引っ越しでスーツやコートといった洋服を運ぶとき、シワをつけないようにそのまま運べる梱包資材がハンガーボックスです。引っ越し業者から無料で貸し出してもらえるほか、作業時間も短縮できる一方で、梱包する衣服の量次第では引っ越し料金が高くなる可能性があります。
荷造りに役立つハンガーボックスについて、梱包できる衣服の量や入手方法を含めて解説します。
引っ越しの梱包に役立つハンガーボックスとは?
ハンガーボックスは、梱包資材のひとつでハンガーにかけたまま衣類を運べる箱状のアイテムです。
形状は高さ1m、幅と奥行きがそれぞれ50cmほどで、箱の天板付近にハンガーを吊るすための棒が取り付けられています。提供する引っ越し業者によって、ハンガーボックスの造りに大きな違いはありません。材質はダンボール製とプラスチック製があります。
ダンボール製
自分で組み立てられるタイプのハンガーボックスです。引っ越し作業前後に折り畳んだまま保管できるので場所を取る心配はありません。ハンガーボックス用の棒はついていますが、ハンガー本体は別途購入が必要です。
販売費用相場は1箱1,780円〜(2024年10月時点)で、2箱から4箱分販売しています。
プラスチック製
プラスチック製はダンボール製と比べて丈夫な点が特徴です。既に組み立てられており、プラスチック製のバーも取り付けられているので、すぐに衣類をかけられます。
ただしスペースを取るため、部屋の整理整頓を行ってから利用するようにしましょう。
ハンガーボックスに梱包できる衣服の量はどれくらい?
引っ越し業者によってハンガーボックスのサイズが異なりますが、吊り下げられる衣服の枚数は下記のとおりです。
衣服の種類 | 吊り下げられる衣服の枚数 |
Tシャツ・Yシャツ | 13~15着 |
スーツ | 7着程度 |
コート | 5着程度 |
引っ越しにハンガーボックスを使うメリット・デメリット
引っ越しの荷造りでハンガーボックスを使用するメリットとデメリットは、下記のとおりです。
メリット1:荷造りのとき衣服がシワにならずに済む
コートやスーツ、Yシャツといったシワをつけたくない衣類をまとめて梱包できるため、引っ越し後にアイロンをかけてシワを伸ばす手間が省けます。ダンボールに折り畳んで梱包すると、型崩れやたたみジワの原因になるため、ハンガーボックスを使用することできれいな状態で運べます。
メリット2:かさばる衣類を梱包する手間が省ける
衣服をかけたままの状態で収納できるので、折り畳む手間が省けるのもメリットのひとつです。
荷造りの作業時間を短縮できるほか、引っ越し先に到着した後、そのままの状態でクローゼットに掛けられます。スムーズに片付けや荷ほどきが進められるでしょう。
デメリット1:詰め込みすぎると、衣類にシワがつく
「ハンガーボックスに梱包できる洋服の量はどれくらい?」の章で説明したとおり、ハンガーボックスに梱包できる衣服の量は決まっています。梱包量を上回る数の衣服を詰め込んだり、雑に梱包しようとするとシワがつきやすくなるため、推奨許容量を超えないようにあらかじめ必要な個数を把握しておきましょう。
デメリット2:引っ越し費用が高くなる可能性がある
ハンガーボックスを梱包すると、トラック内でスペースを取るため、引っ越し時に使用するトラックの容量が変わる場合があります。容量が大きくなる分、費用が高くなる可能性があるほか、ダンボールと比べて運べる荷物量も少なくなる点にも注意しましょう。
引っ越しに必要なハンガーボックスを手に入れる方法
引っ越しでハンガーボックスを手に入れるには、引っ越し業者からレンタルするか、自分でネットショップやホームセンターなどで購入しなければなりません。それぞれの方法について、解説します。
引っ越し業者からレンタルする
引っ越し業者からハンガーボックスをレンタルする場合の大まかな流れは、以下のとおりです。
- 見積もり時にハンガーボックスのレンタルを希望する
- 引っ越し当日に業者が持ってきたハンガーボックスに衣服を掛け替える
- 新居に到着した後、衣服を掛け替えてハンガーボックスを業者に持ち帰ってもらう
基本的に無料でレンタルできる引っ越し業者が多いものの、レンタルできる個数を超えると追加料金が発生するケースもあります。主な引っ越し業者によるハンガーボックスのサービスは下記のとおりです。
引っ越し業者 | 無料レンタルの上限 | 梱包可能な洋服の目安 |
アート引越センター | 5箱 | 7~10着(1箱) |
サカイ引越センター | 5箱 | 7~10着(1箱) |
日本通運 | 時期によって異なる(繫忙期は制限あり) | Yシャツ15着程度(1箱) |
アリさんマークの引越社 | 要確認 | 7~10着(1箱) |
アーク引越センター | 4箱 | 10着程度 |
自分で購入する
引っ越し業者を利用しないで引っ越す場合や、荷造り中に足りなくなったときは、自分でお店やネットで購入することもできます。
サイズや素材によって購入費用が変わりますが、主に購入できるお店は下記のとおりです。
形態 | 1箱分の費用相場 | 主に取り扱うお店 |
通販サイト | 1,800~12,000円 | Amazon、楽天、ダンボールワン 、アースダンボール など |
配送会社 | 3,500~5,500円 | ヤマト運輸、佐川急便 など |
自分で購入したハンガーボックスは当然業者に引き取ってもらえないため、使用した後は自分で処分する必要があります。解体してプラスチックやダンボールとして自治体の回収に出しましょう。
引っ越し業者のハンガーボックスを利用する際の注意点
引っ越し業者からハンガーボックスをレンタルして衣服を梱包するとき、以下4つの点に注意が必要です。
1.当日すぐに衣服の掛け替えができるよう準備しておく
引っ越し当日にハンガーボックスを持ってくる業者が多いため、スタッフによる搬出作業中に衣服の掛け替えができるように準備をしておきましょう。
ハンガーボックスに入れて運んでもらう衣服は、ハンガーに掛かった状態で1か所にまとめておくと効率よく作業ができます。
もし当日慌てたくないから先に掛け替えておきたいという人は、事前にハンガーボックスを持ってきてもらえないか相談しましょう。
2.衣服の梱包前にハンガーボックスの状態を確認する
引っ越し業者のハンガーボックスは、再利用したものを利用する場合が多いです。ボックスの状態によっては衣服に汚れやにおいがついてしまう可能性があるため、使用する前に汚れや臭いがついていないか確認しましょう。
3.なるべく自分で掛け替え作業を行う
衣服を大切にしている人や、他人に自分の衣服をさわられたくない人は、作業スタッフに自分で掛け替えをする旨を伝えたから作業を行いましょう。
引っ越し業者は衣服に汚れがついたり、破損しないように運んでもらえます。ただしその過程で服の装飾がとれてしまったり、デリケートな素材が傷んでしまったりする可能性もあるため、スタッフに掛け替え作業を依頼するか引っ越し前日までに決めておきましょう。
4.衣服を掛け過ぎないようにする
ハンガーボックスは衣服の種類や素材、ハンガーの太さなどによって梱包できる枚数が変わります。クローゼットについているハンガー掛けと比べて耐重量が小さいため、ボックスに衣服を入れすぎないようにしましょう。
梱包し過ぎると重くなり破れてしまう可能性があります。単身世帯は1〜2個、3〜4人家族の世帯は3〜5個用意しておくと安心です。
引っ越しでハンガーボックスを上手に活用するコツ
スーツやYシャツなど、すべての衣服をハンガーボックスで運ぼうとすると、ダンボールにたたんで詰めたときよりもかさばってしまいます。
引っ越しでハンガーボックスを利用するとき、下記のコツを掴んでおくといいでしょう。
1.シワをつけたくない服のみハンガーボックスを使用する
ハンガーボックスを使って衣服を引っ越し先に運搬する場合、シワをつけたくない服や普段ハンガーを掛けて収納している服のみ梱包しましょう。
人数によって変わりますが、すべての衣服をハンガーボックスで運ぼうとすると、レンタル料金がかかり、トラックの容量も変わって引っ越し時の基本料金も高くなってしまいます。
2.収納ケースやダンボールを併用する
プラスチックの収納ケースに衣服を収納している人はハンガーボックスに移し替えをせず、そのまま運んでもらうように依頼しましょう。
ただし運んでもらう際、ガムテープや養生テープで引き出しやふたが開かないように止めたり、キャスターを取り外したりして、作業スタッフが運びやすいように準備することが大切です。
加えてTシャツやパンツ、下着類といったシワがついても問題がない衣服は、折り畳んでサイズが大きいダンボールに梱包しましょう。
3.不要な服は引っ越し前に処分する
ハンガーボックスに衣服が入り切らないときや数を節約したいときは、要らなくなった衣服を処分しましょう。
購入してからしばらく着ていないものからサイズが合わないもの、汚れや毛玉がある服など、見た目がよくない衣服を処分することで運んでもらう荷物が減って引っ越し料金が抑えられます。
無料でハンガーボックスが借りられる引っ越し業者を探そう
引っ越し業者によっては、ハンガーボックスをはじめとした梱包資材の代金を含めない金額で引っ越し料金の見積もりを出すところがあります。引っ越し業者を決める際は、無料でハンガーボックスをレンタルできるところやダンボール、気泡緩衝材の代金を含めた料金を提示してもらえるところに依頼するようにしましょう。
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