「仏滅に引っ越すと縁起が悪い」というイメージを持つ方は多いかもしれません。しかし実は、仏滅には引っ越し料金が安くなりやすいなど、意外なメリットもあります。
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周囲の反応が心配な場合でも、正しい知識と準備によって不安はぐっと減らせるもの。この記事では、仏滅の本来の意味や費用面から、当日の進め方やお得に引っ越すコツまで幅広く解説します。新生活をスムーズにスタートさせるためのヒントを、ぜひチェックしてみてください。
仏滅の引っ越しは意外とアリ!まずは仏滅の本来の意味を知る
「仏滅」という言葉を聞くと、「縁起が悪い日」という印象を抱く方は少なくありません。六曜では「仏滅、赤口、先負、先勝、友引、大安」の6種類があり、その中でも仏滅は「物事が滅する日」とされがちです。
しかし、もともとの仏滅には「いったんリセットして新たに始める」という考え方もあり、必ずしもネガティブな意味だけではありません。仕事やプロジェクトの始動など、「ゼロからのスタート」に適した日という説もあります。
六曜 | 一般的な意味 | ポイント |
---|---|---|
仏滅(ぶつめつ) | 「物事がいったん滅して再生する日」とされる | 新しく何かを始めるのに向いている |
赤口(しゃっこう/しゃっこう) | 正午のみ吉、それ以外は凶とされる | 祝い事には避ける風習がある |
先負(せんぷ/せんまけ) | 「先んずれば負ける」の意味で、午前中が凶・午後が吉とされる | 大きな決断や急ぎの行動は午後が安心 |
友引(ともびき) | 勝負事は引き分けになるとされることから、友を引く=幸運を共有する | 葬儀を避ける傾向がある(友を冥土に引く) |
先勝(せんしょう) | 「先んずれば勝つ」の意味で、午前中が吉・午後が凶とされる | 早めの行動が吉とされる |
大安(たいあん) | 1日を通して吉とされる日 | 結婚式や入籍など慶事に人気が高い |
また、六曜そのものが昔から絶対的なルールだったわけではなく、科学的根拠も存在しません。そのため、「仏滅だからといって何か不都合が起こる」と一概に決めつける必要はないです。
仏滅だからこそのメリット!気になる料金や予約のしやすさ
仏滅は敬遠されがちな分、引っ越し業者の予約が取りやすい傾向があります。大安や友引に人気が集中しやすいため、仏滅を選ぶと費用が若干安くなるケースも。引っ越し料金は需要と供給のバランスで決まりやすいので、ほかの六曜よりも閑散期に当たりやすい仏滅は狙い目です。
下記は単身の近距離引っ越しを例に、六曜ごとの予約の取りやすさを示したイメージです。ただし実際の料金は時期や荷物量によって異なります。
六曜 | 予約の取りやすさ | 費用の目安(単身・近距離) | コメント |
---|---|---|---|
大安 | 取りにくい | 若干高くなる傾向 |
人気が集中しやすい
|
友引 | 普通 | 中程度 |
大安と同様、縁起を担ぐ人が多い
|
先勝 | 普通 | 中程度 |
午前中が吉とされるが、こだわる人は多くない
|
先負 | 普通 | 中程度 |
午後が吉とされるが、日程は通常通り組みやすい
|
仏滅 | 取りやすい | 若干安くなる傾向 |
敬遠されやすい分だけ空きが多く、料金も抑えやすい
|
赤口 | 普通 | 中程度 |
正午前後が吉とされるが、実際はあまり気にされない
|
仏滅は予約も取りやすく、費用も若干安く抑えられます。特に3~4月の繁忙期でも、仏滅の日なら大安より引っ越せる可能性が高まるでしょう。
仏滅で引っ越すときのデメリットはある?気をつけたいポイント
仏滅のメリットは大きい反面、親や祖父母など、六曜を重視する人が身近にいる場合は反対される可能性があります。せっかくお得に引っ越しても、家族内でトラブルが起きれば気分がよくありません。とくに年配の方は日取りを気にされることが多いので、事前に意見をすり合わせておくと安心です。
また、仏滅の前後に「不成就日(ふじょうじゅび)」と呼ばれる日が重なる場合もあります。これを気にする人は六曜より少ないですが、カレンダーで確認し、どうしても不安なら日程調整を考えるのも一つの手です。
周囲の目が気になるときの対処法
- 日程を強調しすぎずに伝えましょう。具体的な日にちを深く説明しないことで、無用な摩擦を避けられます。
- 家族・親族にはメリットを数字で示します。 「仏滅だと◯万円安くなる」といった具体的な説明があると納得されやすいでしょう。
それでも心配なときに!仏滅の縁起を高める作法と対処法
自分は気にしなくても、「仏滅だとやっぱり落ち着かない…」という気持ちがある場合は、簡単な作法を取り入れると安心感が得られます。たとえば次のようなアクションを試す人もいます。
- 事前に観葉植物などを少しだけ運んでおきます。生き物を先に入れておくと、新居にすでに“気”が宿るように感じられます。
- 盛り塩をして空間を清めます。玄関や部屋の隅に小皿で塩を盛るだけでもOK。塩には清めの効果があるとされます。
- 神社やお寺へのお参りします。新生活の無事を祈ることで、気分的なリセット効果を得やすくなります。
これらは大きな手間もかからず、気持ちを落ち着ける意味でも取り入れやすい方法です。
ただし、仏滅の縁起担ぎは、日本の伝統的な風習の1つであり、科学的な根拠があるわけではありません。仏滅に何かをすることを避けるのは、あくまで人々の心理的な安心感を求めるための行為と言えるでしょう。
大安や友引は本当に良いの?引っ越しに向く日・向かない日の考え方
大安は「何事にも吉」、友引は「朝晩は吉で正午が凶」など、縁起の良いイメージが根強い日です。そのため、引っ越しの予約は大安・友引に集中し、料金が高くなりやすいという傾向があります。
また、先勝は「午前が吉」、先負は「午後が吉」、赤口は「正午前後が吉」というように、六曜それぞれで縁起が良い時間帯も異なります。しかし、現代のライフスタイルでは時間帯を細かく調整できないことも多く、「絶対にこの日が良い」とは言いにくいのが実情です。
結局のところ、六曜だけにとらわれるよりも、以下のように現実的な要素を優先するほうが、結果的にストレスの少ない引っ越しにつながるでしょう。
- 交通渋滞や道路事情
- 大家さんや管理会社の都合
- 自身の仕事・家族のスケジュール
- 子どもの学校行事
実際のところ、引っ越し業者によると大安や友引に比べて仏滅を選ぶ人は少ない傾向にあるといわれます。しかし、「六曜を気にしない」という人も一定数いるため、仏滅でもまったく利用されていないわけではありません。むしろ、「仏滅に引っ越したけれど特に問題は起こらなかった」という声も多く聞かれます。
あまりにも仏滅を避けようとして予算オーバーになったり、スケジュールが詰まってしまうよりは、余裕を持って進められる日取りを選ぶほうが結果的には安心です。