. 引越しの時間帯を指定しない
引越し費用が5,000~20,000円ほど安くなる方法として、時間指定をしない「フリー便」が挙げられます。
引越しは時間を決めて行うのが一般的ですが、それではどうしてもトラックが稼動しない時間帯が発生してしまいます。引越し業者としてはできるだけまんべんなく配車して、稼動のムラをなくしたいと考えているのです。そのためフリー便は引越しの作業時間を指定しない代わりに、引越し料金が安く設定されています。
デメリットは搬入が午後から夕方になるケースが多く、時間が読みにくい点です。時間に余裕のある人向けの方法といえるでしょう。
見積もりの取り方
引越しの見積もりの取り方には2種類あり、単身世帯か家族世帯によって、不向きな場合や適用されない場合もあります。
業者に直接来てもらう「訪問見積もり」
引越し業者を自宅に呼んで見積もりを取る「訪問見積もり」は、荷物の多い世帯に向いています。
営業担当者が自宅を訪れ、荷物の量や大きさを実際に見て見積もりを作成します。訪問見積もりに要する時間は30分~1時間です。時間に余裕を持ち、3~4社から見積もりを取りましょう。
できる限り正確な見積もりを出すために、引越しの内容を詳細に伝えておきます。荷物の量だけでなく引越し先の状況も、可能な限り伝えましょう。ただし自宅に複数の業者を同時に呼んで、競わせる方法はおすすめできません。
インターネットでの「簡易・一括見積もり」
インターネット見積もりは、サイトを選ばないとわずらわしさを感じることになるかもしれません。たとえばウォーターサーバーなど、引越しとは関係のない営業の電話が何度も掛かってくる、覚えのない引越し業者から連絡が来るといった内容です。
とはいえ1社ずつ見積もりを集めるのは手間がかかります。手早く効率的に見積もりを集めたいときは「ミツモア」がおすすめ。引越し元と引越し先の郵便番号や階数、荷物の量を入力するだけで、複数社の見積もりが届くので便利です。
追加費用が発生するケースと対策
引越し当日に追加料金が発生しやすいと思われるポイントを、4つ解説します。
1. エアコンの取り付け
エアコン工事の基本的な料金は、取り外しと取り付け込みで15,000~20,000円ですが、追加料金が発生しやすいポイントとして、以下のようなものが挙げられます
- エアコン専用コンセントへの交換:3,500円~
- 電圧の切り替え:6,600円~
- 配管用の穴あけ:24,000円~
- 配管の延長:1mあたり2,200円~
- ドレンホースの延長:1mあたり660円~
現地に行かなければわからない内容でも、現地の写真や状況を十分に伝えることで、事前に費用がわかるケースもあります。見積もりを取る前に情報取集しておきましょう。
2. 引越し先周囲の道路幅
引越し先の道路状況は引越しに影響を与えやすい要素の一つです。
引越しの多くは2t~4tのトラックを使います。道路幅が極端に狭かったり、階段や急な坂があったりしてトラックが入れないといった状況が現地で判明した場合、追加料金が発生する可能性があるでしょう。2tトラックが入れる道幅は約2.3mで、搬入するための余裕を考えると4mは必要です。
内覧の際に搬入経路を確認し、引越しの際の注意点を不動産業者にヒアリングして、引越し業者に伝えることで対策が可能です。
3. 大型家具の運搬
ピアノ・大型冷蔵庫・ソファ・ダブルベッドなど、大型家具や大型家電は引越し先への搬入が可能か確認が必要です。
ピアノは引越し業者から専門業者への依頼になるため、引越し費用とは別に費用がかかります。手すり付きの階段や、曲がり角のある通路が存在したり、玄関や部屋の出入口が狭かったりする場合、窓から搬入することになるでしょう。
2階以上の部屋ではクレーンや手吊りの作業が必要となるため、専門業者を別途手配しなければなりません。現地で問題が発生した場合、家財の一時預かりを検討しなければならず、その分費用は増えます。引越し先の搬入口の情報を、業者に正確に伝えることで、トラブルを未然に防ぎましょう。
4. 想定外の梱包の手間
引越し当日までに荷造りが終わっていないと、梱包作業代が追加されたり引越し作業自体を拒否されたりといったトラブルにつながります。
引越し業者は「標準引越運送約款」に基づいて、顧客と契約を結びます。「引越し当日までに依頼人が荷造りを行うこと」が義務付けられているため、引越し作業ができない場合は断れるのです。
計画的に荷造りするのが何より重要ですが、事情により無理な場合は、引越し業者に梱包を依頼するか、梱包業者に任せる方法もあります。もしくは梱包が終わらない分はあきらめて、宅配便で送るのも解決策としては有効です。
キャンセルが発生した場合
やむを得ない事情から引越しをキャンセルしなければならない場合、キャンセル料が気になります。キャンセル料とそれ以外にかかる費用について確認しましょう。
契約した後のキャンセル
引越しのキャンセル料は「標準引越運送約款」によって定められており、各社内容は共通です。引越し日の3日前を過ぎると、以下のようなキャンセル料が発生します。逆に言うと3日前まではキャンセル料がかかりません。
- 引越し2日前(前々日) のキャンセルまたは延期:引越し料金(運賃及び料金)の20%以内
- 引越し1日前(前日) のキャンセルまたは延期:引越し料金(運賃及び料金)の30%以内
- 引越し当日のキャンセルまたは延期:引越し料金(運賃及び料金)の50%以内
病気や事故といった不測の事態でも、これらの期間はキャンセル料は請求されるので注意が必要です。
キャンセルに関するそのほかの注意点
ピアノの運搬やペットの輸送、エアコンの取り付けも引越し業者に依頼していた場合は、引越しのキャンセル料とは別に費用を請求されるケースも少なくありません。また事前に受け取っていた段ボールや、テープなどの梱包資材は、買い取りになる可能性もあります。
引越し業者による現地の下見が行われていた場合や、付帯サービスがすでに実施されていた場合も同様です。引越し直前のキャンセルは予想外の出費になるので、できる限り早く連絡しましょう。
引越し費用は十分に比較検討して節約する
引越し費用がどのように決まるのか、引越し業者の料金の仕組みや内訳から解説しました。引越しは敷金や前払い家賃、新居に合わせたカーテンやカーペットの購入など、引越しの費用以外にもいろいろと物入りです。
引越し費用を抑える秘訣は相見積もりをできるだけ取り、十分に比較することです。ミツモアを利用して見積もりを複数取得し、賢く引越し業者を選びましょう。
引越しの相場
30,000円
標準相場
19,500円
リーズナブル
53,400円
プレミアム