引越しの荷造りをする際かさばったりシワになったりと、衣類の梱包に手間取るケースは少なくありません。
そこでおすすめなのがハンガーボックスです。ハンガーボックスの特徴や利用するメリット、入手方法、注意点ついて解説します。
ハンガーボックスとは?運べる服の量や入手方法は?
引越しで衣類の梱包に役立つ「ハンガーボックス」
ハンガーボックスとは引越しなどで服を運搬するときに、シワを付けたくない衣類をハンガーにかけたまま運べる梱包資材です。
形状は高さ1mほど・幅と奥行きがそれぞれ50cmほどのボックスで、天板付近にハンガーを吊るすための棒が設置されています。提供する引越し業者によって、ハンガーボックスの造りに大きな違いはありません。
ただ材質はダンボールの場合もあれば、プラスチックの場合もあります。ダンボールなら軽量な点、プラスチックなら丈夫な点がメリットです。
ハンガーボックスには何着入れられる?
ハンガーボックスには、薄手の服であれば15枚前後、厚手のコートやスーツであれば8枚前後入れられます。業者によってボックスの規格が多少異なる可能性はあるものの、だいたい似たような大きさで容量にあまり差はありません。
持っている衣服の数は人それぞれですが、仮にすべての衣類をハンガーボックスで運んだときの個数の目安は以下の通り。ただし実際には、単身世帯であれば1~2個、3~4人家族であれば3~5個程度レンタルすることが多いでしょう。レンタル個数に制限がある業者もあります。
ハンガーボックスの数 | 衣服の数 | |
1人分 | 6個 | 80~90枚 |
4人分 | 25個 | 300枚~350枚 |
引越し業者からレンタルできることが多い
ハンガーボックスを購入することもできますが、引越し業者からハンガーボックスを借りる人が多いです。
無料でハンガーボックスをレンタルできる業者が多く、調達から保管・処分までの手間も費用もかかりません。
レンタルの手続きも簡単で、引越しの依頼をする際にハンガーボックスを利用したい旨を伝えるだけです。引越し前日か当日に業者が用意してくれます。
引越しにハンガーボックスを使うメリット・デメリット
メリット
ハンガーボックスを引越しで使う主なメリットは、2つあります。
その①:荷造りのとき衣類がシワにならずに済む
忙しい引越し後に大事な衣類にアイロンをかける手間が省け、ほかの荷解きに集中できます。
コートやスーツ、ワイシャツなどシワを付けたくない衣類は、まとめてハンガーボックスに梱包するのがおすすめです。衣類の下に出来たすき間は、バッグや小物を入れる収納スペースとしても活躍するでしょう。
その②:かさばる衣類を梱包する手間が省ける
運搬はもちろん、衣類のハンガーボックスへの掛け替えも、基本的には業者が行ってくれます。新居でもそのままクローゼットに移すだけで済み、時間短縮につながります。
荷造り・荷解きがかなり楽になるでしょう。
デメリット
ハンガーボックスのデメリットは2つあります。
その①:詰め込みすぎると、衣類にシワがつく
ハンガーボックスには推奨されている衣服の梱包量というものがあります。梱包量を上回る数の衣服を詰め込むと、シワがつきやすくなります。
事前に衣服の量を確認してから、ハンガーボックスを手配するようにしてください。
その②:引越し費用が高くなる可能性がある
段ボール比べて、ハンガーボックスは衣服を梱包できる枚数が少なく、トラック内で多くスペースを取ります。
そのため、追加料金を払ってトラックの台数を増やしたり、ひと回り大きなサイズのトラックに変えてもらう必要が出てくるかもしれません。
デメリットを理解したうえで、ハンガーボックスを利用しましょう。
ハンガーボックスをレンタルするときの流れと注意点
レンタルするときの荷造りの流れ
ハンガーボックスをレンタルする場合、大まかな流れは以下の通りです。
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ハンガーボックスに入れる衣服は、クローゼットにかかっている服に限定するとよいでしょう。普段たたんで衣装ケースにしまっている服は、衣装ケースごと運搬してもらうと楽です。
また、衣服の量を把握してから業者に依頼しましょう。ハンガーが足りなくなったり、借りられるハンガーボックスの数に制限があったりするトラブルを防ぐことができます。
当日すぐに衣服の掛け替えができるよう準備しておく
ハンガーボックスは当日引越し業者が持ってくるパターンが多いです。つまり、業者が運び出し作業をしている間に衣服の掛け替えを済ませなければなりません。
衣服をハンガーに掛けていなかったり、家中のいろんな場所に掛けていたりすると、業者を待たせることになり、引越し作業が遅れてしまいます。
ハンガーボックスに入れて運ぶ衣服は、ハンガーに掛かった状態で1か所にまとめて準備しておきましょう。
もし当日慌てたくないから先に掛け替えておきたいという方は、業者に事前にハンガーボックスを持ってきてもらえないか相談してみると良いでしょう。
なるべく自分で掛け替え作業を行う
特に衣服を大切にしている方、着るものを他人にさわられたくない方は、業者にまかせず自分で掛け替え作業を行いましょう。
引越し業者は所持品の破損がないように気を遣ってくれますが、基本的には荷物を勢いよく運んでいきます。その過程で服の装飾がとれてしまったり、デリケートな素材が傷んでしまったりする可能性も考えられます。
また、夏場は特に汗をかきやすいので、作業スタッフの汗が自分の衣服に付着してしまうかもしれません。もちろん業者側に悪気があるわけではありませんが、抵抗がある場合は自分で責任をもって掛け替えましょう。
洋服が重すぎるとハンガーを掛ける部分が破損する恐れも
ハンガーボックスは一時的な運搬用アイテムであって家具ではないので、普通のクローゼットについているハンガー掛けより耐荷重が小さいです。
洋服は素材によって重さが異なります。夏服の場合はあまり心配しなくてよいかもしれませんが、冬服やアウターは何着も掛けると思ったよりも重量があるものです。
ボリュームのあるニットや厚手のコートなど、重い衣服ばかりを掛けて壊れないように気を付けましょう。
ハンガーボックスは基本的に新品ではなく使い回し
基本的にハンガーボックスはいろんなお客さんの引越しで使い回されています。明らかな破損や汚れがあるものは処分されるはずですが、使用後に毎回きれいに洗ったり掃除したりはしないので、衣服が汚れる可能性はゼロではありません。
複数人が使い回したハンガーボックスに衣服を入れるのに抵抗がある方は、自分で購入するか、ダンボールや衣装ケースにすべて詰めましょう。
ハンガーボックスをレンタルできる大手引越し業者の例
ハンガーボックスをレンタルできる業者や利用方法、費用について紹介します。
業者 | レンタル個数の上限 |
アート引越センター | 無制限 |
日本通運 | 時期による |
アリさんマークの引越社 | 要相談 |
アート引越センター
アート引越センターには、「エコ楽ボックス」という無料レンタルサービスがあります。「エコ楽ボックス」の種類は以下の通りです。
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借りられるボックスの制限がなく、在庫があるだけ依頼が可能です。また、業者の方に梱包してもらえるため、引越し準備の手間を省くことができますよ。
日本通運
日本通運では、プラスチック製のハンガーボックスをレンタルできます。レンタルできるのは、近距離引越しに限定されているので注意してください。
ハンガーボックスを借りられる個数の上限はありません。ファミリーでの引越しをする方にもおすすめです。ただし、繁忙期は資材のレンタル数に制限がかかることがあります。
アリさんマークの引越社
アリさんマークの引越社では、引越しの契約特典としてハンガーボックスの無料レンタルを行っております。レンタルの数は要相談です。
他にも、契約特典として以下のプレゼントがあります。
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引越し業者の選び方
ハンガーボックスを貸し出している引越し業者を選ぶなら、一括見積もりサービスの利用がおすすめです。複数社の費用やサービス内容を一度に比較できるため、自分にマッチした依頼先をスムーズに決めやすいでしょう。
地域の事業者が多数登録するプラットフォームのミツモアなら、最大5社から見積もりをもらうことができます。
過去に使った利用者の口コミも掲載されており、信頼できる業者を簡単に探せますよ。
ハンガーボックスは自分で購入することもできる
ハンガーボックスを使う際には、どのような注意点があるのでしょうか?気を付けたいポイントを具体的に解説します。後から予想外の出費やトラブルが発生しないように、事前にしっかり確認しておきましょう。
購入できる場所/費
ハンガーボックスを購入できる主な場所は以下の通りです。
- 通販サイト
- ホームセンター(コーナン、コメリ、カインズホームなど)
- ニトリ
引越しに使う場合、複数個ハンガーボックスを用意する必要があるため、通販サイトで購入するのが最も手軽でしょう。
費用は大きさや素材によって異なり、1,000円~10,000円と幅広いです。段ボール製は5,000円以下、プラスチック製は7,000円前後のハンガーボックスが多いです。
おすすめのハンガーボックス
おすすめのハンガーボックスを紹介します。
【段ボールタイプ】
- 値段:6,920円(2022年2月現在)
- 数量:4枚入り
- サイズ:縦100cm×横45.5cm×奥行46.5cm
自分で組み立てるタイプのハンガーボックスなので、組み立てる前、解体後に場所を取りません。ハンガーは別売りです。
【プラスチックタイプ】
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- 値段:7,920円
- 数量:1枚入り
- サイズ:縦1m×横480cm×奥行510cm
プラスチック製で、既に組み立てられているハンガーボックスです。ハンガーバーという補強部品も付属しています。
処分は自分でする必要がある
自分で購入したハンガーボックスは当然業者に引き取ってもらうことができないので、処分まで自分で行わなくてはいけません。解体してプラスチックやダンボールとして自治体の回収に出しましょう。
新居にスペースがあれば、普段使わないけれどたたみたくない冠婚葬祭用の服やスーツを入れておく使い方もあります。
ハンガーボックスと収納ケース・ダンボールの併用がおすすめ
衣類の運搬は、ハンガーボックスと段ボールや収納ケースを併用するのがおすすめです。
ハンガーボックスが多すぎると運搬が大変
ハンガーボックスで運ぶ場合、たたんでダンボールに詰めたときよりもかなりかさばります。すべての衣服をハンガーボックスで運ぼうとすると、人によりますが5~10個はハンガーボックスを使わなくてはいけないでしょう。
ボックスのレンタル料金もかかる上、トラックの大きさが変わったら運搬基本料金も高くなってしまいます。
ハンガーボックスで運ぶのは、シワをつけたくない服や、シーズン中で普段ハンガーに掛けて収納している服だけにするのがおすすめです。
収納ケースに入っていればそのまま運んでくれることも
普段プラスチックの収納ケースに入れている衣類は、移し替えなくてもそのまま運んでくれることが多いです。わざわざ荷造りをする手間が省けるので便利ですよね。
収納ケースのまま運んでもらうときは、以下の準備をしておきましょう。
- 引き出しやふたをガムテープや養生テープで止めて開かないようにする
- キャスターがついていたら取り外す
ただし木製タンスは本体が重く収納容量も大きいので、事前に中身を移し替えるように言われることが多いです。衣類を入れたままだと、運んでいる最中に破損や歪みのおそれがあります。
荷造りのコツを把握して効率的に引越し準備を進めよう
引越しでは衣服を始め、あらゆる持ち物の荷造りをしなければなりません。
その他の荷物の梱包については、以下の記事で詳しくまとめています。効率的な荷造りのコツも解説しているので参考にしてみてください。
荷造りが面倒という方は、引越し業者のオプションサービスで荷造りまで手伝ってもらうか、専用の梱包資材をレンタルしてラクに荷造りを済ませるのがおすすめです。
「ミツモア」にはハンガーボックスのレンタルを行っている引越し業者も多数登録しています。一度見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。