引っ越しで特に時間がかかるのが、荷造りです。荷物の量によって変わりますが、不用品の処分やダンボールの荷詰めなど、何から始めるべきか計画を立てて進めないと引っ越し当日までに終わらなくなってしまいます。
引っ越し前日や当日に慌てないように、順序よく荷造りを進めるコツやダンボールに梱包する手順について、間に合わないときの対処法を含めて解説します。
引っ越し荷造りの手順6ステップ
引っ越しの荷造りは、日程に余裕を持って期日までに進めないと作業員による搬出作業ができず、迷惑をかけてしまいます。荷造りを順序よく進めるためには、下記6つの作業が必要です。
作業内容 | 作業の時期 |
---|---|
STEP1:自分か業者に梱包するのか決める | 1か月前 |
STEP2:大型の不用品を処分する | 1か月前 |
STEP3:家の中をグループに分ける | 2週間~1週間前 |
STEP4:自分で現在使わない荷物をダンボールに詰める | 2週間~1週間前 |
STEP5:よく使う荷物をダンボールに詰める | 1週間前~前日 |
STEP6:手荷物を除くすべての荷物をダンボールに詰める | 当日 |
STEP1:自分か業者に梱包するのか決める
引っ越しが決まったら、引っ越し予定日の1か月前までに業者を決めた後、荷物の梱包を全てお願いするのか、一部自分でやるのか決めましょう。早めに準備を始められるようにすることでサービスによっては、引っ越し料金が安くなる可能性があります。
ただし進学や就職、転勤が多い繁忙期にあたる時期は混み合うため、半年から2か月前までに取るのがおすすめです。
STEP2:大型の不用品を処分する
ベッドやテレビといった不要になった大型の家具・家電は、引っ越し日の1か月前に処分しましょう。粗大ゴミにあたり、日時を指定すれば自治体に回収を申し込みます。
ただし家電リサイクル法の対象であるテレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目は粗大ゴミとして回収してもらえません。指定引取場所に持ち込む、購入店舗に引き取ってもらうなど適切な方法で処分しましょう。
なお引っ越し業者によっては不要な家具や家電を回収してもらえます。予約時に不用品の処分方法について相談するのも良いでしょう。
STEP3:家の中をグループに分ける
引っ越し日の1〜2週間前になったら、荷物の梱包作業を効率よく進められるように、部屋ごとにグループ分けをして荷造りをする日を決めておきましょう。
たとえば部屋の間取りに「リビング」や「キッチン」、「洗面所」など、部屋ごとにグルーピングしてエリアごとに片付けていくと効率よく進められます。
さらにキッチンの場合は「食器」や「料理器具」、リビングは「家具」や「布類(カーテン・マットなど)」といったように部屋別のカテゴリーごとに分類するといいでしょう。
STEP4:自分で現在使わない荷物をダンボールに詰める
部屋やアイテムごとにグループを分けたら、まず新居に引っ越すまで使う予定がない荷物をダンボールに詰めましょう。たとえば以下のような荷物です。
グループ | 使わない荷物の例 |
寝室 | シーズンオフの衣類・寝具 |
洗面所 | 買い置きの洗剤 |
キッチン | ストックしてある食品、来客用の食器 |
リビング | CD・本・漫画、インテリア雑貨 |
同じ場所にあるものは同じダンボールに詰め、マジックペンでダンボールの側面と上部に内容物を書いておきましょう。「寝室・夏用の寝具」のように、部屋別に分けたグループ名と荷物の内容を書くのがおすすめです。
引っ越し日までに使う可能性があるものは、万が一必要になったときのために、ダンボールに入れたあとガムテープを貼らずにふたを開けておきましょう。
STEP5:よく使う荷物をダンボールに詰める
引っ越し日の1週間前を目途に、現在よく使う荷物も徐々にダンボールに詰めていきましょう。
グループ | 使わない荷物の例 |
寝室 | シーズン中の衣類 |
洗面所 | 普段使いの洗剤、掃除用具、タオル |
キッチン | 食器、調味料、調理器具 |
リビング | 趣味用品 |
梱包するにあたり、引っ越し当日までに使うタイミングが発生したときにすぐ取り出せるように、ダンボールのフタを空けたままにしておくのがおすすめです。
STEP6:手荷物を除くすべての荷物をダンボールに詰める
引っ越し業者が来る直前になったら、残りの荷物のうち自分で運ぶもの以外をすべてダンボールに入れ、ガムテープで封をします。
財布や身分証明書、通帳といった貴重品をダンボールに梱包した後、万が一荷物を紛失したり、汚れなどがあっても保証されません。鞄やリュックに入れて持ち運びましょう。
加えてすぐに使う荷物が入ったダンボールを新居に到着した後、すぐに取り出せるようにダンボールにマークしたり、ガムテープの色を分けておくとスムーズに開梱作業が進められます。
引っ越しの荷造りを効率よく進める3つのコツ
引っ越しの前日や当日に慌てないように効率よく荷造りを進めるには、下記3つのポイントを意識することが大切です。
1.梱包する荷物量を減らす
引っ越しの荷造りをスムーズに進めるためにも、梱包すべき荷物量を減らしましょう。
古い家具や電化製品、アイテムなどを引っ越し日の1か月から3週間前から処分したり、リサイクルショップやフリマサイトなどで売却したりすると効率よく進められます。
私物を手放す基準は「荷造り時にものを捨てる判断のコツ」も参考に、使っていない期間や状態に基づいて「捨てる」「売る」「寄付する」を事前にリスト化しておくと、梱包作業中の判断に迷いません。
2.荷造りに取り掛かる前に順序を決める
引っ越しの荷造りを始める前にスケジュールと梱包する順番を決めましょう。
「引っ越し荷造りの手順6ステップ」の章で説明したとおり、基本的に「部屋ごとにグループ分けする」「使用頻度が低いアイテム(本、雑貨、季節モノの洋服など)から詰める」がセオリーです。
順序を決めずに荷造りし始めてしまうと、引っ越し日までに必要な荷物を先に詰めてしまう可能性があります。「何から手を付けてよいか分からず荷造りが進まない」といった事態を防ぐためにも、事前に計画を立てておきましょう。
3.梱包材や緩衝材は多めに用意する
梱包に必要な梱包材や緩衝材は、多めに用意しておきましょう。荷造りを進める中で梱包材が不足すると、作業が滞ってしまう可能性があります。
使い道を考えやすい気泡緩衝材や廃棄しやすい古新聞、不要なタオルを多めに備えておくと安心です。
引っ越しの荷造り前に用意したい梱包資材と道具
引っ越しの荷造りに使用する梱包資材や道具は、下記のとおりです。
ダンボールと圧縮袋
大手引っ越し業者と契約すると、ダンボールが送られてきます。ダンボールは1人暮らしは15〜20枚、3〜4名の家族は40〜90枚あると安心です。
費用は引っ越し料金に含まれており、枚数が多いほど高くなるので注意しましょう。
加えて中小の引っ越し業者に依頼した場合、自分で用意しなければなりません。ホームセンターなどで購入すると1枚200円程度かかりますが、地域の店舗などで無料で調達する方法もあります。
さらに「圧縮袋」があると、衣類や寝具を小さくして梱包できます。荷物量を減らせるほか、追加料金の発生も抑えられるでしょう。
ガムテープ
ガムテープは紙タイプより布タイプが頑丈でおすすめです。単身世帯は1〜2個、家族世帯は人数分を用意しておくと作業がスムーズに進められます。あわせて養生用のテープも用意しておきましょう。
布団袋
寝具の湿気を防げる布団専用の梱包材です。引っ越し業者によっては料金込みで人数分提供してもらえるところがあります。購入費用は1枚500円〜1,000円です。
ハンガーボックス
洋服をハンガーにかけたまま運搬できる資材です。ワイシャツやブラウス、スーツ、コートなど、たたんだときにシワを付けずに運べます。
引っ越し業者によって異なりますが、当日に用意して梱包してもらえるほか、事前に用意してもらえる業者もあります。費用は1枚5,000〜10,000円です。
荷物を守る緩衝材
引っ越しの荷造りで荷物がぶつかって破損しないように保護する緩衝材が必要です。具体的には、下記のようなアイテムを用意しましょう。
新聞紙やチラシ
食器を包んだり、丸めてダンボールに入れたりすることで衝撃を防げる緩衝材です。人数や荷物の量によって異なりますが、1〜2週間分用意しておきましょう。
気泡緩衝材
エアパッキンやエアキャップとも呼ばれる緩衝材です。食器や家電製品、時計といった衝撃に弱い荷物の梱包に役立ちます。
引っ越し業者からも提供できますが、100円ショップやホームセンターなどでも購入できるので、1ロール分(10メートル以上)を買っておくと安心です。
タオル
ダンボール内の隙間を埋める緩衝材として利用できます。ただし一緒に詰める荷物によっては引越し後に洗濯が必要になるため、汚れても良いタオルを用意するのがおすすめです。
梱包時に役立つ道具
そのほかにも、引っ越しの荷造りに役立つ道具があります。具体的には下記の道具です。
- 軍手
- はさみ・カッターナイフ
- マジックペン
- 養生テープ
- ビニールひも
- ビニール袋・ジッパーバッグ
- 輪ゴム
- ゴミ袋、箒
軍手はダンボールで手を切ったり、荷物を移動させるときに滑ったりするのを防ぎます。滑り止めのゴムがついた軍手がおすすめです。
はさみやカッターナイフがあれば、荷造り時のガムテープを切る作業が素早くなります。新居の荷解きにも必須です。マジックペンはダンボールに内容物を書くために利用します。
養生テープがあると、衣装ケースが開かないように固定できます。荷物をまとめるためのビニールひもや、調味料や化粧品など液体の梱包で役立つビニール袋・ジッパーバッグ、輪ゴムもあると便利です。
荷造りの時は梱包材や旧居の汚れなどでゴミが必ず出るため、ゴミ袋や掃除道具も用意しておきましょう。
荷物をダンボールに詰めるときのコツ
衣服や食器、雑貨などの荷物をダンボールに詰める際、組み立て方や荷物の詰め方を工夫することで効率よく引っ越しの荷造りを進められます。具体的には、下記のようなコツです。
1.サイズごとに梱包する荷物を分ける
引っ越し用のダンボールには「S」「M」、または「S」「M」「L」のサイズがあります。荷物を梱包する際、サイズにあわせて以下のような荷物を詰めるようにしましょう。
サイズ | 外形3辺の合計 | 梱包に最適な荷物 |
S | 100cm以下 | 書籍や食器、雑誌、CDといった重たい荷物 |
M | 120cm以下 | 生活雑貨や小型家電など |
L | 140cm以下 | 衣類、タオル、バッグなど |
Sサイズのダンボールには、書籍や食器といった重さがあるものを梱包します。底が抜けにくくて持ち運びやすくなるのが理由です。
Mサイズはカーテンをはじめとした生活雑貨や小物家電を、Lサイズは底抜けを防ぐため、洋服やタオル、バッグといったかさばる荷物を詰めるようにしましょう。
あわせて、同じ種類の荷物は1つのダンボールにまとめて梱包すると、ダンボール内のスペースを有効に活用できます。
2.ダンボールの底をガムテープで十字にする
ダンボールは組み立て方によって強度が変わるため、底が抜けてしまわないように十字にして張りましょう。もっとも圧力がかかる中心部分を補強することで底が抜けにくくなります。
3.ダンボールの上部と側面に荷物の中身を記入する
荷物を詰めた段階で、ダンボールの上部と側面に内容物を記入しておきましょう。
以下のような書き方をすると、引越し業者が新居に運び入れるときに同じグループのダンボールをまとめてくれたり、荷ほどきをするときにどれから開けたらよいかが分かりやすくなったりします。
- 部屋の名前: どの部屋に運ぶべきか(例:キッチン、リビングルーム、寝室など)
- 中身:具体的な内容物(例:食器、書籍、衣類など)
荷物が多い引越しであれば、家財の紛失を防ぐためにも『寝室 寝具1/5個』のように個口数の記載をしておくと、荷物が足りなくなったときに把握できるでしょう。
4.重たい荷物を先に梱包する
ダンボールに詰める荷物量の目安は、「一人で持てる重さ」までにしましょう。
MやLサイズといった大きなダンボールにいっぱい詰めてしまうと、重すぎて持てなくなったり、底が抜けてしまったりする可能性があります。
ダンボールに荷物を詰める際には、重いものは底の方に入れ、軽いものは上部に入れると重心が安定するうえ荷物が破損する心配もありません。
もしも、サイズが大きいダンボールに重い荷物を梱包するときは、ある程度の重さになった段階で上部に新聞紙やチラシといった緩衝材を詰めましょう。
5.すき間がないように梱包する
ダンボールをトラックに載せる際、重い荷物を下に積み込む必要があります。荷詰めをする際、なるべくすき間がないように梱包しましょう。
たとえば食器類は立てて梱包し、できたすき間に新聞紙やチラシを詰め込むことで配送中に食器類が暴れないようにすると破損を防げます。
荷物別の効率的な梱包テクニック
引っ越しの荷造りでダンボールに荷物を詰める際、運搬中に壊れないように工夫を凝らして梱包することが大切です。アイテムごとに適した効率的な梱包テクニックについて紹介します。
食器・キッチン用品の梱包方法
食器は運搬時に壊れやすいため、基本的には緩衝材で包んだ後に大きいものから段ボールに入れていきます。隙間にも新聞紙などを詰めて、動かないようにしておきましょう。
お椀・平皿など食器
お椀は1枚ずつ新聞紙などの緩衝材で包み、ダンボールに緩衝材を再度敷いてから重ねて詰めていきます。
割れにくくするため、茶碗など深さのある食器は下向きに伏せ、平皿は縦向きに入れて梱包しましょう。隙間に厚みのあるタオルなどを詰めると、段ボール内の衝撃を防ぎやすくなります。
鍋・フライパン
鍋やフライパンは、緩衝材を敷いて重ねてから大きめのダンボールに収めます。ふたにガラスが使われている場合は、個別で緩衝材を巻いておきましょう。
コップ・ワイングラス
コップやワイングラスは取っ手や脚にあたる部分に緩衝材を巻いてから、内側に緩衝材を丸めて詰め、全体を覆います。ダンボールに詰める際は飲み口を下にして入れましょう。
包丁
ダンボール片を2枚用意し、包丁の刃を包みます。包丁が動かないようガムテープでしっかり固定し、その上からエアキャップや新聞紙で何回か巻きましょう。
安全のために、緩衝材の上からガムテープを貼り「刃物」とマジックテープで記載します。詰めたダンボール箱の外側にも「包丁」「刃物」などと書いておきましょう。
菜箸・カトラリー
菜箸やおたま、フライ返しなどのキッチン用品は耐久性が高いものが多いです。お箸やフォークなどのカトラリーとひとまとめにビニール袋に入れ、その上から緩衝材で包みましょう。
フォークやナイフなど先端が鋭いものは、なるべく1つ1つ保護してから袋に入れるのがおすすめです。取っ手が取れるタイプの鍋を使っているのであれば、鍋の取っ手もひとまとめにしておきましょう。
調味料
調味料は中身が出ないようふたを覆うように食品用ラップをかけ、輪ゴムで留めます。マヨネーズなど開封後要冷蔵の調味料はクール便で送るか、処分しましょう。
水回り用品の梱包方法
水回りで使うものは液体状のものが少なくありません。液体状のものを運ぶときは、横倒しにならないようにしましょう。横倒しになってしまっても、中身が漏れ出さないようにビニールで覆っておくと安心です。
掃除用の洗剤
洗剤が出る口部分を覆うように食品用ラップを巻き、輪ゴムで留めます。トリガー部分を引いた状態で固定してしまうと容器が壊れてしまう可能性があるため注意しましょう。横倒しにならないように、立てた状態でダンボールに詰め、隙間に緩衝材を入れます。
シャンプー・リンス
シャンプーやリンスのボトルは1度ポンプを下まで押し切り、時計回りにねじ込みます。ポンプが固定されたらポンプ部分を覆うように食品用ラップをかぶせ輪ゴムで留めます。ボトルを立てた状態でダンボールに詰め、倒れないように緩衝材を詰めましょう。
スプレータイプの整髪料
スプレー缶は中身を空にして捨てるか、自分の手で運びましょう。整髪料を含むスプレー缶は環境変化で爆発などの重大事故が起こります。国土交通省が発表している『標準引越運送約款』には、火薬類その他危険物は運送を拒否しても良いとされているため、新居に持っていきたい場合は紙袋などに入れて手荷物にしましょう。
衣類・靴の梱包方法
衣類は同じ種類の服をたたんでダンボールに詰めるのが基本です。シーズンオフの衣類を衣装ケースにしまっているのであれば、改めてダンボールに詰めなおす必要はありません。ケースの蓋が開かないように養生テープで留めておきましょう。
しわになっても問題ない衣類は、圧縮袋に詰めると時短になるほか、ハンガーボックスを使えばたたむ必要がなくなります。
Tシャツ・トレーナー
Tシャツやトレーナーなどやわらかい素材の衣服は、緩衝材として利用できます。本やCD等の梱包時に緩衝材として使うのであれば、プリント部分からの色移りを防ぐため、プリント部分を内側に折りたたんでおきましょう。
パーカーなど、チャックやひもがついている服は、チャックが他の荷物に当たらないよう内側にたたんでから詰めます。
ジーパン・チノパン
ジーパンやチノパンなど折り目がついても気にならない衣服は、普段タンスにしまっている時のようにたたんで、ダンボールに詰め込みましょう。
ワイシャツ・ブラウス
ワイシャツやブラウスはシワになりやすい衣類です。ハンガーボックスを利用できるのであれば梱包の必要はありませんが、たたんだ状態で運ぶ場合は、1つの箱にはワイシャツならワイシャツ、ブラウスならブラウスのみを入れましょう。
ワイシャツの襟は厚みがあるため、平積みなら襟の位置が互い違いになるように詰めるとかさばりません。
ジャケット・スラックス
ワイシャツやスラックスなどシワがついてほしくない衣服を運ぶときには、ハンガーボックスを利用しましょう。引越し業者からレンタルすることが一般的ですが、ダンボール製であれば3,000円程度から購入できます。
靴
靴裏の汚れを落としてから、型崩れ防止用の新聞紙などを詰め、1足ずつビニールに入れて梱包するのがおすすめです。購入時の箱が残っている場合は、箱に収納してからダンボールに入れるのも良いでしょう。
本や漫画の梱包方法
できる限りSサイズのダンボールに小分けにして詰めましょう。目安として、ダンボール1箱あたり文庫本20〜30冊、雑誌やコミックは15〜20冊までに抑えるのがおすすめです。
本や漫画の梱包をするとき、折れたり破れたりしないように大きいものを先に平積みで入れたり、上から新聞紙や気泡緩衝材を入れて本を動かないようにしましょう。
雑貨の梱包方法
衝撃に弱い雑貨が入っているダンボールには「ワレモノ注意」などのシールを貼りつけておきましょう。運送中の事故が起きづらくなります。
CD・DVD・Blu-rayディスク
書籍と同様に、同じサイズのパッケージをまとめて、縦にしてダンボールに詰めましょう。隙間には梱包を入れます。
CDやDVD、Blu-rayディスクは軽くて持ち運びがしやすいため、箱に詰めすぎてしまいがちです。ディスク類を入れる箱は100サイズなど小さめのダンボールにして、詰め込みすぎないようにすると、運びやすく破損もしにくくなります。
ミニチュアなどインテリア小物
玄関先やトイレなどに飾ってあるミニチュア小物は衝撃に弱いものも多くあります。また小さな小物はダンボールの中で動いてしまい、破損しやすい点に注意が必要です。仕切りのあるケースに並べて動かないようにする方法もありますが、分厚めのタオルや衣類を緩衝材に利用すると、1つ1つ包む手間を短縮できます。
アクリルスタンド・フィギュア
アクリルスタンドは気泡緩衝材で1つひとつ巻きましょう。フィギュアは指先など細かい部分が破損しないよう、分解できるパーツは分解してからそれぞれのパーツを緩衝材で巻いていきます。分解できない場合は、隙間を気泡緩衝材で詰めて固定しましょう。
重さで壊れやすいため、箱に詰めるときは、重ねないようにします。ダンボールの隙間には緩衝材を十分に詰め、動かないようにしておきましょう。大事なフィギュアがある場合、フィギュア専用の業者に梱包や運搬をまかせるのもおすすめです。
家電の梱包方法
冷蔵庫や洗濯機といった大型家電は引っ越し業者による梱包が行われますが、パソコンや電気ケトルといったキッチン家電は、基本的に自分で梱包を行います。
ヘアドライヤー・ヘアアイロン
ヘアドライヤーやヘアアイロンは付属ブラシなどのパーツを外したうえで購入時の箱に入れるのが1番手軽な梱包方法です。
箱がない場合は、持ち手を折りたたんでから緩衝材を巻きましょう。持ち手が折りたためないタイプはヘアドライヤー全体を覆うように緩衝材を巻きます。
持ち運び用のバッグがある場合は携帯用バッグに入れても問題ありません。
炊飯器・電気ケトルなど小さなキッチン家電
炊飯器や電気ケトルなど、箱に入る大きさの家電は購入時に入っていた箱に入れましょう。購入時の箱がないのなら梱包材に包んで、なるべく隙間がない大きさの箱に入れます。
多少揺れや衝撃が加わっても問題なく使用できることがほとんどですが、液晶パネルや水位確認のための透明なプラスチック窓部分は衝撃に弱いため、注意が必要です。
割れやすい部分のみ緩衝材を貼り付けておくと、壊れたときも破片が飛び散らないのでケガを防げます。
テレビなどケーブルが多い家電
テレビなど差し込むケーブルが多い家電は、荷造りの前にどのケーブルがどこの差込口に刺さっていたかを写真に残しておきましょう。ケーブルごとに対応する差込口にシール等で目印をつけると、新居で設置するときの手間を減らせます。
液晶部分は衝撃に弱いため厳重な梱包が必要です。大きなビニール袋でテレビ全体を覆って気泡緩衝材で包んだ後、ダンボール箱へ入れて緩衝材を詰めます。
パソコン
パソコン内部のデータは補償対象外としている業者がほとんどのため、梱包前に必ずバックアップを取りましょう。
デスクトップ型パソコンであれば、まずはモニタとパソコン本体、周辺機器の3つに分けます。モニターはエアキャップで包み、周辺機器のケーブル類はまとめて1つの袋に入れておきましょう。各ケーブルにマスキングテープなどでラベルを付けておくと、新居での配線が楽になります。本体は電源をオフにしたあと、静電防止袋で包みましょう。
ノートパソコンは持ち運び用のケースやバッグに入れて、自分で新居に運びます
冷蔵庫や洗濯機
冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、梱包をやってもらえるのか引っ越し業者に確認しましょう。無理に梱包をしようとすると家電の破損や作業者のケガを誘発します。
床や壁に傷をつけてしまい、原状回復費用がかさむことも考えられるため、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電の梱包は業者にすべて任せるのがおすすめです。
冷蔵庫は引っ越し前日までに水抜きや製氷機の氷の廃棄、ガムテープで扉をとめておきましょう。洗濯機も水抜き作業とあわせて給水と排水ホースを取り外しておきましょう。
エアコン
エアコンは基本的に引っ越し業者が取り外し作業を行って梱包を行います。その際、「ポンプダウン」というガスの回収作業で冷房運転を行うため、荷物と一緒にエアコンのリモコンを梱包しないようにしましょう。
あわせてエアコンのまわりについたホコリを拭き取っておくと作業がしやすくなります。
家具
衣装ケースやソファー、ベッド、テーブルは引っ越し当日に業者が傷をつけないように資材を使って梱包してもらえます。
ただし食器棚や整理ダンスといった大型家具は、効率よく運べるように準備が必要です。
食器棚や整理ダンス
収納している食器や衣服を取り出しましょう。食器類はSサイズ、衣服類はLサイズのダンボールに緩衝材や新聞紙を使って梱包します。
中身を取り出した食器棚や整理ダンスは、運搬中に扉や引き出しが開かないように、ガムテープで止めておくと安心です。
マットレス・布団
マットレスはシーツを外した状態で置いておけば、当日引越し業者がカバーをかぶせて運んでくれることが多いです。心配な場合は事前に梱包してもらえるか確認しておきましょう。
業者が梱包に対応していない場合は、ホームセンターなどで売っている大型のエアパッキンやラップで包むと汚れを防げます。
ベッド
引っ越し業者がベッドの解体と組み立てを行いますが、効率よく作業ができるように引っ越し業者が来るまでに枕やシーツ、マットレスを外しておきましょう。
荷造り時にものを捨てる判断のコツ
引っ越しは、要らないものを処分するのに適切なタイミングです。引っ越し日の直前になって荷造りを行うと、回収日に捨てられず、新居に持っていかなければなりません。
荷造りの際、不要になったものを見分けるポイントは以下の5つです。
1.1年以上使っていない
通年使えるものであれば1年以上、シーズンものであれば1シーズン以上使っていないものは捨ててしまっても問題ありません。
荷造りの際、あまり使っていないものを見つけたときは、無くても困らないものと判断して廃棄するようにしましょう。
2.代わりになるものがある
小説や漫画であれば電子書籍、CDやDVDであればダウンロード版やサブスクリプションなど、代替利用ができるものがあるのなら現物は処分してしまうことをおすすめします。
代替利用の際、代金をもう1度払う必要がありますが、中古買取店に書籍やCDなどを持ち込めば、売却で得た金額を購入費用に充てられるでしょう。
3.なんとなく持っている
プレゼントされたものや記念品などは捨てづらいものの筆頭です。
手に取った時に「これじゃないとダメだ」という強い理由がなければ捨ててしまいましょう。
「なんとなくもったいない」「もらい物だから捨てたら悪い気がする」など、前向きでない理由が浮かぶ場合はできる限り処分することをおすすめします。
4.見た目が悪くなっている
セーターに毛玉が浮いていたりズボンのすそがほつれていたりなど、見た目が悪くなっている衣服は処分しましょう。
衣服に限らず修復が難しいもの、修復しても見た目がみすぼらしくなってしまうものは思い切って処分することで、梱包する荷物の量は減ります。
5.似たようなアイテムがある
服をはじめとしたファッションアイテムは似たようなアイテムを購入してしまいがちです。
帽子なら2つまで、トップスはブラウスが2枚、Tシャツは3枚まで、といったように全体の個数を決めて、本当に必要なものだけを残して処分するようにしましょう。
引っ越し当日までに荷造りが間に合わないときの対処法
自分で荷造りを行うとき、引っ越し業者による搬出作業が始まる前までに荷造りを終わらせないといけません。搬出時間までに間に合わないと契約違反となり、最悪の場合は作業を断られてしまい、キャンセル料が発生します。
荷造りが間に合わないと思ったときは、以下の方法で対処しましょう。
1.友人・知人に手伝ってもらう
引っ越し日までに荷造りが終わらないとき、家族や友人に手伝ってもらうことを検討しましょう。
手伝いを依頼するにあたり、どこからどこまでの梱包を手伝ってもらうか明確にしておくことが大切です。
あわせて友人に手伝ってもらった際、忘れずに謝礼を渡しましょう。
2.荷造り代行サービスを利用する
荷造りの大半が終わっていない場合、荷造り代行サービスを利用するのも選択肢のひとつです。家事代行業者や便利屋のほか、引っ越し業者にも荷造り代行を依頼できます。
自分は下着など他人に見られたくないものの梱包に専念し、業者にはそれ以外の者の荷造りを手伝ってもらいましょう。
3.引っ越し業者に相談する
荷造りが当日までに間に合わない場合、できるだけ早い段階で引越し業者に連絡をしましょう。
事前に連絡をすれば、引っ越し当日の作業開始時間を遅らせてもらえます。作業員に荷造りを手伝ってもらうこともできますが、その分梱包作業代金が追加で請求されるので注意が必要です。
4.間に合わなかった分は宅配便を利用する
引っ越し業者による搬出開始時間までに荷造りが間に合わなかった荷物を宅配便で新居に送るのも対処法のひとつです。
宅配便の送料は1度に複数の荷物を送ったときに安くなりますが、営業所ではなくコンビニなどで発送すると、料金の割引は受けられません。
例として、クロネコヤマトの宅急便での荷物を関東から各地域に発送した場合の送料を表にします。
サイズ | 北海道 | 北東北 | 南東北 | 関東 | 信越 | 北陸 | 中部 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 |
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100サイズ | 2,050円 | 1,650円 | 1,530円 | 1,530円 | 1,530円 | 1,530円 | 1,530円 | 1,650円 | 1,790円 | 1,790円 | 2,050円 | 2,710円 |
120サイズ | 2,370円 | 1,970円 | 1,850円 | 1,850円 | 1,850円 | 1,850円 | 1,850円 | 1,970円 | 2,110円 | 2,110円 | 2,370円 | 3,360円 |
140サイズ | 2,710円 | 2,310円 | 2,190円 | 2,190円 | 2,190円 | 2,190円 | 2,190円 | 2,310円 | 2,450円 | 2,450円 | 2,710円 | 4,030円 |
(2024年10月8日現在)
新居へ引っ越した後に早く片付けるコツ
引っ越しの荷造りを経て業者による搬出入作業が終わった後、新居でスムーズに新生活を始めるためには、運んだ荷物の配置や荷ほどきも必要です。
引っ越し後にいつまでもダンボールが残ってしまう事態を避けるためにも、以下のポイントを意識しましょう。
1.大型家具・家電の配置を決めておく
冷蔵庫やタンスといった大型の家電・家具は、一度運び込んでしまうと違う場所へ移動させようとしても簡単には動かせません。引っ越し日の前日までに大型の家電や家具の配置を決めておきましょう。
使用頻度と見た目のバランスをよく考えたうえで設置する場所を決めることが大切です。
2.使用する部屋ごとに荷物を運び込む
ダンボールなどに梱包した荷物は、それぞれ使用する部屋やフロアごとに搬入できるようにしましょう。ダンボールに荷物の中身や設置場所を記載しておくと、効率よく荷ほどきが進められます。
あわせて運び込まれたダンボールの数が合っているか確認しておくと安心です。
3.収納スペースや収納用品を用意する
荷物を部屋別に分けたら、すぐに荷ほどきはせず、収納スペースを確認したうえで収納用品を用意しましょう。収納用品がないとダンボールを空けても荷物が片付かず散らかってしまいます。
押し入れやクローゼットは扉を開けて中を換気したり、除湿剤を置いたりした後に荷物を入れるようにしましょう。
4.使用頻度の高い荷物を取り出しやすくする
新居の日常生活で必要なものから荷ほどきをしたい人は、ダンボールに印を付けたり、梱包する荷物ごとにガムテープの色を変えたりして、荷物を詰めるようにしましょう。
たとえばカーテンやトイレットペーパーなど、新居ですぐに取り出したい荷物が入っているときは黄色のガムテープを張っておくとわかりやすくなります。
加えて食器や家電といった割れ物や壊れやすいものは、丁寧に運んでもらえるように赤色のガムテープを張っておくのもおすすめです。
荷造りとあわせて引っ越し業者も探そう
引っ越しが決まったら、1か月前までに自分で荷造りをするか、業者に梱包を依頼するか決めましょう。もし引っ越し業者に依頼するときは、できる限り早めに見積もりを依頼しないと当日までに間に合わない可能性があります。
少しでも効率よく引っ越し業者を探したい人は、数多くの業者が登録しているミツモアの利用がおすすめです。引っ越しの日時やダンボールの数など、簡単な質問に答えるだけで最大5つの業者から見積もりが届きます。
さらに気になる業者があれば、チャットを通して荷造りやダンボールの数の変更なども相談できるので、安心して利用できるでしょう。