引越しの金銭的負担をできるだけ減らすためには、引越し料金の値切り交渉は必要不可欠とはいえます。しかし実際にどのくらい値切れるのか、交渉時の注意点など気になることが多いですよね。
そこで値切り金額の平均や交渉をうまく行うためのコツや注意点、さらに値切りにこだわらず引越し料金を節約する方法をご紹介いたします。
引越し料金はどのくらい値切れる?
値切り交渉が成功した場合、最大で20,000円ほど安くなることが多いです。しかし値切りが成功するかどうか、値下げの幅は移動距離や荷物量に大きく影響されるため、必ずしも20,000円の値下げをしてもらえるわけではありません。
値下げ幅を確認したところで、次に値切り交渉前に知っておきたいことをご説明いたします。
まず値切りができない項目があることに留意しましょう。引越し料金のうち値切りができるのは、引越し業者の中で完結する料金です。外部業者を利用するオプションサービスを値切ることは不可能であるため、「オプションサービスの料金をまけてください」という交渉は成立しません。
引越し料金が決定するまでの流れは以下の通りです。
- ウェブなどで概算見積もりを集める
- 訪問見積もりを受ける
- 価格交渉をする
- 料金が決定する
ここで注意が必要なのは、ウェブなどで集めた概算見積もり料金と実際に支払う引越し料金は違うということです。訪問見積もりをして正確な荷物量をチェックしないことには、いくら引越しのプロであっても実際の料金を算出できません。
見積もり依頼時の注意
ウェブや電話で概算見積もりを依頼するときに気をつけたいのは正確性です。せっかく概算見積もりをしてもらっても、実際の条件と大きく違っては意味がありません。以下の情報をチェックし、なるべく正確な見積もりをもらえるようにしましょう。
荷物量を正確に伝える
一括見積サイトを利用するときに悩みがちなのが、ダンボール箱に換算した荷物量です。サイズの目安は箱の3辺合計が120cm未満の、宅配便では120サイズと呼ばれる箱です。120サイズは引越し業者にとっても取り扱いのしやすいサイズです。
なるべく荷物量を正確に伝えることで、より正確な比較検討ができます。
まれに運ぶ荷物の量を過少申告して故意に見積もり料金を安くし、価格交渉に臨もうとする人がいますが、これはまったく意味がありません。一括見積もり依頼で出してもらった見積もり料金はあくまで概算であり、それがそのまま引越し料金として適用されるわけではありません。
引越し料金が確定するのは訪問見積もりをし、正確な荷物量が確定してからです。いくらウェブ上で過少申告をして安い見積もり表を手に入れても、前提条件が異なるのですから有効な見積書にはなりえません。
引越し料金の値切りのコツ
値切り交渉をするときに気をつけたい2つのコツがあります。せっかく交渉をするのであれば自分にとって有利に進めたいものです。交渉前にコツを確認し、有利な条件を引き出せるようにしましょう。
交渉の主導権を握る
値切りをお願いしている立場だからと、つい下手に出てしまうかもしれませんが、必要以上にへりくだる必要はありません。
時には「今決めてくれたらもっとお値下げしますよ」など、決断を急がせるような言葉を言われるかもしれませんが、そのような場合ははっきりと「申し訳ございませんが、他社さんの結果を見てから結論を出します」「私ではなく同居人が意思決定をしておりますので即決はできません」と断りましょう。
とはいえ即決を迫られたとき、その業者にお願いしたいと強く思っているのであれば断らずに決めてしまって問題ありません。しかし依頼を迷っている段階であれば他社の見積もり結果を確認してから決めたほうが良いです。「あのとき、ああしておけばよかった」と後悔しないように、結論を出すときは慎重になりましょう。
気になる業者は最後に見積もり
訪問見積もりを受けるとき、評判がいいなどで既に気になっている業者がいるときはなるべく最後に訪問見積もりに来てもらいましょう。他社の見積もりデータが出ているため、より安くならないかと交渉できます。
値切り交渉をするときの注意
引越し料金を少しでも安くしたいからといって、交渉時のマナーを欠いてはいけません。値切り交渉時に注意したいことを5点挙げますので、ぜひチェックしてください。
見積もり金額に嘘をつかない
「A社さんはいくらと見積もりを出してくれました」と伝えること自体にはなんら問題はありませんが、嘘の金額を伝えてはいけません。引越し業者は相場を理解しているためあまりにも安い金額を伝えたところですぐに嘘だとわかってしまいます。
嘘がばれてしまうだけならまだしも、「この人は本気で契約する気がないな」と判断されてしまい、交渉を打ち切られてしまう可能性があります。交渉を打ち切られてしまうと時間と労力の無駄になるだけでなく、業者の選択肢をひとつ無条件で失うことになってしまいます。
他社の見積もり表は直接見せない
見積もり表に記載されていることの多くは社外秘情報にあたります。たとえば人件費の計算ひとつとっても、作業人数や単価などの情報が他社に知られてしまうと今後の営業活動に大きな影響が出てしまいます。
もし、引越し業者から「他社さんでのお見積もりだといくらでしたか?」と聞かれたら、見積もり表をそのまま見せるのではなく、「○○円です」と金額だけを伝えるようにしましょう。
価格だけでなくサービスもチェックする
値切り交渉をしているとついつい見落としてしまいがちになるのが、料金に含まれるサービスです。最安値の業者に頼んだところ、ダンボール箱のサービスがなく自分で用意したらかえって高くついてしまうこともあります。
満足のいく引越しをするためには、単純に最安値を提示した業者を選べばよいわけではありません。提示された価格とサービスのバランスをチェックし、納得のいく業者を選びましょう。
しつこく値切りすぎない
安くしようと思うあまり、執拗に値切り交渉をするのはやめましょう。引越し業者も商売でサービスを提供している以上、値引きの限界値が存在します。
あまりしつこく値切り交渉をすると、見積もり価格に嘘をついたときのように、引越し業者から交渉を打ち切られてしまう可能性があります。自分が引越し業者の立場だったらどう思うかという視点を忘れないようにしましょう。
利用しなかった業者には必ず断りの連絡を入れる
忙しいとつい忘れてしまいがちなのが、利用しなかった業者への連絡です。引越し業者からすると、見積もりを送ったあとに返事がないのは、見積もりを確認していないのかそれとも利用しないから無視しているのかが分かりません。できれば契約につなげたいため電話やメールで連絡をすることになります。
この業者は今回利用しないと決めた場合、早い段階で断りの連絡を入れるようにしましょう。断りの連絡は電話とメール、どちらで行っても問題ありません。なるべく丁寧な言葉で断ることでお互い気持ちよく交渉を終えられます。
値切り以外で引越し料金を節約するには?
中小業者の利用を検討する
県内での移動など、近~中距離の引越しであれば、ぜひとも中小業者の利用をご検討ください。知名度こそ大手業者には劣るものの、サービスの品質や柔軟性の高さから選ばれています。料金も手ごろであることが多く、予算よりも安く引っ越し料金を抑えられるかもしれません。
地域密着型を含む中小の引越し業者を探すのであれば、ミツモアの利用をおすすめします。これまでに300万人以上の方がミツモアを通して引越し業者を選び、お得に引越しをしています。
引越し先の地域や日程、荷物量などに答えるだけで、最大5人のプロから見積もりが届きます。県をまたぐような遠距離の引越しに対応しているプロもいるため、まずは見積もりをとってみてはいかがでしょうか。
荷物の量を減らす
引越しの作業料金を決める大きな要素が、荷物の量です。同じ距離の引越しをする場合でも、荷物量が多ければその分大きなトラックが必要となり、運び出すスタッフも増えます。トラックのチャーター料金と人件費がかさむため、引越し料金が高くなってしまいます。
着なくなった服やしばらく使っていないものを手放すだけで大幅に荷物量を減らすことができます。1人暮らしであれば段ボール箱20箱未満に収まるようにすると、引越し料金が高いと感じにくくなるでしょう。
繁忙期を避ける
引っ越す時期を選べるのであれば、3〜4月上旬をはじめとした繁忙期の時期は避けたほうがよいでしょう。引越し料金が高額になるだけではなく、予約が取りづらく引越しができない可能性があります。
以下はミツモア所有のデータから作成した、月別費用相場のグラフです。11~12月の料金相場が比較的安いことが分かります。
11月や12月に引っ越すことを検討している場合は、それぞれの月に引っ越すメリットを解説した以下の記事をご覧ください。
時間帯を業者にお任せする
もしも引越し予定日を1日空けられる時間的余裕があるのなら、作業開始時間を指定しないフリー便を使うことをおすすめします。通常の引越しプランが客側の都合に合わせるとすれば、フリー便は業者側の都合に合わせるプランです。作業開始時刻が直前までわからないというデメリットはあるものの、朝1番に作業を始めるよりもずっと安い値段で引越しができます。
引越し料金を安くする方法について、裏ワザも含めたより詳しい情報は以下の記事で紹介しています。
引越し料金の値切りについてよくある質問
引越し料金の値切りに関してよくある2つの質問をピックアップしました。後悔しない引越しのためにもぜひチェックしてください。
繁忙期も値切り交渉はできる?
交渉はできますが、成功率は非常に低いです。繁忙期は引越し業者が客を選べる時期ともいえるため、値切ってまでそのお客さんとの契約にこだわる必要がありません。
繁忙期(3月~4月)の引越し料金を節約する方法は以下の記事に詳細があります。ぜひご覧ください。
複数の業者に同時に訪問見積もりに来てもらってもよいの?
おすすめしません。同時に訪問見積もりをしてもらえば時短になると思いきや、引越し業者からすると十分に料金の内容についてのアピールができないうえ、社外秘の情報を一切口にできなくなります。社外秘情報には見積もりの詳細な内訳も含まれます。そもそも業者側から訪問見積もりを同時に行うことを断られることも考えられるため、リスキーな選択といえます。