引っ越しの荷造りで取り扱いに注意すべき荷物が、お皿やグラスといった食器です。梱包時に食器を割らないように新聞紙や緩衝材で包んだり、ダンボールに詰めるときにサイズが大きくて重たいものから詰めるなど、工夫をすれば安全に運べます。
引っ越し時に食器を梱包する方法について、新聞紙のほかに使える梱包アイテムや、割れないようにする荷詰めのコツを含めて紹介します。
【種類別】引っ越しで食器を梱包する方法
引っ越しの荷造りで食器を梱包するにあたり、大きさや重さといった種類ごとに適した方法で梱包しないと食器が割れてしまったり、ケガの可能性があります。
新居へ運搬中に食器が割れないように梱包する方法は、以下のとおりです。
食器類 | 使用する緩衝材やテープ | 注意すべき箇所 | |
平皿・小鉢・丼 | 新聞紙、チラシ、気泡緩衝材、セロハンテープ、養生テープ など | 皿全体 | |
グラス・コップ | 新聞紙、チラシ、気泡緩衝材、セロハンテープ、養生テープ など | 飲み口 | |
ワイングラス | 新聞紙、チラシ、気泡緩衝材、セロハンテープ、養生テープ など | 足(持ち手)と飲み口 | |
マグカップ・ティーカップ | 新聞紙、チラシ、気泡緩衝材、セロハンテープ、養生テープ など | 持ち手と飲み口 | |
調味料のビン | 新聞紙、チラシ、気泡緩衝材、キッチンペーパー、食品用ラップ、セロハンテープ、養生テープ など | ふたの近く | |
包丁やハサミなどの刃物類 | 新聞紙、チラシ、気泡緩衝材、キッチンペーパー、ガムテープなど | 刃先 |
1.平皿・小鉢・丼
平らな皿や小鉢、丼は新聞紙やミラーマットといった梱包資材の真ん中に置いて、四隅を中央に向けて折ります。新聞紙から平皿や小鉢が出ると運搬中の衝撃で割れやすくなるため、全体を包み込むように梱包するのがポイントです。
折り終わったら、セロハンテープや養生テープなどで開かないように止めましょう。深さのある小鉢や茶碗、平皿に梱包方法は下記のとおりです。
深さがある小鉢・茶碗の梱包方法
平皿の梱包方法
2.グラス・コップ
取っ手がないグラスやコップは平皿や茶碗のときと同様、大きめにカットした新聞紙やミラーマットといった緩衝材をひし形になる向きに置いた後、中央にグラスやコップを置きましょう。
手前側にある緩衝材の一角を中央に向けて折った後、グラスの底側にある緩衝材の一角を中央に向けて折りたたみます。折りたたんだら、グラスを包みこみ、余った緩衝材を中に折り込んでセロハンテープや養生テープなどで固定しましょう。
3.ワイングラス
ワイングラスは持ち手となる脚や飲み口が割れやすいのが特徴です。脚の部分に新聞紙や気泡緩衝材、ミラーマットなどで巻いた後、グラス本体に振動が伝わって割れないように丸めた新聞紙を中に詰めましょう。
詰めた後、グラスの外側に新聞紙やミラーマットといった緩衝材で包み、セロハンテープや養生テープなどを貼って止めます。
4.マグカップ・ティーカップ
マグカップやティーカップといった持ち手がある食器も、細長く折った新聞紙を持ち手全体に巻き付けた後、カップを寝かせて外側を新聞紙や気泡緩衝材などで梱包します。余った箇所は飲み口の中に入れた後、セロハンテープや養生テープなどで固定しましょう。
なるべく凸凹を作らないように形を整えて梱包すれば、運搬中に破損するリスクは軽減できます。
5.調味料のビン
みりんやポン酢といった調味料が入ったビンを梱包するときは、ラップやセロハンテープでふたを十分固定した後、新聞紙をはじめとした緩衝材を巻き付けましょう。包み方とダンボールに梱包する際の注意点は、グラスと同様です。
割れて調味料がこぼれるのが心配な人は、ビニール袋に入れてから緩衝材で包むと良いでしょう。
6.包丁やハサミなどの刃物類
包丁や調理用ハサミといった刃物類は、持ち手を出した状態で刃の部分を新聞紙や厚紙といった緩衝材で梱包します。
刃の部分を包んだ後、危険物であるとわかるように赤いガムテープやセロハンテープで止めたり、赤いマーカーや油性ペンで「包丁」や「ハサミ」と記入しておくとケガの予防につながるでしょう。
引っ越しで食器を梱包する前に必要なアイテム
引っ越し先へ食器を運んでもらう際、割れないように下記のアイテムを用意してから梱包するようにしましょう。
1.ダンボール
梱包した食器を入れるために必要な箱です。引っ越し業者に依頼したときは、無料で提供してもらえるところがほとんどです。大きさは100サイズのものを使用しましょう。
100サイズより大きめのものや耐久性が低いダンボールに食器を詰めてしまうと、運ぶ際に重みで底が抜けて破損してしまう可能性があるからです。加えて安全に食器を運ぶためにも、できる限り新品の利用をおすすめします。
2.新聞紙
運搬中に食器同士がぶつかって破損しないように包むための緩衝材です。あらかじめはさみやカッターを使って、半分のサイズにしておくとスムーズに梱包できます。
新聞紙がないときは、100円ショップやホームセンターなどで気泡緩衝材やクラフト紙といった代用品を購入しましょう。
3.ガムテープやセロハンテープ
ダンボールを梱包する際に必要なテープで、無料で提供してもらえる引っ越し業者もあります。食器の重さで底が抜けて割れてしまわないように、耐久性と粘着性が強い布製のテープを使用するのがおすすめです。
加えて新聞紙で食器を梱包する際は、セロハンテープを使用しましょう。
4.油性ペン
ダンボールに内容物や搬入箇所を記載するときに使用するほか、食器に「包丁」や「ハサミ」、「割れもの注意」といった注意喚起の内容を記載するときに使用します。黒色だけでなく、赤色のペンも用意しておくのもおすすめです。
5.軍手
ダンボールに食器を梱包した後、移動する際に使用します。手のひら側がゴム製でできている「ラバー軍手」を使うと、手から滑り落ちづらくなるでしょう。
6.ハサミやカッター
新聞紙をはじめ、気泡緩衝材やクラフト紙などの緩衝材をカットするときに役立ちます。
7.割れもの注意のシール
食器が入ったダンボールに「割れもの注意」のシールを貼っておくと、作業スタッフが運ぶ際に注意しながら運んでもらえるアイテムです。100円ショップやホームセンター、ネット通販などで購入できます。
新聞紙がないときに使える梱包アイテム5選
新聞紙が用意できないときは、100円ショップやネット通販、ホームセンターなどのお店で下記のアイテムを購入すると梱包アイテムとして代用できます。
1.気泡緩衝材
「プチプチ」や「エアキャップ」とも呼ばれている気泡が入ったビニール製の緩衝材です。軽量でハサミなどでカットしやすいほか、食器同士のすき間も埋めることができます。引っ越し業者も提供してもらえるところもあるので、問い合わせてみましょう。
2.ミラーマット
軽量でクッション性の高い緩衝材です。平皿を複数枚重ねて梱包する際に役立ちます。あらかじめカットしたシートが複数枚入っているものや、自分で切り分ける大判タイプのものがあるため、引っ越す人数に応じて購入しましょう。
3.更紙・クラフト紙
紙製の緩衝材で食器を梱包するだけでなく、ダンボールと食器のすき間を埋めるときにも役立ちます。加えて新聞紙で包むと、手や食器にインクがついてしまうことがありますが、更紙やクラフト紙を使用すれば、汚れるリスクは軽減できるでしょう。
4.チラシやカタログなどの雑紙
郵便ポストに入っていた広告のチラシやカタログなどの雑紙を代用するのもおすすめです。新聞紙と同様に使用できますが、紙の素材や厚みによっては新聞紙よりも耐衝撃性が低い場合があるので、梱包する際は複数枚使用しましょう。
5.キッチンペーパーや食品用ラップ
新聞紙とは異なり、インクが使われていないことから調味料類が入ったビンなどを梱包する際に役立ちます。キッチンペーパーや食品用ラップをしっかりと巻いていれば、万が一荷物を運んでいる途中で食器が割れてしまっても、破片が散らばりにくくなるでしょう。
食器を割れにくくするダンボールへの詰め方
食器を梱包しても、引っ越し先へ運搬中に破損しないように以下のポイントに注意したうえでダンボールに詰めることが大切です。
1.縦向きに皿を入れる
ダンボールに食器を入れるときは、縦向きに入れましょう。特に平皿は上からの圧力に弱いため、上から重ねて箱詰めすると運搬中に破損する可能性があるからです。
大きさの都合で皿を重ねて入れるときは、間に新聞紙やミラーマットを挟んで衝撃に耐えられる工夫をしましょう。
2.中身が動かないよう緩衝材を詰め込んで固定する
ダンボール内の食器が動かないように底や側面、食器のすき間に新聞紙やチラシといった緩衝材を埋めましょう。すき間ができてしまうと、運搬中に食器同士がぶつかり合い、破損してしまう可能性があります。
新聞紙やチラシのほかに、タオルや布巾、新品のスポンジなどで詰めるのもおすすめです。
3.茶碗やコップは伏せて梱包する
茶碗や小鉢といった深さのある食器は、下向きに伏せてダンボールに詰めしましょう。何枚か重ねて入れるときは、間に新聞紙やミラーマットを挟み込むのがおすすめです。
グラスやコップ、ワイングラスも高さを揃えたうえで横に寝かせず、すき間がないように縦向きに入れます。
ひとつの箱にいろんな食器を詰めるのではなく、食器の種類ごとに分けて入れると引っ越し先で円滑に荷ほどきができるでしょう。
4.ダンボールの外側に注意書きをする
ダンボールの中に何が入っているか分かるように箱の上部と側面にそれぞれ「割れ物注意」「天地無用」などの注意書きをしておきましょう。
中身が割れ物と分かっていれば、引っ越し業者のスタッフも丁寧に取り扱ってもらえます。
100円均一ショップでも割れ物注意のシールが売られているので、それらを使って目立たせるのもおすすめです。
加えて、包丁や調理バサミといった刃物類は、ダンボールの上部に入れましょう。
引っ越し業者のサービスで食器を梱包するのもおすすめ
食器の梱包が面倒に感じたり、引っ越し当日までに時間がないときは、引っ越し業者のサーブで食器専用の資材を利用するのも選択肢のひとつです。新聞紙や緩衝材がなくても、引っ越し業者のサービスを利用すれば、食器を梱包する手間が軽減できます。
主な引っ越し業者のサービスは、下記のとおりです。
1.アート引越センター『エコ楽ボックス』
紙資材を一切使わない新しいリユース資材を使用した引っ越し業者の梱包資材です。
「エコ楽ボックス 食器ケース」はプラスチック製で11種類の仕切りがあり、荷造りしたい食器に合わせて仕切りを組み替えられます。
1セットの内容物は17個の仕切りと収納用ケース5個ですが、レンタル品のため数に限りがあります。繁忙期の引越しで使用したい人は、早めにサービスの予約をしましょう。
2.日通『食器トランク』
ウレタン素材のクッションを使用したトランクを使って食器を運搬できるサービスです。外からの衝撃にも耐えられるため、平皿を5枚程度重ねたり、マグカップを寝かせて梱包しても破損のリスクは軽減できます。
ただし、1日で作業が終わる近距離引っ越しでないと利用できないので注意しましょう。
3.サカイ引越センター『らくらくCプラン』
引っ越し前日または当日に作業スタッフが食器の梱包を任せてもらえるサービスです。事前にどの食器を新居に持っていくのか、利用者が判断するだけでサービスを利用できます。
運送中に壊れないだけでなく、荷ほどきがしやすいように梱包してもらえるのも特徴です。
4.ハート引越センター『エコノミーパック』
食器類だけでなく梱包作業をすべてお任せできるプランです。忙しくて引っ越し準備の時間は取れないものの、引っ越し後に荷解きをして整理をする時間がある人におすすめです。
引っ越し時に食器が割れてしまった際の対処法
新居へ食器を運搬中に引っ越し業者が不注意や事故、アクシデントで食器を破損した場合、業者が保険に加入していれば、範囲内で補償してもらえます。ただし引っ越し日から3か月以上経過して破損が発覚したときは、補償されないケースもあるので、見積もり時に引っ越し業者に確認しましょう。
あわせて業者から見積もりを出してもらう際、無料でダンボールや気泡緩衝材といった食器の梱包に必要な資材をもらえるのか、確認することも大切です。
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