引っ越し当日、荷造りが終わらなかったり、引っ越し業者とのトラブルを回避するためには、前日までに引っ越しの準備を進めておくことが大切です。旧居や新居で必要な作業を含め、引っ越し当日の流れを知っておくと、慌てることなく準備や作業を進められます。
引っ越し当日の流れについて、トラブルが発生することなく必要な準備や発生時の対処法を含めて解説します。
引っ越し当日、荷造りが終わらなかったり、引っ越し業者とのトラブルを回避するためには、前日までに引っ越しの準備を進めておくことが大切です。旧居や新居で必要な作業を含め、引っ越し当日の流れを知っておくと、慌てることなく準備や作業を進められます。
引っ越し当日の流れについて、トラブルが発生することなく必要な準備や発生時の対処法を含めて解説します。
荷物を運び出す時間帯や荷物量によって変わりますが、引っ越し当日の大まかな作業の流れは、下記のとおりです。
当日の流れ | 主な作業内容 | 単身世帯の所要時間 | 家族世帯の所要時間 |
引っ越し業者が到着するまでの作業 | 1.使用頻度が多い荷物の整理 2.近所への挨拶まわり 3.荷造りの完了 |
30~60分 | 1~2時間 |
旧居での引っ越し作業 | 1.引っ越し料金の支払い 2.搬出する荷物の確認 3.搬出作業の立会い 4.引っ越し作業で出たゴミの処分 5.引っ越し業者と新居で合流する時間を決める 6.旧居の掃除 7.ガス閉栓の立ち会い 8.退居立ち会い 9.新居へ移動 |
2~3時間 | 3~4時間 |
新居での引っ越し作業 | 1.ご近所への挨拶 2.部屋の確認と簡単な掃除 3.電気・ガス・水道の開通作業 4.搬入作業の立会い 5.引っ越し業者への差し入れ 6.荷解き |
1~2時間 | 2~3時間 |
引っ越し業者が旧居に来るまでの作業を含め、荷物の搬出から新居への搬入にかかる時間は引っ越す人数によって変わります。新居への移動時間を除いて、単身者は3時間から5時間、家族世帯は5時間から7時間が目安です。
ただし梱包に時間がかかる荷物や、高層階のマンションに住んでいる場合、エレベーターで行き来する回数が増えるため、上記よりも所要時間がかかります。搬入出と新居への移動時間や、想定外の事態が起きる可能性があるため、時間に余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
引っ越し当日、搬出入作業が滞りなくできるように業者が旧居に到着するまでの間、下記の作業を行うことが大切です。
作業内容 | 単身世帯の所要時間 | 家族世帯の所要時間 |
使用頻度が多い荷物の整理 | 5分~15分 | 5分~25分 |
近所への挨拶まわり | 約5分 | 約5分 |
荷造りの完了 | 20分~40分 | 50分~90分 |
ダンボールに梱包する前に「旧居で使用する道具」と「新居への移動時に携帯する手荷物」に分けておきましょう。
旧居から退去するとき、きれいな状態に引き渡すため、掃除する必要があります。その際に使用する用具は、下記のとおりです。
なお、ほうきや雑巾といった掃除用具やカッター、養生テープなどの梱包資材は新居でも使用します。手荷物として持参するか、「新居ですぐに使う荷物」用のダンボールに入れて運んでもらうようにしましょう。
新居へ移動する際、自分で持ち歩いたほうがよい荷物は以下のとおりです。
貴金属やノートパソコン、タブレットといった貴重品は自分で持ち運びましょう。もちろん賠償責任保険に加入する引っ越し業者もありますが、紛失や損傷によるトラブルを避けるためです。
引っ越し業者による搬出作業で近隣に迷惑をかけてしまうため、引っ越し業者が来る前に引っ越しと作業で騒がしくなってしまうことを伝えておきましょう。その際、近隣住人や大家さんに手土産を持って挨拶に行くと親切です。場合によっては作業スタッフが訪問して、搬出作業で迷惑をかける旨を伝えてもらえるケースもあります。
午前中の早い時間帯に引っ越すときは、前日までに挨拶しましょう。
引っ越し前日から当日にかけて使用したふとんをはじめ、歯ブラシやタオル、カーテンといった日用品を梱包しましょう。新居に到着してからもすぐ使うため、なるべくひとつのダンボールにまとめて、すぐに開梱できるようにわかりやすく印をつけておくと安心です。
加えて、ダンボールや家具・家電の個数をまとめた荷物リストを作っておきましょう。荷物の搬入時に紛失していないかチェックできるほか、ダンボールに何が入っているか詳細に書いておくと業者の担当者も確認しやすくなります。
引っ越し業者が旧居に到着したところで、搬出作業が始まります。荷物の量によって変わりますが、単身世帯は2時間〜3時間、家族世帯は3時間〜4時間かかります。具体的な作業内容は下記のとおりです。
引っ越し業者による作業が始まる前に料金を支払います。「標準引越運送約款」という国土交通省が定めたルールで作業前に料金を支払うことが定められているからです。基本的に現金で前払いをしますが、後払いやクレジットカードを含むキャッシュレス決済も可能な引っ越し業者もあるので、事前に支払方法を確認しておきましょう。
スタッフと一緒に家の中を見て、部屋の広さや取り扱い注意の荷物があるかなどを確認します。その際、新居のレイアウトを伝えておくと認識の食い違いが生まれにくくなります。
もし持っていくか迷っている荷物があれば、相談しましょう。見積もり料金のままで積み込めるか、追加料金がかかるか確認したうえで、持っていくか捨てるか決めることが大切です。
搬出する荷物や部屋の状態を確認したところで引っ越し業者による搬出作業が始まります。運び出す際、作業中に荷物の損傷や紛失、積み忘れなどが起こらないように立ち会いましょう。どうしても立ち会えない場合は、家族や友人といった代理人に依頼します。
搬出作業を手伝ったほうが良いのか迷うと思いますが、かえって邪魔になる可能性があります。声の届く範囲で作業に立会い、いつでも質問に答えられるようにしておくと良いでしょう。
引っ越し当日、作業をしているとゴミが出てくることがあります。ゴミが出た場合、住んでいる地域のルールに従って捨てましょう。家具・家電といった粗大ゴミは事前に申し込みをすれば、引っ越し業者に引き取ってもらえますが、別途処分費用がかかるため、注意が必要です。
荷物の積み込みが終わったら、引っ越し業者と新居で合流する時間を確認しましょう。旧居の退去手続きに時間がかかる可能性があり、事前に合流する時間を決めておかないとトラブルになるからです。
お昼の時間をまたぐときは、休憩時間を含めて合流する時間を決めましょう。
荷物の運び出しが終わったら、ほうきやちりとり、雑巾で掃除をしましょう。賃貸物件の場合、できる限り部屋の中をきれいにすれば、敷金が返ってくることがあるからです。特に冷蔵庫下のサビ跡や台所の油汚れ、水回りの水垢などをきれいにしておくといいでしょう。
掃除が終わったら、ガスの閉栓と電気のブレーカーを落としましょう。電気と水道は引っ越し日の1〜2週間前に手続きを行えば、自動で止めてもらえます。
ただしガスの閉栓は、立ち会いが必要な場合があります。ガス会社によって対応が異なりますが、部屋に入らないと閉栓できないケースで、担当者が部屋の鍵を持っていないときが対象です。
立ち会いができないときは、管理会社や大家に代理として立ち会ってもらえるか相談しましょう。
旧居が賃貸物件の場合、部屋を明け渡します。事前に管理会社または大家に退去する目安の時間を伝えておくといいでしょう。
管理会社の担当者または大家が部屋に到着したら、借主立ち会いのもと、部屋の汚れや傷の有無などを確認します。部屋の鍵や備品を返却すれば手続きは終了です。
なお本人が立ち会えないとき、代理人に依頼できますが、事前に委任状や代理人の身分証明書を用意しておきましょう。
旧居での退去手続きが終わったら、新居へ移動しましょう。自家用車をはじめ、電車やバスといった公共交通機関で移動している人は、新居までのアクセス方法と移動時間を確認することが大切です。
新居までの移動距離が200km未満の場合、車で約3時間以内で移動できますが、200kmを超えると車での移動だけで半日から2日以上かかります。
新居に到着すると、引っ越し業者による荷物の搬入作業が行われます。作業開始から完了するまで単身世帯は1時間〜2時間、家族世帯は2時間〜3時間かかります。具体的な作業内容は下記のとおりです。
引っ越し業者が新居に到着する前に挨拶をしておきましょう。一軒家は自分の家の向かい側3軒と左右両隣の家、マンションやアパートは上下左右の部屋へ挨拶に伺います。新しく引っ越してきた旨と作業中に迷惑がかかってしまうことを伝えておくとといいでしょう。
引っ越し当日に挨拶ができない場合は、その前後に挨拶をします。
新居は基本的にハウスクリーニングを行っていますが、場合によっては床の傷や壁の汚れが残っている可能性があります。荷物を運び入れる前に傷や汚れがあれば、写真に撮っておきましょう。部屋を退去するとき、大家または管理会社から原状回復を求められる際、入居前に傷や汚れがあったことを証明するためです。
あわせてハウスクリーニングをしてから時間が経つと、ホコリがでる場合もあるので軽く掃除しておくのもおすすめです。
電気と水道は引っ越し日の1〜2週間前に契約申し込みをすれば、入居と同時に使えるようになります。到着後すぐにブレーカーを上げたり、水道の元栓を開けたりして、使えるか確認しましょう。
ただしガスは立ち会いによる開栓作業が必要です。引っ越し日の1〜2週間前までに手続きを行えば、入居日に開栓作業ができます。特に年度末から年度始めといった引っ越しの繫忙期は、ガス会社の予定が埋まってしまうため、遅くても3〜4週間前までに手続きすることをおすすめします。
引っ越し業者が新居に到着したら、搬入作業を行います。搬出作業と同様に依頼人の立ち会いが必要なため、引っ越し業者から質問を受けたときはすぐに答えられるように近くで見守りましょう。
あわせて荷物リストを確認して荷物に損傷や紛失がないか確認するほか、家具・家電の設置場所も聞かれるため、搬入作業の前に家具・家電の配置図を用意しておくと親切です。
荷物の搬入作業がひと通り終わったら、引っ越し業者のスタッフにお礼を伝えましょう。お礼の気持ちとして、水やお茶といったペットボトル飲料を差し入れるのをおすすめします。
すべての荷物を運び込んだ後は、荷解きを行いましょう。家具・家電の配置と設定を行い、戸棚やクローゼットといった収納スペースの整理やカーテン、照明器具などを設置した後、ダンボールの開封作業を行うとスムーズにできます。
開封する順番は、すぐに使うものから順番に開けると、荷解きが不十分なときでもあまり不便を感じずに暮らせるでしょう。
引っ越し当日、業者や近隣の人にトラブルなく作業を進めるには、以下のような準備も必要です。
引っ越し業者を決定した場合、なるべく多めのダンボールをもらっておきましょう。引っ越し当日、荷物が増えたことを理由にダンボールが足りなくなって追加で補充するとき、追加料金が発生する可能性があるからです。
引っ越しの直前や追加費用をかけたくないときは、スーパーマーケットかホームセンターに行くと、無料で配布してもらえる場合があります。必要なダンボールの目安は単身世帯で10〜15枚、家族世帯で30〜50枚です。
あわせて新居に不要なものは引っ越し前に廃棄したり、フリマアプリやリサイクルショップに売却すればダンボールの数が減り、短時間で搬出入作業ができます。
引っ越し当日になっても、荷造りが終わらないという事態が発生しないように引っ越し前日までに最低限の荷造りは終わらせておきましょう。あらかじめカレンダーに引っ越し前日までに終わらせるスケジュールを作成して管理すれば、トラブルを防げます。
それでも終わらない場合、自分で運ぶか事前に引っ越し業者に相談すれば、追加料金を支払うことで手伝ってもらえます。ただし、作業状況によっては引っ越し日の変更を提案されたり、引っ越しそのものがキャンセルになったりする可能性があるため、注意が必要です。
引っ越し当日に大型の家具・家電が玄関を通過できず、窓から吊り下げる作業が発生したり、道幅が狭くてトラックが入れない事象が発生すると、追加料金が発生して見積もり金額よりも高くなる可能性があります。
トラブルが発生しないように見積もりの段階で旧居と新居の情報を正確に伝えたり、変更があったら連絡するほか、訪問見積もりを取るようにしましょう。
引っ越し業者による搬出入作業を行う際、旧居と新居でトラックが駐車できる場所を事前に確認しておきましょう。トラックの大きさや停車位置によっては車の通行ができない、ゴミ出しができないといったトラブルが発生します。
荷物の搬出入作業はそれぞれ2〜4時間かかるため、引っ越し当日に迷惑をかけないように管理会社や近隣の人に相談しましょう。
引っ越し業者が新居に到着する前に新居の鍵を受け取っておきましょう。鍵がないと荷物の搬入作業ができず、引っ越し業者に迷惑をかけてしまいます。
賃貸物件に引っ越す場合、鍵の引き渡しができるのは契約開始日以降です。引っ越し当日に鍵を受け取るのが難しいときは、契約日以降に引っ越し日を設定し、事前に鍵を受け取っておくと安心でしょう。
引っ越し当日、下記のようなケースが発生した場合の対処方法について解説します。
引っ越しが間近になってケガをしたり、当日に体調が悪くなって引っ越し作業の立ち会いが難しくなったとき、家族や友人に代理の立ち会いを依頼しましょう。その際、ダンボールの数や新居での家具・家電の配置も図に書いて渡しておくと安心です。
もしも、代理で立会人が手配できないときは、キャンセルをしましょう。引っ越しの3日前ならキャンセル料がかかりませんが、再度手配しようとすると、時期によっては予約が取りにくかったり、料金が高くなることがあります。
約束していた時間を過ぎても、引っ越し業者が来ないケースがあります。前の依頼先での引っ越し作業に時間がかかっているほか、交通状況によっては予定時間よりも遅れる場合があるので注意が必要です。
開始予定時間から2時間以上連絡がない場合は、引っ越し業者に連絡しましょう。加えて、管理人がいる時間のみ荷物の搬出入作業ができないといった時間の制限がある場合、見積もりの段階で時間の制限がある旨を伝えるのも大切です。
荷物の搬出入作業中に壁やドア、床に家具または家電をぶつけて傷つけてしまうことがあります。気がついたら、その場で指摘しましょう。時間が経ってしまうと、引っ越し作業中に発生した傷であると証明しにくくなるからです。
なお賃貸物件で発生した場合、勝手に傷の修復を依頼すると大家や管理会社との間でトラブルが発生する可能性があるため、引っ越し業者から連絡してもらうように伝えましょう。
旧居で荷物の搬出作業や積み込み作業が終わると、すぐに新居へ移動します。このとき、自分で携行したい荷物をよけておかないとトラックに載せられてしまいます。
ノートパソコンや宝石類といった貴重品や、コートといった防寒着など、自分で持っていく手荷物はわかりやすい場所によけておくか、自分で持参しておきましょう。
自分で持っていく荷物を積み込まれてしまったケースとは反対に、新居に運びたい荷物を積み忘れたトラブルの可能性もあります。もしも荷物の積み忘れが発生したときは、すぐに引っ越し業者に連絡しましょう。
引っ越し業者は見積書に記載された荷物を必ず運ばないといけないことが標準引越運送約款に記載されており、良心的な業者であれば、追加料金なしで運んでもらえます。
荷物の積み忘れを防ぐためにも、ダンボールの側面に「○/×個」と個口数を書いておくと、把握しやすくなるでしょう。
急な転勤や引っ越し業者が来なかったトラブルなどで、依頼したその日のうちに引っ越し作業はできるのでしょうか。
依頼したその日のうちに引っ越し作業ができる業者はあまり多くありません。トラックに空きがあれば対応してもらえるものの、旧居の解約やライフラインの停止、新居での開設手続きをやらないと日数分の家賃が発生するほか、ライフラインが使えない状態で不便な生活を過ごすことになります。
依頼した当日に引っ越しができる業者が見つかったら、できるだけ早く旧居の解約やライフラインの手続きを行いましょう。
引っ越し当日の流れについて紹介しました。当日にトラブルが発生しないようにするには、自分で事前にスケジュールを立てて準備を進めることが大切です。
荷造りをはじめ、電気・ガス・水道といったライフラインの停止と新居での開始手続きは、引っ越しの前日までにやっておかないと新生活が不便になるため、忘れないようにしましょう。
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