エアコンに黒カビが発生するのはなぜ?
特に夏場のエアコンの内部は高温多湿で「黒カビ」が発生しやすい環境です。送風と室温の温度差などで結露ができ、湿気がたまります。そこへホコリなどが溜まり、カビの養分となるのです。
エアコンのカビを吸うとどうなる?
カビは胞子を飛ばすので「咳が止まらない」「アレルギー症状」などの健康被害をもたらすこともあります。
特に夏場のエアコンの内部は高温多湿で「黒カビ」が発生しやすい環境です。送風と室温の温度差などで結露ができ、湿気がたまります。そこへホコリなどが溜まり、カビの養分となるのです。
カビは胞子を飛ばすので「咳が止まらない」「アレルギー症状」などの健康被害をもたらすこともあります。
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エアコンはカビが生えやすい環境が整っています。ふとエアコンの中をのぞいたとき、いつの間にか黒カビだらけになっていることも少なくありません。
カビが繁殖する条件は、「温度」「湿度」「養分(ホコリ・汚れ)」の3つが必要です。エアコン内部はこの3つの条件ががそろいやすく、おもに「黒カビ」という種類のカビが発生します。
カビは気温5℃以上の環境なら繁殖することができますが、とくに活発になりはじめるのは20~30℃のときです。人間が快適に過ごせる室温が20~28℃くらいなので、エアコンを使って室温調整しているときにはカビにとっても過ごしやすい環境になっています。
とくに梅雨から夏にかけては、冷房や除湿を使うことによってエアコン内部の水分が豊富になるので、カビにとっては格好の繁殖場所になるのです。
空気中の湿度が80%以上になると、カビが活発に繁殖します。しかし梅雨時期をのぞけば、湿度が80%を超えることは多くありません。それでもエアコンにカビが生えるのは、カビが発育に使うのは空気中の水分ではなく、付着したエアコン表面の水分です。つまり、湿度60%を超えるとカビの繁殖がみられるようです。
エアコンのカビが発生しやすくなるのは、5~6月の梅雨時期と7~9月までの「冷房運転」や「除湿運転」を頻繁におこなう時期です。「除湿」運転でもエアコン内部に結露が発生し、水がでているので注意しましょう。
カビはホコリやゴミなどの汚れを養分とします。エアコンが吸い込む部屋の空気中には、ホコリや油などの汚れ、カビが含まれるので侵入しやすいのです。またフィルターでとらえきれない小さなホコリやカビ菌がエアコン内部に入り込みます。内部に溜まったホコリがカビの養分(エサ)となり繁殖していきます。
カビは真菌類と呼ばれる微生物の一種です。カビは胞子を飛ばし、上記条件がそろった場所に付着して発生します。
カビの種類は約10万種類ともいわれ、室内には数百種類のカビが生息していると言われています。目には見えないのですが常に空気中に浮遊し、至るところに存在しています。
エアコン内部にカビが生えているかどうか確認方法を紹介します。
とくに「送風ファン(シロッコファン)」「熱交換器(フィン)」「ドレンパン」の3か所はカビが繁殖しやすい場所です。目に見える範囲を掃除しても、カビは除去しきれないので注意しましょう。
熱交換器(フィン)の奥には、円筒状の「送風ファン(シロッコファン)」があります。冷暖房の風を送るための部品です。カビが生えていても見えづらく場所ですが、カビが生えやすい場所です。
もし吹き出し口や熱交換器(フィン)表面に黒い点々(カビ)が見えているときには、送風ファンにもカビが繁殖している可能性が考えられます。エアコンからの臭いが気になったらプロのエアコンクリーニング業者に連絡して洗浄してもらいましょう。
自分で掃除したい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
熱交換器(フィン)は、フィルターを取り外すと見えるアルミ製の部品です。
取り込んだ空気の温度を調整するパーツなので、空気中の水蒸気が冷やされて結露が発生し、水が溜まりやすくなります。フィルターでとらえきれないホコリや汚れも入り込むことで、カビが発生します。
熱交換器(フィン)も基本的にはプロのエアコンクリーニング業者に洗浄を依頼しましょう。自分で作業したい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
ドレンパンはエアコン内部で発生した水の受け皿です。水と一緒にホコリや汚れもドレンパンへ流されるので、ここにカビが付着すると繁殖しやすくなります。
またドレンパンにホコリや汚れが詰まると排水できなくなり、水漏れの原因になることもあるので注意しましょう。
ドレンパンは基本的に取り外すことができないので、カビを除去したい場合はエアコンクリーニング業者に依頼する必要があります。
関連記事:エアコンのドレンパンとは? | ミツモア |
エアコンにカビが繁殖すると、送風ファン・熱交換器(フィン)・ドレンパンなどの内部で増えていきます。市販のエアコンクリーナーを使えば自分で対処することもできますが、基本的にはプロの事業者に依頼して洗浄・除菌してもらうのがオススメです。
メーカーは、洗浄クリーナーやスプレーを使った内部洗浄を推奨していません。エアコン内部の電気基盤にスプレーがかかると故障を招いてしまい、エアコンクリーニングを依頼するよりも高い修理費用がかかります。また洗浄スプレーの洗剤が流しきれずに、かえってカビの養分になってしまうケースも少なくありません。さらに、自分で作業してエアコンを故障させてしまうと保証対象外となります。
一方でプロのクリーニング業者はエアコンを分解して、専用の洗浄液と高圧洗浄機を使ってカビを除去します。抗菌・防カビコートをオプションでつけることもできるので、カビ予防対策も対応してくれまる。エアコンを長く使いたいなら、内部のカビ除去はプロの事業者に依頼しましょう。
【参考】 |
エアコンクリーニングの費用相場は、以下が一般的です。
家庭用エアコン1台 | 8,000~12,000円 |
お掃除機能付きエアコン1台 | 13,000~18,000円 |
天井埋め込み型エアコン1台 | 15,000~18,000円 |
消臭抗菌コート(オプション) | 1,000~2,000円 |
室外機洗浄(オプション) | 3,000~4,000円 |
上記はルーバー、フロントパネル、フィルターだけを分解する場合です。完全分解してほしい場合は約1万円ほど相場が上がりますが、ドレンパンなど奥の部品までキレイにできます。
また2台目以降は、1,000円前後の割引がつくことが多いので、複数台のエアコンがある場合はまとめて依頼するしましょう。
カビの再発を予防するために消臭抗菌コートをつけるとベターです。約2,000円ほどで施工できます。せっかくクリーニングを依頼するならあわせて検討してみましょう。
ひとえにエアコンクリーニングのプロといっても、技術力や知識によって仕上がりや対応は違います。以下の流れで依頼先を決めましょう。
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料金やサービス内容は見積もりをもらうまで分からないので、事前にプロの事業者を複数比較しておくのが大切です。自分で問い合わせをするのが面倒なら、一括見積もりサービスを利用するのがオススメ。
ミツモアも無料で最大5件の見積もりを受け取ることができるので、エアコンクリーニング業者をお探しの際はぜひお試しください!
アパートやマンションなど賃貸物件の場合は、自己判断でエアコンクリーニングを依頼せず、まず大家さんか管理会社に相談しましょう。
もしもエアコンクリーニングの際に床や壁が破損したり、エアコンが故障したりすると、自己負担での修繕になってしまうのが一般的です。
また大家さんや管理会社がクリーニング費用を負担してくれるケースもあるので、無料でカビを除去してもらえることも。賃貸物件の管理者に問い合わせましょう。
エアコン内部にカビを発見してすぐにエアコンクリーニング業者に依頼しても、時期によってはすぐに対処できないこともあります。そんなとき、なるべくカビの影響を受けないための応急処置をしましょう。
エアコン内部にカビが発生していると、運転開始したときに胞子がいっきに吐き出されてしまいます。エアコンがカビ臭いときや、内部のカビが視認できるときには、最初の10分ほどは窓を開け、部屋を換気しながら運転しましょう。カビの胞子を室外へ逃がすことにつながります。
カビは湿度が高い環境を好みますが、反対に乾燥には弱いのが特徴です。そのためエアコンの設定温度を最大にした状態で暖房運転すると、ある程度カビを不活性化させることにつながります。
ただしカビが完全に死滅するわけではないので、あくまで応急処置です。しっかりエアコンクリーニングをおこない、カビを退治しましょう。
エアコンの稼働中、どうしてもカビの臭いが気になる場合は、設定温度を下げることで改善できるかもしれません。
気温が低い状態だと、ニオイの原因となる成分が蒸発しにくくなるので、人間の鼻まで届きにくくなります。
目安は室温が27℃以下の状態にすることです。ただしこちらも「ニオイを感じにくくなる」だけで、カビが消えるわけではないので注意してください。
自分でできるエアコンのカビ掃除は、フィルターと吹き出し口周辺です。市販のエアコン掃除スプレーを使えば内部洗浄できますが、カビの再発や故障リスクがあるのでオススメできません。
どうしても洗浄スプレーを使って内部掃除したい場合は、以下の記事を参考にしてリスクも理解したうえで実践してみてください。
エアコン掃除に必要な道具は、上記のとおりです。家にあるものだけでエアコン掃除ができます。
掃除する前は、必ずエアコンの電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。水がかかってしまうと漏電などの事故につながる恐れがあります。
まずはエアコンの本体カバー(フロントパネル)を開けて、フィルターを取り外しましょう。
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フィルターの汚れがひどい場合は、そのまま取り外すとホコリや汚れが飛び散ってしまいます。先に掃除機をかけてから取り外しましょう。
水洗いをするときのコツは、フィルターの裏面から水を当て、ホコリが目詰まりしないようにすることです。
ホコリや汚れが目立つ場合はキッチン用の中性洗剤もしくは市販のフィルタークリーナーを使い、歯ブラシで優しくこすり洗いしましょう。
水分が残ったままだとカビが再発しやすいので、半日ほどしっかり乾燥させてください。
フィルターを取り外すと、熱交換器(フィン)表面が見える状態になります。せっかくなので、一緒に掃除しましょう。
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熱交換器(フィン)はアルミ製で、強い力を加えるとすぐに変形するので注意しましょう。変形すると、故障の原因になります。
(市販の洗浄スプレー、クリーナーによる作業はメーカーは推奨していません。スプレー掃除する場合、正しい理解をして作業しましょう)
ルーバーや、吹き出し口周辺も拭き掃除しておきましょう。
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ルーバーとは風向を調節する羽部分のことです。カビが生えていなかったとしてもホコリが溜まりやすいので、乾拭きしましょう。
吹き出し口に黒い点々(カビ)がついている場合は、手が届く範囲で拭き取りましょう。手が入りにくい場所は、お掃除棒(割りばしにキッチンペーパーを巻き、輪ゴムで固定するだけ)なので便利です。
無理に手をつっこみすぎると内部部品が破損する恐れがあるので、あくまで手の届く範囲の掃除にとどめてください。
エアコンのカビを防ぐには、「温度」「湿度」「養分(ホコリ・汚れ)」に注意することが必要です。予防する方法を4つ紹介します。
エアコンの冷房や除湿を使ったあとは、「送風モード」または「内部クリーン」機能を使って内部を乾燥させましょう。
送風モードでは風の温度を変えずに風を出すので、熱交換器(フィン)などについた水を乾燥させることができます。
また内部クリーンは、自動で送風・弱暖房を使って内部を乾燥させる仕組みです。乾燥が終わったら自動でOFFになるので便利。エアコンに内部クリーンがついている機種なら、毎回のエアコン使用後に使いましょう。
冷房や除湿で発生する水分は防ぐことができなくても、カビの養分となるホコリや汚れは掃除することができます。1~2週間に1回フィルター掃除をするのが理想です。難しければ、1か月に1回はフィルターを掃除しましょう。
ちなみに自動お掃除機能付きのエアコンも、フィルター掃除しなくても定期的にお手入れが必要です。ダストボックスのゴミを除去してください。
エアコンのフィルターを掃除することで空気が通りやすくなり、冷暖房の運転効率を上げることにもつながります。消費電力を削減できるので節約にもなり、一石二鳥ですね。
窓を開けて換気すれば、部屋の湿度を下げることが可能です。部屋の換気はホコリを外へ逃がす効果もあるので、フィルターの汚れ予防にもなって一石二鳥です。
ただし、雨天時や梅雨など、屋外のほうが湿度が高い場合は換気が逆効果になってしまうこともあるので注意しましょう。その場合は除湿器を使用しましょう。
また部屋のホコリは空気清浄機を活用するのも有効です。
本格的にエアコンが活躍するシーズン前には試運転をして、エアコンの状況を確認しましょう。
夏の暑くなり始めにカビの発生がわかっても、プロの事業者が混みあって急ぎの対応が難しいケースがあります。
エアコンにカビが生えていたら放置は厳禁です。部屋中にカビが広がったり、カビによって病気やアレルギー症状を引き起こす健康被害のリスクが高まります。
カビが付着した場所に「温度」「水分」「養分」がそろっている状態だと、2~3日もすれば目に見えるほどの塊(かたまり)になります。
1週間もすれば、胞子(ほうし)をまき散らしはじめて、胞子が付着した場所にはまた新しいカビが発生します。
エアコン内部にカビが発生すると冷暖房の風に乗って部屋中に胞子を拡散することになります。ホコリの多い押入れなどに胞子が付着して、さらにカビが拡大します。
エアコンからまき散らされたカビの胞子を吸い込むと、体調不良を引き起こす恐れがあります。咳や鼻炎、目のかゆみなどアレルギー症状を引き起こし、「肺アスペルギルス症」という発熱や胸痛を引き起こす病気になってしまうことも。
呼吸器系が弱い方や強いアレルギー体質の方、免疫力の弱いお子さまや赤ちゃんも注意が必要です。
【疾患名】 | 【主な症状】 |
アレルギー性鼻炎 | 鼻水・くしゃみ・咳などが頻繁に出る |
気管支喘息 | カビの胞子を吸い込み続けると気管支が炎症を起こし、呼吸しづらくなる、咳が止まらなくなるなどの症状が出る |
アトピー性皮膚炎 | かゆみを伴う湿疹、ブツブツと盛り上がった湿疹などが現れる |
夏型過敏性肺炎 | 発熱・咳・倦怠感が現れ、在宅時間が長いほどかかりやすい。放置して5年経過すると、肺の組織が硬くなり縮む可能性がある |
肺アスペルギルス症 | 発熱、胸痛、呼吸困難などの症状が出る |
エアコンのカビが原因の恐れがある病気の記事に関しては下記を参考にしてください。
エアコンは、室内機から取り込んだ空気を、室外機に送って温度を調整しています。しかし室外機に送られるのは、実際には空気の「熱」だけ。そのためエアコン内部にカビが生えていても、室外機が原因になっていることはありません。
しかし室外機に汚れが詰まっていると、冷暖房のときに取り出した熱をうまく排出しにくくなります。すると通常よりも強くをエアコンを稼働させることになるため、余計に電力を消費してしまい、電気代がかかる要因になります。
そのためエアコン本体にカビが生える原因になることはありませんが、できれば半年に1回は室外機も掃除するのが理想です。プロにエアコンクリーニングを依頼する場合は、室外機洗浄のオプションをつけてみてはいかがでしょうか。
この記事ではエアコンに生えるカビについて、発生原因から対処法まで紹介してきました。
「今すぐにでもカビを除去したい」と思った方は、プロのエアコンクリーニング業者に依頼するのがおすすめ。専用の薬剤や高圧洗浄機を使って、徹底的にカビを除去してくれます。
ビックリするほど大量の黒い汚水が出てくるので「今までこんなエアコンを使っていたのか……」と感じる方も多いはずです。
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