引越しで調味料を運ぶとき、「ビンの梱包が甘くて割れた」や「冷蔵品が痛んでしまった」というケースがあります。
調味料の取捨選択から、液体や粉ものの梱包方法、冷蔵品の運び方までを解説します。
引越し時の調味料は処分・形状・冷蔵で分ける
引越しで使われるトラックは家具・家電の運搬を前提にしていて、庫内の温度を一定に保つための空調設備はなく、食べ物や調味料を運ぶには適していません。そのため、次の3ステップで調味料を引越し業者のトラックで運べるようにしましょう。
1. 調味料はなるべく使い切るか処分する
調味料は旧居でできる限り使い切り、新居に着いたら新しいものを購入するのが理想的です。ただ、引越しが決まったタイミングや調味料の使用頻度によっては使い切ることが難しいこともあるでしょう。
調味料が使いきれないときは、どの調味料を旧居で処分するか、新居に持っていくかを以下の基準で判断します。
- 開栓から3ヶ月以上経過している
- 直近1カ月で1度も使っていない
- 残量が少ない
開栓から3ヶ月以上経過している調味料は、鮮度が下がって風味も落ちています。直近1カ月のうちに使っていない調味料は、使用頻度が少ないために新居でも使う可能性が低いです。
残量が少ない調味料はわざわざ持っていくよりも処分して、新居で新しいものを購入した方が手間がかかりません。
2. 液体・ペースト・粉もので梱包を変える
形状で分類してから、常温と冷蔵品に分類します。特にビンの液体は梱包材で底と周りをくるんでから、ダンボールに入れましょう。
形状 | 梱包の仕方 |
液体(ビン) | しっかりふたを閉めて、ビニールに入れてから梱包材でくるむ。 |
液体(ビン以外) | しっかりふたを閉める。ふたをキッチンペーパーとラップで包んで輪ゴムで留めると、さらに安心。 |
ペースト | ふたやキャップをラップで包んで、潰れない場所に入れる。 |
粉もの | 粉が漏れると掃除しにくいため、袋の口を密封して、さらにテープで留める。 |
3. 要冷蔵の調味料はクーラーボックスで運ぶ
要冷蔵の調味料は必ずクーラーボックスを使って運搬してください。クーラーボックスはあくまで保冷をするものなので、ボックス内に十分な量の保冷剤を入れましょう。
空のペットボトルに水を入れて凍らせたものも保冷剤として利用できます。引越し前日は事前に冷蔵庫の電源を切るため、前日からクーラーボックスに入れることになります。
液体調味料(醤油や酢など)の梱包方法
調味料の梱包時にもっとも注意したいのが、中身が漏れ出さないようにすることです。輸送中に中身が出てしまったら、他の荷物まで汚れる心配があります。
一般家庭で使われることの多い調味料の梱包方法と、ダンボールに入れるときのコツを紹介します。
- キャップを食品用ラップで包む
- しっかりと覆えたら輪ゴムで留める
- 上からキッチンペーパーを被せて輪ゴムで留める
醤油や酢など、液体の調味料は中身が出ないようにするのが大切です。
食品ラップで口の部分を包んだ後はキッチンペーパーを使って、万が一漏れてしまっても他の荷物に被害が及ばないようにしましょう。
粉ものの調味料(小麦粉・砂糖など)の梱包方法
袋状の入れ物を使っている場合
- 空気が入らないように口を閉める
- 口を食品用ラップやテープで覆って留める
- 中身が出ないようポリ袋等に入れる
箱型の容器に移し替えて使っている場合
- 容器とフタが合わさる場所に粉がついていないか確認する
- フタを閉じる
- フタが合わさっている部分を食品用ラップで覆う
- 食品用ラップが動かないようマスキングテープなどで留める
- 中身が出ないようポリ袋等に入れる
小麦粉や砂糖など粉末状の調味料をこぼしてしまうと家具の隙間などに入り込んでしまう可能性があります。
家電内部に入った場合は故障の原因にもなります。
まず容器からこぼれないようにしっかりと閉じ、万が一こぼれてしまっても問題ないようにポリ袋に入れましょう。
要冷蔵の調味料(マヨネーズ・みそなど)の梱包方法
- キャップを食品用ラップで包む
- しっかりと覆えたら輪ゴムで留める
- 上からキッチンペーパーを被せて輪ゴムで留める
みそが箱型の場合も基本の包み方は変わりません。
大切は中身が出ないようにすることなので、フタが取れないように食品用ラップで念入りに巻きましょう。
ポリ袋に入れてれば万が一フタが外れてしまったとしても中身が飛び出すのを防げます。
調味料をダンボールに入れるときの3つのコツ
調味料をダンボールに入れるときは以下3つのポイントに気をつけてください。
- 横倒しにせず直立させる
- 緩衝材には新聞紙か古タオルを使う
- ダンボールの外側にどちらが上かを記す
調味料の入れ物は高さや形が様々です。
何も考えずにダンボールに詰めてしまうとぶつかり合って壊れたり、移動中の衝撃で倒れて中身がこぼれるなどのトラブルが発生します。
調味料を入れるダンボール箱には新聞紙や古タオルなど、捨てても良いものを緩衝材として使いましょう。
4種類ある調味料の処分方法
少々手間はかかりますが適切な処分方法を取りましょう。
調味料を新聞紙などに吸わせて捨てる場合、調味料を吸わせた新聞紙等はニオイ漏れしないゴミ袋に入れて捨てると悪臭に悩まされません。
ペットのフンやおむつの処理に使える防臭袋であればニオイを気にせずに捨てられます。
1. 油(サラダ油・焼き肉のタレなど)
油を直接シンクに流してしまうと、パイプ詰まりが発生する原因になります。
サラダ油やごま油などであれば「固めるテンプル」などの油処理剤を使って固形化して処分しましょう。
焼き肉のタレなど油を多く含む液体調味料を捨てるには、まずゴミ袋を用意し、中に新聞紙や古ぞうきんを入れます。
新聞紙などに調味料を吸わせたら燃えるゴミとして処分できます。
バターやマーガリンなど冷蔵状態では固形の油も、一度熱して液体にしてから不要な紙にしみこませて処分しましょう。
2. 油を除く液体の調味料(醤油・酢など)
醤油や酢、みりんなど油を含まない液体調味料は、中身を古紙や古ぞうきんなどに吸わせて処分しましょう。
使いかけの調味料を大量に直接シンクに流してしまうと水質汚染や汚臭につながるので絶対にやってはいけません。
3. 粉の調味料(小麦粉・砂糖など)
小麦粉や片栗粉など粉末状の調味料を捨てるときは、粉が外に出ないようビニール袋等の口をしっかり閉めましょう。
もし小麦粉などが大量に残っているのであれば、油処理に使っても良いでしょう。
温かい状態の油と同量の小麦粉を溶かすと固形化させられます。
ただし油処理剤を使ったときほどには固くはならないので、捨てるときには油が漏れないよう注意が必要です。
4. 要冷蔵の調味料(マヨネーズ・みそなど)
マヨネーズ、みそなどは粘度が高いため新聞紙などに中身を吸わせづらいです。
ポリ袋に中身をあけて、口を閉じたら可燃ごみとして処分できます。
中身が漏れてしまわないようにポリ袋を二重にすると良いでしょう。
調味料を漏れないようにして引越し準備を進めよう
引越しでは調味料を始めとするキッチン用品だけでなく、あらゆる持ち物の荷造りをしなければなりません。
その他の荷物の梱包については、以下の記事で詳しくまとめています。効率的な荷造りのコツも解説しているので参考にしてみてください。
荷造りが面倒という方は、引越し業者のオプションサービスで荷造りまで手伝ってもらうか、専用の梱包資材をレンタルしてラクに荷造りを済ませるのがおすすめです。