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エアコンのファンを自分で掃除する方法|必要な道具や安全に掃除するポイントを解説

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最終更新日: 2024年03月25日

エアコンの吹き出し口の奥には「送風ファン」と呼ばれる部品があります。吹き出し口から覗くと、カビや汚れが付着していて気になってしまった方もいらっしゃるかもしれません。

汚れてしまったファンをどのように掃除するのか、業者に依頼する場合はいくらかかるのかを解説します。

エアコンのファンとは?掃除が必要な理由

吹き出し口についたカビや、風の臭いが気になるとき、実は見える部分だけでなくエアコンの内部が汚れている場合があります。内部に設置された部品の1つが送風ファンです。

ちなみに、エアコンのファンの正式名称は「クロスフローファン」「ラインフローファン」といいます。「シロッコファン」と呼ばれていることもありますが、「シロッコファン」は本来レンジフードや換気扇のファンを指す呼称です。

エアコンの送風ファンの位置と役割

エアコンのファンとは、吹き出し口・フィルター・熱交換器(フィン)のさらに奥にある、羽が付いた筒状の部品です。

ファンを回転させることで風を起こし、空気の流れを作ります。具体的には、熱交換器で温度調整された冷たい(暖かい)空気を部屋に向かって吹き出したり、室内の空気を吸い込んだりする役割があります。

エアコンの送風ファンの掃除が必要な理由

ファンは空気の流れを作る役割を果たしており、エアコンを通過する空気は必ずファンを通る構造になっています。

エアコンのファンにカビやホコリが付着していると、エアコンが排出する空気に乗って部屋に汚れが蔓延してしまいます。

また、内部が汚れていることによってエアコンの運転効率が下がり、本来の冷暖房効果を発揮できなくなってしまうことも。

具体的には以下のようなトラブルにつながります。

  • エアコンの効きが悪くなる
  • 電気代が高くなる
  • 故障のリスクが高くなる
  • エアコンの風から嫌な臭いがする
  • 健康への影響が出る

エアコンを快適に使うには、ファンをきれいに保つことが大切なのです。

エアコンのファン掃除は自分でできる?

エアコンの各部品名称と自分で掃除できる範囲

エアコンの送風ファンは、カバーを開けてフィルターを外すとむき出しになる熱交換器(フィン)のさらに奥にあります。

掃除するにはエアコンの部品を分解するか、内部まで届く高圧洗浄機やエアコン洗浄スプレーを使うことになります。

どちらも正しく行わないとエアコン故障のリスクが高い行為で、エアコンに関する十分な知識や経験がない個人が自分で行うのはあまりおすすめできません。

なるべくプロのエアコンクリーニング業者に任せることをおすすめします。

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エアコンメーカー各社の見解

エアコンのファンを自分で掃除できるかどうかについて、代表的なエアコンメーカー各社の見解をまとめました。

いずれのメーカーも自分で内部の洗浄を行うことを推奨しておらず、専門知識を持ったプロのクリーニング業者やメーカーに問い合わせるように案内しています。

メーカー名 見解
三菱電機 ・自分で掃除できる箇所は「前面パネル(本体カバー)」「フラップ」「フィルター」のみ
・エアコン内部の熱交換器やファンは、プロのエアコンクリーニングが必要
日立 ・エアコンクリーニング(内部洗浄)は、洗浄方法や、使用する洗浄剤の選定、取り扱い、処理などに高い専門技術が必要
・自分では行わず、専門知識を持った業者や販売店、メーカーに相談
ダイキン ・エアフィルターをはずした本体内部 ( アルミフィン部分など ) は、自分でお手入れすることができない
・汚れが気になる場合など内部洗浄が必要な場合は、販売店またはメーカーに相談
シャープ (市販の洗浄スプレー使用についての見解)
・エアコン内部の構造についての知識(電気系統の配置、プラスチックに及ぼす薬剤の影響に関する知識)が必要なので、専門知識がない人によるエアコン内部の洗浄はお勧めできない
東芝ライフスタイル ・エアコン内部のクリーニングは自分で行わない
富士通ゼネラル ・誤った洗浄剤の選定・使用方法でクリーニング(内部洗浄)すると故障の原因となる
・エアコンクリーニング(内部洗浄)は、高い専門知識を有する業者に依頼する

エアコン掃除スプレーを使用するリスク

エアコンの送風ファン用の洗浄スプレーも市販されています。

ただし、エアコンメーカー各社は市販の掃除スプレーの使用を推奨していません。専門知識をもたずに内部の洗浄を行うと、事故の危険性が高いと注意喚起しています。

スプレーを吹きかけるときに電装部分にかかってしまったり、洗剤成分がエアコン内部に残ったりすると、エアコンが故障し、最悪の場合火災につながることも。

また、残留した洗剤成分や水分はカビの温床にもなります。適切に使えないと、むしろカビを増殖させてしまうリスクもあるのです。

エアコン掃除スプレーを使うなら、これらのリスクを把握した上で、あくまで応急処置として使うことをおすすめします。

エアコンのファンを自分で掃除する方法

基本的に送風ファンの掃除は自分で行うべきではありません。ですが、どうしてもカビが生えている状況や臭いに耐えられない場合は、応急処置として自分で掃除する手段もあります。

自分でスプレーを使って掃除するときの正しい手順を紹介します。

もし掃除をした後に臭いが悪化したり、異音がするようになったりしたら、すぐにエアコンクリーニング業者や修理業者に相談してください。

エアコンのファン掃除に使う道具

ファンの掃除には、主に以下の道具を用意します。

  • モップやブラシ
  • エアコン洗浄スプレー
  • ぞうきん
  • ビニールシート
  • ゴミ袋
  • 養生テープ
  • 新聞紙
  • 脚立
  • ゴム手袋

掃除に使うブラシや洗浄スプレーは以下のような製品です。

エアコン掃除スプレーは対象の部位ごとに製品が分かれています。必ず「送風ファン用」と書かれた製品を選んでください

1)電源プラグを抜いてカバーやルーバーを取り外す

掃除を始める前に、エアコンの電源を切り、電源プラグを抜いておきましょう。電気が通った状態で作業をすると、ショートや感電のおそれがあります。

なお電源が入っていない状態でも、電装部分には水や洗剤をかけないようにしましょう。水にぬれると電源を入れたときにショートや発火の恐れがあります。

作業がしやすいように、エアコン外側の本体カバーやフィルター、ルーバーは取り外しておきます。

取扱説明書などで外し方を確認し、破損しないようにやさしく外しましょう。

2)周囲を養生する

エアコン周辺を養生した状態

掃除スプレーを使うときは、洗浄液が周囲に飛び散ってしまう可能性があるので、エアコンの周囲を養生しましょう。

養生テープでエアコンの周りにゴミ袋を貼り付けます。このときすき間が空いていると、水分が壁紙に染み出してしまうので注意しましょう。

エアコンの真下にあたる床には、ブルーシートや新聞紙を敷いておきます。

3)洗浄用のスプレーを吹きかけて放置する

ルーバーを取り外した奥に、送風ファンが見えるはずです。

ゴム手袋をはめ、ファンに向かってエアコン掃除スプレーを噴射します。ファンを手で回しながら吹きかけ、ファン全体にまんべんなく洗剤成分が行き渡るようにしましょう。

スプレーが全体に行き渡った状態で一定時間放置してなじませ、汚れを浮かせます。

4)歯ブラシでこすり、専用の薬剤か水で洗い流す

洗浄成分がなじんだら、やわらかい歯ブラシなどでこすり、汚れを落としましょう。ファンを傷つけないようやさしくこすってください。

ファンにこびりついた汚れがおおむね取れたら、洗剤を洗い流します。ここで洗い流しが不十分だと洗剤成分がカビのエサになってしまうので注意しましょう。

掃除スプレーにすすぎ用の薬剤が付いている場合は、取扱説明書に従ってファンに吹きかけてください。

付属の薬剤がない場合、霧吹きに水を入れて吹きかけ、洗剤が落ちるまで洗い流します。

5)パーツを元に戻し、送風運転で内部を乾燥させる

洗剤成分が十分に洗い流せたら、タオルなどで水分を拭き取り、外していた部品を元の位置に戻します。

エアコンの電源プラグを差し直し、送風または暖房モードで1時間ほど運転しましょう。せっかく掃除をしても、内部を乾かさずに生乾きのままにしておくと、かえってカビが繁殖してしまいます。

送風に合わせて、中に残っている汚水が出てくることがあります。吹き出し口にタオルや雑巾を当てて、数分ほど様子を見ましょう。

エアコンのファンを掃除するときの注意点

エアコンの送風ファンを自分で掃除することにはリスクが伴います。

基本的にはプロのエアコンクリーニング業者に依頼するのがおすすめですが、どうしても自分で掃除したい場合には以下の点に注意しながら進めましょう。

エアコン掃除スプレーのリスクを理解し正しく使う

前述の通り、市販のエアコン掃除スプレーには故障や火災、カビ繁殖のリスクがあり、メーカーからも推奨されていません。

推奨されていない方法で掃除したことでエアコンに不具合が発生した場合、修理保証がきかない可能性もあります。

プロのクリーニング業者に依頼する費用を節約した結果、もっと高額な修理費用を払うことにもなりかねません。

どうしても自分で掃除したい場合、万が一のリスクを十分に把握した上で実施しましょう。

自分でエアコン内部まで分解しない

自分で取り外せるエアコンの部品は、本体カバー、吹き出し口(ルーバー)、フィルターくらいです。

フィルターよりも奥にある部品の分解は、エアコンに関する知識をもたない人が行うのは難しい作業です。

無理に分解しようとすると部品が破損してしまったり、元に戻せなくなったりするおそれがあります。

分解して徹底的に汚れを落としたい場合は、プロのクリーニング業者に依頼しましょう。

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エアコンのファンが汚れる原因

エアコンのファンに付く汚れの原因はおもに3つあります。

原因1)エアコン内部に生えるカビ

エアコンの内部は湿度が高く、カビが好む環境になることがあります。

エアコンは室内の空気を中に取り込み、設定された温度に調整してから再び排出する仕組みです。

特に冷房運転をするときに、吸い込んだ暖かい空気が内部で冷やされることで温度差ができ、結露が発生します。

この状態を放置すると、カビが生えやすくなってしまいます。

原因2)ホコリ・ペットの毛

エアコンは室内の空気を取り込むとき、同時に空気中のホコリや汚れも吸い込みます。

基本的にはフィルターがホコリや汚れの侵入を防いでくれますが、ろ過しきれなかったホコリや汚れは内部まで到達し、ファンが汚れる原因になります。

ホコリが入り込むのを完全に防ぐのは難しいですが、フィルターをキレイに保つだけでもファンの汚れ防止になるでしょう。ホコリがたまっているのを確認したら、早めの掃除が必要です。

原因3)タバコのヤニ・油汚れ

室内でタバコを吸っている場合や、キッチンと同じ部屋にエアコンが設置されている場合、エアコンはヤニや油汚れを一緒に吸い込んでしまうことがあります。

これらの汚れは油性なので、ホコリと結び付いてべたついた汚れになり、カビのエサにもなります。

エアコンのファンに汚れがつきにくくするコツ

エアコンのファン掃除は、プロにお金を払ってやってもらうか、自分で養生やスプレー洗浄などの手間をかけて行う必要があります。

あまり気軽にやりやすいものではないので、なるべくファンに汚れがつきにくい使い方をして予防することも大切です。

フィルターをこまめに掃除する

エアコンフィルターは自分でお手入れをする前提で作られており、カンタンに取り外して掃除できます。

フィルターをきれいに保っておくことで、吸い込んだ空気のろ過機能が正常に働き、内部まで汚れが通過するのを抑えられます。

エアコンを使っているシーズンであれば、2週間に1回はフィルター掃除をするのが理想的な頻度です。

エアコンを稼働させるたびに表面にホコリが溜まるので、掃除機で吸い取りましょう。

できれば水洗いをして、歯ブラシで目詰まりした細かいホコリまで取り除くのがベストです。

以下の記事でフィルターの掃除方法を詳しく解説しているので、参考にしてください。

冷房・除湿運転のあとに内部を乾燥させる

エアコンで冷房や除湿を使うと、温度差でエアコン内部に結露が発生します。結露を放置するとカビや雑菌が繁殖する原因になるので、「内部クリーン」や「送風」モードで内部を乾燥させましょう。

内部クリーン運転は電源を切ったあとに自動で運転する方法と、手動で運転する方法の2つがあります。自動で作動するように設定しておけば、毎回忘れずに内部クリーン運転ができるのでおすすめです。

内部クリーン機能がついていないエアコンの場合は、送風運転を1時間ほど行うことで同じ効果が得られます。

エアコンのファン掃除はプロのクリーニング業者に依頼がおすすめ

自分で掃除をする場合は、水をかけてはいけない部品や素人では分解掃除ができない箇所を正確に把握する必要があります。

エアコン掃除による故障が気になるときや、掃除をしても汚れ・臭いが取れないときは、プロにエアコンクリーニングを依頼しましょう。

クリーニング業者は専用の洗剤や高圧洗浄機を使い、エアコン全体を掃除してくれます。奥まで清掃するために分解する業者もあり、汚れがすっきり落ちるはずです。

エアコンクリーニングをプロに依頼する費用相場

エアコンクリーニングには「非分解洗浄(通常クリーニング)」と「完全分解洗浄」があります。両者の違いはおもに分解する範囲です。

メニュー 料金相場 ミツモア価格中央値
壁掛けエアコン(お掃除機能なし) 7,000~12,000円 9,000円
壁掛けエアコン(お掃除機能付き) 16,000~20,000円 15,000円
壁掛けエアコン(お掃除機能なし)・完全分解洗浄 20,000~35,000円
壁掛けエアコン(お掃除機能付き)・完全分解洗浄 25,000~40,000円
消臭防菌コート(オプション) 2,000円前後 2,000円
室外機洗浄(オプション) 3,000~5,000円 2,500円
お掃除機能付きのエアコンは、通常タイプの壁掛けエアコンよりも分解や組み立てに時間がかかり、作業コストが高いので、料金も高額になります。

非分解洗浄(通常クリーニング)と完全分解洗浄の違い

非分解洗浄は、シロッコファンを取り外さず、高圧洗浄で汚れを落とす掃除方法です。比較的手軽に行えますが、内部のカビや汚れを完全に取り除くことが難しいです。

完全分解洗浄は、全ての部品を取り外してクリーニングする掃除方法です。メリットとしてはこびりついた頑固な汚れを落とせることが挙げられますが、デメリットとして費用が高くなることと対応していない業者もいることが挙げられます。

非分解洗浄は手軽に清掃する方法であり、完全分解洗浄はエアコンを部品単位で分解して内部まで徹底的に洗浄する方法です。どちらの方法を選ぶかは、エアコンの状態や洗浄のニーズに合わせて判断することが大切です。

エアコンクリーニング業者を選ぶポイント

エアコン掃除を依頼するなら、複数業者から相見積もりを取って比較することが大切です。金額を見比べれば適正な相場が分かりますし、高額な業者に頼む失敗も防げます。

エアコンクリーニング業者の相見積もりには「ミツモア」を利用するのがおすすめです。

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見積もりの料金を比べられるのはもちろん、過去にミツモアでお仕事を依頼した利用者からの口コミ評価も確認できます。

口コミからはサービスの質や人柄などがうかがえることが多く、金額以外の判断材料も得られるので安心です。

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