「2人で引っ越すときの費用はいくらかかる?」
「初期費用を含めた2人の総額が知りたい」
「2人セットで10万円以下に抑えるコツはある?」
2人での引越しは、単身よりも運ぶ荷物が多いため、料金は高くなります。結婚や出産で引っ越す夫婦、これから同棲をするカップルは、なるべく節約したいと考えるでしょう。
引越し費用の目安は、現在同居中で一緒に引っ越す場合の「2人暮らしの引越し費用相場」と、別々の場所にいて「新たに2人暮らしを始める人の引越し費用相場」で異なります。そこで本記事では、2人暮らしの引越しにかかる費用相場や総額の目安、費用を安く抑えるポイントを解説します。
2人暮らしの引越し費用相場はいくら?
繁忙期(2月~4月)の費用相場
進学や就職、転勤のシーズンと重なる2月~4月は、引越しの依頼が集中する繁忙期です。ただし引っ越し費用は2人で10万円以下に収まります。
現在同居している夫婦・カップルなど、2人分の荷物の引越し費用相場は、同じ都道府県内なら3万4400円~4万円、都道府県外では5万1100円~16万2100円を目安にしましょう。費用に幅があるのは、引越し時期と移動距離によって料金差があるためです。
移動距離 | 料金の目安 |
---|---|
0~15km未満 (同一市区町村) |
34,400円 |
15~50km未満 (同一都道府県程度) |
40,000円 |
50~200km未満 (同一・近隣地方程度) |
51,100円 |
200~500km未満 (近・中距離地方程度) |
112,200円 |
500km~ (遠距離地方程度) |
162,100円 |
※ミツモアにおける引越しの平均成約価格(2023年2月~2023年4月)
通常期(5月~1月)の費用相場
5月~1月は引越しの依頼件数が落ち着くので、料金も繁忙期と比べて低めです。
2人暮らしの通常期の引越し費用は、同じ都道府県内なら3万1900円~3万6600円、都道府県外なら4万7700円~11万4800円が目安となります。
移動距離 | 料金の目安 |
---|---|
0~15km未満 (同一市区町村) |
31,900円 |
15~50km未満 (同一都道府県程度) |
36,600円 |
50~200km未満 (同一・近隣地方程度) |
47,700円 |
200~500km未満 (近・中距離地方程度) |
91,000円 |
500km~ (遠距離地方程度) |
114,800円 |
※ミツモアにおける引越しの平均成約価格(2022年5月~2023年1月)
引越し費用は時期や移動距離以外にも、荷物量やオプションサービスの有無によって変動します。また、引越し業者によって提示する費用は大きく異なります。具体的な費用を知りたい人は、実際に複数の業者から見積もりを取ってみることをおすすめします。
引越し料金の内訳と料金が変わる要因
2人暮らしの引越し費用は、「基本料金」「実費」「オプション料金」で構成されています。2人分の荷物量や必要なサービスに応じて、料金が変動します。
基本料金
基本料金は荷物の輸送サービスそのものにかかる料金で、移動距離や2人分の荷物量に応じて変動します。さらに、引越しの依頼が集中する時期は割増運賃が加算されます。2人暮らしの場合、荷物量が単身よりも多いため、基本料金が高くなる傾向があります。
実費
実費とは、荷物の輸送にかかるガソリン代や高速道路代、梱包資材費などです。2人暮らしの引越しでは、荷物量が多いため、梱包資材費が高くなることがあります。
オプション料金
オプションとして依頼できるのは「エアコンなどの設備取り付け」「不用品回収」「ハウスクリーニング」などです。2人暮らしを始める際は、新居の清掃やエアコンの設置など、オプションサービスを利用することが多いでしょう。
新たに2人暮らしを始める人の引越し費用相場
もともと実家暮らしや1人暮らしだった人が、同棲、結婚、ルームシェアなどで2人暮らしを始める場合もあるでしょう。別々の場所に住んでいる2人が引っ越す場合、通常だと「単身者の引越し費用×2倍」がかかり高額になってしまいます。
引越し費用を安くするために、近距離に住む2人が同日に引っ越すなら「立ち寄りプラン」がおすすめです。それぞれの費用目安は以下の通りです。
プランの種類 | 通常期の料金目安 | 繁忙期の料金目安 |
---|---|---|
立ち寄りプラン(通常プラン×1.5倍) | 47,400円 | 56,880円 |
単身パック×2人分 | 59,400円 | 71,280円 |
通常プラン×2人分 | 63,200円 | 75,840円 |
※繁忙期の費用は通常期×1.2倍を目安に計算
立ち寄りプラン(通常プラン×1.5倍)
立ち寄りプランとは、引越し業者のトラックが2か所に立ち寄って荷物を積み込み、まとめて新居に運び込んでくれるプランです。2人が別々に引越し業者を手配するよりも費用を抑えられます。
もともと近い距離に住んでいて、これから1つの家で2人暮らしを始める場合におすすめです。ただし同じ日に引越し作業をする場合にしか利用できないプランなので注意しましょう。
立ち寄りプランの料金相場は、通常の単身引越しの1.5倍程度が目安です。
単身パック×2人分
2人が新居へ引っ越すのが別の日になる場合は、荷物が少ない方向けのプランである単身パックで、1人あたりの引越し費用をなるべく抑えるのがおすすめです。
単身パックは、サイズが決まった専用コンテナに荷物を積み込み、複数のコンテナをまとめて運ぶことでコストを下げています。
東京都内で単身者向けパックを使って引っ越した場合の、1人あたり(コンテナ1つあたり)の料金目安は以下の通りです。
業者名 | 基本料金 | 追加料金・割引等 |
---|---|---|
日本通運(単身パック) | 29,700円 | 土日祝日は別料金 インターネット割引適用済 |
ヤマトホームコンビニエンス (わたしの引越) |
23,100円 | 土日祝日+4,400円 時間指定+1,100円 |
西濃運輸 (カンガルー単身MAX+1) |
41,800円 | 土日祝日+2,200円 夜間配達(18~21時)+3,300円 |
コンテナの数が増えると金額も上がります。1つのコンテナで運べる荷物量は、以下が目安です。
- 冷蔵庫(170L)
- 洗濯機(6㎏)
- 薄型TV
- 電子レンジ
- 炊飯器
- シーリングライト
- 段ボール10箱
単身パックについては以下の記事でも詳しく解説しています。
引越し業者の通常プラン×2人分
荷物が多い場合は、単身パックで積みきれない場合もあります。引越し日が異なるため立ち寄りプランも使えないときは、引越し業者に依頼することになります。
通常の引越しプランを利用した場合、1人分の引越しの料金目安は以下の通りです。
移動距離 | 繁忙期の料金 | 通常期の料金 |
---|---|---|
0~15km未満 (同一市区町村) |
32,800円 | 29,200円 |
15~50km未満 (同一都道府県程度) |
35,200円 | 31,700円 |
50~200km未満 (同一・近隣地方程度) |
49,500円 | 43,600円 |
200~500km未満 (近・中距離地方程度) |
89,500円 | 83,800円 |
500km~ (遠距離地方程度) |
161,200円 | 143,700円 |
※ミツモアにおける引越しの平均見積もり価格(2022年5月~2023年4月)
実際の費用は移動距離や荷物量によって金額が大きく変動します。見積もってみたら、単身パックよりも通常プランの方が安いというケースも少なくありません。正確な料金を知るには、いくつかの業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。
2人暮らしの引越しにかかる総額費用の目安
引越しのときは、業者に荷物を運んでもらう料金だけでなく、物件の初期費用や新しい家具・家電の購入費用もかかります。
初期費用や家財の購入費用の目安は以下の通りです。近場への引越しで引越し費用が3万~4万円なら、総額73万~124万円を見ておきましょう。
項目 | 費用目安 |
---|---|
引越し業者の料金 | 3万~4万円 |
賃貸物件の初期費用 | 50万~60万円 |
家具・家電の購入費用 | 20万~60万円 |
合計 | 73万~124万円 |
引越し業者の料金
2人暮らしの引越し費用は3万1900円~16万2100円が相場です。移動距離や荷物量、オプションサービスが増えるほど費用は高くなります。
賃貸物件の初期費用
賃貸物件を新しく借りるとき、敷金や礼金、仲介手数料、前払い家賃などの初期費用をまとめて支払う必要があります。初期費用の金額は、新居の家賃の5~6か月分が目安です。
新居の家賃が10万円だとすると、かかる初期費用は50~60万円を見ておくとよいでしょう。
フリーレント付きの物件を借りたり、礼金や仲介手数料の値切り交渉を行ったりすることで、多少は安くおさえることができます。
家具・家電の購入費用
実家暮らしから2人暮らしを始める場合や、サイズが合わなかったり古くなったりした家具・家電を買い替える場合は、家財の購入費用もかかります。
主な家具・家電を新品でそろえた場合の金額の目安は以下の通りです。
品目 | 料金目安 |
---|---|
冷蔵庫 | 5万~10万円 |
洗濯機 | 5万~10万円(縦型) 15万~30万円(ドラム式) |
テレビ | 4万~10万円 |
ダイニングテーブル | 2万~10万円 |
ベッド | 2万~5万円 |
マットレス | 1万~10万円 |
すべて安いもので購入しても約20万円、こだわると約60万円ほどになることも。新しく必要な家財の点数、製品のスペック、中古・新品どちらにするかによって、購入費用の総額は大きく変わります。
引越し時はまとまったお金が出ていくタイミングなので、無理して買い替えようとすると金額になります。最初は元々使っていた家具・家電を持っていき、少しずつ新しいものをそろえるのがおすすめです。
旧居の退去費用
賃貸物件の借主には、退去時に部屋を借りたときの状態に戻して返す「原状回復」の義務があります。
通常の使い方による損耗や設備の経年劣化であれば、基本的に大家さんがクリーニングや修繕の費用を負担します。一方、タバコのヤニ汚れや不注意による故障などは入居者が負担しなければなりません。
入居者が負担する金額は契約時に預けた敷金から引かれ、残額が返還されるのが一般的です。預けた敷金を超えた場合は、追加で支払いが発生します。
2人暮らしの引越し費用を安く抑えるコツ
2人暮らしを始めるときは引越し業者に荷物を運んでもらう費用から家具・家電をそろえる費用まで、コストがかさみがちです。
各項目を少しでも安く抑えるコツをまとめました。
複数の引越し業者から相見積もりを取る
はっきりした定価がない引越しサービスでは、複数の業者から見積もりを取って比較するのがおすすめです。2人分の荷物で10万円だった見積もりが、別の会社では5万円で済むようなケースも少なくありません。
2人暮らしの引越しでは、同じ条件で5~7社からの見積もりをとり、安くて信頼できそうな業者に絞ってから正式見積もりを出してもらうと良いでしょう。
別の業者から提示された見積もり金額を伝えて交渉することで、当初の見積もり金額から値引いてもらえる可能性もあります。
ミツモアなら簡単な質問に答えるだけで最大5つの業者から見積もりが届きます。営業電話もかかってこなくて安心です。
不用品を処分して2人の荷物を減らす
荷物量が多いほど引越し費用は高くなりがちです。要らないものを処分して、運んでもらう荷物の量を減らすと料金を抑えられます。
とくに同居や同棲を開始する2人の場合、家電を大きいサイズに買い換えるケースは多いです。現在の家電を処分して新居で改めて購入すれば、引越し時の荷物をコンパクトにできます。
家電を捨てるときは処分費用がかかる点には注意しましょう。不用品回収もしてくれる引越し業者に依頼すると、他の業者に頼む時間を省けて楽です。
平日の午後を指定する
2人暮らしの引越しで、日程や時間にある程度融通が利く場合は、平日の午後を指定しましょう。休日や午前の指定よりも、割安で依頼できる可能性があります。
連休の期間中、とくに初日は引越し費用が高くなる傾向にあります。土日などの連休を利用して引越しを済ませたい人が多いためです。また早い時間帯のトラックは、距離によっては当日中に到着するため、午前の依頼も料金が高くなりがちです。
ただしトラックの出発が午後になると、搬入作業が夜になり荷ほどきが大変です。日程に余裕がある場合の選択肢として、頭に入れておきましょう。
引越し料金が安い時期・日程を選ぶ
2人とも引っ越す時期にも融通が利く場合は、繁忙期を避け、日時は平日の午後を指定しましょう。
引越しの繁忙期は2〜4月です。進学や就職、転勤などで件数が増え、料金が高くなる傾向にあります。可能であればこの時期の引越しを避けましょう。
また、土日などの連休で引っ越したい人が多いため、平日の引越しは割安です。当日中に作業を終えづらい午後のトラックは、人気が低く安い傾向にあるため、併せて利用すると良いでしょう。
荷物が少ないなら「単身パック」を利用する
1人暮らし同士が別々の場所から引っ越すときはもちろん、現在2人暮らしをしている人も単身パックを使えます。
コンテナに乗る荷物量であれば、単身パックの料金で依頼が可能です。荷物が収まらずコンテナが2つになっても、引越し業者に通常料金で頼んだときよりも安い場合があります。
スケジュールに余裕があれば、単身パックと通常プラン両方の見積もりを取り、どちらの方が安いかを比較すると良いでしょう。
長距離なら「混載便」「帰り便」「コンテナ便」を使う
2人で長距離の引越しを利用する際に「料金が高い」と感じたら、「混載便」「帰り便」「コンテナ便」といったプランを利用する手もあります。
いずれも通常のトラックより時間がかかり、発着日の指定がしづらいデメリットがありますが、輸送コストをおさえた運び方なので料金は安くなります。発着日の融通がきく場合は利用を検討してみると良いでしょう。
代表的なプランの特徴は以下の通りです。
プランの種類 | 特徴 |
---|---|
混載便 |
|
帰り便 |
|
コンテナ便 |
|
2人暮らしの引越し初期費用を節約するコツ
物件の退去時や入居時にかかる費用は、合計50万~60万円にもなります。少しでも安く節約する方法を5つ紹介します。
ゼロゼロ物件やフリーレント期間のある物件を選ぶ
住む家をこれから選ぶ場合、敷金や礼金が0円の物件(ゼロゼロ物件)を選ぶと初期費用を大きく抑えられます。一定期間の家賃が無料になるフリーレント期間がついている物件もおすすめです。現住居の契約と重なっても、二重家賃になりません。
繁忙期が過ぎても埋まっていない物件は、フリーレント付きで出回ることが多いです。契約前の条件交渉で、ほかの項目を安くできない代わりにフリーレントを付けてもらうという交渉の仕方もあります。
ただしゼロゼロ物件やフリーレント付き物件を住まい探しのマスト条件にしてしまうと、選択肢が減ってしまう点に注意が必要です。妥協するとその後の生活の満足感を損ないかねないため、迷ったときは物件の条件を優先しましょう。
礼金や仲介手数料の値下げ交渉をする
「礼金」は物件を貸し出してくれるお礼として大家へ支払う心付け、「仲介手数料」は大家と借主の間の調整や契約事務を行う不動産会社への報酬です。初期費用の中では比較的融通がきく項目で10%ほど値下げできたという例もあるので、交渉してみると良いでしょう。
礼金の値下げは、まず不動産会社の担当に相談すると、担当者が大家さんと値下げ交渉をしてくれます。この際「礼金が安くなれば必ず契約する」「○年以上住む」「○円まで下がればここの不動産会社を通して契約する」など、条件を提示すると交渉が成功しやすいです。
仲介手数料も「○円まで下がればここの不動産会社を通して契約する」などの条件があると、先方が値下げを検討しやすくなります。
ただし無理に値下げを要求するのは良くありません。不動産会社や大家は退去時までお世話になる可能性がある相手です。関係を悪くしないためにも、ダメもとで相談する程度に留めましょう。
不要な入居時サポート・サービスを断る
入居時には、鍵の紛失や設備の故障など急なトラブルにいつでも対応してくれる「24時間サポート」や、「お部屋の消臭・除菌施工」がサービスとして付いていることがあります。
これらは強制ではないことも多く、いらないと感じたら断ることが可能です。入居時にまとめて支払うため、初期費用を2万~3万円ほど削減できます。
24時間サポートはいざという時には役に立ちますが、トラブルが発生してときに専門業者を探せば対応できです。消臭・除菌サービスは、市販のスプレーや害虫駆除剤を散布しているだけのケースもあり、不要なケースも多いです。
具体的に何をしてくれるのか、確認してから判断しましょう。
退去前に部屋を掃除・補修する
退去費用を安くするために、できる限り自分たちで部屋をキレイにしましょう。退去費用は、居住者の過失でついてしまった部屋の汚れや傷をもとに戻すための費用で、原状回復費とも呼ばれます。
フローリングや鍵の補修で数10万円も請求されるケースもあり、引越し時の出費が増す要因の1つです。退去前に以下をチェックし、できる限り補修しておきましょう。
- 水回りのカビや油汚れをキレイに掃除する
- 壁や床の傷を専用キットで補修する
- 火災保険に入っていれば、保険で直せるだけ直す
なお傷が大きい場合、自分で無理に直すとかえって被害が広がる恐れがあるためオススメしません。
退去時のみだけでなく、普段から傷がついたりカビが生えたりしないように気を付けて生活することが大切です。
電力会社やガス会社、ネットプロバイダを見直す
電気やガス、ネット回線といった固定費を、引越しを機に見直すのも良いでしょう。
たとえば電気代が1kWhあたり35円から30円の会社に変更すれば、2人暮らしの電力が1カ月300kWhとして1カ月1500円、年間で1万8000円も費用が浮きます。
「〇kWhを超えると〇円」などプランによって料金体系が異なるため、現在の電気使用量に応じて会社やプランを選ぶのがおすすめです。
2人暮らしの引越し業者探しは相見積もりがおすすめ
2人暮らしの引越しをするなら、相見積もりで料金を比較しましょう。引越し費用は業者によっても幅があるため、複数の業者の料金や作業内容を確認することで、より条件の良い事業者を見つけることが可能です。
引越しの相見積もりのやり方は「引越し見積もりのやり方とは?6つの方法と費用を安く抑えるポイント」の記事で詳しく紹介しています。
ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで、最大5つの引越し業者から見積もりが届きます。やりとりはチャットで完結するため、営業電話もなく安心です。