引っ越しが決まったとき、新居でインターネット回線(ネット回線)を利用できる手続きが必要です。
現在加入しているネット回線を継続するのはもちろん、解約して乗り換える選択肢もあります。ただし、引っ越し先によっては回線工事が必要な場合があるため、引っ越し日の1〜2か月以上前に手続きを済ませておくと安心です。
引っ越し先でネット回線を利用する際に必要な手続きについて、継続や乗り換え、解約の手順を解説します。
ネット回線を見直したいなら引っ越し時に
引っ越しに伴ってネット回線を見直す際、引っ越し予定日の1〜2か月前までに手続きを済ませておきましょう。事前に予約をしておかないと施工業者のスケジュールが埋まり、希望通りの日時に工事ができない可能性があるからです。
ただし、工事不要なホームルーターやポケット型Wi-Fiを使用している場合は、引っ越し日の直前または直後に住所変更の手続きが必要なケースがあるので注意しましょう。
引っ越しに伴うネット回線の手続きが必要なケースは、下記のとおりです。
引っ越し時の手続き | 該当する人 | メリット | デメリット |
新居で継続して利用する | ・新居周辺もサービスエリア内
・使い慣れたネット回線を利用し続けたい ・乗り換えるのが面倒 |
・契約時の解除料がかからない
・使い慣れたネット回線を継続できる |
新居によっては移転工事が必要で、時間と費用がかかる |
新たなネット回線に乗り換える | ・速度が遅くてつながりにくい
・利用料金が高い ・リモートワークや動画視聴の時間が増える ・キャンペーンを使ってお得にネット回線を利用したい ・引越し先が現在使っている回線のサービスエリア外 |
・キャンペーンを利用してお得に申し込める
・ネット回線の加入状況が見直される |
・旧居からの撤去や開通工事の手間がかかる
・違約金の支払いが発生する |
現在のネット回線を解約する | ・自宅でインターネットをほとんど利用しない
・出社の日数が多い ・外出先や出張先での仕事が増える |
月々の通信費用の支払いがなくなる | ・撤去工事の手間がかかる
・違約金の支払いが発生する |
引っ越しでネット回線を継続するときの手順
現在利用中のネット回線の速度や料金、サービス内容などに不満がない人は、引っ越し先で継続して利用する手続きが必要です。その際、以下の手順で手続きを行いましょう。
1.引っ越し先で既に回線設備が導入されているか確認する
マンションをはじめとした賃貸住宅に引っ越す際、管理会社または大家にインターネット回線設備が導入されているか確認しましょう。既に導入しているときは、光ファイバーやケーブルテレビといった回線の種類や事業者の名前も確認します。
管理会社や大家に聞いてもわからない場合は、現在利用中の回線事業者やプロバイダに確認することも可能です。
もし回線設備がないときは、ネット回線の開通工事が必要のため、引っ越し先の管理会社や大家に工事ができるかどうか確認しましょう。
2.現住所のネット回線撤去工事を確認する
引っ越し先でネット回線が利用できるか確認したら、現在賃貸物件に住んでいる人は管理会社または大家に「ネット回線の撤去が必要か」どうか確認しましょう。
設備の撤去が必要なとき、回線事業者またはプロバイダに移転する旨を連絡する際、回線撤去工事を依頼します。あわせて工事費もかかるため、事前に金額を確認することも大切です。
3.現在利用中のネット回線が引っ越し先で利用できるかを確認する
契約中の回線事業者やプロバイダに、引っ越し先でも同じネット回線を移転(継続利用)する旨を伝えましょう。利用するにあたり、引っ越し先でも利用できるかどうか確認することも大切です。
サービスによっては対応エリアが限定されているほか、開通工事ができないケースがあります。移転を伝える際、回線事業者とプロバイダに下記の項目を伝えましょう。
- 契約者名
- 連絡先と電話番号
- 連絡可能な曜日や時間帯
- 引っ越し先の住所と開通工事希望日
- 引っ越し先の契約プラン
- 引っ越しの予定日
- 引っ越し先の住居タイプ(集合住宅、戸建て)
4.現住所の撤去工事と新居の移転工事に立ち会う
状況に応じて現住所の撤去工事と新居の移転工事を行います。特に2〜5月前後は予約が取りにくくなるため、引っ越し予定日の1〜2か月前までに申し込みを済ませておくと安心です。
光回線を利用する際、住居内に光回線をつなぐためのコンセント設置工事や、ケーブルテレビの回線工事を行うとき、契約者や利用者は立ち会う必要があります。開通工事の所要時間の目安は30〜60分ですが、回線の引き込みが必要な場合は工事は2時間ほどかかります。
5.引っ越し先でインターネット接続設定を行う
引っ越し先でネット回線開通工事が終わったら、インターネットの接続設定を行いましょう。設定方法は各社が提供するルーターによって異なります。
うまく接続ができなかったり、トラブルが発生したときはネット回線事業者やプロバイダに問い合わせましょう。
引っ越しで新しいネット回線に乗り換えるときの手順
現在加入中のインターネット回線に何らかの不満があったり、キャンペーンを使ってお得にネット回線を利用したいとき、現在のサービスを解約して新しいネット回線に乗り換えるのも選択肢のひとつです。サービスによっては現在の内容よりも月額使用料が安くなったり、通信速度が改善する可能性があります。
具体的な手順は、下記のとおりです。
1.現在利用中のネット回線事業者やプロバイダに解約を申し出る
現在利用中のネット回線事業者やプロバイダに解約する旨を伝えましょう。円滑に進めるには、あらかじめ最終利用日を決めておくと安心です。解約の連絡を入れる際、下記のポイントも確認しておきましょう。
- レンタルしている機器の返却は必要か
- 違約金はいつから発生するのか
- 現住所のネット回線撤去工事が必要か(管理会社や大家への確認も含む)
- 契約終了まで利用料金の支払いは発生するのか
加えて、乗り換え先でキャッシュバックキャンペーンを利用する際、違約金が相殺できる場合があります。
2.引っ越し先で利用したいネット回線を決める
現在利用中のネット回線の解約とあわせて、引っ越し先で利用するネット回線を決めましょう。月額料金や提供エリア、通信速度などを比較した後、乗り換え先の回線事業者とプロバイダとの新規契約を進めます。
引っ越し先で新たにネット回線を開通する際、工事が必要です。利用できるまで数か月かかる場合があるため、引っ越し日の1〜2か月前までを目途に申し込むようにしましょう。
3.ネット回線の撤去工事と新居の開通工事に立ち会う
現在利用中のネット回線の継続するケースと同様に、現住所からネット回線を撤去する工事と引っ越し先での開通工事に立ち会います。
たとえば、ネット回線が引かれていない引っ越し先の場合は2時間ほどかかりますが、屋内にネット回線が引いていれば、ルーターや機器のみ設置工事で30〜1時間で終了します。
引っ越し先でネット回線設備が導入されているときは、工事が不要な場合があります。指定のルーターを差し込めば、すぐにインターネットが利用できることもあるので、ネット回線事業者やプロバイダに確認しましょう。
4.新居で利用できるように接続設定を行う
引っ越し先でネット回線の開通工事が終了したら、インターネットの接続設定を行います。スマホやパソコンなどを使って問題なく接続できるのか、通信速度は安定しているのか確認しましょう。
引っ越しで現在のネット回線を解約する手順
引っ越しを機に現在利用中のネット回線を解約したい人をはじめ、出社や外出先での仕事が増える人は、引っ越し予定日の1〜2か月前までに必要な手続きを行います。具体的な手順は、下記のとおりです。
1.解約の申し出時に違約金がかかるのか確認する
ネット回線事業者やプロバイダに解約の申し出をする際、違約金が発生することがあるので、金額と対象期間を確認しましょう。タイミングによっては違約金がかからない可能性があります。
月額利用料と違約金を比較したうえで解約日を決めましょう。
2.貸し出した機器返却の有無を確認する
解約に伴う違約金の有無とあわせて、ルーターをはじめとした機器の返却が必要か確認します。返却時、送料も契約者本人が負担するのか確かめておくといいでしょう。
3.ネット回線設備の撤去工事に立ち会う
現住所がマンションやアパートといった賃貸物件で個別にネット回線を引いた場合、管理会社や大家に撤去工事を行う旨を伝えます。契約者や利用者は工事に立ち会う必要があるほか、工事費用も確認する必要があります。
4.最終利用月の通信料と違約金を支払う
撤去工事が終わった後、最後に利用した月の通信料と違約金を支払います。事業者によって違約金の金額は異なるものの、10,000〜20,000円かかります。
なお、契約更新月から3か月以内や自動更新契約になっていない場合、違約金がかからない事業者もあるので確認しましょう。
引っ越しでポケット型Wi-Fiを更新する手順
ポケット型Wi-Fiを利用している人は、引っ越し日を目途に契約中の会社に連絡して住所を変更しましょう。変更した後、新居に持参すればそのまま利用できますが、サービスによっては対象エリアの範囲外で利用できないケースもあります。
引っ越しが決まったら、新居周辺でWi-Fiが届くかどうか確認しておきましょう。
引っ越しでネット回線工事が間に合わないとき
新居でネット回線の開通工事が終わらないと、インターネットを使用することはできません。特に2〜5月の引っ越しシーズンは混雑するため、申し込みから工事完了まで2〜3か月待つ場合があります。
引っ越し日までにネット回線の開通工事が間に合わないときは、下記の対処法を行いましょう。
モバイル回線を利用する
工事不要なポケット型Wi-Fiやホームルーターといったモバイル回線の機器を利用しましょう。新規で契約できるのはもちろん、ネット回線の開通工事が完了するまでの間にレンタルすることも可能です。
ただしポケット型Wi-Fiを利用する際、短期間に動画を見たり、ビデオ会議を利用すると通信速度が制限される場合があります。自宅で大量のデータ通信を行うときは、ホームルーターを使用しましょう。
テザリング機能を利用する
テザリング機能がついたスマホやタブレットをルーターの代わりに利用するのも選択肢のひとつです。Wi-FiやBluetooth®、USBケーブルを使ってスマホやタブレットを接続すれば、モバイルテータ通信を使ってインターネットに接続できます。
ただし、使い過ぎるとスマホやタブレットのバッテリーの消耗が早くなってしまうほか、携帯キャリアのプランによってはデータ容量を超えてしまうことがあるため注意が必要です。
引越し手続きは全体像を把握して抜け漏れなく済ませよう
ネット回線の手続きは、旧居での撤去工事や新居での開通工事が必要になる場合があり、引っ越し予定日から1〜2か月前に依頼しないと、引っ越し当日から新居で利用することができません。引っ越しが決まったら、できる限り早めに手続きをするのとあわせて、引っ越し業者探しも行いましょう。
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