引越しの見積もり前に「業者に何を聞かれて、自分も何を聞いたほうがいいか」を把握しておくと、安心です。
例えば、引っ越し元と引越し先の道路の前にトラックが停められるかでも、料金が変わります。しっかりと回答内容を準備することで、スムーズに料金がわかるだけでなく、費用を抑えることも可能です。
引越しの訪問見積もりだけでなく、オンラインのみでOKの場合もあります。安く正確な引越し見積もりを取るために、訪問とオンラインの両方で必要な準備を詳しく紹介します。
引越し見積もり前にする10の準備
引越し見積もり前の準備について、10項目にまとめました。引越し業者からよく聞かれる内容でもあるため、しっかり準備しておきましょう。
住所・建物の確認 | |
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日程の確認 | |
荷物・作業の確認 | |
料金の確認 |
引越し見積もり前に準備をするメリットは大きく2つあります。1つ目は正確な料金を算出してもらえる点です。「エレベーターの有無」や「運搬できない荷物」など追加費用がかかりがちなポイントを見落とさなければ、思わぬ追加費用を防げます。
2つ目は見積もりがスムーズになる点です。1社のみの見積もりはもちろん、複数社に正確な情報を伝えられるので、相見積もりの比較もしやすいです。
引越し見積もりは通常期(5月~1月)で1カ月前、繁忙期(2月~4月)で2カ月前を目安にとるのがオススメです。並行して準備も進めましょう。
準備1. 新居と旧居の住所を正確に伝える
引越し料金は移動距離が長いほど作業時間が延び、料金が高くなるのが一般的です。正確な見積もりを出せるように、新居と旧居の住所を正しく伝えましょう。
【例】
◎:東京都目黒区下目黒●-●-● 〇〇ハイツ303号室
△:東京都目黒区●-●
アパートやマンションの場合は建物名、部屋番号まで伝えることが大切です。
住所を正しく伝えられなかったり、間違えたりすると、同じ県内でも単身で1000~5000円、家族で5000~2万円の差が出る可能性があります。
見積もり時の問い合わせフォームに記載する際は、数字を打ち間違えるなどのミスをしないように気を付けましょう。
準備2. エレベーターと駐車場の有無を確認する
新居や旧居の建物の状況も、引越し見積もりに影響します。以下の情報をまとめておきましょう。
- 旧居・新居の階数
- 荷物を運びこむときエレベーターを使えるか
- 家の前にトラックを停められるスペースがあるか
新居や旧居にエレベーターがない場合、階段を使った運搬移動をするため、料金が割高になります。1階分の上り下りで、1000円程度の追加費用がかかるでしょう。
駐車場があるかどうかや、使用可能な台数、駐車可能時間なども重要な情報です。引越しトラックを停められる場所がない場合、別途駐車場を確保する必要があり、追加料金が発生します。
準備3. 引越しの候補日を複数用意する
最近はオンラインのみで引越し見積もりできるケースも多いです。ただし荷物量が多い場合は、正確な情報を把握するのが難しいため、訪問見積もりで業者が直接荷物をチェックしてから料金が確定します。
訪問見積もりがある場合に備え、日時候補を3~5日程度用意しておくと、スケジュール調整がスムーズです。
訪問見積もりには30分から1時間程度かかるため、立ち会える人も決めておきましょう。引越し業者からの質問に答えられるよう、荷物の量や引越し先の情報を把握している人が立ち会うのが理想的です。
訪問見積もり当日の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。
準備4. 引越し料金が安くなる日時を確認する
引越しは時期によって大きく料金が変わります。引越し需要が少ない5月~2月に比べ、進学や新生活が始まる3月~4月は料金も20~40%ほど高いです。また平日のほうが土日祝日よりも金額が安く、午後から夕方にかけての時間帯のほうが午前中よりも安くなります。
東京都内で1LDKの引越しを行う場合、閑散期の平日は繁忙期の週末より3万~4万円も料金が安くなることがあります。引越し日時を調整できる人は、なるべく料金が安い時期や時間帯の見積もりをとるのがオススメです。
引越しの希望日程や、希望時間は業者に必ず聞かれるため、複数の日時候補を出せるようにしておきましょう。
準備5. 引越しで運ぶ荷物を決めておく
引越し業者が見積もりを算出する際、荷物の量や大型家具の大きさなどに基づいて、トラックの台数や作業時間、作業スタッフの人数を決めます。
新居に持っていくか、捨ててしまおうか迷っていると、料金がぶれてしまいますので、事前に決めておきましょう。
荷物量が少ないほど料金が安くなるため、引越し見積もりを依頼する前に、新居に持っていく必要があるか整理するのがオススメです。たとえば1LDKの家財を運搬する場合、段ボール15個分なら4万円程度ですが、30個分だと7万円ほどかかります。
引越し当日、急に荷物が増えると追加料金がかかるのみでなく、荷物を運んでもらえないケースもあります。新居に持っていく家具や家電、必要な段ボールの個数をできるだけ正確に把握しておきましょう。
準備6. 引越しで断られる荷物がないかを確認する
特別な取り扱いが必要な荷物は、引越し業者が運搬を断る場合があります。見積もり前に、以下の荷物がないかチェックをしておきましょう。
- ペットなどの生き物
- 観葉植物
- ピアノなど繊細なもの
- 美術品・芸術品を含む高価な品物
- バイク
- 火薬、危険品
いずれも運搬には技術が必要で、他の荷物と一緒に運べません。引越し業者へ見積もり時、対応可能かどうかを相談しましょう。
断られた場合、自力で運ぶか、専門の輸送業者に別途依頼する必要があります。専門業者の料金目安はペットで5万円~、ピアノで3万円~、バイクで1万円~です。
引越し業者が対応可能な場合でも、追加料金が発生する可能性があります。正しく伝えて、見積もりに含めてもらうことが大切です。
準備7. 不用品の処分方法を決める
引越しをすとき、家具や家電の買い替えで粗大ごみや不用品が出ます。粗大ごみや不用品が出る場合は、どのように処分するか決めておきましょう。たとえばダイニングテーブル1点を処分する手段は以下です。
- 引越し業者のオプションサービスで回収依頼:1000~3000円
- 不用品回収業者に依頼:2000~5000円
- 自治体で粗大ゴミに出す:1000~5000円
- リサイクルショップへ売却:1000~1万円の収入
- フリマアプリで販売:1000~2万円の収入
- 知人への譲渡:無料~数千円
一番手間がかからないのは、引越しと同時に回収してもらう引越し業者への依頼でしょう。家財の状態によってはリサイクルショップやフリマアプリで販売すると、数千円の収入にもなりオススメです。ただし出品や発送の手間がかかる点には注意が必要です。
準備8. 運搬以外で依頼する作業内容を決める
引越し業者には、荷物の運搬以外にもエアコンの脱着工事などを依頼できます。基本的に追加料金がかかるため、どこまで引越し業者に依頼をするか決めておきましょう。引越し業者に頼む人が多いサービスは以下です。
- 家具(ベッドなど)の解体・組立:3000~5000円 / 1台
- 家電(洗濯機・冷蔵庫・エアコンなど)の移設:5000~1万円 / 1台
- 不用品回収:1000~3000円 / 1個
- 荷造り・荷解き:500~1000円 / 1個
- 梱包資材の準備:無料~300円 / 1個
その他、電気・配線まわりの作業や、ハウスクリーニングを依頼できる引越し業者もいます。自分で作業する、または他の業者に依頼する費用や手間と比較して、引越し業者に依頼するか決めると良いでしょう。
準備9. 引越し予算をおおまかに想定しておく
引越しの時期や荷物量を確認したところで引越し料金の相場などを確認し、おおまかな予算を決めておきましょう。たとえば5月の通常期に、県内で引越しをしたときの費用目安は以下の通りです。
- 単身引越し:26,200~27,200円
- 家族引越し:38,300~65,700円
※ ミツモアにおける引越し依頼の成約価格データ(2023年5月~2023年11月)
相場を知らない状態で引越し業者に見積もりを出すと、料金が高いのか安いのかわからず、冷静に判断できません。価格交渉の目安になるため、いくらまで引越し料金を出せるか、しっかり考えておきましょう。
引越す人数や月別、距離別の引越し料金の相場について詳しく知りたい人は、下記でチェックしてみましょう。
※ ミツモアにおける引越し依頼への応募価格から算出しています。(2023年5月1日~2024年3月20日)
準備10. 引越しの相見積もり時は引越し日を合わせる
引越し見積もりは業者によって異なり、料金差が数万円以上になることもあります。そのため複数の業者に相見積もりを取るのがおすすめです。業者ごとに条件が異なると正確な料金比較ができません。複数の見積もりを取る際は、引越し予定日を統一しましょう。
なお引越し業者に見積もりを依頼するタイミングは、通常期(5月~1月)と繁忙期(2月~4月)によって異なります。
通常期は最低でも1か月前から、遅くても3週間~2週間前を目途に見積もりを依頼しましょう。繁忙期は引越しの需要が高まって予約が埋まりやすい状況です。少しでも安い料金で引越しをした人は、できれば2か月前に見積もり依頼することをおすすめします。
訪問なしで引越し見積もりするやり方は、以下の記事を参考ください。
引越し見積もりを安くするために事前準備が大切
引越しはやることが多く、なにかと出費があります。希望する日時でスムーズに引越しを進めるには、荷物量や当日の作業、予算など、あらかじめ依頼する内容を決めたうえで見積もりを取ることが大切です。正確に見積もりが取れれば、当日に追加料金を支払うことなく、想定した予算どおりに進められるでしょう。