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引っ越しで冷蔵庫の電源はいつ切る?入れる時期とつかないときの対処法

最終更新日: 2024年12月18日

引っ越しで冷蔵庫を運ぶとき、引っ越し業者から「事前に電源は切っといてください」といわれることがあります。

これはメーカーや型式、製造年によって電源を切るタイミングが多少異なるものの、事前に電源を切っておかないと、運搬中に庫内に溜まった水が漏れ出す可能性があるからです。

引っ越し前に冷蔵庫の電源を切る適切なタイミングと、新居到着後に電源を入れるタイミング、さらに電源がつかない場合の対処法について解説します。

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引っ越し前に冷蔵庫の電源を切るのはなぜ?

冷蔵庫 蒸発皿

引っ越し前に冷蔵庫の電源を切る理由は、冷却時に発生した霜が溶けだし、冷蔵庫の背面下部や真下にある蒸発皿に水が溜まることで霜取りや水抜きが必要だからです。

ただしメーカーや機種によっては異なり、蒸発皿が外せないタイプや霜取りが不要なタイプがあります。自動霜取装置で溶けた水が蒸発皿に溜まっても自然に蒸発する仕組みです。電源を抜くタイミングによっては蒸発皿に水が溜まっていないケースもあります。

冷蔵庫の管についた霜が溶けきるのに時間がかかるため、引っ越し直前に電源を抜くと、運搬中に溶けた水が蒸発皿に溜まって漏れ出して床が水浸しになったり、冷蔵庫内部に入って故障する可能性があります引っ越しで冷蔵庫を持っていく前に電源を切って溜まった水を抜きましょう。

加えて、蒸発皿と周辺の機械部に溜まったホコリやゴミを取り除いたりして、内部をキレイにした状態にしておくのもおすすめします。

【メーカー別】引っ越し時に冷蔵庫の電源を切るタイミング

一般的に冷蔵庫の電源を切るのは運び出す前の24時間前、遅くても15〜16時間前に切っておくのがおすすめです。

理由は霜の厚さや季節によって溶けきる時間が変わるものの、引っ越し直前に電源を切っても、温度差で結露ができて雑菌臭が発生する可能性があるからです。

ただし、メーカーや製品によって冷蔵庫の電源を切るタイミングも異なります。家電メーカー5社の情報は、以下のとおりです。

メーカー名 電源を切るタイミング
日立(HITACHI) 移動直前に抜いても良い(長時間は注意)
パナソニック(Panasonic) 15時間以上前
三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC) 24時間前(霜が溶け切るまでの時間)
東芝(TOSHIBA) 中身を取り出してから電源を切る
シャープ(SHARP) 時間の記載なし

メーカーごとに電源を切るタイミングが異なるのは、冷蔵庫の冷却方式に関係しています

大手メーカーの一部製品は、製造年が古いタイプを中心に庫内に冷却器が取り付けられた「直冷式」を採用しています。定期的に霜取りをしないと、霜の厚みが増して大きくなってしまう分、溶けきるのに時間がかかるのが特徴です。

一方で最新の冷蔵庫は「間冷式(ファン式)」を採用しています。外部の冷却器からファンを通して冷気を送ったり、ヒーターが搭載されているため、霜が発生しづらいことから、引っ越し直前に電源を切って水抜きをしても問題ありません

引っ越しで冷蔵庫の電源を切る前にすること

引っ越し先へ冷蔵庫を運ぶにあたり、電源を切る前に冷蔵庫の中身を整理することが必要です。具体的に必要な作業は下記のとおりです。

計画的に食品を消費すること

引っ越し日の1〜2週間前から計画的に冷蔵庫内の食品を消費し始めましょう。冷凍食品や生鮮食品など、できる限り使い切れるように、引っ越し前日までの献立を考えておくのがおすすめです。

引っ越し当日まで消費しきれない食品があれば、このタイミングで処分しましょう。

クーラーボックスや発泡スチロールを用意する

冷蔵庫内の食品が使い切れず、新居へ持っていくときは、引っ越し日の3〜5日前を目途にクーラーボックスや発砲スチロールを用意しましょう。「処分する物」や「新居に持っていくもの」を仕分けたうえで入れます。

ただし長期間保存することはできません。引っ越し用のトラックに積んでも温度管理ができないほか、夏場になると室温が高くなるため、一時的に保存する際に使用することをおすすめします。

引っ越しで冷蔵庫の電源を切った後にすること

冷蔵庫の電源を切ってコンセントを抜いた後、引っ越し当日にかけて下記の作業を行いましょう。

1.冷蔵庫の霜取りをする

冷蔵庫の霜取りをしたら、庫内の蒸発皿や水受け容器に溜まった水を処分しましょう。水抜きをしないでそのまま冷蔵庫を運ぶと、重さで運ぶのに苦労するだけでなく、水が漏れ出して荷物が濡れてしまいます。

製品によって水抜きのやり方が異なるため、取扱説明書で手順を確認しましょう。

2.冷蔵庫の水抜きをする

冷蔵庫を引っ越し先へ運ぶ際、必ず水抜きを行いましょう。種類によって異なりますが、冷蔵庫の下に「蒸発皿」という水を溜める場所があり、溜まった水を処分しないと、運搬中に水漏れを起こしてしまう可能性があります。

自分で水抜き作業をするときは、取扱説明書を読んでから作業を行いましょう。

3.冷蔵庫の掃除をする

水抜きが終わったら、冷蔵庫を掃除しましょう。薄めた台所用中性洗剤で浸した布巾やスポンジで冷蔵庫内や壁などを拭いた後、乾いた布で水分を拭き取ります

冷蔵庫の上部や床を掃除するときは、ハンディワイパーやフローリングモップを使うのがおすすめです。

ただしアルカリ性の台所用洗剤や研磨スポンジ、重曹を利用すると冷蔵庫のドアや塗装面、プラスチック製の棚を傷つけてしまうため、できる限り使用を控えましょう。

4.引っ越し先へ冷蔵庫を運び出す

冷蔵庫の掃除が終わったところで、壁や床を傷つけないように養生を行った後、専用のフィットカバーをかけて縦向きに引きずるように運んでトラックに乗せます

冷蔵庫を破損させないように扉や卵ケース、製氷皿などはテープで固定しましょう。あわせて電源コードもまとめてテープで冷蔵庫裏に固定しておくと安心です。

引っ越し当日に冷蔵庫の電源を切り忘れたらどうする?

引っ越し当日に冷蔵庫の電源を切り忘れたら、運んでもらう業者に連絡しましょう。事前に連絡をすれば、運搬時に対処方法を検討してもらえる可能性がありますが、追加料金がかかります。

引っ越しで冷蔵庫の電源を切った後にすること」の章で紹介したとおり、引っ越し当日に電源を切ると、冷蔵庫内の霜が溶けきれない状態になって運搬中に漏れ出してしまう可能性があります。

場合によっては冷却器に水が濡れてしまって冷えなくなり、本体が故障してしまうこともあるため、忘れないようにしましょう。

冷蔵庫の電源と食品を入れるタイミング

新居に冷蔵庫を設置した後、電源や食品を入れるタイミングはメーカーや機種によって異なります。

引っ越し後の冷蔵庫の取り扱いについて、電源と食品を入れるタイミングについて紹介します。

【メーカー別】冷蔵庫の電源を入れるタイミング

引っ越し先へ搬入した後、最新の冷蔵庫については基本的にすぐに電源を入れても問題ありません

ただしメーカーによっては、冷蔵庫の電源を入れるタイミングが異なります。運搬中の振動や傾きの影響で、冷蔵庫内部の冷却機能が正常に稼働しない状態で動かすと負荷がかかり、故障してしまう可能性があるからです。

大手メーカー5社は冷蔵庫の電源を入れるタイミングについて、下記のとおりにまとめています。

メーカー名 電源を入れるタイミング
日立(HITACHI) 設置後10分以上経過してから
パナソニック(Panasonic) 設置後7分以上経過してから
三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC) すぐに電源を入れて良い
東芝(TOSHIBA) 設置後5分以上経過してから
シャープ(SHARP) すぐに電源を入れて良い

上記の情報とあわせて、メーカーの公式ホームページや取扱説明書の内容を確認してから冷蔵庫の電源を入れるようにしましょう。

冷蔵庫の電源を入れてからすぐに食品を入れない

冷蔵庫を設置して電源を入れても、すぐには冷えません。冷蔵庫内に食品を入れるのは、電源を入れてから4〜10時間後がおすすめです。

機種やサイズ、季節によって時間に幅がありますが、冷蔵庫内が冷えてくるのは夏場は10〜24時間、冬場は2〜3時間かかるといわれています。

特に冷凍食品やアイスクリームは、ほんの少しでも温度が上がると傷んでしまう可能性があるため、冷蔵庫内が完全に冷えてから冷凍室に入れましょう。

冷蔵庫の電源がつかないときの対処法

引っ越しが終わり冷蔵庫を設置した後、電源を入れてもつかないことがあります。入らないときは、下記の対処法を行いましょう。

なお紹介した対処法をやっても、冷蔵庫の電源がつかないときは、各メーカーの相談窓口に問い合わせることをおすすめします。

1.ブレーカーが開栓しているか確認する

引っ越し先に入居した後、ブレーカーの開栓をしているのか確認しましょう。ブレーカーを上げても冷蔵庫の電源が入らないときは、電気の利用手続きが完了しているのかあわせて確認します。

電気の供給が開始されていないときは、電力会社または管理会社に問い合わせましょう

加えてブレーカーが落ちている場合、契約アンペア数を超えた機器が通電されている可能性が高いです。できる限りほかの機器を切った後、ブレーカーを上げてから冷蔵庫の電源を入れましょう。

2.冷蔵庫の電源プラグがテーブルタップにつないでいないか確認する

一般的に家庭で使用するテーブルタップは、最大消費電力が制限されています。

冷蔵庫をはじめ、炊飯器やオーブンレンジといった消費電力が大きい家電製品をテーブルタップに接続すると、容量が不足してつかない可能性が高いです

加えて火災のリスクも高まるため、単独のコンセントに冷蔵庫の電源プラグをつなぎましょう

3.冷蔵庫のドアスイッチや庫内灯に問題がないか確認する

冷蔵庫の電源がつかないと、庫内灯も消えている状態です。製品や容量によって確認する箇所が異なりますが、冷蔵庫とドアの間には小さな突起状の「ドア開閉スイッチ」がついています。

スイッチ周辺が汚れると、ドアを開けてもスイッチが押されたままの状態になり、庫内灯がつかなくなるケースがあるので、雑巾やタオルで開閉スイッチの汚れをふき取ってみましょう

汚れを拭きとっても庫内灯がつかない場合は、ランプの電球が切れているか、スイッチそのものが故障している可能性があります。販売店またはメーカーの修理窓口に相談しましょう。

冷蔵庫の電源をつけても冷えないときの確認項目

引っ越し先で冷蔵庫の電源を入れたものの、時間が経っても冷えないケースもあります。その際に確認したい項目は、以下のとおりです。

1.冷蔵庫内の温度設定が「弱」になっていないか

冷蔵庫の電源を入れた後、しばらく時間が経っても冷えないときは庫内の温度設定を確認しましょう

「弱」または「節電モード」に設定されていると、十分冷やしきることができません。「中」や「強」に設定を変更してみましょう。

2.食品を詰めすぎていないか

冷蔵庫内に食品を多く詰めすぎていないか確認することも大切です。ぎゅうぎゅうに詰めてしまうと、送風口を塞いでしまって冷気が循環しづらくなります。

冷蔵庫内を整理して、食品と食品の間にすき間を作ったり、詰め込みすぎないように収納ボックスやジップロックを使って収納しましょう。

3.放熱スペースを十分確保できているか

冷蔵庫は外部に放熱しており、周辺に妨げるものがあると、庫内を冷やすことができません

冷蔵庫を設置するにあたって、各メーカーの説明書には「放熱スペース」について記載されています。スペース内に物や壁がないか確認した後、十分なスペースがない場合は、物を移動させたり、別の場所へ冷蔵庫を移動させましょう

あわせて冷蔵庫の裏や側面についたホコリを取り除くのも、おすすめです。

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引っ越しで冷蔵庫を新居へ持っていくにあたり、引っ越し前に電源を切って霜取りや水抜きを終わらせておくことが必要です。あわせて新居に設置するとき、冷蔵庫が入れる場所やプラグの位置も確認したうえで引っ越し業者に依頼しましょう。

ミツモアなら、冷蔵庫のタイプやその他の家電の数など、簡単な質問に答えるだけで最大5つの引っ越し業者から見積もりが届きます。料金やサービス内容を比較して選べるだけでなく、チャットで冷蔵庫の運搬について相談できるので、安心して依頼できるでしょう。

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