エアコンの吹き出し口に黒い点が広がっているのを見たことはありませんか?
吹き出し口やルーバーにある黒い天井のシミの正体はカビです。
エアコン内部で繁殖したカビを放置することには様々なリスクがあります。
すぐにできる対処法やカビを生やさないための予防策を、プロの知見をもとに解説します。
世界一謙虚なおそうじ屋さん - 東京都世田谷区喜多見
※記事全体の監修ではありません。
エアコンにカビが生える3つの理由
エアコン内部にカビが生えやすいということは知っていても、なぜカビの繁殖に適しているのかその理由までは知らない人も少なくないでしょう。
エアコンにカビが生える原因について、プロは以下のようにコメントしています。
カビが繁殖するには3つの条件を満たす必要があります。
カビが繁殖するための条件とエアコン内部の環境がどのように関係しているかを解説します。
【温度】室温やエアコン内部の温度がカビの繁殖に適している
人間が快適に感じる室温とカビの生育最適温度はほぼ同じです。
カビの生育最適温度は25~28度です。
一方、東京都福祉保健局によると人間が快適に感じる室温の目安は、夏であれば25~28度です。
冷房運転中や冷房を切ってすぐはエアコン内部も冷えて、カビの繁殖に都合がいい温度になっていることが多いです。
夏場は1日中エアコンを使っている家庭も多く、その場合は1日中カビが繁殖しやすい温度になっていることも珍しくありません。
【湿度】エアコン内部は結露が発生し湿度が高い
カビは湿度80%以上の環境で爆発的に繁殖します。
冷房運転を使うと、温かい空気が冷却ファンで冷やされて結露が発生し湿度が高くなります。
また除湿運転をしているときも、湿度の高い空気を吸い込んで湿気を取り排出するので、エアコン内部の湿度が高くなります。
運転モード | エアコン内部の湿度 |
---|---|
冷房 | 上がる |
除湿 | 上がる |
暖房 | 下がる |
送風 | 下がる |
運転モードによってエアコン内部の湿度は上がったり下がったりします。
エアコン内部の湿度を下げたいときは暖房モード、送風モードを使いましょう。
【栄養】カビのエサになるホコリや汚れが溜まりやすい
エアコンは室内の空気を吸い込んで温度や湿度を調節し、排出します。
室内の空気を吸い込む関係上、空気中に含まれているホコリやカビの胞子がエアコンの内部に溜まっていきます。
ホコリや汚れはカビが繁殖するための栄養になります。
適度な温度と湿度、そして栄養があるためエアコン内部にはカビが繁殖しやい環境といえます。
エアコン外側からカビが見えたら内部はカビだらけ
エアコンのカビは基本的に内部のパーツから発生します。吹き出し口に黒い点々のカビが見えた場合、すでにエアコンの内部はカビだらけになっている可能性が高いです。
特にカビが生えやすいのは、熱交換器(フィン)、ドレンパン、送風ファンです。自分で掃除できる代表的なパーツであるフィルターには、通常あまりカビは生えません。
パーツ | カビの生え方 | 自分で掃除 |
---|---|---|
熱交換器(フィン) | 結露の発生源。ホコリが付着しやすくカビも生えやすい。 | × |
ドレンパン | 結露水の受け皿。濡れている時間が長くカビが生えやすい。 | × |
送風ファン | 熱交換器やドレンパンからカビが広がる。 | × |
吹き出し口 ルーバー |
内部の部品で発生したカビが広がる。 | ○ |
これらのパーツは掃除するのに分解や高圧洗浄が必要で、自分で掃除するのは難しいです。カビが生えてしまったら、吹き出し口以外の箇所はプロにエアコンクリーニングを頼むのがおすすめです。
お掃除機能付きエアコンにもカビ対策は必要
お掃除機能付きのエアコンは、自動でフィルターのホコリを掃除してくれます。
しかし最もカビが生えやすいのは、ドレンパンや送風ファンなど自動で掃除ができない内部の部品です。
近年販売されているエアコンには内部クリーン機能が搭載されていますが、こちらも水分を乾燥させてカビが生えにくい環境をつくるだけで、生えてしまったカビを除去する力はありません。
お掃除機能付きエアコンのお手入れについて、プロは以下のようにコメントしています。
お掃除ユニットはフィルターのホコリを自動で集めてくれますが、フィルターに付着した菌やウイルスの除去まではしてくれません。そのためお掃除機能つきエアコンであっても、エアコンを使うシーズンが終わるたびにフィルターを水洗いすることをおすすめします。
エアコンのカビを放置する3つのリスク
エアコンに生えたカビを放置することには3つのリスクがあります。
エアコンのカビを放置するリスクについてもっと詳しく知りたい方は関連記事もあわせてご覧ください。
カビの胞子を含む空気を吸い健康に悪影響が出る
エアコン内部にカビが生えている場合、エアコンを使用することでカビの胞子を含んだ風が部屋中に排出されます。
カビの胞子が含まれた空気を吸い続けると、ぜんそくや肺炎、アレルギー性鼻炎など呼吸器官系の疾病を発症する可能性があります。
子どもやお年寄りなどの免疫力が低い人や呼吸器疾患を持つ人はカビの胞子による悪影響を受けやすいので注意が必要です。
運転効率が下がり電気代が高くなる
エアコン内部でカビが繁殖している場合、栄養となるホコリや汚れが溜まっていると推測できます。
エアコン内部にホコリや汚れが溜まっていると、空気の循環や熱交換の効率が低下します。
すると設定温度まで室温調整をするまでの時間が長くなり、電力消費量が高くなり電気代が高くなります。
近年のエアコンは省エネ性能が高い製品が多いですが、ホコリが溜まっているとせっかくの性能を活かしきれません。
こまめなお手入れをすることで、運転効率を維持し電気代も安い状態を保てます。
エアコンの風がカビ臭くなる
エアコン内部でカビや雑菌が繁殖すると、生臭さや酸っぱい臭いを感じるようになります。
カビの成長や雑菌がエサとなる汚れを分解したときにこれらの嫌な臭いが発生します。
カビ臭さなどのイヤな臭いを感じた場合、原因となるカビや汚れを除去しない限りは臭いは消えません。
エアコンのカビ取りにおすすめの道具
エアコンの吹き出し口の掃除をするときには、分解しなくてもできるだけ奥まで掃除できるようなアイテムを利用しましょう。
市販の道具のほか、家にあるものでも掃除道具を自作できます。
エアコンのカビ取りにおすすめの市販のアイテム
エアコンのカビ汚れを掃除するときは、吹き出し口の奥まで届く細長いモップを使うと効率的に掃除ができます。
吹き出し口の掃除用に販売されているおすすめ製品を紹介します。
ワイパー本体に防カビ効果のある付属シートを取り付けて拭きます。
シートは使い捨てなので、毎回洗う手間がなく手軽に掃除できるでしょう。
ただし長年こびりついた頑固な汚れは落としきれなかったという口コミも見られました。
本体もシートも薄めのつくりで、強く拭くと折れてしまう可能性があるので、軽く拭き取れる初期のカビ汚れにおすすめです。
塩素系カビ取り剤は使わない
「カビ掃除といえばカビ取り剤」と考える人も多いですが、エアコンに生えたカビを取るときにはカビ取り剤は使わないようにしましょう。
カビキラーやカビハイターなどの塩素系カビ取り剤は刺激が強く、エアコンの素材にも大きなダメージを与えてしまいます。
エアコンの中でカビが生えやすいパーツのひとつにフィルターが挙げられます。
フィルターのカビを取るために塩素系カビ取り剤を使うと、塩素の成分を十分に落とせなかった場合の健康被害リスクが大きくなります。
塩素の成分が部屋中に拡散してしまい、吐き気やせき込み、めまいなど様々な症状を引き起こす可能性があるのでご注意ください。
エアコンのカビを取りたいときは中性洗剤を使うか、エアコンクリーニングを依頼しましょう。
【10分でできる】吹き出し口のカビの掃除手順
エアコンの風が出てくる吹き出し口や風向きを調整するルーバーの掃除は10分ほどで簡単にできます。
手順は以下の通りです。
① エアコンの電源プラグを抜く
掃除を始める前に、コンセントからエアコンの電源プラグを抜きましょう。
エアコンに電気が通っている状態で掃除をすると、作業中に運転が開始されケガをしたり、感電したりするおそれがあります。
② 手で風向ルーバーを開く
上下方向の風向きを調節する横長のルーバーを手で開きます。
力を込めると破損するおそれがあるので無理やり動かすのではなく、ゆっくり開くようにしましょう。
特に製造から年数が経過しているエアコンはプラスチックが劣化しているので注意が必要です。
なお三菱電機「霧ヶ峰」シリーズなど一部製品はルーバーを取り外せることがあります。
③ 濡らしたモップや雑巾で吹き出し口とルーバーを拭く
こびりついた黒カビは乾拭きだけでは落としきれません。
まず固く絞った濡れ雑巾やモップで水拭きをします。
それでもカビが取れない場合、中性洗剤を含ませて拭いてみましょう。
使う道具は雑巾やウェットティッシュでも良いですが、吹き出し口の掃除用に販売されているモップを使うと、奥のほうやルーバーの細かい部分のカビまでカンタンに掃除できます。
④ 吹き出し口の水分を乾いた布で拭き取る
濡れ雑巾やお掃除棒で吹き出し口やルーバーを掃除した場合、水分がパーツに残っています。
乾拭きをして余計な水分を除去してください。
送風モードを使うと効率よく水分を飛ばすことができます。
中性洗剤を使った場合は成分が残らないように一度水拭きをしてから念入りに拭き取りましょう。
残った洗剤成分はこびりついてカビのエサになり、汚れが悪化してしまいます。
【25分でできる】フィルターのカビ掃除手順
フィルターの掃除は25分ほどでできます。
フィルター掃除が必要な理由について、プロは以下のように解説しています。
フィルターにはホコリだけでなく、部屋の空気に含まれている菌やウイルスが付着しています。フィルターを掃除せずに放置すると、菌やウイルスが集まった場所から吹き出す風を浴びることになってしまいます。エアコンのシーズンが終わるたびに、中性洗剤とスポンジを使ってしっかりフィルターを洗浄しましょう。アルコールがある場合は、アルコールを吹きかけて除菌するのもおすすめです。
フィルター掃除の手順は以下の通りです。
① エアコンのコンセントプラグを抜く
感電防止のためコンセントプラグを抜いてから作業を開始します。
コンセントを刺したまま作業を開始すると、予期せぬタイミングで運転が開始されケガをするリスクもあるのでご注意ください。
② フィルターを取り外す
本体カバーを開けて、フィルターを取り外します。
ホコリがたくさんついている場合、そのまま取り外すとホコリが飛び散ってしまいます。
取り外す前に軽く掃除機をかけることをおすすめします。
③ フィルター表面のホコリを掃除機で吸い取る
フィルターを取り外したら、庭やベランダなど汚れても良い場所に移動してフィルターの掃除をします。
フィルター表面に掃除機をかけ、ホコリを吸い取りましょう。
使用年数が長いエアコンでは素材が経年劣化しておりフィルターのプラスチックの骨組みが折れてしまう恐れがあるので、慎重に掃除機をかけてください。
④ フィルターの裏面からシャワーを当てる
次に風呂場や洗面台でフィルターをシャワーで水洗いをします。
熱湯をかけるとフィルター変形の原因になるので気を付けましょう。
フィルターの裏側からシャワーを当てて、表面に残っているホコリを押し出します。
⑤ 細かいホコリやカビを歯ブラシでやさしくこする
シャワーだけで落とし切れなかったホコリやカビは、中性洗剤を含ませた歯ブラシなどで優しくこすり洗いをしましょう。
力が強すぎると網目が崩れてしまうので、優しくかき出します。
黒カビが生えている場合は塩素系カビ取り剤を使っても構いません。
塩素系カビ取り剤を使うときは必ず水で薄めて濃度を下げ、古歯ブラシにつけてこすりましょう。
⑥ タオルで水気を取り半日ほど自然乾燥させる
フィルターをタオルでやさしく挟み、水気を拭き取ってから半日ほど自然乾燥させましょう。
早く乾かそうとして直射日光にさらしたり近距離でドライヤーの温風を当てたりすると、フィルターが変形するおそれがあります。
また生乾きの状態で戻すと、エアコン内部の湿度が上がりカビの好む環境になってしまいます。
完全に乾いたことを確認してから取り付けるか、取り付け後に送風運転を30分ほど行って乾燥させましょう。
エアコン内部のカビ取りはプロにクリーニングを依頼しよう
フィルターよりも奥にある部品やパーツのカビが気になっても、自分でカビ取り掃除をすることはおすすめしません。
エアコン内部は電装部品など水濡れ厳禁のパーツがあるほか、知識のない人が分解すると元に戻せなくなるリスクがあります。
エアコン内部まで洗浄してほしいのであれば、プロにエアコンクリーニングを依頼しましょう。
エアコンのカビ取り掃除でやってはいけないこと
エアコンのカビ取り掃除ではやってはいけないことが3つあります。
知らないとついやってしまいがちなことなので、エアコンの掃除をする前に必ず確認しておきましょう。
電装部品に水や洗剤・アルコールをかける
エアコン内部には電装部品という、水濡れ厳禁のパーツがあります。
多くのエアコンではカバーを開けたときの正面右側に電装部品があります。
電装部品に水や洗剤、アルコールをかけてしまうと本体故障や火災発生リスクがあります。
自分で掃除をするのはフィルターや吹き出し口のみにし、内部のパーツに水などがかからないようにしましょう。
自分でエアコンを分解する
エアコンの分解洗浄を業者に依頼するとどれだけ安くても8,000円は下回りません。
そのため安くきれいにしようと自分でエアコンを分解し、洗浄しようと考えるかもしれません。
実際のところ、エアコンの分解そのものには専門知識等は必要なく、工具さえあれば比較的簡単にできます。
問題は再組み立てです。安全にエアコンを使用できるように組み立てるには専門知識が必要不可欠なので、自分でエアコンを分解して洗浄をすることはおすすめできません。
市販の洗浄スプレーを使う
ホームセンターやドラッグストアにはエアコン内部を洗浄できるとうたっているスプレータイプの洗浄剤が販売されています。
エアコン洗浄スプレーは数百円程度で購入できるため、エアコンクリーニングを依頼するよりもコストパフォーマンスが高いと考えるかもしれません。
しかしエアコン洗浄スプレーはメーカーもエアコンクリーニング業者も使用を推奨していません。その理由について、プロは以下のように回答してくださいました。
プロのエアコンクリーニング業者が使用している洗浄機と違い、市販の洗浄スプレーや家庭用の霧吹きなどでは、洗剤を十分に洗い流すための水圧が足りません。どうしても汚れを含んだ洗剤がエアコン内部に残ってしまうので、むしろカビの増殖を悪化させる可能性が高いです。
また、洗剤によってカビを死滅させられたとしても、殺菌作用をもった強力な洗剤がエアコン内部に残り、エアコンをつけたときにその成分が風に乗って部屋に拡散されてしまうことになります。
エアコンをきれいにするためにスプレーを使ったはずが、かえってカビや汚れを増やしてしまったら本末転倒です。
洗浄スプレーはなるべく使わない方が良いでしょう。
エアコンのカビを予防するための7つの習慣
エアコン内部でカビが繁殖しづらくするためには以下7つのことがらを習慣づけることが重要です。
カビの繁殖を抑制する上で大切なのが、湿度を下げ栄養を除去することです。
紹介する対策を実行することで湿度を下げ、カビに栄養を与えない環境を構築できます。
① 内部クリーン運転でエアコンを乾燥させる
湿度が80%以上の環境ではカビが大繁殖をします。
冷房運転、除湿運転後は内部クリーン運転でエアコン内部を乾燥させましょう。この方法はプロもおすすめしています。
カビは水気の多い場所で繁殖力を高めるので、冷房運転を切った後にエアコン内部を乾かす習慣をつけましょう。内部クリーン機能がついているエアコンであれば、自動的に作動するように設定しておくと便利です。内部クリーン機能がない場合は、冷房を切った後に1時間ほど送風か暖房運転をつけておきます。
② エアコンを使う時期は2週間に1度フィルターを掃除する
酷暑の影響もあり、夏場は1日中エアコンを稼働させている家庭がほとんどです。
長時間使えば使うほどエアコンのフィルターに多くのホコリが溜まってしまうので、エアコンをよく使う夏場は2週間に1度を目安にフィルター掃除をしましょう。
オンシーズンのフィルター掃除は、表面から掃除機でホコリを吸い取るだけで問題ありません。
この方法であれば5分ほどで掃除が完了します。
エアコンのフィルターのお手入れについて、詳しく知りたい方は関連記事もチェックしてください。
③ こまめに部屋を換気する
エアコンをよく使う時期でもこまめに換気をして、室内の空気に含まれているカビの胞子やホコリを屋外に排出しましょう。
換気は1回5分程度で問題ありません。
風の通り道を作るように窓を開け、3~5分ほど換気をしてください。
換気をすることで二酸化炭素濃度も下がるので、「なんだか頭がぼうっとする」と感じたときに換気すると一石二鳥です。
④ エアコンを使わない時期は月1回送風運転をする
エアコンをあまり使わない時期も月1回を目安に送風運転をしましょう。
室内の湿気がエアコン内部に入り込むと、エアコン内部も湿度が上がりカビが繁殖しやすい環境になります。
送風運転を行ってエアコン内部の湿度を下げ、カビの繁殖スピードを遅くしましょう。
⑤ 4~5月にエアコンの試運転をする
エアコンの不具合を早期に発見するためには、オンシーズンになる前に試運転をすることが効果的です。
2024年4月にはシャープがヤフーと共同で「たけのこを見たらエアコンの試運転をして欲しい」という提案をしています。
たけのこを見かけるようになる4月頃に試運転をすると、カビ臭いなどの不具合を発見してもすぐに対処可能です。
エアコンクリーニングや修理の依頼数は7~9月の暑い時期に集中しています。
暑くなる前の4月頃に試運転をすると、不具合があったとしてもエアコンクリーニングや修理もスムーズに受けられます。
余裕があれば暖房運転でも試運転をしてください。
冷たい風を出すときはニオイに気づきにくく、カビ臭に気づけないことがあります。
暖房運転であればイヤな臭いに気づきやすくなるので、もしカビが繁殖していても早い段階で気づけます。
一般的に、空気が冷たいほど臭いを感じにくく、あたたかいほど臭いを感じやすいです。つまり冷房をつけている時期は、カビの臭いも冷たい空気で抑制されていて気づきにくいのです。冬は別の暖房器具を使っていて、エアコンを夏にしか使わない方は、カビに気づきにくく汚れが進行してしまう可能性があります。
⑥ エアコン使用中はアロマを焚かない
揮発したオイルがエアコン内部を汚すことがないよう、エアコン使用中はアロマを焚くことを控えましょう。
アロマとエアコンは一見かかわりが無いように見えますが、使い方によってはエアコンを汚れさせる原因になってしまいます。
アロマがエアコンに悪影響を及ぼすイメージがない方が多いかもしれませんが、アロマオイルが揮発して良い香りになった空気は、そのままエアコンに吸い込まれ、内部をベタベタにしてしまいます。アロマを頻繁に焚いていたお客様のお宅は、強力なアルカリ性洗剤を使わないと落ちないほど油分の汚れがひどいケースがありました。
火を使うアロマポッドはもちろんのこと、電動のアロマディフューザーも蒸発した水にオイルが含まれています。
アロマを焚くときはエアコンを切るか、油汚れが固着しないように中性洗剤を使ってこまめにフィルター掃除をしましょう。
⑦ エアコン使用中に焼肉など油が多い調理をしない
ホットプレートや卓上コンロを使って焼肉などの調理をすると、大量の油が出ます。
エアコン使用中に焼肉等をすると、揮発した油がエアコンに吸い込まれてしまいます。
フィルターに付着しているホコリに吸い込まれた油が付着すると取りづらい油汚れに変化します。
焼肉など油が大量に発生する調理はエアコンを使用していないタイミングで行いましょう。
ホットプレートや卓上コンロでの調理は便利ですが、キッチンの換気扇よりもエアコンが近い位置で調理することになるので、煙や油を含んだ空気がエアコンのほうに吸い込まれてしまいます。
また、キッチンの真横にエアコンがある場合、料理の油を吸い込んでしまいやすいです。お部屋の構造上どうしても汚れやすいので、定期的にエアコンクリーニングを依頼することを心がけましょう。
エアコンのカビ予防に効果的なアイテム4選
エアコンにカビを生やさないためにはこまめに掃除をするだけでなく、カビを抑制するアイテムを使うことも重要です。
簡単にカビを抑制できるアイテムを4つご紹介します。
Panasonic「わさび防カビパック CZ-SW5A」
Panasonicから販売されている、わさびの成分でカビの発生を防ぐ製品です。
エアコンのフィルターに取り付けて使用します。
カビ予防のみならず、エアコンのイヤなにおいもカットしてくれます。
わさびの成分と言われると「使っているときにわさびのにおいがするのでは?」と思われる方もいますが、使用中にわさびのにおいがすることはないのでご安心ください。
「年に1回取り替えるだけでカビの発生を抑えられている」という口コミが多く寄せられているので、できるだけ費用をかけずにエアコンのカビを抑制したい方におすすめです。
コジット「パワーバイオ エアコンのカビきれい」
エアコン上部の吸気口に貼りつけて使用し、3か月を目安に交換します。
お風呂やシンク下、窓など家中のさまざまな場所に合わせたシリーズ製品も販売しているので、エアコン以外もまとめてカビ対策をしたい方におすすめです。
東洋アルミ「ウイルス対策ホコリとりフィルター」
エアコンの吸気口に貼るフィルターです。
カビの栄養となるホコリや花粉の侵入を防ぎ、エアコン内部をきれいに保ってくれます。
フィルターを貼りつけても、冷房・暖房・除湿・送風すべてのモードが使えるので、「フィルターを貼りつけると使えないモードがあるのでは?」と不安に思っている方にもおすすめです。
エアコンのほかに空気清浄機にも張ることができます。
スターフィルター「カビブロックバイオ酵素フィルター」
カビや菌を無力化する「溶菌酵素」がフィルターに配合されており、フィルターがキャッチしたホコリに混ざっているカビや細菌の働きを99%抑制します。
エアコンの吸気口や本体カバー下のフィルターに貼りつけて使います。
静電気の力で細かいチリやホコリも逃さず、ホコリのキャッチとカビの無力化の両面に優れています。
自分で掃除できないエアコン内部のカビはプロにクリーニングを依頼しよう
エアコンクリーニングを依頼するもっとも大きなメリットは、分解洗浄でエアコンの隅々まできれいにしてもらえることです。エアコンクリーニングの洗浄にはいくつか種類があり、どれが適しているかはエアコンの汚れ具合によって異なります。
エアコンクリーニングを依頼する前に知っておきたいことを解説します。
エアコンクリーニングを依頼する頻度とおすすめの時期
エアコンクリーニングを定期的に行うことでエアコン内部を清潔な状態で保つことが可能です。
エアコンクリーニングを依頼する頻度やおすすめの時期について、ミツモアで活躍中のプロは以下のようにコメントをくださいました。
エアコンクリーニングを依頼する頻度について
どこまで汚れている状態を許容できるかにもよりますが、清潔でほとんど汚れのない状態を保ちたい場合、リビングのエアコンなら1年に1回はクリーニングするのがおすすめです。多少汚れていても構わないので、2~3年に1回のペースで依頼するというお客様もいらっしゃいます。
エアコンクリーニングにおすすめの時期について
エアコンクリーニングを依頼するのにおすすめな時期は2月・9月・10月ごろです。依頼が立て込んでいないので予約が取りやすく、エアコンクリーニング業者も1件1件の依頼に対して余裕をもって丁寧に対応できる可能性が高いです。また、中には繁忙期と比べて料金を安く設定している事業者もいます。
エアコンクリーニングの料金相場
(どの分解洗浄が適切か判断する基準)
複数台の依頼なら安くなる場合も
エアコンクリーニング業者の探し方
エアコンクリーニング業者を探すときは相見積もりを取りましょう。
相見積もりを取ることで価格競争が起こり、高品質なサービスを低価格で受けられます。
相見積もりを取ってエアコンクリーニング業者を探すときは以下のポイントに気をつけましょう。
- 3~5社を目安に見積もりを取る
- 基本料金とオプション料金の区別は明確かチェックする
- 口コミ評価・レビューで似たような悪評がないかチェックする
- 保証・アフターサービスの有無と範囲を確認する
相見積もりを取るときは一括見積もりサービスを活用しましょう。
ミツモアではエアコンの種類や自動お掃除機能の有無など、簡単な質問に答えるだけで最大5件の見積もりを受け取れます。
気になったプロとはアプリ内チャットでやり取りをするので、電話やメールでのやり取りが苦手という方にもおすすめです。
エアコンは冷たい(あたたかい)空気を吐き出す家電というイメージが強いですが、実は排出する空気と同じ量の空気を吸い込んでいます。つまり、部屋の空気中に含まれるホコリやペットの毛、汗、油汚れなどはエアコン内部に吸い込まれ、混ざり合って汚れになっているのです。