引っ越しで新居にベッドを運んでもらうとき、1度運びやすいサイズに解体してから運び出した後、組み立てます。ただし大きさや種類によっては解体できず、クレーン車が必要な場合あり、解体と組み立てよりも高くなるため、注意が必要です。
新居への引っ越しに伴うベッドの配送について、料金相場や運搬にあたって確認すべきポイントを含めて解説します。
引っ越しでベッドを運ぶには解体と組み立てが必要
ベッドを引っ越し先に持っていく際、マットとフレームに分解して新居へ配送した後、組み立てて設置します。新居に持っていきたい人は、引っ越し業者にベッドの解体と組み立て作業を行ってもらえるか確認しましょう。
基本的に作業員がベッドの分解と組み立てをやってもらえますが、業者に依頼すると引っ越し料金と別途費用がかかります。
ベッドが解体できないときはどうする?
市販されているベッドの多くは解体できますが、海外製やパイプを溶接したものなど、メーカーによっては解体や組み立てができないベッドがあります。そのまま運び出すことができますが、構造によっては運搬できないケースもあります。
もし解体ができないときは、ベッドのまま持ち上げられるか、ドアや廊下を通って搬出入ができるか確認しましょう。シングルサイズの脚付きマットレス(マットレス一体型ベッド)であればそのまま運べることが多いです。
加えて、新居の間取り次第でクレーン車による搬出入作業ができますが、10,000〜30,000円の追加料金がかかります。業者に見積もりを依頼するとき、旧居と新居の間取りを確認したうえで依頼しましょう。
引っ越しでベッドを運んでもらう前に確認するポイント
引っ越しで新居にベッドを運んでもらう前に、解体や組み立ての可否とあわせて、下記のポイントも確認しましょう。
1.ベッドのサイズはどれくらいか
ベッドの運搬にあたり、サイズや種類を確認しましょう。大きさは一般的に縦幅が195〜200cm、横幅は100〜180cm以上になります。目安のサイズは下記のとおりです。
サイズ | 横幅 | 長さ |
シングル | 100cm | 195~200cm |
セミダブル | 120cm | 195~200cm |
ダブル | 140cm | 195~200cm |
クイーン | 160cm | 195~200cm |
キング | 180cm | 195~200cm |
2.ベッドの運び出し・運び入れルートが確保できているか
部屋からトラックまでの運搬ルートを確認しましょう。玄関からの搬出入が難しいときは2階の窓などから搬出入を行うこともあります。具体的に確認するポイントは、以下のとおりです。
- 部屋の入口と玄関の間口の広さ
- 共有部分にある廊下の幅
- エレベーターの広さ
- 階段の幅
- 踊り場のスペース など
実際に搬出入のルートは運搬を担当する業者が選定しますが、明らかに玄関ドアからの運び出しが難しいことに気づいたら、見積もり前から業者に伝えておきましょう。結果的に見積もり料金と実際に支払う料金が違ったといったトラブルを避けることにもつながります。
3.新居にベッドを置くスペースが確保できているか
新居に引っ越すにあたって、ベッドが設置できるスペースがあるのか確認しましょう。物件の内見時に部屋の広さとベッド、その他の家具の寸法を明確に測っておくと、通気口やコンセントなどを隠すことが防げます。
自分でベッドを解体・組み立てる方法
引っ越しでベッドを運ぶとき、解体や組み立てができるベッドの場合、自分で作業を行うことで解体や組み立てにかかる費用が節約できます。
その際、1人で無理して作業を行うとケガをしたり、壁や床が傷ついたりする可能性があるため、2人以上で行うようにしましょう。解体や組み立てに必要な道具と方法について紹介します。
ベッドの解体や組み立て時に必要な道具
ベッドを解体、または組み立てるにあたって必要な道具は下記のとおりです。
- ドライバー
- 六角レンチ
- ネジ袋
- 軍手
- 紐や養生テープ
- 緩衝材
- プラスチック製のハンマー
あわせてベッドの取扱説明書やペンチ、ニッパー、ハンマーなどの道具も用意しておくと作業しやすくなります。
引っ越し日前にベッドを解体する方法
ベッドの解体は、下記のような流れで行います。
- ベッドのマットレスや寝具を外して枠組みだけの状態にする
- スマホやデジカメなどで解体前のベッドの写真を細部まで撮影する
- 対角線上に少しずつネジやボルトを緩めて外し、なくさないように袋にまとめる
- ベッドのヘッドボードや脚、ベッドフレームを解体する
自分で解体作業を行う際、ネジやワッシャーなどの小さな部品を袋にまとめて保管するなど、部品を紛失しないようにしましょう。
あわせて無理に解体しようとすると、部品の破損やケガにつながります。さらに床や壁などを傷つける可能性があるため、プラスチック製のハンマーで叩いて抜き取ったり、ダンボールや養生シートを敷いたうえで作業することが大切です。
引っ越し後にベッドを組み立てる方法
新居に引っ越した後、自分でベッドを組み立てます。ベッドの種類によって組み立てる手順が異なるため、取扱説明書を確認しながら作業を進めましょう。
パーツごとに組み立てやすい場所に置いたり、ネジは仮締めした後に本締めをするなど、工夫を凝らすことで効率よく作業を進められます。
引っ越しでベッドのみを配送する際の料金相場
業者のプランによっては、ベッドのみを運搬できるところがあります。具体的には下記のとおりです。
配送方法 | 料金目安 |
ヤマトホームコンビニエンス「らくらく家財宅急便」 | 17,070円~ |
大型家具・家電専門配送業者 | 8,000~10,000円 |
赤帽 | 4,950円~(引越し作業と同等作業の場合は13,750円~) |
混載便 | 5,000円~ |
レンタカー | 10,000円前後~ |
ヤマトホームコンビニエンス「らくらく家財宅急便」
ベッドをはじめとした家具や家電を1点から配送できるサービスです。シングルベッドだけでなく、ダブルベッドのようなサイズが大きいベッドも運べます。
最短翌日に配送してもらえるほか、時間指定も可能ですが、解体と組み立てを依頼すると、それぞれ3,300円の料金がかかります。加えて即日での配達もできないため、遅くても引っ越し日の前日までに配送しておきましょう。
大型家具・家電専門配送業者
西濃運輸をはじめとした運送業者の中には、大型家具・家電配送専門業者もあります。全国への配送に対応している業者もあれば、対応エリアを限定する業者もあるため、事前に料金だけでなく対応エリアを確認することが大切です。
大型家具・家電の取り扱いに慣れていることから安心して依頼できる一方で、対応できる業者はあまり多くありません。事前に条件のすり合わせやどのように扱ってほしいかの要望をきちんと伝えられるとき、トラブルなく利用できるでしょう。
赤帽
軽トラックの荷台にベッドを載せて引っ越しができる赤帽を利用するのも選択肢のひとつです。移動距離と作業時間が短い場合、比較的安い料金で作業ができます。
ただし、料金表の注意事項に引越し作業と同等の作業を行うと、引越運賃料金が適用されます。具体的にどのような作業が引越し作業と同等とされるかは不明です。当日に追加料金が発生しないようにするためには見積もり時にどのような作業を希望するか、要望をもれなく伝えましょう。
混載便
トラックの荷台を複数の利用者で分け合って荷物を積み込んで配送するサービスです。トラックの燃料代や輸送の人件費を利用者で折半するため、旧居から新居へダイレクトへ運搬するチャーター便よりも料金が安くなる傾向があります。
通常の引っ越しサービスよりも料金は安価ですが、使用するトラックがいっぱいになるまで載せないと出発できないため、いつ届くのかわからない点に注意が必要です。
レンタカー
家族や友人に手伝ってもらえるのなら、レンタカー等を利用して新居まで自力で運搬するのも手段のひとつです。
料金は比較的安価で、自分にとって都合の良いタイミングでベッドを運び出せますが、ベッドや車の破損に対して補償等が受けられません。運搬中に何か事故などが発生すると、自己責任になるため、レンタカーを使った搬出入作業が難しいときは、業者に依頼しましょう。
ベッドの配送料金が高くなるケース
引っ越しでベッドのみ運んでもらう場合、条件によっては配送料金が高くなる可能性があります。具体的な条件は下記のとおりです。
1.遠方に配送するとき
遠方へ引っ越す場合、人件費やガソリンなどの燃料代が多くかかるため、配送料金が高くなります。少しでも料金を安く抑えたいなら、混載便も検討しましょう。
ただし混載便は、到着日時の指定はできません。日時指定を希望したい場合は、ヤマトホームコンビニエンスの「らくらく家財宅急便」の利用もおすすめです。
2.搬出入作業でクレーン車を利用するとき
ベッドが玄関ドアから搬出できないときや、高層階への搬出入を行う場合は、クレーン車による吊り下げ・吊り上げ作業を行います。
クレーン作業を行うときはクレーン車のチャーター料金等が別途かかるため、人力のみで運搬できるときと比べた場合、配送料金が高くなるので注意が必要です。
なお2階までであれば、人力で吊り下げや吊り上げの搬出入作業を行う場合があります。クレーン車を使った作業の時よりも料金は安いですが、1階の旧居から1階の新居まで運ぶ時よりは料金が高くなるので注意しましょう。
参考として、作業内容と追加料金について表にまとめました。
作業方法 | 追加料金 |
---|---|
1階の旧居から1階の新居へ運ぶ | なし |
人力で吊り下げ・吊り上げ作業を行う | あり(目安:5,000~10,000円ほど) |
クレーン車で吊り下げ・吊り上げ作業を行う | あり(目安:数万円) |
3.配送日が引越しの繁忙期と重なるとき
引っ越し業者にベッドの配送を依頼するとき、配送日が引っ越しの繁忙期でないかを確認することも大切です。
2月下旬〜4月上旬までは、進学や就職に伴う引っ越しが多い時期で需要が高くなるため、引っ越し業者の作業料金も相応に高くなります。引越しする日程を調整できるときは、この時期を避けることをおすすめします。
引っ越しでベッドを買い替えた際の対処方法
引っ越しで新居にベッドを運べないときや、解体・組み立て費用が配送料金よりも買い替えたほうが安くなるとき、要らなくなったベッドは下記のような対処方法を行いましょう。
処分の仕方 | 費用の目安 |
---|---|
引っ越し業者に引き取ってもらう | 5,000~10,000円 |
自治体に粗大ごみとして回収してもらう | 2,000円前後 |
不用品回収業者に依頼する | 3,000~10,000円 |
ベッドを購入したお店に引き取ってもらう | 3,000~4,000円 |
リサイクルショップで買い取ってもらう | 0円(利益が出ることもある) |
1.引っ越し業者に引き取ってもらう
引っ越し時に出た不用品の回収を行う業者があります。事前に申し込みが必要なオプションサービスなので、見積もりのときに処分してもらえるのか確認しましょう。
なお、多くの大手引っ越し業者は回収対応を行っていません。
2.自治体に粗大ごみとして回収してもらう
処分費用をなるべく抑えたい場合、粗大ごみとして回収してもらいましょう。自治体によって異なりますが、費用の目安は2,000円前後です。
粗大ごみの回収は予約制であることが多く、引越しシーズンには予約が混みあってスムーズに処分ができない場合があります。
加えてベッドフレームやマットレスは、回収場所まで持っていかなくてはいけません。解体が難しいタイプのベッドフレームを処分するときや、体力に自信のない方は注意が必要です。
参考 主要都市のベッド処分費用(シングルサイズのベッドフレームとマットレスを同時処分した場合) | |
自治体名 | 処分料金 |
---|---|
世田谷区(東京都) | 2,600円 |
横浜市(神奈川県) | 2,000円 |
名古屋市(愛知県) | 2,500円 |
東大阪市(大阪府) | 1,200円 |
3.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者にベッドの回収を依頼するのも選択肢のひとつです。自宅までベッドを回収に来てもらえるため、運搬の手間はかかりません。
ただし業者や対象地域によって異なるものの、自治体の回収費よりも高くなることが多いので注意しましょう。自治体の回収日程が合わないときや、急いで処分したい人におすすめです。
4.ベッドを購入したお店に引き取ってもらう
不要になったベッドを引き取ってもらえるサービスを提供するベッド販売店もあります。
処分費用や引き取ってもらえるベッドのサイズ、タイミングは販売店によって異なります。サービス内容や費用面をよく確認したうえで利用しましょう。
5.リサイクルショップで買い取ってもらう
ベッドの状態が良ければ、リサイクルショップに買い取りを依頼できます。販売金額を引っ越し費用の足しにできる一方で、買い取りに対応していないショップがあったり、出張買い取りサービスを行っていないところでは、運搬の手間がかかる点に注意しましょう。
なおショップによっては、自宅まで引き取りに来てくれるサービスがありますが、出張費用を必要としているショップもあります。
出張引き取りサービスを利用するのであれば出張料金の有無について確認しましょう。
ベッド運搬ができる引っ越し業者を探そう
引っ越しでベッドを運び出すには、一度解体して配送した後、新居で組み立てる作業が必要です。自力でやろうとすると、人手が必要になるのはもちろん、タイプによっては分解・組み立てができないものもあり、手間がかかってしまいます。
少しでも他の荷物の梱包やライフラインの異動手続きも並行して進めるためにも、ベッド配送ができる引っ越し業者を探すことが大切です。
ミツモアなら、旧居や新居の階数やベッドの有無など、簡単な質問に答えるだけで最大5つの引っ越し業者から見積もりが届きます。見積もりをもらった後、気になる業者が見つかれば、ベッドの運び出しに関してチャットで相談できるので、安心して依頼できるでしょう。