突然エアコンから水漏れが!それは結露が原因かもしれません。エアコンの結露防止はエアコンの仕組みを理解することが第一歩。水漏れしても軽度であれば、自分で対応できる場合があります。
この記事ではエアコンに結露が発生する仕組みや原因、日頃からできる防止方法について解説します。
エアコンに結露の水滴が!その原因は?
エアコンの結露は、もともと本体の内部で発生するものです。しかし、使い方や使用環境、ケアの仕方によって、結露が漏れ出てくることがあります。
ここではエアコンに発生する結露のさまざまな原因について解説していきます。
結露の原因はエアコン内外の空気の温度差
エアコンの結露は、室内機内部の空気と室温の温度差によって生じます。
エアコンは室内の暖かい空気を取り込んで内部の熱交換器(フィン)で冷却し、低温にしてから冷風として室内に出す仕組みで部屋を冷やしています。
また空気は温かいほど多くの水蒸気を含むことができる性質があります。エアコン内で空気が冷やされると、空気中にいられなくなった分の水蒸気が水分に変わって結露が発生するのです。
この結露は室外機につながる配管を通って排出される仕組みになっているため、正常に稼働していれば結露がエアコン本体の外に漏れ出てくることはありません。
しかし、室内温度と設定温度に大きな差があったり、エアコン内部の汚れや異常があったりすると、必要以上に結露が発生してしまいます。そのため、吹き出し口や室内配管に水分がみられるようになるのです。
吹き出し口の結露はフィルター汚れが原因
エアコンの吹き出し口に水滴が付くことがあります。これはフィルターの汚れが大きな原因のひとつです。
溜まった汚れが邪魔をして室内の空気をうまく取り込めず、空気の流れが悪くなることで、冷却された空気がエアコン内に滞留してしまいます。
吹き出し口付近で、室内のあたたかい空気とエアコン内で冷却された空気がぶつかって温度差ができ、結露を発生させるのです。
室内配管に結露が発生することも
エアコンには室内機と室外機を結ぶ配管があり、この配管で結露が発生することがあります。
室内配管は冷却された空気の通り道になるため、エアコン運転時には5~10℃位に温度が下がります。この配管の温度と室内の温度の差が原因で結露が生じるのです。
これを想定して、通常は施工の際に、配管に断熱材を巻くことで結露対策しています。
しかし、施行不良だったり、長い間使用するうちに断熱材が破れたりすると、配管に結露が発生する場合があるのです。
大量の水漏れの場合は別のところに原因があるかも・・・
エアコンから大量の水漏れが発生した場合は、結露以外にもさまざまな問題がある可能性があります。
それぞれの原因について見ていきましょう。
エアコン内部に溜まった埃が原因
エアコン内部に埃が蓄積され配管への水の流れをせき止めた結果、大量の水がエアコン内部に溜まります。このとどまった水が吹出口から漏れ出ている場合があります。
その際はエアコンの中をしっかり掃除して埃を取り除くことが第一です。
汚れを取り除く際に部品を傷つけたり、濡らしたりすると故障の原因になる部品もあります。汚れがひどい場合や取れない場所に埃が溜まっている場合は、プロのクリーニング業者に掃除を依頼するのがおすすめです。
配管からの水の逆流が原因
正常なエアコン内部では温度差で発生した水分は室内配管を通って室外配管に流れ、外に排出されます。
室外配管に傷が付いて、そこに木の葉などのゴミが詰まったり、配管がねじれたりするなどして排水できなくなると、行き場を失った水が溜まって室内機のほうに逆流します。
このような場合はまず室外配管に異常がないか確認するようにしましょう。
エアコンの結露を防止する4つの方法
毎日の習慣でできる、エアコンの結露を防止する4つの方法を紹介します。
- 設定温度を高くする
- 風量を強めに設定する
- 「結露防止運転機能」を活用する
- ルーバーの角度を上向きにする
故障でエアコンが急に動かなくなった場合、特に真夏の場合は修理業者がすぐに来れるとは限りません。そのためにも普段から結露防止を意識した使い方をすることで故障を予防し、より快適に、より長持ちさせましょう。
設定温度を高くする
結露が目立つ場合は、設定温度をいつもよりも少し高くしてみてください。
猛暑日にスイッチを入れて直ぐに20℃位の極端な低温に設定すると、室温との激しい温度差により結露ができてしまいます。設定温度を適温にすることを心がけましょう。
どうしても設定温度を大きく下げたいときは、設定温度を徐々に下げていくのがおすすめです。最初は28℃に設定し、室内の温度が下がったのを確認してから1~2℃単位で温度を調整するのがよいでしょう。
温度差が少ない状態を保つことができるため、結露ができにくくなりますよ。
風量を強めに設定する
結露を防ぐためには、強めの風量で運転することも効果的です。
夏の暑い室内環境で風量が弱いまま運転すると、部屋を冷たくするまでに長い時間がかかります。その結果、エアコンの吹き出し口付近に冷たい空気が滞留して、結露ができる原因になります。
スイッチを入れてすぐの段階では風量を強めに設定し、ある程度室温が下がってから風量を弱めるのがおすすめです。
「結露防止運転機能」を活用する
エアコンの設定が冷房の状態のままスイッチを消すと、冷え切ったエアコン内部に室内の暖かい空気が入ってくるので結露が発生します。
この結露を防ぐのに便利なのが、エアコンに付いている「結露防止運転機能」です。メーカーによっては「除湿」や「内部クリーン」と表示されているものもあります。これはエアコン内部の水分を除湿する機能で、結露を防ぎ、カビなどの発生を防ぐ効果があります。
やり方はエアコンを使い終わる前にタイマーを設定して30分程度「結露防止運転機能」を使用して除湿させるだけ。
機種によっては設定すると、室内の空気が一定以上の湿度になると自動で除湿してくれるものもあります。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
ルーバーの角度を上向きにする
エアコンのルーバー(吹き出し口の羽板部分)に結露が付着している場合は、ルーバーの角度を上向きに変えましょう。
風向きを調整するルーバー部分が下向きのままだと、エアコンから出てきた冷たい空気が当たり続けて結露が発生しやすくなります。
ルーバーの角度を変更する際は、リモコンで風向きを上向きに設定すればOKです。
エアコンの結露がどうにも気になる際は、ルーバーの向きも確認してみてくださいね。
エアコンの結露対策
エアコンの結露が運転方法で改善しない場合は、内部の汚れが原因の可能性が高いです。
フィルターや冷却フィンを清掃し、空気の通り道を確保しましょう。
結露防止用のアイテムを使った対策方法もあわせて紹介します。
フィルターを掃除する
エアコンの結露がなかなか改善しない場合は、フィルターを掃除しましょう。
掃除の際はホコリを吸い込まないようにマスクをして、屋外で掃除することをおすすめします。
最初にエアコンのふたを取って本体からフィルターを外し、溜まったホコリを掃除機で吸い取って水洗いします。
油汚れなど落ちにくい汚れは中性洗剤を利用するといいでしょう。またフィルターの網に詰まった細かい汚れは爪楊枝などを使うと簡単に取ることができます。
フィルター清掃の際にはエアコンの内部にもホコリが溜まっていたり、水が溜まったりしていないか確認するようにしましょう。もしもホコリが溜まっていたら、しっかりと取り除くことが重要です。
冷却フィン(熱交換器)を掃除する
エアコンを長く使用している場合は、冷却フィン(熱交換器)の汚れも考えられます。冷却フィンが汚れていると、フィルターの時と同様に空気の通り道が確保できません。
フィルターを掃除しても結露が目立つ場合は、冷却フィンを掃除しましょう。
冷却フィンの掃除方法は次の記事で詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
冷却フィンの掃除はエアコン内部に及ぶため、フィルターと比べて養生などの手間がかかります。また洗剤が残るとカビや不具合の原因にもなるので注意が必要です。
自身での掃除が難しい場合は、クリーニング業者に掃除を依頼するのがおすすめです。
自分では難しい箇所はプロの業者によるクリーニングを
自分で行うエアコン掃除は目視できる範囲に限られ、エアコン内部の汚れまでは完全に取り除くことはできません。
無理をして掃除すると故障や不具合の原因にもなりかねないので、掃除が難しいと判断した場合はプロの業者にエアコンクリーニングを依頼するのがおすすめです。
家庭用の壁掛けエアコンの場合、お掃除機能なしの場合は8,000円~12,000円(税込)、お掃除機能付きの場合は13,000円~18,000円(税込)が料金相場です。
業務用エアコンや配管部分の結露対策
業務用エアコンや配管部分に結露が発生している場合は、便利なアイテムを活用した対策も可能です。
業務用エアコンの場合は吹き出し口の設置、配管部分には結露防止テープを貼るのが効果的ですよ。
結露防止用の吹き出し口を設置する
やっかいな結露も人の手で対応できる程度であれば良いのですが、オフィスや店舗で使用する業務用エアコンの場合は、都度対処するわけにもいきませんよね。
そのような場合は、結露防止用の吹き出し口を設置することをおすすめします。
プロペラ型
オフィスや店舗で使用されることが多い、天井取り付け型のエアコン用ファンです。
風車の原理を使って、拭き出し口から出る風でプロペラを動かして風向きを分散させ、吹き出し口の極端な温度低下を緩和します。
また風が分散して出てくるため、室内の温度を効果的に下げることができます。設定温度を余計に下げる必要もなくなるので経費節減にもつながりますよ。
風向き板
吹き出し口に付ける長方形の板状風向き板で風向きを調整すれば、室内の温度を効率的に下げることができます。
各メーカーで様々なサイズを用意しており、値段も1,000円代からありますので、費用を最少に抑えることができます。
結露防止テープを貼る
配管にはエアコンを設置した際に断熱材が巻かれていますが、長期間の使用でテープが破けるといった劣化によって結露を引き起こします。
その際は新しい結露防止用の断熱テープに交換すると改善できますよ。
テープの貼り方
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まずはテープの粘着性を保つためにも、貼り付け部分の汚れを取り除いておきましょう。
そのあとは配管の結露が気になる部分にあわせて、下から上へと巻き上げていきます。
テープが剥がれるのを防止するためにも、巻き終わりの端の部分はビニールテープで止めてくださいね。
エアコンの結露を放置すると起きること
エアコンの結露が目立つにも関わらずそのまま放置しておくと、本体内部の湿度が上昇してカビが生えやすくなります。
健康被害を防ぐためにも、早期の結露対策を心がけましょう。
カビが発生して健康被害につながる可能性
エアコンの結露を長期間放置すると、たまった水分がエアコン内の湿度を上げてカビを発生させます。
そうすると、エアコンから排出される空気にカビの胞子が含まれるようになり、嫌なニオイや喉の痛み、アレルギー発生の原因になります。
エアコン内部にカビを発生させない観点からも、日頃からの結露対策が大切です。
またカビが発生してしまうと自分で対処することが難しいので、業者に依頼してエアコン内部をクリーニングしてもらう必要があります。
【まとめ】結露対策・防止のためにもプロによるクリーニングを
結露対策のためにも定期的な掃除が非常に大切です。
自分で掃除できないところはエアコンを知り尽くしたプロの業者に頼むことで、見えない汚れのほかにも、プロでなければ気づくことのできない微細な異常を知ることができます。
そうすることで大きな故障を未然に防ぎ、買い替えのリスクも減ります。
是非、プロによる定期的なクリーニングも取り入れてエアコンをしっかり長持ちさせましょう。
エアコンクリーニングのプロ探しは、無料で使えるミツモアをぜひお試しください。