エアコンの内部にある「シロッコファン」が汚れているとき、どのような方法で掃除をすればよいのでしょうか?必要な道具や掃除の手順を紹介します。ファンを汚れたまま放置すると、どのような問題があるのかも知っておきましょう。
シロッコファンの基本を知ろう
エアコンには「シロッコファン」と呼ばれる部品があります。レンジフードなどにも付いていますが、一体どのような部品なのでしょうか?付属している場所や特徴について知っておきましょう。
シロッコファンとは
「シロッコファン」はエアコンの吹き出し口周辺にある送風ファンのことです。「クロスフローファン」とも呼ばれます。
シロッコファンは本来「レンジフードや換気口」に付属した、小型のファンを指す名前です。羽の形が似ているため、エアコンの送風ファンを「シロッコファン」と呼ぶ人も多いでしょう。
エアコン内部の風は必ず送風ファンを通って出てきます。シロッコファンが汚れていると、室内に汚れを広げる可能性もあるのです。
キレイな空気を循環させるためにも、シロッコファンの掃除は欠かせません。
汚れるとカビや悪臭の発生源に
シロッコファンには汚れやホコリがたまることもあります。汚れた状態のままでは、カビや雑菌が発生する可能性も否めません。
ファンにたまった汚れやホコリをエサとして、カビが増えていきます。カビとホコリはどちらも悪臭の発生源です。
カビとホコリが混ざったような臭いがしてきたら、シロッコファンを含むエアコン内部の汚れを疑いましょう。ファンを掃除せずに放置すると、さまざまな問題が出てきます。
定期的に掃除をするだけでも、シロッコファンに汚れがたまることを防げるはずです。
汚れの原因は主に3つ
「シロッコファンに触れると真っ黒な汚れが付く」ような場合、汚れの原因は主に3種類あります。すべてが絡み合っている可能性もあるため、汚れているのが分かったときは早めに掃除を検討しましょう。
高い湿度や温度
エアコンの内部では「外から取り込んだ空気を適温に変える」作業が行われています。熱い空気は冷たく、冷たい空気は温かくなるのです。
シロッコファンの周辺部品は、空気の温度を変える大きな役割を果たしています。ファンの周りには、暖かい空気と冷たい空気が両方通るのです。
シロッコファン周辺の温度差によって結露が発生すると、湿気もたまります。温かく、湿気がたまる場所はカビが住みやすい環境です。
エアコン内部だけでなく、室内の湿度が高いときも同じことが起こります。運転していないときでも、カビ発生のリスクはあるのです。
ホコリ
エアコンにはホコリを防ぐためのフィルターが付いています。しかしフィルターがすべてのホコリを取ってくれるとは限りません。
フィルターにホコリがたまり、一部がそのまま入ってしまうこともあるでしょう。エアコン内部に入り込んだホコリは、シロッコファンにも付着します。
ホコリが入り込むのを完全に防ぐのは難しいですが、フィルターをキレイに保つだけでもファンの汚れ防止になるでしょう。ホコリがたまっているのを確認したら、早めの掃除が必要です。
タバコの煙
タバコを吸っている人が家庭内にいる場合、煙が入り込んでシロッコファンが汚れます。タバコの煙にはヤニが含まれ、茶色い汚れを発生させる主な原因です。
また臭いの原因物質がエアコン内部に染み付くと、悪臭にもつながります。エアコンの近くでタバコを吸うのを避けるか、定期的な掃除で汚れや臭いを予防できるでしょう。
タバコ臭を予防するためのエアコンフィルターなども販売されていますが、掃除をしなくてよいわけではありません。予防アイテムをうまく使いながら、掃除も合わせて行いましょう。
掃除をしないとどうなる?
エアコンの掃除をしないまま使っていると、さまざまな問題が発生します。どこまで自分で掃除をするかはよく考える必要がありますが、クリーニング業者の清掃と組み合わせてエアコンを清潔に保ちましょう。
電気代が上がる
シロッコファン周辺にホコリやカビが発生すると、風の通りが悪くなります。すると空気の熱交換が非効率的になるので、電気代が上がる可能性も考えられるでしょう。
エアコンの効きが悪い場合は、内部が汚れている可能性が高まります。「普段より電気代が上がった」と感じるときは、エアコン本体や室外機の状態をチェックするのが基本です。
シロッコファンだけでなく、フィルター部分や見える部分なども全体的に掃除しましょう。本格的に内部全体の掃除をしたいときは、クリーニング業者へ相談するとスムーズです。
なお内部の汚れ以外にも、電気代が上がる原因はあります。故障や外の気温、冷却装置が弱っているなど状況によって理由は変化するでしょう。
健康被害のリスクがある
シロッコファンにカビや雑菌が発生していると、エアコンの風に乗ってカビや雑菌が部屋の中に飛び散ります。
放置していると、大量のカビの胞子を吸うことになるでしょう。人間の体に害を与えるカビの場合、健康にも影響を与えてしまいます。
シロッコファンは風を室内に届ける大切な部分です。ホコリが部屋の中に舞い散るだけでも、アレルギーの心配があるでしょう。
少なくとも、ワンシーズンに1度はファンの掃除が必要です。普段はフィルターやエアコン外装の掃除だけで終わらせてしまう人も、ファンの状態を確認しておきましょう。
シロッコファンを掃除するときの注意点
エアコンのシロッコファンを掃除するときの注意点は、「スプレーのリスクを把握する」「無理な分解をしない」「洗剤に直接触れない」という3点です。
ファン用スプレーのリスクを知っておく
ファン掃除に限ったことではありませんが、エアコン内部を自分で洗浄するのはリスクがあります。
- 洗剤が流しきれずに残ると、カビの養分になる
- 電子パーツにかかると故障する恐れがある
エアコンを分解しないとファンに直接触れることはできません。そのため洗剤を使う場合には市販の掃除スプレーを使うのが一般的ですが、リンス剤できちんと流しきれないとかえってカビが繁殖しやすくなります。
また誤ってスプレーが電子パーツにかかってしまうと、故障するリスクも。余計な修理費用をかけないためにも、細心の注意を払いましょう。
無理な分解をしない
エアコンの内部洗浄をするなら、フロントパネル(フィルターの取り出し口)だけでなく本体カバーをまるごと取り外すのが丁寧なやり方です。しかし素人の場合、本体カバーまで外すのはあまりオススメできません。
頑張って分解できたとしても、取り付けなおすことができなくなったり、プラスチックのパーツが破損したりする可能性があるからです。
もし分解して徹底的にエアコン内部を掃除したいなら、プロのクリーニング業者に依頼しましょう。
洗剤に直接触れない
エアコンのファンを掃除するときにはゴム手袋を着用して、手肌が洗剤に直接触れないように注意しましょう。
エアコン用の洗剤には、汚れを落とすための強力な成分や除菌剤が含まれています。そのため素手で触れてしまうと、かゆみやかぶれなど、肌荒れのもとになるのです。
シロッコファンの掃除手順
シロッコファンを掃除する際は、まずは下準備から始めましょう。他の電化製品と同様に、使いながら掃除をするとショートや感電の可能性があるため、電源のオン・オフを確認することが重要です。
次の記事では実際にファンを掃除した様子を写真つきで確認できるので、合わせて参考にしてみてください。
必要な道具をそろえる
シロッコファンの掃除には、主に以下の道具を用意します。
- 脚立
- ゴム手袋
- 雑巾
- 新聞紙
- ゴミ袋
- 養生テープ
- ファン用スプレー
- ブラシ
「脚立」は高い位置の掃除に欠かせないアイテムです。また「ゴム手袋」をしておくと、手荒れや汚れを防げるでしょう。
下準備や掃除には「雑巾」「新聞紙」「ゴミ袋」「養生テープ」も必要です。掃除機を使えば、ホコリを先に取り除けます。スプレー洗浄剤やアルカリ電解水も、必要に応じて準備しましょう。
エアコンの電源を落とし養生を行う
掃除の前にエアコンの電源は切っておきましょう。リモコンでの電源オフではなく、コンセントを抜いた状態が安全です。
なお電源が入っていない状態でも、「電装部」には水や洗剤をかけないようにしましょう。水にぬれると電源を入れたときにショートや発火の恐れがあります。
一般的な壁掛けエアコンの場合、電装部分は右側にあるのが一般的ですが、説明書などで位置を確認しておきましょう。
その他、汚水が落ちそうな場所には新聞紙を敷いて養生し、エアコン下部にゴミ袋を広げて養生テープでセットすれば、掃除の準備は完了です。
掃除用スプレーやブラシでファンを掃除する
養生が終わったら、ファンを掃除するためにエアコンの部品を取り外しましょう。まずはフィルターや外装パネル、シロッコファンの手前にある「ルーバー」と呼ばれる部品を外します。
取り外しの方法は、エアコンの説明書などを確認しましょう。メーカーによって方法は異なります。
エアコン掃除用スプレーには「アルミフィン用」と「ファン用」があります。シロッコファンの掃除を考えているなら、ファンに使えるスプレーとブラシを用意しましょう。
電化製品の掃除に使える「アルカリ電解水」でも掃除はできます。しかし強力な洗剤に比べると、洗浄力はやや落ちると考えておきましょう。
【オススメのスプレー】
ファン洗浄にオススメなのはこちらの「くうきれい」というスプレー。汚れを落とすムースと、洗い流し用のリンスがセットになっています。養生に使えるポリ袋付きなのもうれしいポイントです。
【おすすめのブラシ】
ブラシを使う場合は、こちらのカップブラシがオススメ。本来は急須の注ぎ口などを掃除するための道具ですが、細長いのでファンまでブラシが届きます。
電源を入れてエアコンを乾燥させる
ひととおり掃除が終わったら、エアコンの電源を入れましょう。せっかく掃除をしても、中を乾かさずに生乾きのままにしておくとカビが発生する原因になります。
ただし送風に合わせて、中に残っている汚水が出てくることがあります。吹き出し口にタオルや雑巾を当てて、1分程度様子を見ましょう。水が出てこないようであれば、養生を外して掃除は完了です。
エアコンは30分~1時間程度稼働すると、中が乾燥しやすくなります。送風運転または、暖房などが適しているでしょう。
シロッコファンをキレイに保つポイント
シロッコファンを含むエアコン内部は、使い方によって汚れの予防ができます。フィルター掃除や、室内の湿度調整を心がけるようにしましょう。
フィルターは小まめに掃除する
エアコンフィルターは簡単に取り外しや掃除ができます。エアコンのフタを開けて、網状のフィルターを取り外すだけなので簡単です。
フィルターが汚れていると、シロッコファンにも汚れた空気が流れます。定期的にホコリを取るだけで、他の部品に汚れが移るリスクを減らせるでしょう。
水にぬれても問題ない材質のフィルターは、掃除機がけや水洗いなど自由にできます。水洗いをしたときは戻す前に乾かしましょう。水洗い中にブラシなどで詰まったホコリを除去すれば、さらにキレイになります。
湿度の上がり過ぎに注意する
エアコン内部の除湿には「内部クリーン機能」を活用しましょう。製品によって名前は変わりますが、運転後に中を乾かすことで湿気を防ぐ機能です。温風や湿った風が出てくることがあるので、外出中の作動をおすすめします。
普段から部屋の湿気対策を心がけるのも重要です。換気で風通しをよくするだけでも、湿気のたまり方は変わります。
加湿器を使っているときは利用を最小限にし、除湿剤を使うのも湿気取りに有効です。
落ちない汚れは業者に依頼
エアコン掃除による故障が気になるときや、掃除をしても汚れ・臭いが取れないときは業者にクリーニングを依頼しましょう。
自分で掃除をする場合は、水をかけてはいけない部分や掃除できない箇所を、正確に把握しなければなりません。不安があるときは業者に相談するのが確実です。
クリーニング業者は専用の洗剤や高圧洗浄機を使い、エアコン全体を掃除します。奥まで清掃するために分解する業者もあり、汚れがすっきり落ちるはずです。
ミツモアではエアコンクリーニング業者の無料見積もりができます。複数の業者を比較すれば、目的に合う業者を探せるでしょう。
正しいやり方でシロッコファンを掃除しよう
エアコンのシロッコファンは電源の取り扱いに気を付ければ自分でも掃除できます。しかし掃除用スプレーですべての汚れが取れるわけではありません。
エアコンの状態や掃除方法によっては故障のリスクもあります。
正しい方法で掃除をしてもらいたいときや、すでにカビや雑菌が繁殖している可能性が高いときは、クリーニング業者に相談しましょう。
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