「エアコンのカビって本当に体に悪いの?」「今まで特に問題なかったけど…」そんな疑問をお持ちではありませんか?


実際、エアコンのカビを見つけても、どの程度心配すべきか判断に迷いますよね。過度に神経質になる必要はありませんが、放置しすぎるのも良くありません。
まず「このくらいなら様子を見ても大丈夫」という軽微な症状を紹介。その上で、本当に対処が必要な状態との見分け方や、最低限やっておきたいお手入れ方法を解説します。
エアコンのカビで心配しなくてもよい症状
エアコンのカビを見つけても、すべてが緊急対応を要するわけではありません。以下の症状なら、通常のメンテナンスで十分対応できます。
使用開始時だけの一時的なカビ臭
シーズン始めにエアコンを使うと、最初の数分間だけカビ臭いニオイがすることがあります。
問題ないカビ臭の特徴
- 久しぶりの運転で最初だけ臭う
- 5~10分程度で臭いが消える
- その後は無臭で使用できる
- 風量や温度調整は正常
内部に溜まっていた軽微なホコリが最初に排出されるだけなので、使い続けることで自然に改善されます。
フィルター表面の軽微な黒い点
フィルターに小さな黒い点が数個見つかる程度なら、初期段階のカビで心配いりません。
問題ない範囲のフィルターのカビ
- 黒い点が数個程度
- フィルター全体の1割未満
- 水洗いで簡単に落ちる
- 前月と比べて増えていない
フィルターを取り外して水洗いすれば簡単に除去でき、健康被害の心配はありません。
吹き出し口の端に見える少量のカビ
吹き出し口の隅に少しカビが見える程度なら、自分で簡単に対処できます。
問題ない吹き出し口のカビ
- 端や隅だけに付着している
- 風の通り道から外れた位置
- 濡れた布で拭き取れる程度
- 奥まで広がっていない
風の通り道から外れた部分なので、カビの胞子が室内に飛散するリスクは低いです。
家族に健康被害の症状が出ていない
エアコンを使用していても家族が健康なら、緊急対応は不要です。
健康被害がないと判断できる状態
- 咳やくしゃみが増えていない
- 目のかゆみや充血がない
- 皮膚のかゆみや湿疹なし
- 頭痛や倦怠感がない
家族全員が普段通り健康に過ごせているなら、カビの影響は軽微です。
ただし、免疫力の低い高齢者や乳幼児がいる家庭では、症状が出る前の対処をおすすめします。
エアコンの性能に影響がない
エアコンが正常に動作していれば、カビの影響は限定的で心配いりません。
性能に問題がないと判断できる状態
- 設定温度通りに室温調整できる
- 風量が正常に出ている
- 電気代が急に上がっていない
- 異音や振動がない
- 水漏れしていない
エアコンが普段通り使えているなら、内部のカビは軽微で機能への影響はありません。
エアコンのカビ診断シミュレーター
「うちのエアコンは大丈夫?」「プロに頼むほどではない?」そんな疑問を解決するために、簡単な診断シミュレーターをご用意しました。
7つの質問に答えるだけで、あなたのエアコンの状態を診断。過度に心配する必要があるのか、通常のメンテナンスで十分なのか、それともプロのクリーニングが必要なのかが分かります。
所要時間は約1分。さっそく診断してみましょう。
「健康被害のリスクあり」「長期メンテナンス不足」などの結果が出た方は、早めの対処が必要です。特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、健康被害が出る前にプロのクリーニングを検討しましょう。
エアコンのカビを放置するリスク
カビ放置は健康と経済面で大きなリスクがあります。以下5つのリスクを詳しく解説します。
健康面に悪影響を及ぼす
内部でカビが繁殖している場合、エアコンから出てくる風にはカビの胞子が大量に含まれている可能性が高いです。
カビが原因となる病気の例:
- 気管支ぜんそく
- 夏型過敏性肺炎
- アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性結膜炎
空気中に漂うカビの胞子を吸い込んでしまうと、気管支ぜんそくや夏型過敏性肺炎などの呼吸器疾患を発症するリスクがあります。
普段は症状がなくても、免疫力が下がった状態でカビを吸い込んでしまい発症する例もあるので注意が必要です。
エアコンの運転効率が低くなる
エアコンは空気中の風を取り込み、温湿度を調整して吹き出します。
内部がカビが繁殖できる環境ということは、カビの栄養となるホコリや汚れがたくさんあることを示します。ホコリなどによって風の通り道がふさがっている場合、効率よく風を行き来させられません。
同じ設定温度であっても余計にパワーが必要になり、効率が下がってしまいます。
電気代が高くなる
エアコンの稼働効率が下がると、設定した室温にするために余計な電気代がかかります。
電気代が上がる主な要因:
- 風の通り道がふさがれて余計な出力が必要
- 設定温度に到達するまでの時間が長くなる
- 同じ快適さを得るのに通常より高い設定が必要
- 運転時間が長くなる
環境保護やエコの観点からはもちろんのこと、世界情勢により電気代が上がったことを考えると節約できる部分は節約した方がよいでしょう。
エアコンの故障確率が上がる
フィルターや冷却フィンはエアコン内部で風が通るパーツです。
パーツがホコリなどで汚れていると風を効率よく通せず、同じだけの風量を出すためにより多くの出力が必要です。出力過剰の状態で稼働させていると部品の消耗や劣化が速くなり、故障を誘発します。
部品の劣化が進むことで、通常より早く交換や修理が必要になり、余計な出費につながります。
エアコンから水漏れが発生する
冷房モードや除湿モードを使うとエアコン内部に結露水が発生します。
通常、結露水の流れ:
- 冷却フィンで結露水が発生
- ドレンパンに溜まる
- ドレンホースを通って屋外へ排出
- 室内には影響なし
ホコリや汚れによって結露水がスムーズに排出されないと、水が逆流し吹き出し口などから漏れてしまいます。
家具や家電を濡らしてしまい傷むなど、トラブルが発生するので注意が必要です。
エアコンにカビが生える3つの原因
エアコン内部はカビの繁殖に最適な環境です。カビが生える3つの主要因を解説します。
エアコン内部の温度
エアコン内部では空気を暖めたり冷やしたりするので、カビが生えやすい温度になりやすいです。
カビが生えやすい温度は20~30度です。夏場、冷房運転をしているとエアコン内部はちょうどカビが繁殖しやすい温度になります。
特に冷房運転時は室温との温度差で結露も発生しやすく、カビにとって理想的な環境が整います。
エアコン内部の湿度
水分を含んだ暖かい空気が冷却フィンで冷やされると結露水が発生します。
部屋の温度を下げる冷房や空気中の湿度を取る除湿モードを使うとエアコン内部の湿度は高くなります。カビは温度が低くても一定以上の湿度があれば繁殖できるので、湿気を取り除くことがカビ対策では重要です。
湿度80%以上の環境では、カビの繁殖スピードが通常の3倍以上になることもあります。
エアコン内部にたまったホコリや汚れ
エアコンが取り込む室内の空気にはたくさんのホコリや髪の毛などのゴミが含まれています。
カビの栄養源となる汚れ:
- ホコリや繊維くず
- 髪の毛やペットの毛
- 花粉や微細な粒子
- 料理の油煙
空気と共に取り込まれたホコリなどは主にフィルター部分に集まり、カビの豊富な栄養源となります。
温度や湿度といった繁殖条件を満たしやすいので、エアコンの内部でも特にフィルターはカビが生えやすいパーツです。
エアコンの一部パーツは自分で掃除ができる
自分で掃除できるパーツを定期的にメンテナンスすることで、カビの発生を抑えられます。
フィルター
エアコンのフィルターは空気中に含まれるホコリなどが集まってくるので、ホコリを栄養にしてカビが繁殖しやすいです。
フィルターは前面カバーを開けると1番最初に見えます。掃除機を使ってホコリを取り、水洗いで汚れを落としましょう。
月2回のフィルター掃除でカビの発生を80%以上抑制できることが実証されています。
吹き出し口
エアコンの風が出てくる吹き出し口も水分やホコリなどがありカビが生えやすいです。
吹き出し口の掃除方法:
- 電源を切って安全を確保
- 固く絞った濡れ雑巾で拭き取る
- 細かい部分は綿棒を使用
- 最後に乾いた布で水分を除去
吹き出し口のカビは雑巾で拭き取れますが、内部に水が入らないように注意してください。
塩素系洗剤・エアコン掃除スプレーは使わない
エアコンに生えたカビを除去するためにカビキラーなどの塩素系洗剤や漂白剤、エアコン掃除スプレーを使いたくなるかもしれませんが推奨しません。
使用を避けるべき理由:
- 部品の腐食や劣化を引き起こす
- 完全に洗い流せず健康被害の恐れ
- 電気系統の故障リスク
- かえってカビの温床になる可能性
塩素系洗剤はエアコンの部品を劣化させ、エアコン掃除スプレーは液剤が流しきれずかえってカビを繁殖させて逆効果になることが多いです。
エアコンクリーニング業者に依頼した方が良いパーツ
内部の重要パーツは専門知識と機材が必要です。プロに任せるべき3つのパーツを解説します。
冷却フィン
冷却フィンはフィルターの奥にあるアルミ製のパーツです。
冷却フィンの特徴と注意点:
- 非常に薄いアルミ板が密集
- 少しの力で簡単に変形
- 変形すると冷却効率が大幅低下
- 塩素系洗剤で腐食する危険性
アルミ製でとても柔らかく、簡単に変形してしまうため自分で掃除するのには向いていません。
送風ファン
冷却フィンの奥には送風ファンがあります。
送風ファンが回転すると空気がエアコンの外に出され、冷たい空気が吹き出し口から出ます。自分で掃除する難易度が高く、故障するリスクもあるのでなるべくプロのエアコンクリーニングで洗浄してもらいましょう。
送風ファンの羽根は複雑な形状で、素人が分解すると元に戻せなくなるリスクが高いです。
ドレンパン
ドレンパンは冷却フィンで発生した結露を受けて、ドレンホースを伝って外に排出するためのパーツです。
ドレンパンの掃除が難しい理由:
- 本体と一体型の機種が多い
- 取り外しに特殊工具が必要
- パッキンの劣化で水漏れリスク
- 汚れが固着していることが多い
基本的にはフィンのすぐ下に設置されており、機種によっては本体と一体型になっているため業者に依頼しないと掃除ができません。
エアコン内部にカビを生やさないための予防策
日常的な予防策でカビの繁殖を大幅に抑制できます。すぐに実践できる5つの対策を紹介します。
冷房・除湿モード使用後は送風運転をする
冷房や除湿運転をしたあとはエアコン内部の湿度が大幅に上がります。
送風運転の効果的な使い方:
- 冷房・除湿使用後に必ず行う
- 30~60分程度運転する
- 内部の湿度を40%以下まで低下
- カビの繁殖を90%以上抑制
空気を冷やすときには大量の結露が発生するため、送風モードを30~60分ほど使い、内部を乾燥させましょう。
内部クリーンモードを活用する
エアコンの機種によっては内部クリーン機能がついています。
内部クリーン機能の特徴:
- 自動で内部を乾燥させる
- 運転終了後に自動起動
- 電気代は1回あたり約1円
- カビ抑制効果は送風運転と同等
お掃除機能付きエアコンと混同しがちですが、内部クリーン機能はエアコン内部を乾燥させてカビの発生を抑制するものです。
フィルターは2週間に1度を目安に掃除する
夏場などエアコンを頻繁に使うシーズンは汚れが溜まりやすくなります。
フィルター掃除の適切な頻度:
- 使用頻度が高い時期:2週間に1回
- 使用頻度が低い時期:1ヶ月に1回
- ペットがいる家庭:週1回
- 花粉の時期:週1回
2週間に1度を目安にエアコンのフィルター掃除をすることで、カビの栄養源を除去できます。
こまめな換気でホコリを部屋から追い出す
室内の空気には目に見えないホコリも多く含まれています。
効果的な換気方法:
- 1日3回、各10分程度行う
- 対角線上の窓を開ける
- 扇風機で空気の流れを作る
- 料理後は必ず換気
定期的に換気するとホコリなどのゴミが屋外に出ていくので、エアコンの汚れ対策に効果的です。
部屋の掃除をする
部屋の掃除をしていないとホコリが溜まり、舞い上がってエアコン内部のカビの原因になることがあります。
重点的に掃除すべき場所:
- エアコン周辺の壁や天井
- カーテンレール上部
- 家具の上や隙間
- 床の隅やコーナー
こまめに部屋の掃除をしてホコリなどのゴミをなくすとエアコン内部のカビを抑制するだけでなく、室内のカビや汚れを防ぐことにもつながります。
エアコンクリーニング業者に依頼したときの料金相場
ミツモアの実績データから見る料金相場をご紹介します。タイプ別の平均価格は以下の通りです。
エアコンの種類(1台当たり) | 平均価格 |
---|---|
壁掛けエアコン | 7,000円~9,000円 |
お掃除機能付きエアコン | 13,000円〜15,000円 |
天井埋め込み型エアコン | 17,000円~21,000円 |
※「ミツモア」で2024年1月1日~2024年12月31日に依頼されたエアコンクリーニング案件述べ11万件の成約料金を集計
メンテナンスの難易度が高いエアコンほど料金が高くなる傾向があります。
賃貸物件に住んでいるなら必ず大家に相談
賃貸物件では所有権の問題があるため、必ず事前確認が必要です。
賃貸物件でクリーニング前に確認すべきこと:
- エアコンの所有者(大家or入居者)
- クリーニング費用の負担者
- 業者選定の可否
- 作業時の立ち会い要否
物件備えつけエアコンがある場合、所有権は大家にあります。所有者に断りなくエアコンクリーニングをし、故障などのトラブルが発生した場合は入居者が責任を取らなければなりません。
エアコンの気になるカビをクリーニングしてもらった事例




【依頼前に気になっていたポイント】カビやホコリ、ダニが気になった
【クリーニングしたエアコンの機種】日立「白くまくんシリーズ」




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ミツモアを利用するメリット:
- 地域の優良業者から複数見積もり
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作業料金は適正なのか、必要なサービスは揃っているか確認したうえで、自分にあった業者に依頼できます。
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