「引っ越しそのものがなくなった」「他の業者の方が安いから乗り換えたい」などの事情により、引っ越しを契約後に急遽キャンセルすることもあるでしょう。
引っ越し業者のキャンセル料は3日前までは無料です。ただしすでに実施したオプションサービスは支払わなければなりません。また段ボールを受取済の場合、返却や実費購入が必要です。
引っ越し業者のキャンセルでかかる料金や上手な断り方、段ボールなどの梱包材の処理方法を紹介します。
引っ越しキャンセル料は2日前20%、1日前30%、当日50%
一般的に、引っ越し業者のキャンセル料は引越し日の2日前(前々日)から発生します。
引っ越し業者と利用者の間のトラブルを防ぐために、国土交通省が「標準引越運送約款」で明確に以下の金額を定めています。
引っ越しキャンセル日 | 3日前 | 2日前 | 前日 | 当日 |
---|---|---|---|---|
キャンセル料 (見積もりに対しての費用) |
無料 | 20%以内 | 30%以内 | 50%以内 |
中止や延期の連絡が引っ越し日の前々日なら、見積もり費用の20%以内、前日であれば30%以内、当日であれば50%以内がキャンセル料として請求されます。
上記以上の金額を請求された場合は、内容をよく確認する必要があります。
段ボールのプレゼントは返却や購入が必要
段ボールのプレゼントといったオプションがあり既に受け取っている場合、返却または支払いをしないといけません。
具体的な対応方法は「引っ越しキャンセル後、段ボールなど梱包材はどうする?」で詳しく説明します。
事前に利用したオプションサービスは請求が発生する
その他エアコンの取り外しや取り付け、電気やガス、水道の手続き代行といった附帯サービスも申し込んでいた場合、すでに実施した分は費用が発生します。
引っ越しの基本料金の中に含まれているのか、オプションサービスは別料金なのかを事前に確認しておくことが大切です。
大手引っ越し業者のキャンセル規定は?
それでは実際、大手引越し会社のキャンセル料はどのように決められているのでしょうか。大手7社のキャンセル規定をまとめました。
引っ越し会社 | キャンセル料 | その他の条件 |
---|---|---|
前々日:20% 前日:30% 当日:50% |
すでに実施した付帯サービスの費用は請求
|
|
前々日:20% 前日:30% 当日:50% |
すでに実施した付帯サービスの費用は請求
|
|
前々日より発生 |
梱包資材は実費請求
|
|
日本通運 | 前々日:20% 前日:30% 当日:50% |
単身パックL:前々日より発生
|
ハート引越センター | 前々日:20% 前日:30% 当日:50% |
・実施した作業、使用した資材等は全額請求
・ダンボールS330円、M385円、和440円、テープ330円 ・資材の回収依頼は3,300円 |
ハトのマークの引越センター | 標準引越運送約款通り | ー |
アーク引越センター | 標準引越運送約款通り | ー |
大手引っ越し会社は基本的に「標準引越運送約款」の通り、引越し日の前々日からキャンセル料が発生します。どの会社も3日前までに連絡をすれば問題ありません。
なお事前にもらった段ボールを返却するか、購入すべきかは業者によって異なるため、キャンセル連絡時に確認をする必要があります。
キャンセル料が発生する具体的なケース
前述の通り、引っ越す日の3日前までに連絡をすればキャンセル料はかかりません。
一方で体調不良や悪天候によって、急遽当日に中止をせざるを得ない場合、キャンセル料はかかるのでしょうか?
それぞれ具体的なケースを紹介します。
体調不良による延期はキャンセル料がかかる
引っ越しの当日に急遽熱が出たり、体調が悪くなったりすることもあるでしょう。
基本的に自己都合による中止や延期の場合、キャンセル料がかかります。体調不良であってもキャンセル料は免除されません。
可能なら予定通り引っ越しを実施するか、難しければ連絡をしてキャンセル料を支払いましょう。
入居日が変わったらキャンセル料がかかる
「急遽引っ越す日が変わった」「入居できなくなった」などの理由も、2日前~当日であれば、もちろんキャンセル料がかかります。
中には快く延期に対応してくれる業者もいるため、引越し日が変動する可能性のある人は事前に伝えておくのが良いでしょう。
台風や地震で作業困難ならキャンセル料がかからない
台風や地震といった自然災害で作業が困難な場合は、引っ越し当日のキャンセル料が免除されます。
ただし台風や大雨の中でも作業を進める引っ越し業者は多いです。作業できる天候にも関わらず依頼者自身が中止すると、自己都合とみなされてキャンセル料が発生します。
悪天候で引っ越したくない人は、天気予報をチェックし、3日前にはキャンセル連絡を入れておきましょう。
引っ越しをキャンセルするときの上手な断り方
引っ越しキャンセルの連絡をするとき、「上手く断れないのではないか」と心配で気が重い人もいるでしょう。スムーズに引越しをキャンセルするコツを紹介します。
キャンセルが決まったらすぐに連絡する
引っ越しのキャンセルは作業日に近づくほど、キャンセル料が発生する確率が上がります。引越しの中止や延期が決まったら、早めに電話をかけてキャンセルを伝えることが大切です。
キャンセル方法は業者によって異なるため、確認してから連絡しましょう。とくに決まりがなければ、メールよりも電話が確実に伝わるのでおすすめです。
契約前で、見積もりを取ったのみの業者にキャンセル連絡をしたいのであれば、メールのみの送信で問題ありません。
担当者個人への連絡は避ける
キャンセル連絡をするときは、担当者へ直接ではなく、引っ越し業者のコールセンターに連絡するのがおすすめです。受付の社員が機械的に処理してくれるため、スムーズにキャンセルしやすくなります。
電話はコールセンターの受付時間内にかけましょう。時間外にかけると、営業担当者が電話に出る場合があります。
断る理由は仕方のないものにする
引っ越し当日の3日前であれば、キャンセル理由は言わなくても問題ありません。ただし電話口で理由を聞かれたときのために、説明する内容を考えておくと安心です。
上手くキャンセルを伝えたいのであれば、断る理由は本人の意思ではどうしようもない内容にしましょう。
たとえば「会社の転勤が急になくなった」「家庭の事情で引越しそのものが中止になった」などであれば、それ以上は言及しづらいものです。
キャンセル料を高額請求されたら消費生活センターに相談を
万が一「標準引越運送約款」に当てはまらない高額なキャンセル料や、覚えのない手付金を請求されたときは、消費生活センターに相談しましょう。トラブルの解決策を教えてもらえます。
3日前の解約なのにキャンセル料を請求されたときも同様です。なお実施済の「付帯サービス」は金額が発生することがあり、キャンセル料に含まれます。まずは見積もり書に記載のサービス内容をよく確認しましょう。
引っ越しキャンセル後、段ボールなど梱包材はどうする?
すでに段ボールなどの梱包資材を引っ越し業者から受け取っている場合、一般的に返却または買取対応となります。梱包資材の返却について、業者からの指示を確認しましょう。
自腹で郵送するか直接返しに行く
もらった段ボールは基本的に返却します。自己都合のキャンセルの場合、何日前のキャンセルであろうとも郵送代は自腹です。送料は段ボールの量にもよりますが、3000円程度かかります。
引っ越し業者を乗り換えたのであれば、乗り換え先の業者が代理で返品してくれる場合もあるので相談してみましょう。
購入扱いになり実費で請求される場合も
すでに段ボールを使用した場合は、買い取りになるのが一般的です。アリさんマークの引越社など、引越し業者によっては始めから「申し込み特典の段ボールは実費で請求」としています。
段ボールの料金は引越し業者によって異なりますが、1枚200~300円が相場です。たとえば50枚の段ボールをもらっていたなら、1万~1万5000円ほどかかるでしょう。
梱包材は返却しないとばれる?
段ボールを返却するように連絡があったにも関わらず無視しているなら、確実にばれています。速やかに返却しましょう。
もし連絡がなくどうしたら良いか分からない場合は、再度コールセンターや担当者に確認の連絡をすると安心です。3~4月の繁忙期は反応が遅くなる可能性がある点には注意しましょう。
引っ越しキャンセルのトラブルを防ぐには業者選びも重要
急な転勤や家庭の事情、体調不良で引っ越しそのものが中止になったり延期したりせざるを得ないときは、速やかに引っ越し業者にキャンセルを連絡しましょう。3日前までならキャンセル料はかかりません。
今後再び引っ越し業者に依頼するときは、トラブルを防ぐためにもキャンセルポリシーを確認しておくことが大切です。
またやむを得ない状況なら仕方がないですが「他の業者の方が安い」という理由の解約であれば、先に料金を比較し安い業者を選んでおけばキャンセルそのものを避けられます。
安くて評判の良い引っ越し業者を探すなら、ミツモアがおすすめです。簡単な質問に答えるだけで最大5つの見積もりが届き、料金を比較できます。口コミも確認できるので、条件にピッタリの引っ越し業者が見つかるでしょう。
ミツモアの引っ越し依頼のキャンセル方法は、「見積もり後にキャンセルすることはできますか?」「依頼のキャンセルはミツモアで対応してもらえますか?」で解説しています。