家にある大きくて重いピアノ。ピアノは高価で繊細な楽器です。
引っ越しの際、ピアノの運送には特殊な作業が必要になることもあります。
引っ越し業者は運んでくれるのか、どのくらい料金がかかるのか・・・など、不安に思うことも多いですよね。
そこでこの記事では、ピアノ運送にかかる作業料金の仕組みや相場、事前に確認するべきチェックポイントを解説します。
引っ越し時のピアノの運送は業者に依頼しよう
ピアノの運搬は、自分でやるのではなく、業者に依頼するようにしましょう。
運送の料金をできるだけ安くするには、複数の業者で見積もりを立てて比較してから依頼すると、価格を抑えて満足なサービスを受けることができます。
おすすめ① ピアノ運送の専門業者
ピアノはとても繊細な精密機器です。さらに重さもグランドピアノだと約350㎏もあります。
高価なピアノを安全に運送するには、豊富な知識と経験が必要です。安さだけで業者を決めるとピアノの扱いに慣れておらず余計な追加料金がかかったり、大事なピアノを傷つけられてしまう可能性もあります。
やはりピアノなど楽器の引っ越し・運送を手掛ける専門業者に依頼するのがよいでしょう。
専門業者はピアノの扱いに慣れているだけでなく、クレーンを使った特殊な搬出・搬入などにも対応してくれます。
ピアノ運送の専門業者にはピアノ運送株式会社、池田ピアノ運送株式会社、共立ラインサービス株式会社などがあります。
▽おすすめのピアノ運送業者一覧はこちら
おすすめ② 引っ越し業者
アート引越センターやサカイ引越センターといった大手の業者では、ピアノの運送もオプションサービスでつけることができます。
ほかの荷物の運搬を引っ越し業者にお願いするなら、ピアノの運送もまとめてお願いできると嬉しいですよね。できるだけ手間を省きたいという人は、引っ越し業者のピアノ運送サービスを利用するのがおすすめです。
ピアノ運送サービスを展開している引っ越し業者の多くは、ピアノ運送の専門業者と提携しています。その場合実際に当日作業を行うのは、専門業者のスタッフです。
ホームページに記載のない業者でも、電話でピアノ運送を請け負っていないか確認してみるとよいでしょう。
自分でピアノを運ぶことは危険
引っ越し費用を安く済ませるため、自分で荷物の運搬をしようと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかしピアノを自分で運搬するのはオススメできません。ピアノは先述したように重さが200~300㎏もあり、素人ではピアノを傷つけてしまったりケガをしてしまったりするからです。
またピアノは大きさもあるため、運搬途中に通路の幅が足りないことが発覚して慌てて業者に連絡するといったケースも少なくないようです。
ピアノは繊細で高価な楽器です。多少お金がかかっても、ピアノの運搬は専門の業者にお願いすることをおすすめします。
【費用相場】ピアノの運送料金
ピアノの運送料金は、距離ごとの基本運送料と状況に応じて生じる特殊作業料で決まります。
特殊作業料とは、家から運び出す際にクレーンなどの機械を使う作業で生じる料金のことです。
また、運送料金は、ピアノの種類や大きさによっても異なります。
以下の表でピアノの種類別の、基本運送料金と特殊作業料金を示します。
ピアノの種類別【基本運送料金】
ピアノには「グランドピアノ」と「アップライトピアノ」「電子ピアノ」の3種類があります。
このうちの電子ピアノだけは、普通の家電や荷物と同じように引っ越し業者に運搬をお願いしても問題ありません。
【アップライトピアノの基本運送料】
移動距離 | 費用相場 |
~30㎞ | 約19,000円 |
~50㎞ | 約21,000円 |
~100㎞ | 約25,000円 |
100㎞~ | 約30,000円~ |
【グランドピアノの基本運送料】
移動距離 | 費用相場 |
~30㎞ | 約25,000~42,000円 |
~50㎞ | 約30,000~50,000円 |
~100㎞ | 約40,000~53,000円 |
100㎞~ | 約50,000円~ |
同じタイプのなかでも、サイズが大きくなるほど運送料金も高くなります。
上の表は搬入・搬出に特殊な作業がいらない場合の基本料金です。
ピアノの種類別【特殊作業料金】
運搬経路の状況によっては特殊作業が必要になるケースもあります。
その場合は作業によって以下の料金が上記の基本運送料金に追加されます。
アップライトピアノ | グランドピアノ | 電子ピアノ | |
階段(1階ごと) | 2,000~3,000円 | 3,000~8,000円 | 5,000~7,000円 |
クレーン車の利用 | 10,000円~ | 10,000~25,000円 | 10,000円~ |
手吊り | 10,000~30,000円 | 10,000~25,000円 | 10,000~30,000円 |
解体する場合 | 30,000円~ | 30,000円~ | なし |
引っ越し繁忙期は料金が高くなる
ピアノ運送に限らず、3月や9月は引っ越しをする人が多いため業者の料金は高く設定されています。
時期に余裕があるなら、繁忙期を避けて引っ越しをすると全体の費用を抑えることができますよ。
▽引っ越し料金が安い時期をもっと詳しく知りたい方はこちら
業者に依頼する際の注意点
業者に依頼する際には事前に提供すべき情報や、当日の流れ、トラブルの対策などを把握しておくと安心して当日を迎えることができます。
以下の準備事項や流れを確認しておきましょう。
事前に業者に伝えておくべき情報
当日どのような作業が必要か事前に業者と共有しておく必要があるので以下の情報を用意して依頼の連絡をするとスムーズです。
- ピアノを搬入したときの方法
- ピアノの運ぶ先の住所
- ピアノの種類、サイズ
- 搬出・搬入の日時
- 移動場所の周りの道路や敷地の広さ
- 搬出搬入経路となるエレベーターやマンションの入り口、廊下の幅など
知っておくと安心!ピアノ運搬の流れ
引っ越し全体のスケジュール計画を立てるためにも当日のピアノの運版作業の流れを事前に把握しておきましょう。
STEP①:ピアノの運搬経路を確認する
当日になって特殊作業が必要だったことが発覚するというようなことがないように、見積もりの際に新居・旧居の間取りを伝え、しっかりとピアノの運搬経路を確認する。
STEP②:ピアノを梱包する
ピアノにキズがつかないように、専門業者のスタッフが厳重な梱包を行う。
STEP③:旧居を養生する
ピアノ本体だけではなく、運搬経路になる自宅や共用部分の壁、エレベーターなどにキズがつかないように、経路になる場所の養生を行う。
STEP④:ピアノを搬出・運送する
前に決めたルートに従ってピアノを搬出し、運送業者のトラックに載せて引っ越し先まで運送する。
STEP⑤:新居を養生する
新居の運搬通路も、ピアノや住居に傷がつかないように養生する。
STEP⑥:搬入・設置をする
決められたルートに従って搬入し、希望の場所にピアノを設置する。
事前にできるトラブル対策
ピアノは高額な楽器です。万が一トラブルが発生したとき、どうすればよいか分からなかったり損をしてしまっては困りますよね。
もしものときにスムーズに対応できるよう、事前に準備できることをやっておきましょう。
トラブル対策① ピアノのキズや汚れを確認しておく
引っ越しが終わってからピアノにキズや汚れがあるのを発見した場合、それが元からなのか、それとも運送中についたものなのかを判断しなければなりません。
引っ越し当日までに、ピアノの写真を撮っておきましょう。キズ・汚れを細かく確認しておいて、引っ越し前後で変わりないか比べるためです。
万が一、運送時の過失によってピアノに傷が付いた場合は、運送保険の範囲内で補償してもらえます。ただし保険の内容や補償額は業者によって異なるため、契約前に内容を詳しく確認することをおすすめします。
トラブル対策② 当日が悪天候だった場合の対応を確認しておく
ピアノは湿気や水に弱いデリケートな楽器です。
小雨であれば引っ越しを決行できる確率が高いですが、大雨に見舞われたり台風と重なったりした場合には、ピアノが壊れないように運搬を中止する可能性もあります。
悪天候だった場合にどう対応するのか、事前に運搬業者と打ち合わせしておきましょう。
引っ越しと一緒に調律やクリーニングも依頼しよう!
引っ越しを機に調律やクリーニングを依頼することをおすすめする業者は多いです。
引っ越しでの移動時に微妙にずれてしまった弦を再調整するという意味で必要なだけでなく、定期的な調律やクリーニングはピアノを長持ちさせることに繋がります。
調律が必要なタイミング
基本的にピアノの調律は年に1度やることが推奨されています。
先述の通り引っ越しでは移動時に負荷がかかるので、引っ越しと一緒に、もしくは後に調律することがおすすめされますが、それ以外にも調律が必要とされるサインがあるので以下の項目を確認してみてください。
- 鍵盤タッチが重い
- 鍵盤の戻りが遅い
- 変な音がする
以上のような異変は、湿気によって内部の部品がわずかに変形、もしくは破損することによって起こる現象です。これらの項目が当てはまるのであれば、引っ越し作業と一緒に調律やクリーニング、修理を依頼するといいでしょう。
調律にかかる料金
引っ越しの運送サービスとセットになっているプランもあるのでどのようなプランが用意されているからよく調べてから依頼するとよいです。
以下はセット価格ではなく調律にかかる料金の相場をまとめています。
アップライトピアノ | 12,000円前後 |
グランドピアノ | 15,000円前後 |
クリーニングにかかる料金
長く使っているピアノなら弦や鍵盤のすき間にほこりが溜まっていたり、表面のつやが消えてしまっていたりするでしょう。
ピアノは部品数も多く、自分で正しくお手入れをするのは難しいものです。湿度に弱いため水拭きをするとかえって故障の原因になってしまったり、鍵盤をアルコールで拭くとヒビの元になってしまったりします。ピアノの種類やサービスにもよりますが、以下の料金表を参考にして考えてみてください。
アップライトピアノ | 29,000円~50,000円 |
グランドピアノ | 50,000円以上 |
クリーニングも同様にセットで価格がお得になっているプランもあるのでよく確認してください。
インシュレーターの交換
インシュレーターとはピアノの脚に敷くパーツのことです。ピアノの重みで床をキズつけるのを防いだり防音・防振効果を発揮したりします。
インシュレーターはピアノも家の床も同時に守ってくれる重要なパーツです。もし運搬の際にインシュレーターにヒビ割れなどの劣化・破損が見つかったら、新品に交換しておきましょう。
ピアノを買取・処分してほしいときは
引っ越しを機に長年使っていないピアノを断捨離すると決めたり、新居にピアノを置くスペースがなく手放さなければいけなくなったりした方もいますよね。
ピアノを買取・処分してほしいときの方法を紹介します。
①ピアノ買取業者に売却する
ピアノ買取業者に買い取ってもらうことの一番のメリットは、処分費用がかからないことです。
状態によりますが、ピアノを買った額の10~30%の値段がつくことが多いようです。
メーカー、型番、製造番号などの情報を用意すれば、電話やメールでも大体の買取価格を教えてくれる業者もあります。
また多くの業者は出張査定してくれるので、まずは査定を依頼してはいかがでしょうか。
②不用品回収業者に回収してもらう
買ってからかなりの時間が経過していたり状態が悪かったりすると、買取業者に買い取ってもらうことは難しいでしょう。
その場合には不用品回収業者に処分を依頼する方法があります。
回収費用の相場は以下の通りです。
アップライトピアノ | 約20,000~30,000円 |
グランドピアノ | 約40,000~50,000円 |
業者によってかなり金額に差が出るので、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
業者を決め日程を調整したら、当日は自宅までピアノを回収しに来てくれます。ほかにも断捨離するものがあればまとめてお願いするとよいですね。
③友人・知人に譲る
まだ使えるピアノであれば、ピアノを習い始めた友人や知人に譲るという選択肢もあります。
買取価格がついたとしても「愛着のあるピアノなのでどうせなら知っている人に使ってもらいたい」という思いから知り合いに譲る人もいるようです。
その場合も運搬はピアノ運送の専門業者にお願いするとよいでしょう。
ピアノは粗大ゴミに出せない
残念ながら多くの自治体では、ピアノを粗大ゴミとして回収してもらうことはできません。問い合わせると地元の一般廃棄物収集運搬業者を紹介されることがほとんどです。
ただし、わずかですがピアノを粗大ゴミに出せる自治体もあります。自治体に回収してもらうことができれば、不用品回収業者に依頼するよりも費用が大幅に安く済むので、自治体のホームページや電話で確認してみてくださいね。
ピアノを一時的に預けたいときは
処分はしたくないけれど、「引っ越しの期間だけ」、「転勤中の期間だけ」もしくは「子どもが大きくなるまで」など一時的にピアノを別の場所に保管しておきたい人にはピアノ保管サービスというものもあります。
ピアノ保管サービスを利用しよう
保管サービスを利用すると、メニューによっては保管中に無料で調律をしてもらえたり、むやみに移動させないことでピアノにかかる負担を軽減したりすることができます。
サービスの内容や料金は会社によって様々なのでよく調べてから依頼するとよいでしょう。
おすすめのピアノ保管サービス
ピアノ保管に最適な湿度・室温・クリーンな環境で預かってくれます。
また、ピアノ保管・預かり終了時に、ピアノ内部を掃除してくれるところも魅力的です。
アップライトピアノ | 1か月 4,400円 |
グランドピアノ | 1か月 6,600円 |
ササキピアノの保管サービスは最短1日から利用することができるところが特徴です。
1か月も預かってもらう必要がない人は日割りの支払いで済むので価格を抑えることができます。
アップライトピアノ | 1か月 4,400円 |
グランドピアノ | 1か月 6,600円 |
ピアノと一緒に他の荷物や家具も預けたいという人はトランクルームを借りるという方法もあります。
キュラーズはトランクルームのために設計されたビルのため、空調管理やセキュリティが徹底しておりピアノのような高価なものを預けるにも安心です。
ただし、利用できるエリアが限られているのでお住まいの地域と照らし合わせて利用可能かどうか確認してください。料金もルームサイズや場所によって異なるので自分に合ったプランを選択して料金を確認するようにしましょう。
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この記事では引っ越しにともなうピアノ運搬について、費用相場や合わせて行いたいメンテナンスなどを紹介しました。
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