引越し時、電気・ガス・水道といったライフラインの手続きは済ませても、インターネット回線の手続きはどうやっていいか分からないという方は少なくありません。
引越し前後でなるべく使えない時期を短くするためには早めに手続きをすることが重要です。
引越し先で光回線を使うための手続き方法やおすすめの光回線サービスを紹介します。
インターネット回線の手続きは引越しの1か月前までに始める
引越しの予定があるのならばインターネット回線の手続きは引越し日の1か月前までに始めましょう。
基本的にインターネット回線の手続きは後回しにすればするほど不便になります。
引越し先が決まったらすぐに手続きを始めるくらいの心づもりでいると「手続きが遅くなったせいで新居ですぐに光回線を使えない」といったトラブルを防げます。
2~4月は予約が集中するため引越しが決まったらすぐに連絡をする
光回線を利用するには工事が必要です。工事には立ち合いが必要なため、利用者と業者双方の都合が合う日付を見つけなくてはなりません。
インターネットを快適に利用できる光回線の人気は高く、回線工事の予約が2か月先ということも珍しくありません。
特に引越しが多くなる2~4月は予約が集中するので工事の予約がとりづらくなります。
引越し先が決まったらすぐに回線工事の連絡を入れることで、引越し前後で光回線が使えない期間を短くできます。
回線工事が間に合わなかったときの対処法
引っ越してから開通工事まで時間が空くのならば以下の方法でインターネットを利用できます。
ただしこれらの方法はあくまで緊急措置的な利用に限ります。
長く使えば使うほど高上りになるので注意が必要です。
レンタルのモバイルルーターを利用する
光回線の事業者によっては、開通工事までの間モバイルルーターを貸し出してくれることがあります。
もし自分が使っているサービスがモバイルルーターのレンタルをしているのであればそれを利用しましょう。
貸し出しサービスがなくとも、日割りで利用できるレンタルモバイルルーターもあります。
モバイルルーターは光回線と比べると回線速度と安定性が低いものの、YouTubeやHuluなどの動画を見る分には問題ありません。
使い過ぎに注意して光回線が開通するまでのつなぎにしましょう。
スマホのテザリング機能を利用する
スマホのギガに制限がないのならば、テザリング機能を使ってルーター代わりにすることもできます。この方法であれば追加料金はかかりません。
ただしテザリング機能の使用中はスマホの充電が減りやすくなり、通信容量(ギガ)の消耗も早くなります。
1~2日程度であれば気になることは少ないかもしれませんが、それ以上の期間光回線を使えないのであればモバイルルーターのレンタルを検討した方が良いでしょう。
契約方法によって手続き先が2社になることがある
光回線を使うには光回線のケーブルを提供している回線事業者とインターネットサービスを提供しているプロバイダーの両方に契約をしなければなりません。
回線事業者とプロバイダーが同じ光サービスと異なるサービスがあるので、引っ越す前に必ずプロバイダーを確認しましょう。
プロバイダーの確認方法は3つあります。
プロバイダーの確認方法
契約時の書類を確認する
もっとも手軽かつ確実にプロバイダーを確認できるのは契約時の書類を確認することです。
契約書類には必ず回線事業者とプロバイダーが明記されています。
回線事業者欄とプロバイダー欄に記載されている社名が異なる場合、引越しの連絡をその2社にしなければなりません。
IPアドレスから確認する
インターネットに接続できるのであればIPアドレスからプロバイダーを調べられます。
たったの2ステップで確認できるので、難しいことはありません。
- IPアドレスをチェックする
- 表示されたIPアドレスをプロバイダー検索ツールに入力する
パソコンであればIPアドレスチェックサイトを使わずともIPアドレスを確認できます。
Windowsパソコンであればコマンドプロンプトを利用すれば簡単にチェックできます。
そのほか「確認ちゃん」であればサイトを閲覧しただけでプロバイダのチェックができるので利便性が高いです。
引き落とし会社名を確認する
契約書が見当たらず、サイトに接続するのも難しい場合は通帳など引き落としの記録を確認してみましょう。
インターネット利用料金とは別にプロバイダ料金が引き落とされているのならばその会社が契約しているプロバイダーです。
明確にプロバイダー料金等の記載がない場合は「記載されている会社名+プロバイダー」でウェブ検索をすればプロバイダーかどうかが分かります。
インターネット回線契約を継続するかの判断基準
引越しは様々な契約を見直すきっかけになります。インターネット回線も例外ではありません。
新居でも今のインターネット回線を利用し続けるか悩んだときの判断基準を解説します。
インターネット回線契約を継続した方が良い人の特徴
- 現在のインターネット回線に不満がない
- 引越し先もサービスエリア内
- 契約の更新月が遠い
現在利用しているインターネット回線の速度や料金、付帯サービスに不満がなく、引越し先もサービスエリア内ならば無理に別のサービスを利用する必要はありません。
また契約の更新月がまだ先に場合もひとまず契約を継続して、引越し後更新月が来てから解約した方が違約金などの負担が軽くなる可能性があります。
インターネット回線契約を新規で申し込んだ方が良い人の特徴
- 現在のインターネット回線に不満がある
- 引越し先が現在使っている回線のサービスエリア外
- 契約の更新月が近いまたは更新月
今のインターネット回線になんらかの不満がある場合や引越しと更新月が同月ならば別のサービスに乗り換えても良いでしょう。
なお現在使っている回線のサービスエリア外に引っ越す場合は契約を変更せざるを得ません。
どのような用途にインターネット回線を利用しているかをリストアップして自分に合った契約をしましょう。
インターネット回線を新規契約するときの手続き
まずはインターネット回線を新規契約するときの手続きの流れを確認しましょう。
新居で使いたいサービスを決める
まずは引越し先で利用する回線サービスを決めて、回線業者やプロバイダーと契約を結びましょう。
契約時に必要な情報は、新居の住所と連絡先、開通希望日です。
開通工事費や事務手数料などがかかるかは事前に確認します。
ルーターや無線LANルーターが必要であるかも聞いておくとよいでしょう。
新居が賃貸住宅であれば事前に大家さんや管理会社に、インターネット回線の開通工事を行っても良いか確認を取りましょう。
問題がなければインターネット回線の契約を進めます。
現在使っているサービス契約を解約する
続いて契約していた回線サービスを解約します。回線事業者とプロバイダーの両方と解約手続きをして下さい。
解約方法は電話連絡か公式サイト・マイページ等からの申し込みが一般的です。
解約手数料や違約金などの金額や支払い方法、支払い期限も確認しましょう。
賃貸住宅に住んでいて開通工事をしたのであれば、原状回復が必要なのかということも大家に確認して下さい。
そのほか注意しなければならないのは、メールアドレスと端末の返却です。
プロバイダーからメールアドレスを付与されている場合、新しいメールアドレスを取得しないとメールが受信できなくなります。
解約する前にどのメールアドレスで何のサービスを登録しているか必ずチェックしましょう。
またルーターをレンタルしていれば返却が必要になります。返却をしないのならば買取になるので、忘れずに返却しましょう。
光回線の撤去工事に立ち会う
光回線を解約した場合、引越し前の住宅で機器撤去工事の立会いをします。
作業スタッフが室内に入るので立会いは必須です。
作業時間は30~60分程度で完了することが多いです。
新居の開通工事に立ち会う
引越し後新居で開通工事に立ち会います。
2~4月の時期は特に開通工事の予約が混雑します。使いたい日から確実に使うためには、開通工事申し込みのタイミングが重要です。
光回線の工事が混雑する時期と引越しの繁忙期は被っているので、引越しの繁忙期に引っ越さなくてはならない人は新居が決まったらすぐに申し込むくらいのスピード感で手続きをすることをおすすめします。
インターネット回線を継続契約するときの手続き
現在利用しているインターネット回線を引き続き新居でも利用するのであれば、新規契約をするときよりも手続きの手間は少ないです。
しかし継続利用であっても工事立会いは必要なので、都合の良い日を2~3日ほど確保しておきましょう。
現在利用中のネット回線サービスの住所変更手続きをする
プロバイダーの公式サイトやアプリ内のマイページから住所変更手続きを申請します。
申請が受理されるとプロバイダーから工事の日程などの情報が送られてきます。メールまたは書面で通知されることが多いです。
nuro光など一部の光回線サービスでは住所変更手続きが存在せず、継続利用の場合も1度解約し契約しなおさなくてはなりません。
詳細は利用している光回線サービスの公式サイトをご確認ください。
移転工事に立ち会う
回線が引き込まれていればそれを利用できる可能性があるので工事の時間も短くなる傾向があります。
開通工事の所要時間の目安はおおよそ30~60分程度です。
しかし回線の引き込みが必要な場合は工事は2時間ほどかかることが多いです。
室内で作業をする関係上、工事の立会いは必須なので工事予定日はできるだけ1日空けておきましょう。
インターネット回線の解約をせずに引っ越してしまったときの対処法
回線事業者とプロバイダーが異なる契約をしている場合、どちらか一方の解約手続きを忘れてしまうことがあります。
解約忘れに気づくきっかけの1つは利用料金の引き落としです。
引越し後2~3ヶ月の間は口座の残高をまめに確認し、いつまでも引き落としがされていないかをチェックしましょう。
もし解約をし忘れて新居に引越してしまったら、すぐに契約先に連絡をして解約手続きを行ってください。
回線事業者・プロバイダーを選ぶ基準
2015年に光コラボレーションモデルが開始されたため、ひと言で「光回線」といっても様々な回線事業者とプロバイダーがあります。
どれが一番お得で使いやすいかというのは人によって様々なので、誰にでも合う回線事業者とプロバイダーはありません。
自分の使い方にあった回線事業者とプロバイダーを選ぶ基準をご紹介します。
この3つの基準をチェックすれば自分にあった光回線サービスはどれか判断できるようになりますよ。
目的にあった回線速度が出るか
光回線を使いたいと思っている以上、なんらかの利用目的があるはずです。
利用目的によって適切な回線速度というのは異なります。
回線速度を示すもののうち、重要なのは「下り速度」「上り速度」「レイテンシ(レイテンシー)」の3つです。
名称 | 説明 |
---|---|
下り速度 | ダウンロードの速度を示す |
上り速度 | アップロードの速度を示す |
レイテンシ(レイテンシー) | 機器に指示をしてから返ってくるまでのタイムラグ |
最後の「レイテンシ(レイテンシー)」を気にするのはオンラインゲームをプレイするときくらいですが、「下り速度」は普段のネットサーフィンでも気にしなければなりません。
下り速度が遅いとアプリのダウンロードや動画の視聴に影響が出ます。
たとえばYouTubeをスムーズに見たいのであれば下り速度が2.5Mbps以上出る回線がおすすめです。
上り速度が関係するのはZoomをはじめとしたビデオ会議の場面です。
上り速度が遅い回線でビデオ会議に参加すると画面が固まったり、音声が届かなくなったりします。
快適にリモートワークをしたいのであれば、上り速度・下り速度ともに3.5~4.0Mbps以上の回線を選びましょう。
新居がサービスエリア内か
どれほど魅力的な光回線サービスがあったとしても、新居がサービスエリア外ならば利用できません。
使いたい光回線サービスの公式サイトにアクセスし、サービスエリアを必ず確認しましょう。
特に東日本エリアと西日本エリアを行き来する引越しをする場合はチェックが必須です。
「有名なサービスだしきっと使えるだろう」とは考えず、チェックしてから申し込むことで無駄な手戻りを防げます。
特典やサービスが充実しているか
光回線サービスを提供している各事業者はそれぞれ魅力的なキャンペーンを開催しています。
工事費無料やキャッシュバックキャンペーンのほかにも、ドコモ光など通信キャリアが提供している光回線サービスであればスマホ割などがあります。
どの光回線サービスが良いか迷ってしまう場合は、スマホ割を適用できるかといった観点から絞り込むとトータルの出費を抑えられる可能性が高くなるのでおすすめです。
おすすめの光回線サービス7選
引越しを機に光回線サービスを新規で申し込む場合のおすすめサービスを7つご紹介します。
いずれも違った特徴があるので、どのような目的で利用するか、料金だけでなくサービスにも納得できるかなど総合的に判断して利用する回線を決めてください。
おすすめ光回線サービス7社
フレッツ光
フレッツ光の特徴
- 複数のプロバイダーがあり、自由に契約先を選べる
- 東日本と西日本があり、別会社であることに注意
フレッツ光は光回線の設備を所持している回線事業者です。そのため、フレッツ光と契約しただけでは光回線サービスを利用できません。
複数あるプロバイダーの中から任意の会社と契約することで初めて光回線で高速インターネット通信が利用できるようになります。
有名なプロバイダーはビッグローブやSo-net、@niftyなどが挙げられます。
ドコモ光
ドコモ光の特徴
- 対応エリアが広い
- 複数のプロバイダーがあり、自由に契約先を選べる
- ドコモのスマホを使っているなら割引が適用できる
ドコモ光はドコモユーザーに特におすすめの光回線です。
スマホのセット割が適用できるほか、dポイントも貯まります。
フレッツ光と同じく、NTTの回線を利用しているため対応エリアが広いことも特徴です。
auひかり
auひかりの特徴
- 独自回線で速度が出る
- 携帯キャリアがau、UQモバイルなら割引を適用できる
auひかりはauまたはUQモバイルユーザーに特におすすめです。
プロバイダー一体型のサービスなので、どのプロバイダーがお得なのか分からないという方にもおすすめです。
またNTTの回線ではない独自回線を利用しているので、回線速度が安定しやすくオンラインゲームをする人からも人気です。
ただし独自回線であるがゆえに解約時に撤去工事が必ず必要となり、工事費用の残債を一括請求されることには注意が必要です。
ソフトバンク光
ソフトバンク光の特徴
- キャッシュバックキャンペーンが豊富
- ソフトバンク、Y!モバイルユーザーなら割引が適用できる
- 開通前にモバイル回線ルーターのレンタルがある
ソフトバンク光はauひかりと同じく、プロバイダー一体型の光回線サービスです。
割引の適用条件からソフトバンク、Y!モバイルのスマホを使っている人が1番お得に利用できる光回線サービスです。
光回線が開通するまでの間、モバイル回線のAirターミナルかPocket WiFiのレンタルがあります。
モバイル回線なので光回線よりは速度は遅いですが、普段使いには十分なスペックの端末なので安心して利用できます。
ビッグローブ光
ビッグローブ光の特徴
- au、UQモバイルのスマホを利用しているならば割引を適用できる
- コールセンターの対応が丁寧と評判
- 設定サポートを最大2か月無料で利用できる
ビッグローブ光はauひかりと同じく、auやUQモバイルのスマホを使っている人におすすめです。
auひかりとは違い、NTTの回線設備を使っているため導入がしやすいという特徴があります。
またコールセンターの対応が丁寧という口コミも多く見られ、オプションの設定サポートは最大2ヶ月無料で利用できます。
インターネット回線や設備に詳しくない人や初めて光回線を使うので充実したサポートを受けたい人におすすめです。
NURO光
NURO光の特徴
- 独自回線で回線速度が安定している
- ソフトバンクスマホを利用しているなら割引を適用できる
- オンラインゲームをする人に特に人気
NURO光はNTTから借り受けたダークファイバーを利用して独自の回線を確保している光回線事業者です。
NUROモバイルを提供しているためNURO光と合わせて使うとさらにお得に利用できます。
大手キャリアであればソフトバンクユーザーが割引の適用対象です。
また開通前にWi-Fiルーターの貸与をしているため、インターネットが使えない期間を短くできます。
DTI光
DTI光の特徴
- 契約期間の縛りがなく違約金がかからない
- 月額利用料金が比較的安い
DTI光は違約金がかからない光回線であるため、引越しが多い人にも人気が高いです。
通常、違約金がかからない光回線は月々の利用料が他事業者と比べると高くなりがちですが、DTI光は料金が比較的安く設定されています。
解約違約金がかからず、月の利用料金が安いのであれば「とりあえず光回線を使ってみたい」という人も利用しやすいでしょう。
光回線を使えないなら工事不要のインターネット回線サービスを使おう
光回線サービスの提供エリア内であっても、大家さんの許可が取れなければ開通工事ができず光回線を使えません。
工事の許可が得られないのであれば、工事不要のインターネット回線を契約しましょう。
工事不要のインターネットサービス(Wi-Fiサービス)について詳しくは関連記事をご確認ください。
ホームルーターとモバイルルーターがある
工事不要のインターネット回線はモバイル回線と言います。
その名の通り、携帯電話の回線を使ってインターネットに接続します。
光回線と比べると通信速度が遅く、安定しづらいという欠点がありますが、動画を見たりビデオ会議をする程度であれば気になりません。
ホームルーターとモバイルルーターがあり、どのように使いたいかによっておすすめのルーターが異なります。
家で使うならホームルーターがおすすめ
Wi-Fi(無線LAN)を自宅でしか使わないのならホームルーターを使いましょう。
有名なサービスはSoftbank Airやドコモの「home 5G」です。
これらは自宅のコンセントにつなぐだけで利用できます。
一方、持ち歩いて使うことは想定されていないので外出先でも使いたいのであればモバイルルーターを利用しましょう。
出先でも使うならモバイルルーターがおすすめ
「Pocket WiFi」や「WiMAX」などのサービス名でおなじみのモバイルルーターは、持ち運びができるのが大きな特徴です。
出先でもパソコンを使いたい、動画を快適に見たいという方におすすめです。
料金も安く設定されていることが多いので、モバイルルーターを契約して通信費用を節約する人もいます。
ただし回線速度が安定しづらいという弱点があるので、オンラインゲームをするのには向いていません。
引越し手続きは全体像を把握して抜け漏れなく済ませよう
インターネット回線の開通工事は予約が先の日程になることが多いので、引越しが決まったら優先的に手続きを進めましょう。
引っ越しに伴う手続きは他にも多くあります。以下の記事では全体像をまとめているので、手続き漏れがないようにチェックしておきましょう。
必要な手続きとあわせて引越し業者探しも忘れずに行いましょう。ミツモアには地域密着型を含む中小引越し業者が多く登録しており、大手業者に依頼するときよりもずっと安い料金を提示している業者もあります。
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