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エアコンの「送風」とはどんな機能?電気代や上手な使い方も解説

最終更新日: 2024年06月28日

エアコンについている送風機能。「この機能って何に使うの?」と思ったことのある方も多いのではないでしょうか。

エアコンの「送風」とは、温度を変えずに風だけを送り出す機能のこと。

エアコンの送風機能を使えば、冷房運転を効率化して電気代を節約したり、エアコンのカビを防いだりすることが可能です。

送風機能の仕組みや上手な使い方を確認して、エアコンを賢く効果的に活用しましょう!

エアコンの「送風」とはどんな機能?その仕組みに迫る

快適にくつろぐ女性
送風機能で快適な空間づくりを

エアコンの送風機能は部屋を冷たくする冷房機能とは違い、内部のファンだけを使って風を送り出す機能です。

その仕組みや、冷房・除湿との違いを押さえて、必要に応じた使い分け運転をすることが大切です。

「送風」とは温度を変えずに風を送る機能のこと

エアコンの「送風」とは、内部のファンのみを使って温度を変えずに風を送り出す機能のこと。

熱交換器や室外機が動作しないので、送風運転時に出てくる風は冷気や熱気を帯びていません。部屋中の空気を取り込み、そのまま室内へと空気を再び送り出す仕組みです。

温度や湿度を変えること無く風を送るため、扇風機やサーキュレーターのようなものとイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。

送風機能を使ってできること

  • 部屋の換気
  • 空気の循環
  • エアコン内部の乾燥

送風機能はその仕組みから、上記のような使い方が可能です。

これらの使い方を駆使すると、電気代の節約カビの発生防止など、エアコンを効果的に活用するうえで大きなメリットがあります。

送風機能の使い方は後ほど詳しく解説するので、あわせてチェックしてみてくださいね。

除湿機能との違い

送風機能と除湿機能の違いは次の通りです。

機能 特徴
送風
  • 温度調整をせずに風を送る機能
  • 湿気を取り除くことはできない
  • 部屋の換気や空気の循環に使用
除湿
  • 室内の湿気を取り除く機能
  • 温度調整も可能
  • 一定温度を保ちつつ湿度を下げたい場合に使用

送風機能と見分けがつきにくい除湿機能は、室内の湿気を取り除きたいときに使います。「ドライ」と呼ばれることも多いでしょう。

除湿機能は本体内部の熱交換器を使って取り込んだ空気の熱を奪うことで、湿気を水分に変えて取り除きます。空気がたくわえられる水分量は温度によって決まっており、気温が下がればその量も少なくなるのです。

梅雨時など湿度を下げたいときには「除湿機能」を使い、温度や湿度はそのままに空気を循環させたい場合は「送風機能」を使うようにしましょう。

関連記事:エアコンのドライ機能と冷房の違い|賢く使い分けて電気代を節約しよう|ミツモア

送風機能にかかる電気代

エアコン
送風機能の電気代はどのくらい?

送風機能を使用するうえで、どのくらい電気代がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

送風機能の電気代は、冷房や除湿などの他の機能と比べてかなり安いのが特徴です。

電気代は1時間あたりたったの0.3円

送風機能にかかる電気代は、1時間あたりたったの0.3円ほどです。

機種にもよりますが、送風運転の消費電力は1時間あたり12W程度。この数値は扇風機とほぼ同等です。

つまり、エアコンの送風機能は扇風機とほとんど変わらない電気代で使用することができるのです。

関連記事:エアコンの電気代を計算してみよう!電気代の節約方法も解説|ミツモア

冷房や暖房との比較

エアコンの送風機能にかかる電気代を冷房運転時と比較しました。

機能 電気代・消費電力
送風
  • 1時間あたり0.3円 (12W/1h)
冷房
  • 1時間あたり17円 (595W/1h)
暖房
  • 1時間あたり13円 (470W/h)

※1kWhあたり27円の目安単価にて算出

冷房や暖房時の電気代と比べてみても、送風時の電気代が抜群に安いことがわかります。

冷房や暖房は熱交換器や室外機を動かすため多くの電力が必要ですが、送風は内部のファンのみを動かすので多くの消費電力を必要としません。

そのため、必要に応じて運転を使い分けて送風を積極的に活用していくことが、エアコンを効果的に使用するうえでのポイントといえます。

送風機能の上手な使い方

リモコンを操作する人
送風機能を使うとさまざまなメリットが

送風機能の上手な使い方について解説します。

部屋の換気や空気の循環に効果的な送風機能をうまく活用すると、次のようなメリットが得られます。

  • 電気代の節約
  • 体感温度の低下
  • エアコン内部のカビ予防

送風機能を使うと、どうしてこれらのメリットが実現するのでしょうか。

冷房前の換気に使って電気代の節約に

エアコンの送風機能を使用する女性
冷房の運転効率アップにより電気代が節約できる

送風機能を冷房機能の前に使うと冷房の運転効率が上がり、電気代の節約ができます。

暑いからといきなり冷房機能を使ってしまうと、設定温度と部屋の温度との差を縮めようとしてエアコンがフル稼働してしまいます。

室内温度が高ければ高いほどフル稼働する時間が長くなってしまい、電気代がかさんでしまうのです。

冷房を使う前に送風機能で換気を行えば、室内には風の通り道ができます。この後で冷房を使うことで涼しい風が道に沿って効率的に部屋中へと行き渡るのです。

またこのときに窓を開けておけば、より効果的に換気ができますよ。

「送風→冷房」の流れでエアコンを使用する習慣をつけるのがおすすめです

空気を循環させて体感温度を下げる

おしゃれな部屋
体感温度を下げて快適な環境を整えてくれる

送風機能はサーキュレーターと同様の機能です。稼働させることで、室内の空気がかき回されて循環します。

同じ室内でも全ての場所で温度が均一に保たれているわけではありません。暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下にたまります。

送風機能の風力で部屋にこもった空気が混じり合い、室内の温度を均一化することで体感温度を下げることができます。

「冷房を付けるほどではないけれど暑い」場合や「冷房だと寝るときに少し寒い」場合は送風運転を活用するとよいでしょう。

冷房後の1~2時間運転でカビ予防

きれいなエアコン
冷房使用後に送風機能を使うのがコツ

送風機能を使えば、エアコン内部を乾かして雑菌やカビの繁殖を防げます。

エアコンのカビは、使用時に生じた内部の結露が原因で発生します。冷房後に送風機能を使って内部を乾燥させ、結露を蒸発させましょう。

稼働時間は冷房使用後に1時間から2時間程度でOKです。

特に夏場の空気は暖かく、水蒸気を多く含んでいます。エアコンを稼働している間中、熱交換器が結露してしまって乾く暇がないため、カビや雑菌は必然的に繁殖しやすくなります。

菌や臭いの拡散を防ぐためにも、冷房後には送風運転を活用しましょう。

関連記事:【エアコンのカビ】臭いの対策と掃除の方法~放置は病気の原因になることも!?|ミツモア

送風機能がない場合の代用方法

送風機能がないエアコン
送風機能がないエアコンはどうする?

エアコンの中には、送風機能が付いていないものもあります。

送風機能がないエアコンの場合でも、運転方法を工夫すれば同様の機能を使うことができますよ。

冷房31℃の運転で代用可能

送風機能がないエアコンは、冷房を31℃の設定温度で使用すれば代用運転が可能です。

室内よりも高い温度に設定することで、エアコンが熱交換器を使用する必要がなくなるので、内部のファンのみを動かす運転になります。

そのため冷たい風ではなく、送風機能と同様にただの風を送り出すことができるのです。

「エアコンに送風機能がついていないけれど、カビ予防はしっかりとしておきたい」という方におすすめの方法です。

送風機能に関する注意点

送風機能の使い方で悩む女性
送風運転を効果的に活用するために

送風機能を使用するうえで、注意しておきたいポイントを解説します。

注意点を押さえて、送風機能の効果を最大限に発揮しましょう。

リモコンの温度設定は効果なし

送風運転中は熱交換器を使用しないため、リモコンの温度設定の効果がありません。

例えば、リモコンで24℃に設定しても24℃の風が出てくるわけではないのです。送風で出てくる風の温度は、室温に由来することを覚えておいてくださいね。

「もう少し風が欲しい」と感じた際には、温度設定ではなく風量を調整するようにしましょう。

洗濯物の乾燥効果はドライの方が高い

部屋干しの洗濯物を乾燥させる際に送風機能を使うこともできますが、あまりおすすめではありません。

洗濯物の乾燥にエアコンを使うのであれば、ドライ機能を使用するようにしましょう。

部屋の湿度を下げる効果によって、洗濯物に含まれる水分が空気中へ逃げやすくなり、早く乾きやすくなりますよ。

またこのとき、扇風機やサーキュレーターと併用するのもおすすめです。空気の循環により、洗濯物がさらに乾きやすくなります。

臭い風が出るときはカビ発生のサイン

「エアコンの送風機能を使うとなんだか臭い・・・」そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

エアコンの送風運転時に臭い風が出る場合は、本体内部でカビが発生している可能性が高いです。

送風以外の運転時には内部の結露によって臭いがある程度緩和されます。しかし、送風運転の際にはカビや汚れを経由した風を直接吹き付けることになるため、臭いをより感じやすくなるのです。

酸っぱいカビの臭いを感じた際は、エアコン内部のクリーニングを検討するのがおすすめです。

関連記事:エアコンの臭いの原因と除去方法|16℃運転で嫌な臭いを取れる?|ミツモア

年に1度はエアコンのクリーニングを

ゴム手袋や雑巾などの掃除グッズ
年に1度のクリーニングを心がけよう

送風機能をうまく活用していても、エアコンをフル稼働していればゴミやホコリ、それに伴うカビの不安があります。

いつも清潔な状態でエアコンを使うために、年に1度のクリーニングを心掛けましょう。

不快な臭いやカビの発生を防げる

暑い季節や寒い季節は、エアコンをフル稼働する家庭も少なくありません。

このときエアコン内部が汚れていたりカビていたりすれば、嫌な臭いやカビ・雑菌の拡散が心配です。エアコン内部をきちんと掃除しましょう。

掃除頻度は年に1度が望ましいですが、お掃除機能付きなら2年に1回程度でも問題ありません。

またエアコンは、フィルター部分が目詰まりすると冷暖房の効きが悪くなります。

他の部分と比較してホコリやカビが付着しやすい場所なので、小まめな掃除がおすすめです。月に2回は掃除機でホコリを吸い取るようにしましょう。

関連記事:エアコンフィルターの掃除方法を解説!掃除をしないと発生する2つのデメリットも紹介|ミツモア

エアコン掃除は専門業者への依頼がおすすめ

複雑な構造のエアコンは、自分で内部まで徹底的に掃除するのは難しい作業といえます。エアコン内部の掃除は専門の業者に依頼するのがおすすめです。

近年は掃除用のエアコンスプレーなどが販売されていますが、よく分からないままに使うとエアコンの故障や水漏れを引き起こす恐れがあります。

専門業者なら、周辺を養生した上でエアコン内部まで高圧洗浄してくれます。別途依頼すれば消臭・抗菌加工や室外機掃除まで対応可能です。所要時間1~2時間程度で、エアコンはすっかりきれいになります。

エアコンクリーニングの価格相場

エアコンクリーニングにかかる費用は、エアコンの種類によって異なります。一般的に、お掃除機能が付いているタイプは高額です。

 【エアコンクリーニングの価格相場】

  • 一般的な壁掛けタイプのエアコン:約1~1万4,000円
  • お掃除機能付きエアコン:約2~2万3,000円
  • 家庭用天井埋め込みエアコン:約3万円
  • お掃除機能付き天井埋め込みエアコン:約4万5,000円

価格は業者によって異なるため、複数の業者で相見積りを取るのがベターです。

また、複数台のエアコン掃除を依頼すると割引してくれる業者もあります。家に複数台のエアコンがある場合は、まとめて依頼するとお得かもしれません。

関連記事:【全国版】失敗しないエアコンクリーニング業者の選び方!料金が安いのはどの事業者?|ミツモア

エアコンクリーニング業者を比較する

送風機能を賢く使いこなそう

エアコンに電源を入れる女性
送風機能を使いこなして快適に!

風を送る「送風機能」には、電気代の節約やカビ防止などの様々なメリットがありました。

「今まであまり使ったことがない」という方は、今後積極的に送風機能を活用してみてはいかがでしょうか。

また万が一カビが発生してしまった場合は、クリーニング業者へ掃除を依頼して、内部までカビをきれいに除去してもらうのがおすすめです。

賢くきれいにエアコンを活用して、温度に悩まない快適な空間を実現しましょう。

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