「就職先が決まったが、お金はなくて引っ越せない」「親戚の都合で急に引っ越したい」「家賃が支払えず立ち退きを要求された」など、それぞれが抱えた悩みがあって、お金がない中でも引っ越さないといけない人も多いです。
引越しでは、賃貸物件の初期費用と引越し業者の作業代で、一般的には家賃の6カ月程度かかり、最低でも10万〜20万円は必要です。貯金に余裕がないと厳しい出費であり、払えない人もいるでしょう。
お金がないが引越しをしたい人に向けて、今すぐ使える6つの対処法と、費用を安く抑える方法、注意点などを解説します。
お金がない引っ越しで今すぐ使える6つの対処法
引越しのお金がないときに使える対処法は以下の6つです。
1. 分割払いや後払いを相談する
まずは分割払いや後払いを検討しましょう。現在はお金がないものの、後から費用を用意できる人におすすめです。
物件を契約する際にかかる敷金や仲介手数料は、不動産屋や大家さんに相談することで、分割払いを受け付けてもらえるケースがあります。ただし礼金は物件の契約成立時に支払うため、分割払いや後払いをすることができない点に注意しましょう。そのため礼金ゼロを条件に物件を探すのがオススメです。
引越し業者に支払う費用は一般的に前払い制で、引越し当日の作業完了後に支払います。しかし引越し業者によっては、事前に相談をすることで後払いを受け付けてくれるため、見積もり時に確認してみるとよいでしょう。
引越し業者に関してはBNPLが利用可能な業者であればスムーズに後払いが可能です。BNPLとは引越し時に料金を支払うのではなく、後日、依頼者あてに請求書が送られてきて、最寄りのコンビニや銀行、郵便局で支払うことができるサービスです。
2. クレジットカード支払いにする
クレジットカードで初期費用を支払えば、自動的に後払いにできます。引き落とし日は翌月の26日になることが多いです。短期バイトやお金を借り入れることで支払日に間に合うようにしましょう。
クレジットカードは分割払いも可能なので大変便利です。不動産会社や引越し会社にクレジットカードでの分割払いを断られたとしても、1度決済した後にカード会社に連絡することで分割払いにできます。一時的にカード会社が一括で支払っているため限度額を越えていない限り、問題なく分割することが可能です。
また、アート引越センターやサカイ引越し、日本通運などの大手引越し社は、クレジットカードが使えます。ただ、個人の引越し業者の場合、現金前払いのみのケースがあります。見積もり時のチャットや電話でクレジットカードが使えるか確認しておきましょう。
3. 行政の支援制度を利用する
経済的に余裕がなかったり、子育て世帯であったりするなら国や自治体の給付金や助成金を活用という手段があります。家賃の補助や敷金礼金に利用できるお金はもちろん、運搬にかかる費用も支援を受けることが可能です。利用できそうな制度があれば積極的に活用して引越しましょう。たとえば以下のような制度があります。
- 特定優良賃貸住宅
- 地方創生移住支援事業
- 住宅確保給付金
- 住み替え居住継続支援
基本的には子供のいる家庭向けの補助金が多く、地域によって条件や支給額が異なるので厚生労働省や各自治体のホームページを確認して申請しましょう。
4. NPO団体や社会福祉協議会に相談する
引越しに必要な小口資金の貸し付けや、補助をしてくれるNPO団体、または社会福祉協議会という組織もあります。補助を受けられる人は低所得世帯であるなど条件はありますが、生活費支援費や福祉費、緊急小口資金など最大で20万円ほど借りることが可能です。とくに敷金礼金はまとまったお金が必要になるため、いきなり用意できない人には利用してみましょう。
NPO団体は各団体ごとに支援や貸し付けの方法、条件が異なります。どうしても引越しのお金がない場合は「NPO 居住支援」と検索し近くのNPO団体にコンタクトを取ってみましょう。
5. 親族や友人に助けを求める
支払い上限額に達しているなどの理由で分割払いや後払いがどうしてもできない場合、家族や友人に助けを求めお金を貸してもらいましょう。金銭トラブルにならないよう返済の期限や方法などの計画をしっかり取り決めておくことが大切です。記載する必要がある項目は主に5つあります。
- 貸主および借主の住所
- 貸し付けた金額
- 借用日・返済期日
- 返済方法
- 自筆の署名と印鑑
インターネット上にテンプレートが掲載されているので、「借用書 テンプレート」などと検索し作成すると良いでしょう。
6. 消費者金融でお金を借りる
知人からお金を借りられず、後払いでも対応できない場合は、消費者金融を利用するのも手です。
消費者金融は金利が約18%と高い代わりに、最短即日でまとまったお金を借りられます。最初の1カ月は金利が0円になるサービスを行っている消費者金融もあるため、すぐに返済できるめどがある人におすすめです。
消費者金融は金利が膨れ上がり返済できるキャパシティを超えてしまうと最悪、給料や自動車、生命保険などの差し押さえにまで発展してしまいます。消費者金融は最終手段として考えておきましょう。
お金がない引っ越しを安く抑える4つの方法
引越しにはどうしてもお金がかかってしまいます。しかし、知識と工夫次第では相場より大幅に引越しを済ませることも可能です。できる限り引越し費用を安くする方法を4つ紹介します。
1. 物件選びを工夫して初期費用を抑える
物件選びを工夫すれば、通常40万円はかかる初期費用を5割ほど減らせます。以下の物件を選ぶと、初期費用を抑えることが可能です。
- 敷金礼金ゼロの物件
- フリーレント物件
- 家具・家電付き物件
こうした物件は事前に不動産屋に相談しておかないとなかなか紹介されません。物件探しのときに「貯金があまりない」「敷金礼金がかからない物件はないか」などと伝えましょう。
不動産会社を仲介せず、大家さんと直接契約するのもおすすめです。仲介手数料がかからないため何万円か費用が節約できます。初期費用は抑えられますが書類面や交渉を自分で行う必要があり時間がかかるので注意しましょう。
一般的な引越し金額と工夫した引越し金額
一般的な引越し費用と比較するとお得感が伝わります。月7万円のアパートに3/16に引越しした時に必要な初期費用は家賃の6カ月分で、合計420,000円でした。それが「敷金ゼロ、礼金ゼロ、フリーレント、仲介手数料50%」の物件で、格安引越し業者に依頼すると100,000円で済みます。
初期費用 | 一般的な金額 | 工夫した金額 |
3月分日割家賃 | 15日分35,000円 | フリーレント0円 |
3月分日割管理費 | 15日分1,500円 | フリーレント0円 |
4月分家賃 | 70,000円 | フリーレント0円 |
4月分管理費 | 3,000円 | フリーレント0円 |
敷金 | 家賃1カ月分70,000円 | 敷金0円 |
礼金 | 家賃1カ月分70,000円 | 礼金0円 |
保証人代行 | 家賃0.5カ月分36,500円 | 家賃0.5カ月分36,500円 |
火災保険 | 15,000円 | 15,000円 |
鍵交換費用 | 22,000円 | なし0円 |
仲介手数料 | 家賃1カ月分70,000円 | 家賃0.5カ月分36,500円 |
引越し費用 | 大手27,000円 | 格安12,000円 |
合計 | 420,000円 | 100,000円 |
2. 自宅や友人の車、レンタカーを使って自力で引っ越す
近距離の引越しであれば、引越し業者を使わず自家用車やレンタカーを使って引越すと1万円もかかりません。とくに引越す時期が3~4月の場合、引越し業者は繁忙期に入り、料金が1万円以上高くなるため、常に料金が同じであるレンタカーの方が安上がりになるでしょう。
1台で往復すると時間がかかるので、家族や友人に協力してもらえると、速やかに作業が終わります。手伝ってもらいたい内容や作業日を決めてなるべく早く連絡しましょう。
3. 一括見積もりサービスで安い引っ越し業者を選ぶ
引越しの料金は荷物量と距離が同じでも業者によって数千円~数万円ほど変わります。引越し業者に荷物を運搬してもらうなら一括見積もりサービスを利用して、1番安い業者を探すのがおすすめです。条件を入力すれば一括で複数の引越し業者の見積もり金額が分かるので大変便利でしょう。
ミツモアを利用すればいくつかの質問に答えるだけで、条件にあった引越し業者の見積もりが5つすぐに届きます。「とにかく格安の業者に頼みたいが、探す時間がない」という人におすすめです。
4. 引っ越しの梱包材は無料で調達する
安い引越し業者だとダンボールの配布は有料であることが多いです。依頼したい引越し業者のプロフィールページや口コミで無料配布があるか確認しましょう。
ドラッグストアやホームセンターに行くと無料でダンボールを配布していることがあります。とくにドラッグストアでは強度の高いダンボールを取り扱っていることが多く、近くにあればダンボールをもらいにいきましょう。ただしダンボールは常時店舗においているわけではなく、ゴミ収集業者が回収しに来ます。そのため商品が入荷し終わる午後にいくと比較的もらいやすいです。
大型チェーン店ではダンボールの配布をしていないことがあります。地域の個人商店などに頼みに行くと快く渡してくれることが多いのでオススメです。
状況次第で使えるお金がなくても引っ越す裏技2選
1. 近隣トラブルを放置する大家には引っ越し代の請求できる
大家さんが隣人の迷惑行為を知っていたのにもかかわらず、原因である住民へ注意喚起や警察へ届け出るなどの対処をしない場合、貸主の義務怠慢として引越し代金を請求できる可能性があります。
引越し代金が実際にもらえるかは、被害の状況等を考慮して判断されるため、なるべく隣人の迷惑行為と自分・大家の対応の証拠を集めておくとよいでしょう。
2. 大家都合で退去するなら立ち退き料がもらえるケースも
建て替えや廃業など、大家都合で退去する場合は基本的に立ち退き料をもらえることが多いです。引越し費用や新居の初期費用などを含め家賃6カ月~12カ月分の金額を受け取れます。
また要介護者がいたり、どうしてもそこで居住しなければならなかったりすると慰謝料や迷惑料も請求可能です。立ち退きが決まったら、まずは大家さんに詳しい話を聞きましょう。
ただし、最終的には大家さんとの相談で、立ち退き料が決まります。交渉をする際は必ず口頭ではなく書面で残すようにするのが大切です。
お金がない人が急に引っ越すときの注意点
違約金や二重家賃が発生する可能性がある
賃貸契約は一般的に期限が2年間であることが多く、急な引越しで契約期間が満了する前に引越す場合、違約金が発生してしまう可能性があります。物件によって契約内容が異なるため、重要事項説明書や賃貸借契約書の違約金に関する事項を確認しましょう。
一般的にほとんどの賃貸物件には解約予告期間が定められており、解約を申し入れた日によっては1カ月分の家賃を支払う必要があります。解約を申し入れてからすぐに引越すと二重に家賃を支払ってしまう可能性があるため、退去日には注意しましょう。
ライフラインなどの住所変更手続きが間に合わない
引越し時には電気、水道、ガスの使用停止手続きと、新居での開始手続きが必要です。水道は引越しの3日前ほどに手続きをすれば間に合いますが、電気・ガスは引越しの1週間前には手続きしなければなりません。とくにガスは開栓に立ち会わなければならないので、前もって準備しておきましょう。
安い引っ越し業者を見つけるならミツモアで!
お金がない中での引越しはハードルが高いですが、工夫すればできないわけではありません。初期費用も物件の選び方次第で、コストを大きく減らせます。また引越し業者に依頼をするなら相見積もりを取って一番安い業者に頼むのがベストです。
引越しの一括見積もりサービスを提供するミツモアでは、住居の情報や荷物の個数など簡単な質問に答えるだけで、条件にあった見積もりが最大5件届きます。料金はもちろん、利用者の口コミも確認できるため、効率よく引越し業者を探せるでしょう。