引越し時に行う手続きのうち、確実に済ませておきたいのが電気などライフラインに関する手続です。
電気契約の手続きを忘れてしまうと、新居で電気が使えなかったりもう住んでいない旧居の電気代を支払うことになり損をしてしまいます。
スムーズにストレスなく引っ越すために必要な電気契約の手続きについて解説します。
引越し時に必要な電気の手続きの流れ
引越し時に行う電気契約手続きの流れは以下の通りです。
契約関係の手続きもインターネットでできます。
インターネット手続きは24時間いつでも可能なので、自分の都合にあわせて手続き可能です。
① 引越し日1週間前までに旧居の電気の解約手続きをする
旧居の電気解約手続きは遅くとも引越しの1週間前までに終わらせましょう。
大型連休の前や3~4月の引越し繁忙期は、これよりも早く3~4週間前を目安に手続きを済ませておくと安心です。
理想は引越しが決まってすぐに解約手続きをすることです。
しかし電力会社によっては早い段階で解約の申し込みをしても受け付けてもらえないことがあります。
多くの電力会社は1か月前から解約手続きを受け付けているので、カレンダー入れておく、リマインダーを使うなどして解約を忘れないようにしましょう。
電気の解約手続きに必要な情報
電気契約の解約をするときは以下の情報を用意しましょう。
- 契約者の氏名(契約者名義)
- お客様番号
- 契約中プラン
- 供給地点特定番号
現在の住まいの供給地点特定番号は検針票などに記載があります。
手続きを始める前にチェックすればスムーズに手続きが完了します。
電気の解約手続きの手順
電気契約の解約はウェブサイトから簡単にできます。
- マイページ等にログインする
- 解約手続きページを開く
- 必要情報を入力する
- 解約手続き完了の通知を待つ
電話連絡でも手続きはできますが、対応オペレーターが少なかったり、そもそも電話での解約を受け付けていない事業者もあるのでウェブから手続きをした方がスマートでしょう。
電気の解約手続きの注意点
退去まで電気を使い、トラブルなく新居へ移るために知っておきたいことが2つあります。
電気の停止日は引越しの当日
特別な事情がなければ電気の停止日は退去日に設定しましょう。
たとえば3月31日を電気の停止日に設定した場合、3月31日の23時59分まで電気が利用できます。
停止日当日に電気を使う必要があっても問題なく利用できるのでご安心ください。
退去時は必ずブレーカーを落とす
退去時に忘れがちなのがブレーカーを落とすことです。
電気が停止されるからブレーカーは落とさなくても問題ないと思われる方もいます。
しかし入居者がいない間になんらかの理由で電気系統に異常が発生し、通電と同時に発火するリスクがあるので必ずブレーカーを下げるようにしましょう。
主要な電力会社の問い合わせ先一覧
電力自由化以前から電力供給を行っている主要電力会社(旧一般電気事業者)のお客様センターを一覧にしました。
電力会社名 | インターネット | 電話番号 |
---|---|---|
北海道電力 | 北海道電力公式サイト | 0120-12-6565 |
東北電力 | 東北電力公式サイト | 0570-550-220 |
東京電力 | 東京電力公式サイト | 0120-995-001 |
中部電力 | 中部電力公式サイト | 0120-921-691 |
北陸電力 | 北陸電力公式サイト | 0120-776453 |
関西電力 | 関西電力公式サイト | 0800-777-8810 |
中国電力 | 中国電力公式サイト | 最寄りのセールスセンターのフリーダイヤルから問い合わせる |
四国電力 | 四国電力公式サイト | 0120-555-908 |
九州電力 | 九州電力公式サイト | 営業所ごとに異なる |
沖縄電力 | 沖縄電力公式サイト | 0120-586-390 |
大手電力会社(旧一般電気事業者)の解約手続き例
利用者の多い東京電力と関西電力の2社の解約手続き方法をご紹介します。
手続きの大まかな流れはどの電力会社も大きく変わらないので、東京電力・関西電力以外をご利用の方も参考にしてください。
東京電力の解約方法
東京電力では解約手続きのみをする場合と新居でも引き続き東京電力を使用する場合では手続きが異なります。
解約のみを希望する場合は、手続きページで以下の情報をご入力ください。
- 契約名義(家庭、店舗・会社)
- 使用場所住所
- お客様番号
新居でも引き続き東京電力を利用する場合は、手続きページでの案内に従って手続きをしてください。
手続きの流れは以下の通りです。
- 現在の契約の確認
- 新しい使用場所の入力
- 開始日・停止日など手続きに必要な情報の入力
- 新しい使用場所でのプラン選択
関西電力の解約方法
ウェブ申し込みでは、停止日は手続き日の翌日から1か月の間から選択できます。
たとえば2024年1月1日に手続きをするのならば、停止日は1月2日~2月1日から選択できます。
関西電力は解約のみの場合と新居でも引き続き関西電力を利用する場合も手続きは変わりません。
手続きの際には下記どちらかの情報を用意しましょう。
- 「はぴeみる電」のIDとパスワード
- お客さま番号
どちらの情報も分からない場合、契約名義やクレジットカード番号下4桁などの個人情報から手続きを進められます。
② 引越し日1週間前までに新居の電気の契約申込をする
大手電力会社と新電力のどちらを利用する場合も、ウェブサイトからの手続きをおすすめします。
一部の電力事業者は電話申し込みを受け付けていないこともあるので注意してください。
電気契約の申し込みをするときは以下の情報が必要になることが多いです。
- 契約名義
- 引越し先住所(新しい使用場所)
- 連絡先(電話番号やメールアドレス)
- 引越し日時
- 電気利用開始日
- 支払方法
- 料金プラン
- アンペア容量
- 本人確認書類
- 現在契約している電力会社名
- 現在契約している電力会社のお客様番号
- 新居の供給地点特定番号(地点番号)
新居の供給地点特定番号を確認するには新居のあるエリアを管轄する電力会社に問い合わせるか、物件の大家さんや管理会社に確認をしましょう。
なお供給地点特定番号が分からなくても契約ができることが多いので、番号が分からないからといって電気が使えなくなるということはありません。
③ 引越し当日に新居で電気が使えるか確認する
新居についたら、まずは電気がつくか確認しましょう。
家庭内で電気を使うためにはまず分電盤を操作します。
分電盤は玄関や洗面所、キッチンのいずれかに設置されていることが多いです。棚の中など目につきづらい部分にあることもあります。
分電盤の操作方法
- ○○Aと記載された部分にあるつまみ(アンペアブレーカー)を「入」にする
- 分電盤の中央にある漏電遮断器(漏電ブレーカー)のつまみを「入」にする
- 配線用遮断器のつまみを「入」にする
この3ステップで電気が使えるようになります。
スマートメーターを導入している物件であれば分電盤にアンペアブレーカーがないことがあります。
これはスマートメーターにアンペアブレーカーが内蔵されているためです。
不良品などではないためご安心ください。
アンペアブレーカーのつまみがない場合は上記説明の2番から操作してください。
新居の電気がつかなかったらここをチェック
新居の電気がつかないときは2つの原因が考えられます。
1つ目の原因は電気の開通が間に合っていないことです。
契約手続きが引越し日直前になった場合入居までに電気を通せないことがあります。
資源エネルギー庁によると、電気開通までの期間は以下の通りです。
スマートメーターへの切り替えが必要 | 約2週間 |
スマートメーターへの切り替えが不要 | 約4日 |
2つ目の原因は漏電です。
もし漏電しているのなら火災が発生する可能性もあるため、自動的に電気が遮断されます。
電気のスイッチを入れたとたんにブレーカーが落ちてしまう場合は、漏電を疑いましょう。
手続きの遅延と漏電、どちらのケースかを自己判断することは危険です。
配電盤を操作しても電気がつかない場合は速やかに契約中の電気事業者へ連絡をしましょう。
引越しを機に電気代の節約をする方法
お得な電力会社やプランを探す前に確認しておきたいことがあります。
タワーマンションなどの大型マンションは建物全体で見た場合の電気の使用量が多いので「高圧一括受電契約」をしている場合があります。
この場合電気会社と個別に大量の電気を利用することを前提とした契約を1棟単位での契約をしているので、1戸ずつの契約切替はできません。
選択肢① 新電力に乗り換える
2016年の電力自由化以降様々な会社が電気の小売り事業に参入しました。
電力自由化以降に参入した新電力会社の電気料金は、大手事業者のものより安い傾向があるため会社を乗り換えるだけで大幅に電気代を節約できた人もいます。
たとえばENEOSでんきはガソリン代が安くなったり、楽天でんきは楽天カードのポイントで電気代の支払いができたりと、特典や割引の種類が多いのが特徴です。
自分がよく使うサービスの割引が受けられる新電力のプランを上手に選べば、家計を節約できるでしょう。
ただし新電力に乗り換えたら絶対に電気代が安くなるとは言えないのできちんと契約内容を確認してくださいね。
選択肢② 電気・ガスの契約を1本化する
電気とガスの契約をそれぞれ別の会社で結んでいるのであれば1本化することで割引が適用されることがあります。
例えば東京電力でガスを契約することもできますし、東京ガスで電気を契約することもできます。
ただしプロパンガス(LPガス)を使用している場合は、ガス小売販売自由化の対象外であるためセット契約ができないケースがあります。
選択肢③ 契約アンペア数を変更する
電気料金は基本料金と使用分の料金を合算したものが請求されます。
基本料金は契約アンペアによって決まっていることが多いため、契約アンペアを少なくすればその分基本料金の負担が軽くなります。
しかし契約アンペアを下げてしまうと同時に使用できる家電の数が減り、場合によっては快適に生活しにくくなるかもしれません。
契約アンペアを下げるのなら自分のライフスタイルをよく確認してから行いましょう。
スマートメーターの住宅であれば遠隔で契約アンペアを変更してもらえます。
しかしスマートメーターでない場合は、アンペアブレーカー自体を取り替えなくてはいけません。
作業員が自宅を訪問して作業をするので作業当日は立ち会いが必要です。
所要時間は20分を目安に見積もって日程を調整しましょう。
電力会社を切り替えるときの契約先・プランの選び方
電力会社を乗り換えるのであれば自分や家族にとって1番お得な会社やプランと契約したいですよね。
電力会社を選ぶ基準と契約先の例をいくつかご紹介します。
条件・シチュエーション例 | 契約先の例 |
---|---|
家族で同じ携帯電話会社を利用している | 通信キャリアの電力プラン
|
ガスの契約も1社にまとめたい | ガス事業者の電力プラン
|
環境にやさしい電力を使いたい | 再生可能エネルギープラン
|
引っ越してから電気の解約忘れに気づいたら
旧居の電気契約の解約を忘れてしまったら、気づいたときに速やかに解約手続きを行いましょう。
ブレーカーを落としていれば使用料金が加算されることはありませんが基本料金の支払が発生します。
電気契約を解約した場合、解約月の使用料金は日割りで請求されることが多いため、できるだけ早く解約することで余計な出費を抑えられます。
もし電気契約の解約を忘れたうえブレーカーを落とさずに退去してしまった場合は、気づき次第すみやかに旧居の管理会社やオーナーに連絡をしましょう。
ブレーカーを落としていないと旧居には電気の供給がされているので錆や埃などの些細な原因で出火してしまう可能性があります。
引越し手続きは全体像を把握して抜け漏れなく済ませよう
引越し時は電気を始めとするライフラインの手続き以外にもやるべきことが多くあります。以下の記事では全体像をまとめているので、手続き漏れがないようにチェックしておきましょう。
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