児童手当は子どもがいる家庭に支給されるお金です。一定の条件を満たせば、子どもが中学を卒業するまで受け取れますが、引越しで住所が変わると手続きが必要なケースがあります。児童手当の住所変更の方法について、理解しておきましょう。
児童手当の住所変更手続きの方法
家族で引越しをする場合は、児童手当の住所変更を忘れないようにしましょう。引越し先によっては、手続きを忘れると、引越し後に児童手当が支給されなくなってしまいます。
現住所と同じ市区町村に引っ越す場合
引越し先が現住所と同じ市区町村の場合、児童手当の住所変更手続きは必要ありません。児童手当の支給者である自治体に、変更がないためです。
世帯全員が一緒に同じ住所地に引っ越したのであれば、転居届(住民異動届)を出すことで、それまでと同様に児童手当を受け取れます。
ただし転居届(住民異動届)は、必ず出さなければなりません。引越しが完了したら早めに役所で手続きを済ませましょう。
現住所と異なる市区町村に引っ越す場合
現住所と違う市区町村に引っ越す場合は、児童手当を支給する自治体が変わります。現住所と新住所の両方で住所変更の手続きが必要です。
まずは現住所の自治体に受給事由消滅届を提出し、引越しが終わったら新住所で児童手当の認定請求を行わなければなりません。
細かい手続き方法は自治体により異なります。どのような手順を踏めばよいのか、事前に確認しておくことが大切です。
住所変更しないとどうなる?
児童手当は請求月の翌月分から支給されます。住所変更を忘れて、手続きが引越しの翌月以降になった場合は、手当をもらえない期間が生じかねない点に注意が必要です。
ただし速やかに手続きを行ったとしても、引越し後の手続きがどうしても翌月にずれ込んでしまうケースもあるでしょう。このような事態を防ぐための制度が「15日特例」です。
月末が近いタイミングで転出する場合、転出予定日の翌日から15日以内に申請すれば、申請日が翌月に入ってしまったとしても、申請した月分から手当を受け取れます。
児童手当の住所変更に必要なもの
児童手当の住所変更手続きには、どのようなものが必要なのでしょうか。引越し先の市区町村が同じ場合と、違う場合に分けて、用意すべきものを紹介します。
引越し先が同じ市区町村
引っ越した後も市区町村が今の住所と変わらない場合、必要な手続きは住民票の異動のみです。一般的には以下のようなものが必要になります。
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 転居届(役所の窓口で入手可能)
- 委任状(手続きを代理人に頼む場合)
住民票の異動の手続きは、引っ越した日から14日以内に行わなければなりません。期限を過ぎるとペナルティを科される恐れもあるため、早めに手続きを済ませましょう。
引越し先が他の市区町村
児童手当の住所変更が必要になるケースでは、旧住所で受給事由消滅届を提出する必要があります。自治体によってはオンラインによる手続きも可能です。
引越し先の自治体で認定請求を行う際は、以下の書類を用意しましょう。
- 児童手当認定請求書
- 印鑑
- 本人確認書類
- 受給者の健康保険証の写し
- 所得証明書
本人確認書類としてマイナンバーカードを提出する場合、所得証明書の提出は不要となる場合もあります。
こんなケースではどうすればいい?
特殊な状況における児童手当の申請手続きについて、解説します。公務員として働いている場合や、親子が離れて暮らす場合は、以下の内容に目を通しておきましょう。
- 手当を受け取る人が公務員
- 親が単身赴任をする
- 子どもが留学する
手当を受け取る人が公務員
公務員が受け取れる児童手当は、職場から支給されます。住所変更の手続きも市区町村ではなく、職場で行わなければなりません。
公務員になった場合や公務員を辞めた場合は、自治体と職場の両方で手続きを行う必要があります。15日特例を意識して、早めに手続きを済ませましょう。
常時勤務ではない公務員が児童手当の住所変更を行う場合は、職場ではなく自治体が手続き先となるケースもあります。詳しくは職場で確認しましょう。
親が単身赴任をする
児童手当の受給者が単身赴任をして、住所が変わる場合は、赴任先で手当を受け取ることになります。赴任先の市区町村で申請手続きを行いましょう。
手当を受け取るのは子どもではなく親です。子どもが住んでいる場所に関係なく、手当は受給者である親が住む自治体から支給されます。
親と子どもが別居している状況で児童手当の支給を受ける場合は、子どもを養育していることを証明できる書類が必要です。書類の種類は役所で確認しましょう。
子どもが留学する
子どもが海外に住んでいる場合は、原則として児童手当をもらえません。ただし留学を理由に子どもが海外で生活するケースでは、以下の条件を満たせば手当が支給されます。
- 留学するまで3年以上日本に住んでいた
- 留学後3年以内である
- 教育を受ける目的の留学である
- 父母と同居していない
短期留学と一時帰国を繰り返すような場合は、1の条件を満たしていなくても、手当が支給される可能性があります。
児童手当の住所変更は適切な手続きを
現住所と同じ市区町村に移り住む場合、児童手当の住所変更は不要です。引越しで市区町村が変わるケースでは、住所変更をしなければ手当を受け取れなくなる恐れがあります。
ブランクを作らず確実に手当をもらい続けるためにも、児童手当の住所変更は適切に手続きを行いましょう。
以下の記事では、児童手当の手続きを含む引越し時にやらなければならないことをまとめています。やることが多く慌ただしい引越しをスムーズに進めるためにも、ぜひご覧ください。