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生活保護受給者は引っ越しできる?費用の支給条件や引っ越し手順を徹底解説

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最終更新日: 2024年01月17日

引越しにあたって、「生活保護を受けていても引越しできるの?」「引越しの費用を用意できなかったらどうしよう」と思っている方もいるのではないでしょうか。今回は生活保護受給者が引越しをする際の条件や費用、詳しい手順、注意すべきポイントについて説明します。

許可があれば生活保護を受けていても引越しはできる

生活保護の方が引っ越しできる条件とは?

生活保護受給者の引越しは基本的には自由です。ただし以下2つの注意点があります。

  • ケースワーカーの許可が必要
  • 自己都合の引越しは全額負担

引越しのための補助金を受け取るためには、生活保護法で定められている以下の16の条件のうち、どれか1つに当てはまる必要があります。引越し理由が「ペットを飼いたい」「もっと広い部屋に住みたい」等の場合は許可が下りず、自費で負担する必要があるため注意が必要です。

  1. 病院から退院して新しい住居を探す
  2. 家賃の値上げが決まって家賃が生活保護法の規定を上回る
  3. 土地収用等で立ち退きの必要がある
  4. 社宅を出なければならない
  5. 社会福祉施設から退所した後の住居がない
  6. 宿泊提供施設等を仮住居として利用していたが、居宅生活の許可が下りた
  7. 遠距離のため通勤が困難になる、かつ会社付近に住むことで世帯収入の増加や働いている人の健康維持に役立つと認められる
  8. 災害により住居がなくなった、または住めなくなった
  9. 住居の老朽や破損で住めなくなった
  10. 世帯人数から見て現住居が明らかに狭い
  11. 現住居が病気療養には環境条件が適さない、または身体障害者には設備構造が適さない
  12. 親戚や知人など一時的に身を寄せていた人が転居する
  13. 物件の貸主が退去を強く要求、または契約更新の拒絶や解約の申し入れにより転居が必要になった
  14. 離婚により新たな住居が必要
  15. 高齢者や障害者が日常的な介護を受けるため、扶養義務者の近隣に引越す
  16. 障害があり、バリアフリーの部屋に転居する必要がある

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生活保護受給者の引越し費用は条件付きで支給される

生活保護受給者は条件付きではありますが、福祉事務所から「引越し費用」「住居に関わる費用」が支給されます。

  • 引越し費用
  • 家賃
  • 敷金
  • 敷金
  • 住宅維持費

必ず全てを支給してもらえるわけではありませんが、申請をすることで一定額の支給してくれる場合があります。なお家主に担保として預けておく「敷金」は福祉事務所から支給されますが、物件を退去する際の「礼金」については負担してもらえないので注意してください。

行政から支給される項目と支給額

行政から支給される項目とその支給額は、以下のとおりです。

項目 支給の可否 支給額
引越し業者への代金 全額支給
敷金 以下①を参照
礼金 自治体による 以下①を参照
前家賃 以下①を参照
仲介費 自治体による 以下①を参照
保証金 以下①を参照
火災保険料 以下①を参照
管理費・共益費 ×
前の部屋のクリーニング代 ×
新居の鍵交換代 自治体による 以下①を参照
家具什器 以下②を参照

①他の費用と合算し、住宅扶助上限額×3.9まで負担

②器具によって上限額が決まっており、その範囲内なら負担
※炊事用具は29,100円、暖房器具は20,000円、冷房器具は50,000円

生活保護を受給した状態で引越しをする場合は、管理費や共益費が安い、もしくは家賃に含まれている物件を選ぶ工夫も必要です。

ただし最低限の家具・家電にかかる費用は、「家具什器費」として受給できる場合があります。

住宅扶助額の目安(地域・世帯人数別)

住宅扶助の具体的な上限金額は、都道府県や世帯人数によって異なります。下記の表を参考にしてください。

都道府県 支給上限額(単身世帯) 支給上限額(2~6人世帯) 支給上限額(7人以上の世帯)
北海道 25,000~29,000円 30,000~41,000円 39,000~45,000円
宮城県 35,000円 42,000~49,000円 55,000円
東京都 40,900~53,700円 49,000~75,000円 63,800~83,800円
神奈川県 41,000円 49,000~57,000円 64,000円
愛知県 36,000~37,000円 43,000~52,000円 56,000~58,000円
大阪府 29,000~39,000円 35,000~55,000円 45,000~61,000円
福岡県 32,000円 38,000~45,000円 49,300~50,000円
沖縄県 32,000円 38,000~45,000円 49,000円
引用:世帯人員別の住宅扶助|厚生労働省

同じ都道府県・同じ世帯人数でも、市区町村により金額が異なる場合があります。

なお、7人世帯の支給額については、75歳以上の高齢者、20~40歳の成人が2人ずつ、12~17歳の子どもが3人の7人家族を想定しています。

引用:世帯人員別の住宅扶助(家賃・間代等)の限度額

支給される金額以下の物件でないと、役所からの許可は下りないため、物件選びは慎重におこなってください。

見積もり額はすべて福祉事業所に伝える

複数の引越し業者から見積もりを取ったら、すべて福祉事業所のケースワーカーに伝えなければなりません。福士事業所は、もっとも安い見積もりを提示している業者に引越しを依頼します。

自分の一存でどの引越し業者を利用するか決められるわけではありません。

退去費用は負担してもらえない

生活保護受給者の引越し費用は行政から支給されますが、退去費用は支給の対象外です。そのため住んでいる物件から退去する際に、原状回復費用やハウスクリーニング代が発生しても、自己負担になります。

ハウスクリーニング代が発生しても最低限になるよう、自分でも部屋を掃除することをおすすめします。

費用が足りない場合の対処方法

行政からの支給費用で足りる場合は問題ありませんが、引越し費用が足りないことも考えられます。もし支給額の上限を、引越し費用が越えてしまった場合に、取れる手段は以下の3つです。

  • 自費
  • 消費者金融
  • 友人か知人に借りる

どうしても必要な場合を除き、消費者金融や友人、知人から借りることはおすすめしません。なぜなら借りたお金であっても収入に含まれるため、福祉事務所への報告義務が生じるからです。金額によっては、後の生活保護受給額が減る可能性があります。

生活保護の受給額の範囲ではなかなか難しいですが、足りない分は自己負担で補うのが最適な方法と言えるでしょう。

関連記事:引越し初期費用はいくら?計算方法と安く抑えるコツも紹介|ミツモア

引越し費用を補助額内におさえるためのポイント

次に引越し費用を補助額内におさえるためのポイントを紹介します。

  • 引越し業者の繁忙期は避ける
  • 混載便や赤帽を利用して費用を抑える
  • 不要な荷物は前もって処分する

引越し業者の繁忙期は避ける

住宅扶助として役所から支給を受けられる引越し費用には、上限があります。 あまり多い金額ではないため支給された金額を超えやすく、超えた分については自費で支払う必要があります。そのため、なるべく安い料金で引っ越すと良いです。

引越し需要が高くなるハイシーズンはどの引越し業者も費用が割高になるため、3月~4月を避けて引越ししましょう。

繁忙期以外にも、引越し料金が高くなるタイミングがあります。 たとえば、土日祝日や月末、大安などの縁起の良い日、午前中は割高になるため、できる限り避けましょう。

混載便や赤帽を利用して費用を抑える

引越し代を安くするためには、混載便や赤帽の活用もおすすめです。

混載便とは、複数の利用者の荷物を相乗りで同じトラックに載せて運ぶサービスです。その分費用は安くなるので、他の人の荷物と一緒に運んでもらうことに抵抗がない人にはうってつけです。

赤帽とは、多くの個人事業主が加盟している団体です。電話1本で申し込むことができたり、かける費用を最低限に抑えられるプランがあったりするなど、使いやすいポイントが満載です。

参考:赤帽

不要な荷物は前もって処分する

引越し料金は、荷物量によって大きく変動します。
荷物の量が多ければ多いほど必要な作業員の人数が増え、運搬用の車両も大型なものが必要になるため料金が高くなります。 そのため、新居で使わないものはできる限り予め処分するのが良いでしょう。

小まめに粗大ごみに出すのも不用品を減らす手段ですが、ネットオークションやフリマアプリに出品すると臨時収入に繋がるかもしれません。もし余裕があれば、リサイクルショップに持ち込むのもいいでしょう。

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生活保護受給者が引越しをするときの手順

生活保護受給者が、引越しをする際の手順を説明します。生活保護受給者が引越しの手続きをする際の流れは、大きく分けて4つあります。

  • 福祉事務所のケースワーカーに相談し、役所の許可を得る
  • 物件を探す
  • 審査を受ける
  • 物件の契約を進める
  • 引越し業者に依頼する

各手順の詳細や費用、それぞれの注意点を解説します。

手順1:福祉事務所のケースワーカーに相談し、役所の許可を得る

引越しを検討し始めたら、まずは福祉事務所のケースワーカーに相談します。自己都合による引越しの場合にも、必ず事前にケースワーカーに相談しましょう。

福祉事務所から引越しが可能であると判断されたら、役所の生活福祉課に出向き、役所からの許可を得ましょう。役所の許可が下りれば、引越し費用の一部を負担してもらえます。

自治体によって受け取れる負担額に差があります。そのため自分が住んでいる自治体が、どのくらい引越し費用を負担してくれるのか確認しましょう。

なお他の市町村に引っ越す場合は、転居先の市町村で生活保護の再申請が必要です。

手順2:物件を探す

許可が下りれば、次は物件選びです物件を選ぶ際は、家賃を住宅扶助で支給される範囲内に収めることが必須だと認識しておきましょう

賃貸契約の審査では、毎月滞りなく家賃を払ってもらえる見込みがあるかどうかを確認しています。

生活保護受給者は家賃の支払い能力を不安視されることが多く、審査が通りにくいです。

物件を探す際は、まずインターネットで物件を調べ、電話で問い合わせをしてから不動産会社に出向くのが良いでしょう。また「生活保護者OK」「生活保護者相談可」の不動産会社を見つけてから、物件を探すのもおすすめです。

手順3:審査を受ける

物件に入居するときは、保証会社とオーナーの許可も必要です。

保証会社が行う審査では、過去にローンを滞納したことがないか、家賃を滞納したことがないか、といったことが確かめられます。

物件のオーナーは、生活保護を受けている人が入居することを受け入れるかどうかについて、明確な審査基準を設けていません。オーナーによっては、生活保護受給者の入居を受け入れていない物件もあります。

保証会社とオーナーの審査を通過したら、ケースワーカーが物件の審査を行います。家賃が住宅扶助の規定に収まっているかどうかなど、基本的なことを確かめられます。

手順4:物件の契約を進める

引越し先の物件を選んだら、あらためてケースワーカーに報告し、役所からの許可を得ましょう。引越しの許可が下りたら、物件の契約をすることができます。

また、物件を契約する際には、不動産会社へ生活保護受給者であることを事前に伝えてください。契約書を交わすときに、収入や職業を記載します。そのため生活保護受給者であることを隠しておくことはできません。正直に最初から伝えておきましょう。

契約時にもらう書類はケースワーカーに提出しなくてはいけないので、大切に保管しておくようにしてください。具体的には以下の書類です。

  • 住宅契約書
  • 契約時の領収書

手順5:引越し業者に依頼する

物件契約が済んだら、引越し準備を開始できます。まずは引越し業者を選びましょう。

引越し業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取りましょう。それぞれの業者の見積もりを比較できるため、相場観を掴むことができリーズナブルな業者に依頼しやすくなります。その際、ミツモアの一括無料見積もりを利用するのがおすすめ。簡単な質問に1度答えるだけで、最大5つの業者から見積もりが届きます。それぞれの業者に何度も同じ条件を説明する必要がないため便利ですよ。

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生活保護受給者が引越しをする際に注意すべきポイント

生活保護受給者の引越し手順を解説しました。次に引越しをする際の注意点を紹介します。

  • 経済状況に変化があれば、福祉事務所のケースワーカーに報告しよう
  • 賃貸契約には保証人や保証会社の利用が必要になる場合がある
  • 病気の悪化を理由にした引越しには医師の診断書が必要になる
  • 他府県へ引っ越す場合は、生活保護の再申請が必要

経済状況に変化があれば、福祉事務所のケースワーカーに報告しよう

引越し費用が足りないとき、消費者金融や知人からお金を借りる方法もあると前述しました。おすすめはしませんが、消費者金融や知人からお金を借りる手段しかない場合は、必ず福祉事務所のケースワーカーへ報告してください

借金も経済状況の変化になるため、報告義務が生じるからです。また生活保護受給者は、借金が収入と見なされるため、生活保護費が減給される可能性があります。報告をしないと、生活保護費の支給が打ち切られることがあります必ずケースワーカーに報告してから、お金を借りましょう。

賃貸契約には保証人や保証会社の利用が必要になる場合がある

保証人の有無も、生活保護受給者が入居をする際は注意しなければなりません。なぜなら賃貸契約には保証人が必要なケースが多いからです。保証人がいない場合は、保証会社を利用するようにしましょう。

退去時の不安点から不動産会社に敬遠されがちな生活保護受給者ですが、保証会社がついていれば物件を借りることが可能です。生活保護受給者であっても、過去に「賃貸関係」「クレジット」「各種支払いの遅延」がなければ保証会社の審査は通るため、心配いりませんよ。

なお保証会社の利用には別途料金が必要です。難しい場合は物件が限られてしまいますが、保証人不要の物件の中から選んでみてくださいね。

病気の悪化を理由にした引越しには医師の診断書が必要になる

行政から引越しの許可を得られる条件に、病気や障害を理由とした場合があります。病気を理由に引越しするには、医師の診断書が必要です

特に2回目の引越しでは、診断書と行政が納得する理由が必須です。再度引越しが必要になった理由を、明確にしなければなりません。症状がどのように変化したのかを詳細に記してもらう必要があります。診断書を行政が確認し、引越しの必要があると判断されれば、2回目の引越しも可能です。

他府県へ引っ越す場合は、生活保護の再申請が必要

生活保護受給者であっても、引越し先は自由に選べます。ケースワーカーに相談し、許可を下りれば他県へ引っ越すことも可能ですしかし県外へ引越しをする場合は、生活保護の再申請が必要です。

その際に現在住んでいる地域の自治体と、引越し先の地域の自治体の間で、移管手続きが行われます。市レベルは市、町村は都道府県の管轄(正確には福祉事務所の管轄エリアによる)となります。
この手続きで支援内容を引き継ぎ、引越し先の自治体でも問題なく支援を受けることが可能です。

手続きには2~3ヶ月ほどかかりますが、完了するまではこれまでの生活保護が継続されるため、一時的に生活保護が支給されなくなる心配はありません。

また万が一引越し先の地域では生活保護の申請が認められなかった場合でも、自らが直接福祉事務所を訪ね、現状の報告をすることにより、申請が認められるケースも少なくありません。一度断られても諦めずに再申請を行いましょう。

引用:厚生労働省 生活保護制度について

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