引っ越しの当日には旧居でも新居でも、やるべき作業が多くあります。スムーズに引っ越しを終わらせるためにも、引っ越し日の流れを把握しておきましょう。旧居・新居ごとに必要な作業や準備するもの、よくあるトラブルと対処法を詳しく解説します。


「そもそも引っ越し準備をいつから始めればよいのか」と悩む方は、こちらの記事をご覧ください。賃貸契約の解約や住所変更についても詳しく紹介していますよ。
引っ越し当日はどのように進む?
引っ越しの当日はどのように1日が進むのでしょうか?当日に混乱しないように、あらかじめ大まかな流れを押さえておきましょう。作業にかかる時間の目安も紹介します。
1日の大まかな流れ
引っ越しの当日は業者を迎えるところから始まり、新居で必要なものを荷ほどきするまで作業が絶えません。大きくは次のように1日が進みます。
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搬出と搬入は引っ越し業者が行ってくれるため、業者が来るまでにできる準備を終わらせておくと作業がスムーズに進むでしょう。
ただし梱包作業やハウスクリーニング・不用品買い取りなど、業者のオプションサービスを利用するときは流れが変わる可能性もあります。運搬作業以外も頼んでいる場合は、事前に引っ越し業者に確認しておくと安心です。
作業時間の目安
引っ越し作業にかかる時間は荷物の量によって変わります。目安の時間は以下の通りです。
一人暮らしの場合 | 搬出と搬入それぞれに約30分〜1時間ずつ |
家族の場合 | 搬出と搬入それぞれに約1時間半〜2時間半ずつ |
ただし家からトラックまでの距離や、エレベーターが使えるか・何階かなどの条件によっては時間が延びるかもしれません。大型家具や家電の分解が必要なケースでも、目安以上の時間がかかる可能性はあります。
より正確に知りたい場合は作業を始める前に、業者におおよその作業時間を聞いてみるとよいでしょう。
自分で引っ越しする場合
自分で引っ越しをする方は、荷物も自分で運搬する必要があります。そのため、引っ越し当日の流れとしては以下の通りです。
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移動距離によって作業時間は異なりますが、一人暮らしの場合、運搬と搬入合わせておおよそ5時間と、業者に依頼するより時間がかかるでしょう。
引っ越し当日に必要なもの
引っ越しの当日に必要なものについては、他の荷物と一緒に梱包しないように分けておく必要があります。必要になるシーン別にリストアップしておくと、誤って荷造りしてしまう心配がありません。
カバンに入れておきたいもの
引っ越し当日カバンに入れて持ち歩いておくと便利なものは次の通りです。
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貴重品は、万が一の紛失を防ぐためにもダンボールには入れずに持ち歩きましょう。
現金は移動中の買い物や引っ越し業者への料金支払いにも使います。事前にきちんと見積もりを依頼しておけば、引っ越し業者への支払額が想定を大きく超えることはありません。
新居の鍵を誤って梱包してしまうと、搬入作業が停滞してしまうため注意が必要です。引っ越し作業後に書類への記入を求められたとき、スムーズに対応できるように筆記用具も準備しておきましょう。
梱包道具や掃除用具
食器やトイレットペーパーなど前日や当日に使う荷物を梱包するために、梱包道具は当日まで使いやすい場所にまとめておきます。あったら便利なものをいくつか紹介します。
【買うものリスト】
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当日に梱包が甘い荷物を見つけたときにも素早く対応できますよ。
荷物を運び出した後、旧居を綺麗にするために掃除道具を用意しておきましょう。以下の道具があれば安心です。
【掃除道具リスト】
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新居ですぐに使うもの
引っ越しが終わった直後に新居で使うものは、取り出しやすいよう同じダンボールにまとめて梱包しましょう。いざ必要になったとき見つからずに困るという事態を防げます。
特に日用品や、あると便利なものをいくつか紹介します。
【あると便利なものリスト】
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新居のコンセントの位置によっては、充電器用の延長コードも用意しておくとよいかもしれません。

引っ越し業者が来るまでにやること2つ
引っ越し業者が来るまでに終わらせたい準備には、どのような作業があるのでしょうか?運搬が滞りなく進むようにしておくだけでなく、気持ちよく旧居を去ることができるようにチェックしておきましょう。
その①:全ての荷造りを終わらせる
業者が到着する前に引っ越しの前日や当日まで使っていたものを含めて、全ての荷物を梱包します。当日に余裕を持って作業できるように、使用頻度の低いものは早めに荷造りしてしまいましょう。
当日まで残しておくものも含めて、梱包する荷物に優先順位を付けておくと効率的に作業できます。引っ越し業者が到着した段階で荷造りがまだ終わっていないと、引っ越しそのものが予定通りに進みません。
スムーズに新居へ移るためにも、業者の訪問時間を把握した上で計画的に作業を進める準備が大切です。
その②:近隣への挨拶回りをする
お世話になった近所への挨拶は本来、前日までに済ませておくのが理想です。もし時間が取れなかった場合は、引っ越し業者が到着するまでの時間に行うとよいでしょう。
挨拶のときは引っ越し作業で音が気になるかもしれない旨を伝えておくと、不要なトラブルを回避できます。挨拶回りはマナーであるとはいえ義務ではありません。近隣との関係性や防犯上の理由によっては省略する場合もあります。
引っ越し当日に旧居でやること3つ
引っ越し業者が来てから新居に移動するまでには、どのような作業が必要になるのでしょうか?業者の責任者や作業員に対応する他に、旧居の引き渡しまで済ませてから移動しましょう。
その①:作業前に支払いを済ませる
「標準引越運送約款」の第19条では、引っ越しの支払い方法が決められています。簡単に要約すると以下の通りです。
- 業者に料金の支払いをするのは、基本的に作業前
- 見積もりで提示された金額を現金で支払うのが一般的
- 転勤による引っ越しの場合は、銀行振り込みに対応してくれることもある
- 業者によっては新居での搬入作業が終了した後、支払うケースもある
前払い・後払いに関係なく、引っ越し当日は手元に引っ越し代を用意しておきましょう。
その②:打ち合わせと搬出の立ち会い
実際に搬出作業を始める前に、業者の責任者と打ち合わせが必要です。作業を安全かつスムーズに終わらせるために、一緒に確認すべき点は以下の2つです。
- ワレモノなど取り扱いに注意すべき荷物・運搬しない家財の有無
- 新居のレイアウトや荷物の置き場所・トラックの駐車スペース
打ち合わせが終わったら、業者が搬出作業を始めます。基本的には立ち会いをするだけで、作業を手伝う必要はありません。
荷物を運び出す順番や荷物の取り扱いについて聞かれたとき、スムーズに答えられるように準備しておきましょう。
その③:最終チェックを済ませて退去
退去前に3つの行動をします。
【1つ目】最終チェックをする
一通り搬出作業が完了したら、残った荷物や忘れ物がないか確認しましょう。特にベランダ周りや押入れ・収納棚に置いていた荷物は忘れがちなので、注意が必要です。
【2つ目】部屋を引き渡す
最後に部屋を掃除した後、大家さんか不動産会社に連絡して部屋を引き渡します。部屋の状態によって修繕費用が決まります。不動産会社に鍵を返却するだけの場合、後日のトラブルを避けるために退去前の部屋を写真に撮っておきましょう。
【3つ目】新居に向かう
引き渡しが済んだら荷物の搬入作業に立ち会うため、新居に移動します。引っ越し先で合流するおおよその時間を、事前に業者と決めておくとスムーズです。
差し入れは必要ない
「重たい荷物を一生懸命運んでくれているから、何か差し入れをした方がよいのでは」と考える方もいるでしょう。結論から言うと、引っ越し業者への差し入れは必要ありません。
その代わり、作業前後はきちんと挨拶をして感謝を伝えましょう。
引っ越し当日に新居でやること4つ
旧居の搬出作業を終えて新居に移動してからは、新生活を始める準備が必要です。引っ越し業者を転居先に迎え入れてから、荷ほどきを終わらせるまでの流れを解説します。
その①:荷物の搬入に立ち会う
新居に到着したら鍵を開けて荷物の搬入作業に立ち会いましょう。搬出のときと同じく、基本的には作業を手伝う必要はありません。荷物をどこに置くかなど質問されたときだけ指示を出します。
最後に不足していたり破損していたりする荷物がないか、一通りチェックをして完了です。食器類をはじめとするワレモノや家具・家電に破損がないかは、引っ越し業者がいるうちに確認します。事前に確認項目のリストを用意しておくとスムーズです。
その②:水道、電気、ガスを開通する
搬入作業が全て終わったら水道や電気・ガスといったライフラインを開通します。
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水道
管轄の水道局に連絡をして手続きが必要です。ただ手続きをしていない状態でも基本的に水は出ます。
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電気
事前に手続きさえしていれば、ブレーカーを上げるだけで利用可能です。手続きが終わっていない場合には申込書に記入をして郵送するか、電話で電力会社に連絡しましょう。
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ガス
開栓は必ずガス会社の担当者が行います。立ち会いも必須のため事前に連絡をしておき、作業を依頼する日時を決めておきましょう。おすすめのタイミングは搬入作業の終了後です。
その③:近隣への挨拶回りをする
近隣への挨拶回りも可能な限り引っ越し当日に済ませるのが理想です。集合住宅であれば大家さんや管理人・隣部屋・上下階の部屋に簡単な挨拶をします。
第一印象が良いと、今後起こりうる生活トラブルを未然に防げるかもしれません。もちろん旧居を出るときと同じく義務ではないため、女性の単身者など防犯上の懸念があるときは省略します。
挨拶の品を渡す場合は互いの負担にならないよう、500〜1,000円ほどの菓子折りや日用品を選ぶのが妥当でしょう。
その④:使うものから荷ほどきをする
搬出作業やライフラインの開通・挨拶回りが一段落したら、すぐに使う荷物から荷ほどきをしていきましょう。旧居を出る直前に使っていたものを同じダンボールにまとめておけば、一つ荷ほどきをするだけで最低限のアイテムはそろいます。
一度に複数の段ボールを開けてしまうと、効率的に荷解きが進めるのが難しくなります。できるだけ優先度の高いものから順番に開けていくのがおすすめです。
無理をして当日にすべての荷ほどきを終わらせる必要はありません。自分のペースで進めていきましょう。
引っ越し当日に多いトラブルと対策
引っ越し当日にはどのようなトラブルが多いのでしょうか?問題が起こってから慌てずに済むよう、対策方法を事前に把握しておきましょう。
荷造りが終わっていない
引っ越し当日、業者が来るまでに荷造りが終わっていないと、引っ越し費用が余分にかかってしまうかもしれません。「標準引越運送約款」第7条によると、依頼人による引っ越し作業前の荷造りは義務づけられており、荷造りを終えていない状態は契約違反に当たるのです。
ほとんどの場合には追加料金を払えば梱包作業を手伝ってくれるものの、スケジュールは大幅に遅れてしまいます。
予想外の出費やスケジュールのズレを防ぐためにも、荷造りは余裕を持って計画的に進めましょう。
荷物が紛失、破損してしまう
作業後、荷物の紛失や破損に気づかず書類にサインをしてしまうと、補償が受けられなくなるかもしれません。作業完了後はサインをする前に、荷物が壊れたりなくなったりしていないか確認しましょう。トラブルを防ぐ工夫は2つあります。
【1つ目】段ボールに何を入れたかを記入しておく
段ボール一つひとつに何を入れたかを書いておくと、紛失に気が付く可能性が高まります。
【2つ目】壊れやすい荷物は緩衝材を使って厳重に梱包する
どんなに慎重に運んでいても、壊れることはあります。トラブルを減らすために私たちも工夫をしましょう。
【3つ目】壊れやすい家財は梱包前の状態を写真に撮っておく
水掛け論になるのを防ぐために、壊れやすい家財は梱包前の状態を写真に撮っておくと効果的です。目の前で荷物が落ちるのを目撃したときは、速やかに現場の責任者に報告をします。
時間になっても引っ越し業者が来ない
特に繁忙期に多いトラブルとして、約束していた時間になっても引っ越し業者が来ないという事態が挙げられます。考えられる理由は主に3つです。
- 前の現場に時間がかかっている
- 道に迷っている
- 予約日を間違えている
基本的には業者側から連絡が入りますが、音沙汰がないときのために連絡先の電話番号を控えておきましょう。めったにないケースとはいえ、悪質な業者になると放置したまま訪問がないというケースもゼロではありません。
悪質業者を避けるためには業者探しの段階で、過去に利用した人の口コミをチェックしておく必要があります。
業者と利用者のマッチングプラットフォーム「ミツモア」では、投稿者情報非公開で口コミの投稿が可能です。率直な評判をチェックできるため、信頼の置ける業者選びに役立ちます。
【番外編】当日に引っ越しを依頼できる?対応できる業者を紹介
「引っ越し当日に業者が来ない」「急に引っ越しをしなければならなくなった」という方に、当日引っ越しを依頼できる可能性がある業者を紹介します。
特に一人暮らしで荷物が少ない方は、当日に引っ越しを依頼しても対応してもらえる可能性があります。トラックを積み替えないため、簡単な梱包で引き受けてくれますよ。
近距離の引っ越しであれば、日本通運の「単身パック当日便」がおすすめです。引っ越しの閑散期であれば、即日対応をお願いできるかもしれません。
注意して欲しいのは、基本的に当日の引っ越し依頼は難しい、ということです。引っ越し日が決まったら、きちんと準備期間を設けて計画的に引っ越しをしましょう。
当日の作業を把握してスムーズに引っ越しを
引っ越しの当日は大まかに見ると、業者が到着するまでの準備・搬出作業・搬入作業という流れで作業が進みます。当日になって混乱したり必要な作業を忘れたりしないように、それぞれの状況で何をすべきか事前に把握しておきましょう。
荷物の搬入後は最低限の荷ほどきやライフラインの開通ができるように、事前に準備をしておくのがポイントです。
引っ越しの作業中にはさまざまなトラブルの可能性があります。対策も含め当日に起こりやすいトラブルを想定して動きましょう。
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