引越し後に銀行口座の住所変更をしない場合、さまざまなリスクを背負うことになります。面倒な思いをしないためにも、引っ越したら手続きを済ませておきましょう。銀行口座の住所変更をしないリスクや、正しい手続き方法を解説します。
銀行口座の住所変更をしないとどうなる?
銀行口座の住所変更をしなかったからといって、すぐに何らかの不具合が生じるわけではありません。基本的な機能は引き続き使えるため、困った状況に陥る可能性は低いでしょう。
しかし住所変更をしないまま時間が経つと、面倒な事態を招く恐れがあります。どのようなリスクがあるのか、主なデメリットを確認しましょう。
- 高額取引に時間がかかる
- カードや通帳をなくした時の手続きが面倒
- 銀行からの重要書類が届かない可能性がある
高額取引に時間がかかる
引越し後に銀行口座の住所変更をしない場合、高額なお金の取引に時間がかかってしまう恐れがあります。窓口の取引では、住所確認が行われるのが一般的なためです。
少額取引ならATMやネットバンキングで行うことが可能ですが、一定金額以上の取引は窓口でなければできません。窓口での取引時には住所確認が行われ、住所変更をしていなければ手続きをする必要があるのです。
現住所を確認できる書類を用意しなければならないため、すぐに住所変更ができない可能性もあります。まとまったお金を急いで用意したい場合に困ってしまうでしょう。
カードや通帳をなくしたときの手続きが面倒
銀行のキャッシュカードや通帳を失くしてしまった場合、銀行に連絡すれば、素早く利用停止の対応をしてもらえます。
一方でカードや通帳の紛失後に再発行してもらう際は、住所変更をしていないとすぐには対応してもらえません。本当に本人のカードや通帳なのかが確認できないためです。
住所変更済みの運転免許証なら、表と裏に新旧両方の住所が書かれているため、すぐに再発行してもらえるでしょう。ただし運転免許証を更新すると、旧住所の記載がなくなる点には注意が必要です。
銀行からの重要書類が届かない可能性がある
銀行口座の住所変更をしていないと、銀行から送られてくる重要書類を受け取れない恐れがあります。郵便の転送サービスを利用する場合も、「転送不要」と記載された郵便物は銀行に送り返されてしまうため、新住所には届きません。
郵便物が銀行に返送されると、本人確認ができないと銀行からみなされ、口座を利用できなくなる可能性があります。大事な通知を見逃してしまうことになる点もデメリットです。
郵便物が返送されない場合も、銀行からの書類が旧住所に届いてしまうと、個人情報が悪用されてしまうリスクがあります。
銀行口座の住所変更方法
銀行口座の住所変更をしないリスクが理解できたら、早めに手続きを済ませておきましょう。手続き方法の種類や住所変更の手数料・期限について解説します。
主な手続き方法は4種類
銀行口座の住所変更の主な手続き方法は、窓口・郵送・オンライン・電話の4種類です。利用できる方法は銀行によって異なります。
窓口で手続きをする場合、銀行が同じならどの支店でも対応してもらえます。分からない点を質問しながら手続きを進められる点が、メリットです。
窓口に行く時間を確保できない場合は、郵送で手続きをしましょう。住所変更が反映されるまで時間がかかるものの、いつでも作業できるのがメリットです。
インターネットバンキングに対応している銀行なら、オンラインでも住所変更を行えます。24時間いつでも手続きできるため便利です。
電話での住所変更は、テレホンバンキングを取り扱っている銀行でのみ対応してもらえます。
住所変更の手数料や期限は?
銀行口座の住所変更に手数料はかかりません。期限も特に定められていないため、時間があるタイミングでいつでも手続きできます。ただし手続きをしない間はリスクが残ることになるため、引越し後はできるだけ早めに住所変更をしておきましょう。
銀行口座の住所変更を行えるタイミングは、住民票を異動した後です。本人確認書類の住所が新住所になっていなければ、手続きの際に確認できないため、住所変更はできません。
主要銀行の住所変更方法
利用可能な住所変更方法や具体的な手続きの内容は、銀行ごとに異なります。主要銀行の住所変更方法が分かるページは以下の通りです。
複数の銀行を利用している場合は、すべての銀行で住所変更の手続きを済ませましょう。パソコンやスマホだけで一気に操作を行える、オンラインでの手続きがおすすめです。
なおオンラインで住所変更をする場合は、あらかじめインターネットバンキングの利用登録を済ませておく必要があります。
銀行口座の住所変更に必要なもの
住所変更の際に用意すべきものは、銀行や手続き方法により異なります。一般的に必要なものや、代理人に頼む場合に準備するものを、覚えておきましょう。
自分で手続きする場合
銀行口座の住所変更を窓口で行う場合は、本人確認書類・届出印・通帳などが必要です。郵送で手続きをするケースでは、届出印を押した変更届や本人確認書類の写しなどの提出を求められます。
オンラインや電話で手続きする場合も、本人であることを確認できる何らかの作業を求められるでしょう。オンラインなら本人確認書類の画像をアップロードする方法が一般的です。
電話による手続きでは本人確認書類を提出できないため、通帳に記載されている最終行の残高を口頭で伝えるなどの方法により、本人であることを確認します。
代理人に頼む場合
代理人による住所変更の手続きは、法定代理人以外は認められていない場合がほとんどです。大半の銀行では、自分で手続きをしなければならないでしょう。
代理人による手続きが認められている銀行でも、委任状の提出を求められるケースがあります。本人が代理人に依頼したことをきちんと証明する必要があるためです。
銀行口座の不正利用を防止するために、各銀行は住所変更手続きに対して厳格な対応をとっています。引越し後は何かと忙しくなりがちですが、できるだけ自分で手続きするようにしましょう。
引越し後は近くの支店に変更すべき?
引越しをすると周辺環境が変わるため、今まで便利に使えていた銀行が近所にないといったケースもあるでしょう。引越し後の口座の取り扱いに関する考え方を、解説します。
支店変更はしない方がおすすめ
銀行口座を引越し前の自宅近所の支店で作っていた場合、引越し後はその支店から距離が遠くなるでしょう。気軽に通える支店ではなくなるため、支店変更すべきかどうか迷いがちです。
銀行口座の支店を変更すると、口座そのものが変更になります。新しく口座を作り直すことになるため、口座に登録している各種情報も変更しなければなりません。
支店や口座を変えなくても特に支障はなく、窓口やATMでそれまでと何も変わらず取引を行えます。引越し後も支店変更はせず、そのままにしておくのがおすすめです。
近所に支店がない場合は口座を作り直そう
銀行によっては地方に支店がなかったり、あったとしても少なかったりするケースがあります。口座を持っていても近所に支店がない場合は、不便になるでしょう。
窓口で取引を行いたいとなると、遠方にある最も近い支店まで足を運ばなければなりません。他行のATMを使える場合も、余計な手数料が発生する可能性があります。
引越し先の地域に支店がない場合は、近所にある別の銀行の口座や、ネット銀行の口座を新たに作りましょう。メインバンクを変えれば銀行の利便性が向上します。
引っ越したら早めに銀行口座の住所変更を
銀行口座の住所変更をしない場合は、高額取引に時間がかかってしまいます。カードや通帳を失くしたときの手続きが面倒になる点や、重要書類が届かなくなる点もデメリットです。
引越し後はできるだけ早めに住所変更の手続きをしましょう。近所に銀行の支店がない場合は、利用しやすい銀行の口座を新しく作り直すのもおすすめです。
引越し時は銀行口座の住所変更以外にもやるべきことが多くあります。以下の記事では全体像をまとめているので、手続き漏れがないようにチェックしておきましょう。
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