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単身赴任で住民票を移したほうがいい?住民税と住宅ローンに影響がある!

最終更新日: 2024年11月15日

会社の転勤で家族と離れて単身赴任を決めたとき、新住所へ住民票を移すかどうかは、生活拠点をどこにおくかによって変わります。従来の住所のままなら住民票を移す必要がない一方で、単身赴任先の自治体で行政手続きやサービスが受けられないこともあるので、注意しなければなりません。

単身赴任で住民票を移したほうがいい理由について、住民税や住宅ローンの影響を含めて解説します。

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単身赴任で住民票は移したほうがいい理由

単身赴任で住所が変わる場合、原則として住民票は新住所に移す必要があります

住民基本台帳法によると、新住所に転入した場合、原則として住所変更があった14日以内に住民票の異動届を提出しなければなりません。正当な理由がなく提出しない場合、5万円以下の過料に処される可能性があります。

ただし下記のように正当な理由に該当するときは、例外として住民票を移す必要はありません。

  • 新居へ単身赴任後、1年以内に元の居住地に戻る予定の人
  • 単身赴任期間中に週1回のペースで元の居住地に帰省する人

引越す前に生活拠点をどこに置くか決めたうえで、住民票を移すかどうか判断しましょう。

単身赴任先へ住民票を移さないと生じる5つの支障

単身赴任で住民票を新住所へ移さないと、下記5つの支障が生じます。

1.居住の市区町村で各種証明書の発行ができない

単身赴任先のある住まいに住民票を移しておかないと、居住地の役所で住民票の交付や印鑑証明書の、所得証明書といった証明書の発行はできません

旧住所地で登録している場合、戻って発行手続きをする必要があります。

なお旧住所を記載した住民票を取得したい人は、広域交付の制度に基づいて単身赴任先でも取得できますが、住民票を新住所に移しておかないと発行できないので注意しましょう。

2.運転免許証の更新に手間がかかる

運転免許証の更新手続きを行う際、原則として単身赴任先の住所へ住民票を移しておかないと、旧住所地にある警察署や免許更新センターまで足を運ばないといけません

特に遠方へ引越した場合、旧住所地まで移動するのに時間とお金がかかってしまいます。

赴任先でも「経由申請」できますが、運転免許の更新時に講習区分が「優良講習」者に限定されるほか、普段から眼鏡をかけている人は対象外になるなど、条件が細かく定められているので注意しましょう。

3.役所や金融機関からの重要書類が届きにくくなる

運転免許証の更新通知や、ねんきん定期便といった公的な重要書類も単身赴任先へ住民票を移しておかないと旧住所に届いてしまいます。家族に受け取ってもらえば問題がないものの、直接届かない分、時間がかかってしまう点に注意しましょう。

加えて、銀行のキャッシュカードやクレジットカードを本人限定受取郵便で送る場合があります。旧住所に到着通知書が投函され、郵便局で受け取る際に顔写真付きの本人確認書類を提示しないと受け取れない可能性があるので、注意が必要です。

4.居住地の自治体のサービスが受けにくくなる

図書館やジムなどの公共施設をはじめ、補助金の給付といった公共サービスの利用が制限される可能性があります

自治体によっては手厚い支援を受けられるところもあり、単身赴任で住民票を移しておかないと物足りなさを感じることがあるでしょう。

5.単身赴任先での投票が行きにくくなる

赴任先に住民票を移しておかないと、新たな居住地では投票ができず、旧居住地まで足を運んで投票しなければならない点に注意しましょう。

各市区町村に住民票があり、3か月以上住民基本台帳に記録されている満18歳以上の日本国民という条件を満たさないと単身赴任先での投票はできません。

ただしどうしても旧居住地で投票できない場合、国政選挙や都道府県の選挙で不在者投票ができるケースもあるので、最寄りの市区町村の選挙管理委員会に確認しましょう。

単身赴任で住民票を移す手順

単身赴任で住民票を新たな居住地へ異動する場合、下記の流れで住民票を移しましょう。

旧居の役所に転出届と世帯変更届を提出する

現在住んでいる市区町村役所に行って引っ越し日の前後2週間以内に転出届を提出しましょう。提出後、「転出証明書」を受け取ります。

転出届を提出するにあたり、必要なものは以下のとおりです。

  1. 印鑑(シャチハタは不可)
  2. 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
  3. 印鑑登録証明書または印鑑登録証(登録者のみ)
  4. 乳幼児医療証(該当者のみ)

なおマイナンバーカードを持っている人は、条件次第でカードによる転出手続きもできます。

世帯変更届の提出

家族に妻と子どもがいる場合、現住所の世帯主を妻もしくは子どものどちらに変更するか決める必要があります。世帯主を変更するときは、転出届とあわせて世帯変更届も旧居の市区町村役所に提出しましょう。

子どもが15歳以上の場合は妻だけでなく、子どもも世帯主にすることができます。単身赴任が終わり、住民票を自宅に戻すときは、再度世帯主を変更する手続きを行いましょう。

新居の役所に転入届を提出する

赴任先へ引越した後、新しい居住地の市区町村役所に転入届を提出しましょう。提出期限は引越し日から14日以内です。提出するにあたり、下記の書類を用意します。

  1. 転出証明書
  2. 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
  3. 印鑑(シャチハタは不可)

提出する際、オンラインや郵送による手続きは行っていません。必ず役所の窓口まで足を運ぶ必要があるため、注意しましょう。

海外へ単身赴任する場合

単身赴任先が海外の場合、海外転出届の提出が必要です。この場合も世帯主を妻、または15歳以上の子どもに変更する必要があるので注意しましょう。

もし海外への赴任が1年未満の場合は、一時滞在とみなされ、届出をする必要がなくなります。

単身赴任で住民票を移した場合の住民税

単身赴任で新居のある住所に住民票を移しても、住民税は引越した年の1月1日に居住していた市区町村に納税します。

住民票を移さないときは旧居の市区町村に納税しますが、他の市区町村に住民票を移したとしても、引越し日から最初に迎える5月31日までは、元の居住地がある市区町村に住民税を納める点に注意しましょう。

赴任先のある市区町村に住民税を納めるのは、納税額が決まる引越し日から最初に迎える年の6月1日からです。

単身赴任で住民票を移した場合の住宅ローン控除

単身赴任先のある市区町村に住民票を異動させても、妻や子どもが対象物件に住み続ければ、住宅ローン控除は引き続き適用されます

原則として対象物件に住み続けないとローン控除の対象になりませんが、「やむを得ない事情」がある場合「一定の要件を満たす」ことで、住宅ローン控除を適用できることが国のルールで定められているからです。

単身赴任は「やむを得ない事情」になり、家族が引き続き自宅に住むという状況が「一定の条件を満たす」ため、住宅ローン控除の取り扱いに影響は生じません。

ただし海外への単身赴任の場合は、2016年4月1日以降に住宅を購入した人に限られる点に注意しましょう。

単身赴任先へ家族全員が引越す場合

家族全員で単身赴任先に転居して住所を移す場合、持ち家に住所がなくなるため、家屋敷課税(いえやしきかぜい)という税金を住所のある市区町村に納める必要があります。

持ち家に住所がなくても、行政サービスを受ける可能性があり、納税義務が生じるからです。

単身赴任先へ住民票を移す際の注意点3選

単身赴任先へ住民票を移すとき、下記3つの点に注意しましょう。

1.代理人を立てるときは委任状が必要になる

転出届は原則として、本人または同一世帯の人が手続きすることが必要です。

ただし、やむを得ない事情がある場合は妻や子どもが代理人として手続きすることもできます

代理人による手続きを行う際、下記のものを用意しましょう。

  • 代理人の本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • 代理人の印鑑(シャチハタは不可)
  • 委任状

委任状は各自治体のサイトからダウンロードできます。「転出届の提出に関する権限を委任」と明記して作成しましょう。本人確認のために自治体から連絡が来ることもあるので、電話番号も記入します。

2.児童手当は住民票のある住所から支給される

生計をともにしている両親の場合、児童手当は所得が高い人に支給されます。単身赴任をする人が受給者で住民票を新居のある住所へ異動する場合、児童手当の受給者を変更する手続きが必要です。

転出・転入届とあわせて、旧居のある役所に消滅届や特例給付認定請求書を提出するほか、単身赴任先で新たに児童手当の認定請求を行いましょう。

加えて乳幼児・子ども医療費助成制度は、子どもの住民票がある市区町村が負担するため、単身赴任で住民票を移す場合は、申請者の変更手続きが必要です。

3.保育園の料金が変わる可能性がある

保育園の申込書には、単身赴任で子どもと別居している旨を記載すれば問題ありません。

ただし保育園の入園が決まったあと、単身赴任の辞令が下りた場合、変更届を提出するかは各自治体で異なります。子どもの住民票がある自治体に、確認しましょう。

保育園の保育料は、住民税額で決まります。住民票を移し住民税が変われば、保育料も変わる可能性があるので注意が必要です。

単身赴任が決まったら引越しの準備を

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単身赴任が決まったら、新居のある住所へ住民票を異動させるかどうか決めるのとあわせて、引越しの準備も始めましょう。特に新年度が始まる前の2〜4月や、人事異動が多い9〜10月にかけては、引越しの手配も難しくなるため、早めに依頼するのがおすすめです。

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