エアコンは自分でフィルター掃除をするほかに、定期的にプロに依頼してクリーニングをしたほうがよいといわれています。とはいえ、安くない金額を払ってクリーニングをしてもらうなら、どれくらいの頻度で依頼しなければならないのか気になりますよね。
アンケート調査の結果、エアコンクリーニングサービスを利用したことがある方の中では「2年に1回」の頻度で依頼するという回答が最も多かったです。
調査結果からみられる動向や、プロ視点での適切なエアコンクリーニングの頻度、クリーニングを依頼すべきタイミングについても解説します。
エアコンクリーニングの理想的な頻度は?
エアコンのお手入れは、フィルターを自分で定期的に掃除した上で、プロによる内部クリーニングを依頼するのがおすすめです。それぞれどのくらいの頻度で行うのが適切なのか、まとめました。
部位 | 掃除頻度 |
---|---|
内部(ドレンパン・送風ファン・フィン) | 1~2年に1回 |
フィルター | 2週間に1回(稼働している期間) |
室外機 | 半年に1回(汚れていたら) |
内部クリーニングの頻度:1~2年に1回
エアコンクリーニングの理想的な頻度は、1年~2年に1回です。ただしエアコンは使用時間や周辺環境によって汚れやすさが変わるので、長時間使うエアコンは1年に1回、決まった時間しか使わないエアコンは2年に1回を目安にクリーニングすると良いでしょう。
人気エアコンシリーズ「白くまくん」を製造するエアコンメーカーの日立は、「カビや汚れが気になったタイミングでエアコンクリーニングを依頼してください」と案内しています。
カビや汚れが気になるくらい蓄積するまでの期間として、だいたい1~2年が一般的な目安です。
「ミツモア」で活躍するエアコンクリーニングのプロにも意見を聞いてみました。
おうちの絆サポート - 東京都町田市山崎町
株式会社ワカタケ産業 - 東京都豊島区池袋本町
よく使うリビングなどのエアコンは1~2年に1回、それ以外の限られた時間に使用するエアコンは2~3年に1回という意見が多かったです。
フィルター掃除の頻度:2週間に1回
エアコンを稼働させている期間は、2週間に1回のペースで自分でもフィルターを掃除しましょう。掃除機でホコリを軽く吸うだけでも大丈夫です。
毎日エアコンを使うとすぐに大量のホコリが付着します。エアコンの効きが悪くなるだけでなく、内部でのカビ繁殖にもつながるので、とにかくホコリや汚れを溜めないことが大事です。
エアコンの使い始め・使い終わりは、中性洗剤を使ってしっかりフィルターの水洗いをすることをおすすめします。
室外機掃除の頻度:半年に1回
室外機は、半年に1回エアコンを使い始めるタイミングで汚れ具合をチェックし、フィン(熱交換器)や吹き出し口が詰まっていたら掃除を行いましょう。夏・冬にエアコンを使い始める前の5~6月頃と10~11月頃がおすすめです。
室外機は屋外に設置することを前提に設計されているので、雨風や汚れに強く、基本的には掃除する必要がありません。ただし、吸い込み口やフィンがホコリや落ち葉でふさがれると、交換できる空気の量が減って運転効率が悪くなります。
アイ・コーポレーション東京狛江店 - 東京都狛江市岩戸南
おうちのクリーニング(ハウスクリーニング専門店) - 広島県東広島市八本松南
エアコンの使い方によって理想的なクリーニング頻度は変わる
エアコンの使い方や、設置した部屋の状況は各家庭で異なります。
生活スタイルや設置場所、家族の体質などに合わせて、どれくらいのペースでクリーニングを依頼するか決めておくと良いでしょう。判断基準は「使う時間の長さ」と「エアコン付近の空気の環境」です。
エアコンの使い方や生活スタイルごとに、エアコンクリーニングの頻度をまとめてみました。
適切な頻度 | エアコンの使い方・生活スタイル |
---|---|
1年に1回 | ・冷房・除湿の使用時間が長い(1日8時間以上など) ・冷房の設定温度を低くしている(20℃など) ・在宅ワーク等で部屋にいる時間が長い ・エアコンの位置がキッチンに近い ・室内でペットを飼っている ・室内でタバコを吸っている ・家族にアレルギー体質の方や小さな子どもがいる |
2年に1回 | ・冷房・除湿の使用時間がそれなりに長い(1日4~7時間程度) ・冷房の設定温度が高め(28℃など) |
3年に1回 | ・来客時など限られた時間しかエアコンを使わない |
使用時間が長い・設定温度が低いなど、エアコンの内部で結露がたくさん発生する使い方をしていると、カビが生えやすくなります。
油汚れ、ペットの毛、タバコなど、室内の空気中に汚れが多く含まれる場合も、エアコンが汚れるスピードは速いです。
【アンケート調査】各家庭の実際のエアコンクリーニング頻度
エアコンクリーニングは1~2年に1回行うのが望ましいとはいっても、理想的な頻度で定期的に依頼するのは、金銭的にも時間的にもなかなか大変です。
各家庭では実際どれくらいの頻度でエアコンクリーニングを行っているのでしょうか?
「ミツモア」ユーザーを対象に、エアコンクリーニングの実施頻度に関するアンケートを実施しました。
【概要】
調査対象:2024年4~5月に「ミツモア」の暮らし系サービスでお仕事依頼を行ったユーザー
調査期間:2024年6月12日~17日
調査人数:647名
エアコンクリーニングを依頼する頻度
エアコンは複数の部屋に設置している家庭が多いと思いますが、今回はリビングと寝室に分けてエアコンクリーニングの頻度を質問してみました。
リビングのエアコンクリーニング頻度
頻度 | 割合 |
---|---|
半年に1回 | 0.5% |
1年に1回 | 11.9% |
2年に1回 | 17.0% |
3年に1回 | 9.6% |
4年に1回以下 | 15.9% |
利用したことがない | 44.8% |
エアコンを設置していない | 0.3% |
リビングに設置したエアコンのクリーニング頻度は、クリーニング経験者の中では「2年に1回」という回答が最も多かったです。一方でエアコンクリーニングを「利用したことがない(44.8%)」という方も半数近くに上りました。
目に見えて汚れていたり、臭いやエアコンの効きが気になったりと、具体的なトラブルに見舞われなければクリーニングを依頼しないという方が多いようです。
寝室のエアコンクリーニング頻度
頻度 | 割合 |
---|---|
半年に1回 | 0.5% |
1年に1回 | 9.7% |
2年に1回 | 12.8% |
3年に1回 | 6.5% |
4年に1回以下 | 13.4% |
利用したことがない | 51.6% |
エアコンを設置していない | 5.4% |
寝室のエアコンも、クリーニングサービスを利用したことがある人の中では「2年に1回」ペースで依頼しているという回答が最も多い結果となりました。一方で、半数以上の方は寝室のエアコンを「クリーニングしたことがない(51.6%)」と回答しており、リビングと比べると寝室のエアコンはお手入れされていない傾向にあるようです。
寝室はエアコンの使用時間も少なく、リビングよりも空気中の汚れが少ないことが多いです。よって汚れによるトラブルも発生しにくく、エアコンクリーニングを検討するタイミングが少ないと考えられます。
自分でエアコンを掃除する頻度
自分でエアコンを掃除する頻度についてもアンケートを取りました。
自宅でのエアコン掃除は「半年に1回」のペースで行う人が40.1%で最も多い結果となりました。夏・冬のエアコンシーズン毎に掃除をするケースが多いと考えられます。
フィルター掃除は一般的に「2週間に1回」を推奨されることが多いですが、実際にそのペースで掃除している人はわずか3.5%でした。
自分で掃除するエアコンのパーツについても尋ねたところ、自宅でエアコンを掃除すると回答した方の98.4%はフィルターの掃除を行っていました。その他、手が届く位置にある吹き出し口(65.6%)、外側カバー(54.3%)も半数以上の方が掃除しているという結果になりました。
エアコンクリーニングを依頼したきっかけ
エアコンクリーニングの依頼経験がある人に対しては、依頼のきっかけについても質問をしました。
エアコンクリーニングを依頼したきっかけとして最も多かったのは、「エアコンが汚れているのが気になった(48.4%)」という回答でした。「定期的に依頼することにしている(18.7%)」という方も一定数いるものの、多くの家庭では汚れを見つけたときや臭いが気になったときなど、実際に困ることがあってからエアコンクリーニングを依頼していることが分かります。
一方、次にエアコンクリーニングを依頼するタイミングについても質問したところ、「前回の依頼から一定期間が経ったとき」に最も多く票が集まりました。クリーニング体験を経て、次回は汚れや臭いなどのトラブルが発生してから対処するだけではなく、定期的にクリーニングをしてエアコンをきれいに保ちたいと考えている方が多いようです。
すぐにエアコンクリーニングを行ったほうが良いケース
エアコンの臭いや汚れがひどくなる前にエアコンクリーニングを行うのが理想ではありますが、料金も高く自宅訪問が必要なサービスなので、ハードルが高いですよね。
普段は1~2年ペースでクリーニングができていない場合でも、「こんな症状があらわれたらすぐにエアコンクリーニングを行ったほうがよい」というサインをいくつか紹介します。
吹き出し口やその奥がカビで汚れている
エアコンのカビは基本的に内部の部品から先に発生します。吹き出し口や、その奥に見える送風ファンにカビが生えているのが見えたら、目に見えない内部も既にカビだらけになっている可能性が高いです。
外側から見えない部分のカビや汚れは、エアコンクリーニングを依頼してきれいにすることをおすすめします。
- エアコンを買って2年ほどでしたが、外から見てもわかるほど吹き出し口にカビ、また内部シロッコファンにカビや油汚れなどがついていて素人では手に負えないレベルでしたが、きれいにしていただきました。
- 新築から4年経ち、エアコンを全く掃除せずに夏の間フルで使用していたので黒ずみが見え始め、カビも気になり依頼致しました。
エアコンの風からイヤな臭いがしている
エアコンをつけるとイヤな臭いがする場合、内部がかなり汚れているサインです。多くの場合は内部で繁殖したカビや雑菌が臭いを発しています。
そのままエアコンを使い続けてもカビや雑菌が自然に消滅することはなく、ずっと臭いがしたまま生活をすることになってしまいます。
臭いが気になったら早めにクリーニングをしましょう。
- エアコンを取り付けてから4年位、1度も洗浄していなかったので、臭いも気になり、依頼しました。
- 梅雨の時期に除湿機能を利用していたせいかエアコンからカビの匂いがしていたので依頼しました。
- エアコンは年に一回ほど自分でフィルターは洗浄したりしてましたが、3年ほど経つとやはりカビの臭いがしてきたため、クリーニングをお願いしました。
エアコンを付けると咳やくしゃみなどの症状が出る
エアコンを作動させると喉が痛くなったり、咳やくしゃみが出たりと体調に影響が出る場合は、エアコンの風に乗って内部のカビやホコリ汚れが部屋に舞っているかもしれません。
そのまま放置していると、もっと重いアレルギー症状に悩まされるリスクもあります。
- 部屋を借りて3年ほど、備え付けのエアコンを使ってました。今月に入ってから咳や喉の痛みなどの体調不良が続き、医師の診察を受けるも改善は見られず悩んでいると、エアコンの汚れに気づきました。
- エアコンから出てくる汚い空気で鼻水やくしゃみが出ていたので、掃除を依頼しました。自分ではフィルターの掃除しかやった事がなく、10年以上放置していたのが綺麗になり、室外機からもホコリのかたまりが沢山でてきていて、見るからに綺麗になりました。
エアコンクリーニングを最もお得に依頼できる時期は10~11月
安くエアコンクリーニングをするには、繁忙期である6~8月を過ぎた10~11月ごろに依頼するのがおすすめです。
6~8月には、暑くなってきて久しぶりにエアコンを付け、カビ臭さやホコリっぽさなどの異常を感じて依頼するケースが非常に多く見られます。みんなが同じように依頼をするので、エアコンクリーニング業者の予約もいっぱいになりやすく、料金が高くなるのです。
エアコンを使わなくなった秋口は、料金設定を下げるエアコンクリーニング業者も多く、繁忙期と比較して1台当たり2,000円ほど安くなることもあります。
事業者側もなるべく予約を埋めたいので、キャンペーンや割引なども効きやすいです。
また、夏に冷房・除湿運転を行ったあとなので、秋はエアコンが最も汚れているタイミングです。秋に掃除しておけば、汚れを次の季節まで持ち越さず、次のシーズンにきれいな状態で使い始められます。
エアコンクリーニングの頻度を下げて節約するコツ
定期的なエアコンクリーニングが望ましいとはいえ、お金もかかるので、なるべくクリーニング回数を抑えたいと思われる方も多いのではないでしょうか。
エアコン内部の汚れを予防し、クリーニング回数が少なくても清潔な状態を保つために普段から心がけることを解説します。
冷房・除湿運転の後に内部クリーン機能を使う
冷房や除湿でエアコンを運転すると、内部で結露が発生します。結露を放置すると、湿気がこもってカビが生えやすくなってしまいます。
冷房・除湿運転のあとは「内部クリーン機能」を起動させるようにしましょう。内部クリーンとは、送風と弱暖房で内部を乾燥させる機能です。冷房のあとに自動で起動するように設定できる機種もあります。
近年販売されているエアコンのほとんどは内部クリーン機能を備えていますが、ない場合は送風運転で内部を乾かしましょう。
エアコンを使う時期は2週間に1回フィルター掃除をする
エアコンをよく使うシーズンは、2週間に1回を目安にフィルターの掃除を行いましょう。
フィルターは吸い込んだ空気をろ過する役割で、最もホコリや汚れが溜まりやすい場所です。ホコリを放置するとカビのエサになり、内部の汚れを加速させてしまいます。
お掃除機能付きエアコンの場合はこまめなフィルター掃除は必要ありませんが、ダストボックスに溜まったホコリ・ゴミをシーズンに1回は捨てましょう。
部屋の換気や掃除をしてホコリを溜めない
エアコンは室内の空気を一度内部に取り込んでから排出しますが、取り込む空気がきれいなほどフィルターも汚れにくいです。
定期的に窓を開けて換気を行い、ホコリやハウスダストを部屋に溜めないようにしましょう。
また、床や家財にもホコリが積もっていくので、こまめに掃除機やフローリングワイパーをかけたり、ハンディモップで掃除をしたりすることも大切です。
エアコンを使わない時期にも送風運転をする
エアコンを使わなくても、室内の湿度や環境によっては内部に汚れが溜まっていきます。室内のカビ菌やホコリが内部に入ってしまったり、湿度が高い日はエアコンをつけていなくても内部の湿度が上がってカビが繁殖しやすくなります。
エアコンを使わない時期にも、月に1回程度、1時間ほど送風運転をすることをおすすめします。
エアコンクリーニングを安く依頼するなら相見積もり
エアコンクリーニングサービスには定価がないので、事業者によって料金設定にも差があります。同じ条件で複数の事業者から見積もりを取り、料金を比較するとよいでしょう。
傾向としては、全国展開の大手事業者よりも地域密着型の個人事業者のほうが料金が安いことが多いです。サービス品質が不安な場合は、口コミ評価を確認しましょう。
エアコンクリーニングの料金相場
エアコンクリーニングをプロの事業者に依頼するときの料金目安は以下の通りです。
メニュー | 料金の目安 |
---|---|
壁掛けエアコン1台 | 7,000~12,000円 |
壁掛けエアコン1台(お掃除機能付き) | 16,000~20,000円 |
天井埋め込み式エアコン1台 | 17,000~25,000円 |
消臭抗菌コートオプション | 1,000〜2,000円 |
室外機の洗浄オプション | 3,000~4,000円 |
上記の料金は通常の分解洗浄(一部部品の取り外し・高圧洗浄)を行ったときの料金です。
部品を取り外す完全分解洗浄を行う場合は、これよりも1万円程度高くなります。
クリーニング料金の決まり方については以下の記事で解説しています。
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