今回の記事では、エアコンの臭いの根源のひとつであり、本当に汚れが溜まっている場所「ファン」の掃除の方法について説明していきます。
エアコンのファンは、汚れやカビが溜まっていると分かっていても、「養生が大変そう」「とても時間がかかりそう」と思うとなかなか手が出せない場所ですよね。
そこで、本当に養生は大変なのか、どれぐらい時間がかかるのかを、私が実際に掃除をして調べてみました!ぜひ参考にしてください。
エアコンのファンは掃除する必要あり?
エアコンに内部には熱交換の役割を担う「フィン」と送風の役割を担う「ファン」があります。
どちらもエアコンにとって欠かせない役割を果たしているがゆえに、カビやほこりまみれになっているとエアコンに大きな悪影響を及ぼします。
ここでは「ファン」について詳しく見ていきましょう。
エアコンのファンの役割
エアコンの吹出口から内部を見たときに筒状の物が確認できると思いますが、それが「ファン」です。
エアコンのファンは冷やしたor温めた空気を外に出す、送風において大きな役割を果たしています。そのためファンが汚れていると、汚れた空気を外に出すことになります。
ファンを掃除しないことによる悪影響
ファンに付着する汚れは主に二種類で、「ほこり」と「カビ」です。特にカビは異臭の原因となったり、健康被害をもたらす可能性もあるので注意が必要です。
また汚れの蓄積は運転効率の低下や最悪の場合、エアコンの故障にまでつながります。
エアコンクリーニングによって運転効率が上昇すると、約20%の消費電力のカットにつながるので、掃除は節電にも効果があります。
ファンを取り外しての掃除はおすすめしない
ファンを掃除するためにエアコンを分解して、ファンを取り外そうと考えている方もいるかと思います。しかし、エアコンの分解はなるべく避けましょう。
エアコンの構造を説明した図からも分かるように、ファンはエアコンの奥にある場合が多く、取り外すのが難しいからです。
この記事では、エアコンを分解せずにファンを掃除する方法を紹介します。
自分でエアコンのファン掃除をする際に用意する道具
エアコンのファンの掃除に取りかかる前に重要なことは道具の準備です。用意する道具はしっかり調べて用意してから掃除を始めましょう!
ファンの掃除には欠かせない「養生シート」
ファン掃除の場合、排水ホースなどから排出されることなくボタボタと落ちてくるので、必ずそれを処理できるような養生シートが必要です。
これがないと始まらない「洗浄剤」
ファンの掃除にはファン用の洗浄スプレーが必須です。
ファンの構造は筒状なのですが、アルコールやカビキラーでは表面上の汚れしか落とせません。また、部品の劣化につながるので、それらは使わずファン用の洗浄スプレーを使用するようにしましょう。
私が今回購入したのは、ショーワの「くうきれい エアコンファン洗浄剤 ( 養生シート付き)」です。
その他に用意する道具
- ビニール袋(45L):養生シートを自作する場合必要です
- 養生用のテープ:養生シートを自作する場合必要です
- 掃除用ブラシ:ファンを回転させるのにも使います
- 新聞紙:床に敷いておくと洗浄液などが散っても安心です
- マスク:カビが繁殖しているエアコンにかなり顔を近づけるので付けた方がいいと思います
- ぞうきん:洗浄後には送風運転などで乾燥させますが、雑巾で軽く水分をふき取ると乾きやすい
- ゴム手袋:洗剤が手にかかることや、エアコンの内部構造でのケガ防止に大変重要
- 加圧式噴射スプレー:洗浄剤を洗い流す用
- バケツ:私は使いませんでしたが、汚水を集められるのであると便利です
エアコンのファンを掃除する際の養生の方法
次にエアコンを故障させないため、部屋を汚さないために行う養生方法について見ていきます。
養生シートを自作する場合
まずビニール袋の片側のみをハサミで切っていきます。下の画像では上側が袋の口になっていて、切るのは赤いラインが引いてある側のみです。
そしてハサミで切った辺が一番長くなるので、この辺が手前に垂れ下がるように、もともと袋の口だった辺をテープでエアコンに貼り付けます。
すると下の図で三角形の下側の頂点に汚水が溜まっていく仕組みになります。
完成すると下の写真のようになります。
この時テープはエアコンに接する部分すべてに貼り付けてください。
そうでないとビニールの隙間から排水が漏れ出てしまう可能性が高いです。
また、使用するテープについてですが、ガムテープは粘着力が強すぎて扱いにくいことが分かりました。
両面テープ(スプレー付属の養生シートにありつけられていた)か、もしくは養生用のテープというものがあり、それらの方が適度な粘着性があるのでオススメです。
市販のスプレーに付属している養生シートを使う場合
私は今回、ショーワの「くうきれい エアコンファン洗浄剤 ( 養生シート付き)」を購入しました。
この商品には養生シートが付いていて、すでに形成もされ両面テープも貼り付けられサイズも家庭用エアコンにピッタリなのでとても簡単でした。
素材もポリ袋より頑丈なのでかなり安心して使えました。
上の写真は私が実際にフィルタ―・フィン・ファンをすべて掃除したときのものなので、カバーがすべて外されてフィンが露わになっています。
しかし、ファンのみの掃除の場合はエアコンをすべて分解する必要はありません。
そのほか、スプレーや汚れが飛び散るのを防ぎたい場合は床や壁にもビニールを貼り付けると良いでしょう。
自分でエアコンのファンを掃除する方法
では次にファンの掃除方法を順を追って見ていきましょう
スプレーを噴射する前の下準備
1.コンセントを抜く
故障や感電を防ぐためにもコンセントは必ず抜いておきましょう。
2.ルーバー(風向きを調節する部品)を取り外す
ファンにスプレーをしたり、ブラシを突っ込んだりしやすくするためにルーバーを取り外します。
ルーバーにもカビが付着していることがあるので、ついでに洗浄してしまいましょう。
3.養生シートを取り付ける
この時養生シートの下端に切れ込みを入れ、下にバケツなどの入れ物を置いておくと排水が自動的に溜まっていくので便利かもしれません。
泡を落とすために使う水量によっては排水量が多く、養生シートにかなり排水が溜まります。
私の場合は、かなり水を使って重みでテープがはがれてしまうんではないかと不安になったので、そうなることが予想されるときはバケツを使うのがおすすめです。
※上の写真のエアコンはルーバーが取り外されていません。
ファン用洗浄スプレーを噴射
いよいよファン洗浄スプレーを噴射していきます。
1.筒状のファンの内部にもムースが泡立つようにスプレーを噴射
私が使用した「くうきれい」は、スプレーをした1秒後ぐらいに時間差でムース上に泡立つように作られています。
ファンの表面ではなく中心に向かってスプレーすると全体に洗剤がいきわたると思います。
この時点ですでに、泡や排水が垂れてきて、それが腕を伝って来てしまうので手袋をはめたり、腕にティッシュペーパーなどを巻いておくと不快な思いをせずに済みそうです。
2.ブラシなどでファンを回転させ360°全方向からスプレー
私の家のエアコンの場合は歯ブラシで回せる位置にファンがありましたが、機種によっては届かないこともあります。
ブラシでこすって汚れを落とすためには歯ブラシでは物足りない可能性も高いです。
20~30分放置した後洗い流す
1.まずリンススプレーで洗浄
リンスには泡を消化させる作用があるようで、見る見るうちに泡が消えていきました。
2.リンスが足りないので加圧式スプレーでさらに洗浄
リンスを使い切ってもまだ泡が残っていたので、加圧式ペットボトルスプレーを使って泡が見えなくなるまで洗い流しました。
リンスは洗浄後も洗い流さなくていい成分なのかもしれないですが、私としては洗浄後のエアコン内にリンスが残ることが気になったので、ムースの泡が消えた後もかなり入念に水で洗い流しました。
このペットボトル専用加圧式スプレーノズルはAmazonで527円で購入しました。
あれば便利かなというぐらいの気持ちで購入しましたが、このスプレーノズルはかなり重宝し、エアコン掃除業者として高圧洗浄機を使っているような気持ちになり爽快でした。
リンスで落とし切れない洗剤をとことん落とせたのはこのスプレーノズルのおかげです。
3.泡が見えなくなったら1~2時間自然乾燥
手が届く範囲ならば、ぞうきんなどの布で拭いた方が早く乾燥するのでおすすめです。
もし夏場にファン掃除をして自然乾燥を待つ必要がある場合には熱中症になると大変なので、近くのスーパーや飲食店に避難しましょう。
4.1時間ほど送風運転で乾燥仕上げ
送風モードがないエアコンの場合は、さらに自然乾燥させるか、設定温度を室温以上まで上げた冷房で運転しましょう。(もしエアコンのカバーを取り外している場合は付け直してから運転してください)
下準備から掃除終了までの総時間は4時間弱かかり、エアコンの養生とファン掃除にかかる時間だけで見ると、合わせて1時間~1時間半ぐらいでした。
ファン掃除は確かにフィルターやフィンの掃除に比べると大変でしたが、養生も手軽でしたし、想像よりずっと楽にできたというのが正直な感想です。
最終的には上の写真以上の汚れ・カビが落ちて、達成感と同時に、これからはこんなに汚れたエアコンから吐き出される空気を吸わなくていいんだという安堵感がありました。
エアコンのファンが汚れにくくなる予防法
これまで自分でできるエアコンのファンの掃除方法を見てきましたが、以下ではファンが汚れにくくなる予防法を紹介していきます。
冷房使用後の送風運転を行う
冷房を使用すると、エアコン内部に結露が発生しやすくなります。この結露が原因で水漏れが発生したり、エアコンの内部の湿度が上昇し、カビが発生しやすくなったりします。
そこで、これらを解消するため運転停止前に1~2時間ほど送風運転をするといいです。送風運転によって結露が飛ばされ、エアコン内部の湿度の低下が見込めます。
フィルターをこまめに掃除しよう
定期的な掃除ももちろん汚れの予防に効果的です。ファンなどのエアコン内部の掃除は1年に1,2回で十分ですが、フィルターのこまめな掃除も、エアコン内部の汚れ付着に予防効果があります。
フィルターとは空気をろ過する役割を持つもので、エアコンカバーを外すとすぐ見えるものです。これは月に1,2回の掃除で大きな効果を現しますので、こまめに掃除するといいでしょう。
以下の記事では、フィルターの掃除方法を詳しく解説しているので参考にしてみてください。
100均の掃除ブラシもおすすめ
もっと気軽に簡単に掃除がしたい!という方におすすめなのが「100均の掃除ブラシ」です。
ダイソー「ふわっとモップ」や「自由に曲がるお掃除スティック」など、便利なお掃除グッズが販売されているのでぜひ活用してみてください。
エアコンの複雑な掃除はプロに依頼しよう
ファンの掃除方法を見てきましたが、自分でできる掃除には実際のところ限度があります。とくにファンのように、徹底的の掃除するには分解が必要な部分は自分で完璧に掃除することはできません。
そんな時はプロに頼むといいでしょう。以下ではエアコンクリーニングのプロについての解説していきます。
分解洗浄はプロに依頼
フィンやファンなど一つ一つの部品を徹底洗浄するには分解して掃除するしかありません。しかしエアコンは複雑な電気構造を有しているため、専門知識のない人が無理に分解すると、故障につながることが多々あります。
そこで分解洗浄などの複雑な掃除はプロに依頼しましょう。プロは専門知識と高圧洗浄機などの専門的な道具でもって、複雑な掃除も丁寧にかつスピーディに行ってくれます。
プロを選ぶ際のポイント
プロは主に「実績・経験」「丁寧なサービス」「料金」の3点に注目して選ぶといいでしょう。
「実績・経験」が豊富なプロは、確かな技術力を持っている場合が多く、「丁寧なサービス」が売りなプロは、依頼者の要望に真摯に向き合ってくれ、かつ細かい配慮に期待できます。
「料金」はプロによって異なる部分であり、セット割引など独自の料金体系を持つプロもいます。これらを踏まえ複数のプロを比較して、自分に合ったプロを見つけましょう。
ミツモアでエアコンクリーニングを依頼しよう!
エアコンの寿命を延ばし、長く、安く使いたいなら、定期的なクリーニングが重要です。自分では難しい部分も多いので、ぜひ、プロのクリーニング業者に依頼して、年に1度は徹底的にきれいにしましょう。安心して使えるようになるだけでなく、寿命も延びて、運転効率も良くなります。