エアコンを自分で簡単に掃除できる方法をご紹介します。自分でできる範囲の掃除はたった45分で終わるので、ぜひ試してみてください。なお、プロにしかできないエアコンクリーニングの範囲についても解説します。
エアコン掃除の自分でできる範囲・プロに依頼すべき範囲
エアコンは「自分で掃除できる範囲」と「プロにクリーニングしてもらうべき範囲」が以下のように分かれています。
部位 | 自分で掃除 | 掃除頻度 |
フィルター | ○ | 月1~2回 |
吹き出し口(ルーバー) | ○ | 月1~2回 |
本体カバー(フロントパネル) | ○ | 月1~2回 |
熱交換器(フィン) | × | 2年に1回 |
送風ファン | × | 2年に1回 |
ドレンパン | × | 2年に1回 |
室外機 | ○ | 年1~2回 |
ドレンホース | ○ | 年1~2回 |
自分で普段行うエアコン掃除の基本は、「フィルターを月1~2回ペースで掃除する」ことです。ついでに周辺部位のホコリ取りも合わせて、1回につき約45分あれば終わります。
詳しい手順は「エアコン本体(フィルター・吹き出し口)の掃除方法」をご覧ください。
フィルターよりも奥にある内部の部品(熱交換器、送風ファン、ドレンパン)は、自分で掃除せずプロに依頼しましょう。
内部をきれいにするには、分解して部品ごとに洗浄するか、高圧洗浄機で汚れを落とすしかありません。素人がやろうとすると、いずれも故障のリスクが高いです。
2年に1回はプロによるクリーニングを依頼することをおすすめします。自分でもできるフィルター掃除などもあわせて実施してくれるので、普段こまめにお手入れができていない人は特に依頼する価値があります。
エアコン本体の掃除方法【所要時間:約45分】
エアコンは家にある道具だけで簡単に掃除することができ、しっかりと汚れを取り除くことが可能です。
フィルターの掃除は1~2週間に1回、本体カバーやルーバー、熱交換器の表面は1か月に1回を目標に掃除するようにしましょう。
全ての箇所を掃除するのが大変なら、フィルター掃除だけでも定期的にするのがおすすめです。短時間の作業だけで十分な効果がありますよ。
用意する掃除道具
まずは掃除に必要な道具を用意しましょう。紹介する道具はほとんどの家に置いてあると思います。
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※「おそうじ棒」は吹き出し口の掃除に使うものです。雑巾などではとどきにくい奥の部分も掃除できる便利な道具なのでぜひ作ってみてください。
【おそうじ棒の作り方】
- 割りばしにキッチンペーパーを巻く
- 輪ゴムでキッチンペーパーを固定する
【2】フィルターを掃除する:約25分
フィルター掃除の手順はおおまかに以下のとおりです。
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①エアコンの電源プラグを抜き、本体カバーのホコリをモップやタオルで拭く
電源プラグを抜いてから、本体カバーをハンディモップやタオルで拭き掃除します。部屋にホコリが舞い散るのを防ぐことができます。
拭き掃除が終わったら本体カバーを外します。
本体カバーの多くは、両脇の凹みをつかんで上に開けることができます。ある程度持ち上げると固定されるので、手を放してフィルターを取り出すことができます。
取り外す際は力を入れすぎないようにしましょう。
②フィルターを取り外す
取り外すときの勢いでホコリが落ちてしわないように、フィルターがエアコンに設置されたままの状態で掃除機をかけましょう。
掃除機をかけ終わったらフィルターを取り外します。
フィルターを取り外すときは、優しく上に持ち上げてからそっと引っ張りましょう。フィルター下部にあるツマミを少し上へ押し上げた後、下方向に引き出して取り外します。
③フィルターのオモテ面から掃除機をかける
フィルターの下にゴミ袋を敷いたうえで、ホコリが付着したオモテ面から掃除機をかけてください。裏面から掃除機をかけてしまうと、ホコリがフィルターの目に詰まってしまうので注意しましょう。
④フィルターのウラ面からシャワーを当てる
フィルターを浴室や洗面所へ持っていき、シャワーで水洗いします。ホコリが付着した面の反対側(ウラ面)から当てて、表面のホコリを押し出しましょう。
⑤細かいホコリを歯ブラシで取り除く
最後に細かいホコリを落とします。フィルターの目を破いてしまわないように、使い古しの歯ブラシや柔らかいスポンジでやさしくこすりましょう。
油汚れがある場合は、台所用の中性洗剤を水で薄めてからフィルターの汚れを落としてください。
⑥タオルで水気をとり、半日ほど陰干しする
フィルターをタオルで軽く叩くように優しく拭いてから、フィルターを陰干ししましょう。
水分が残ったままフィルターを取りつけると、カビが発生してしまう要因になるので半日ほどしっかり乾かしてください。
【フィルターを掃除するときの注意点】
フィルターを傷つけないために、掃除するときは以下の注意点を守りましょう。
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フィルターを洗い流すとき、刺激の強い洗剤を使うとプラスチックを傷めるので避けましょう。油汚れが気になる場合は、食器用中性洗剤を水で薄めたものを使ってください。
タワシや固いブラシ、研磨剤の入ったみがき粉などでこするのも、傷ついてしまうおそれがあります。
また乾かすときに熱風や直射日光を当てると、プラスチック部分の変形や劣化につながります。フィルターがエアコンにうまくはまらなくなってしまうので、風通しの良い場所で陰干ししましょう。
【3】熱交換器の表面を掃除する:約10分
熱交換器はフィルターの奥にある部品で、アルミ製の薄い板がたくさん並んでいる部分が熱交換器の表面です。以下の手順でホコリを取り除きましょう。
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モップや掃除機をあまり強く押しつけると、内部にホコリが追いやられてしまうので注意してください。
【4】吹き出し口付近(ルーバー)を掃除する:約10分
吹き出し口付近を掃除する手順は以下の通りです。
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①吹き出し口をやさしく開ける
電源プラグを切っている状態だとエアコンの吹き出し口は閉まってしまいますが、手動で簡単に開けられます。
両手を使って吹き出し口についた板(上下方向の風向きルーバー)をつかみ、開きましょう。
②おそうじ棒や先の細いモップなどで吹き出し口のホコリを取る
用意したおそうじ棒を使って、左右方向の風向きルーバー(垂直についた板)の間を掃除しましょう。「送風ファン」という部品が奥にあるので、突っ込みすぎないよう注意してください。
③乾いたタオルでルーバーを拭く
ルーバーのホコリを乾いたタオルで拭きとりましょう。
【ルーバーを掃除するときの注意点】
吹き出し口の奥のほうまで掃除しようとして、ルーバーを取り外すのはやめましょう。
無理に力を入れると接続部が破損し、取り付けられなくなるおそれがあります。
エアコン内部まで掃除したいときはプロのエアコンクリーニング業者に依頼しましょう。
エアコン本体の掃除でやってはいけないこと
エアコン本体を掃除では以下の3点に気を付けましょう。
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エアコン洗浄スプレーを安易に使う
エアコン内部を洗浄するためのスプレーも市販されていますが、内部をきれいにしたいときは基本的にプロに依頼するのがおすすめです。
洗浄スプレーを使った場合の安全性が担保できないので、基本的にエアコンメーカーはスプレーの使用を推奨していません。プロのエアコンクリーニング作業と比べても、カビや汚れを取り除く力は弱いです。
もし洗浄スプレーを使って掃除したい場合は、以下のリスクを理解しておきましょう。
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特に故障や火災は非常に大きなリスクです。スプレーを使用する場合は、必ず商品の説明書に記載された使用方法にしたがってください。
エアコン本体に水気を残さない
エアコン本体には水をかけてはいけない部分があります。具体的には、電気の基盤や配線、コンセントといったところです。そこに水がかかると、エアコンが故障する原因となります。
また、水気が残ると、内部でカビが生えてしまい、せっかく掃除したにもかかわらず新たなカビに悩まされることになってしまいます。水気を残さないよう、完全に乾くまで乾拭きをしましょう。
フィルターはしっかり乾かしてから取り付けてください。湿ったまま取り付けると、臭い風が出たり、カビが繁殖したり、事故の原因になったりと、さまざまな害が起きてしまいます。
自分でエアコンの部品を分解しない
フィルターの取り外しはそれほど難しくありませんが、内部の分解はやめましょう。フィンやファンは専門的な知識としっかりとした準備がなければ分解することはできません。
無理に分解したとしても、元に戻せなければエアコンを使えなくなってしまいます。また、内部には精密機器が多く組み込まれています。触れてはいけない部分に誤って触ってしまい、火事や怪我などの原因を作らないためにも、内部の分解はプロに任せましょう。
室外機・ドレンホースの掃除方法
半年~1年に1回を目安に室外機やドレンホースを掃除することでエアコンの効率が安定し、電気代の節約につながります。
プロのエアコンクリーニング業者に依頼するときに、室外機やドレンホースも一緒にキレイにしてもらうことをおすすめします。頻度は年に1~2回がいいでしょう。
室内機の電源を切ってコンセントを抜く
掃除の最中に事故が起きないように、室内機の電源を切っておきましょう。コンセントも抜き、完全に室内機が動かないようにします。
室外機周辺の物やゴミを取り除いておく
掃除をしている間に、近くに落ち葉やゴミがあると事故の原因になります。必ず取り除き、十分なスペースを確保してから作業に取り掛かりましょう。
ブラシや雑巾を使って本体を水拭きする
室外機は水拭きしても問題ありません。ブラシを使って擦るのも効果的ですが、前面の吹き出しグリルや背面の熱交換器(フィン)は、怪我や故障のもとになるので奥に入れすぎないようにしてください。
ドレンホースを掃除する
ドレンホースはエアコン内部で発生した水を室外に吐き出す役割があります。水と一緒にホコリや汚れも洗い流すので、こちらの汚れも取り除きましょう。
ドレンホース内部には汚れが溜まりやすく、先端の排出口から虫が侵入したり、蜘蛛の巣を張ったりすることもあります。
簡単に掃除する
ブラシが届く範囲で、ドレンホースの先端から内部を擦りましょう。軽い汚れであれば、十分に落とすことができます。こまめに掃除する場合は、簡単な掃除で問題ありません。
詰まりがある場合にしっかり掃除する
まずドレンホースの先端に掃除機を差し込み、吸引します。中にあるゴミや埃を掃除機で吸い取りましょう。
続いて、ドレンホース用のパイプクリーナーで汚れを吸引します。掃除機だけでは吸い取れなかった、強くこびりついた汚れを落とすことができます。
お掃除機能付きエアコンの掃除方法
近年はお掃除機能付きのエアコンが多く販売されています。しかし自動でお掃除してくれるからといって、一切メンテナンス不要というわけではありません。
お掃除機能は基本的にフィルターのホコリを自動で取り除いてくれる機能であって、エアコン内部すべてをきれいにしてくれるものではないからです。
お掃除機能付きエアコンであっても、年に1~2回は以下のお手入れをしましょう。
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エアコンのモデルによってお掃除機能の細かい仕様やダストボックスの掃除方法が異なるので、取扱説明書やホームページのメーカー説明を確認することをおすすめします。
なお「お掃除機能」と似ている「内部クリーン機能」は、汚れを取り除いてくれる機能ではありません。エアコン内部を乾燥させてカビや雑菌の繁殖をおさえてくれる機能です。
プロによるエアコンクリーニングの内容
エアコン内部を掃除したい場合や、エアコン掃除をする時間がない・面倒くさいといったときはプロにエアコンクリーニングを依頼しましょう。
エアコンクリーニングを依頼した時のプロによるクリーニングの内容を紹介します。
お掃除機能なしエアコンであれば作業時間は60~90分です。
プロによるエアコンクリーニング作業
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プロがクリーニングをしてくれると、下の写真のようにルーバーから汚れが一掃されます。
徹底的に洗浄してほしい場合は、エアコン本体から熱交換器(フィン)、送風ファンを完全分解洗浄するプランもあります。
料金は約10,000円ほど上乗せになりますが、自分ではできない範囲も完璧に綺麗にしたいという方におすすめです。
プロによるエアコンクリーニングの費用相場
エアコンクリーニングの費用相場は以下の通りです。
エアコンの種類 | 費用相場 |
壁掛けタイプ(お掃除機能なし) | 7,000~12,000円 |
壁掛けタイプ(お掃除機能付き) | 16,000~20,000円 |
天井埋め込みタイプ | 17,000~25,000円 |
オプション内容 | 費用相場 |
消臭抗菌コート | 2,000円 |
室外機洗浄 | 3,000~5,000円 |
エアコン機種やメーカーによって差が出ますが、壁掛けタイプ(お掃除機能なし)エアコンであれば7,000~12,000円が相場です。
お掃除機能が付いているタイプは内部構造が複雑なので、16,000~20,000円です。
家に複数台のエアコンがある場合、まとめて複数台をエアコンクリーニングを依頼すると割引になる業者が多いので相談してみましょう。
エアコンクリーニング業者の選び方
エアコンクリーニング業者を選ぶとき、ポストにチラシが入っていたり、ネット上にポータルサイトがたくさんあったりするので、たくさんの業者からどんな観点で決めたらよいのか迷ってしまうかもしれません。
まず、納得のいく事業者を選ぶときにやったほうが良いのは「複数の業者から見積もりをもらって比較すること」です。
その上で見るべきポイントはおもに以下の3つです。
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エアコンクリーニング業者の見きわめ方は以下の記事でも詳しく解説しています。
①サービス内容に対して料金が高すぎず、安すぎない
複数の業者の見積もり料金を比べたとき、飛びぬけて金額が高い業者や安い業者は避けた方がよいでしょう。
特に金額が安い事業者には惹かれてしまいがちですが、サービスの品質とあわせるとコストパフォーマンスが良くないこともあるので要注意です。
他の事業者では標準メニューになっている工程がオプション扱いになっていたり、最初に安い金額を提示して後から何かと追加費用を請求しようとしたりする可能性もあります。
必ず同じサービス内容に対する見積もり金額を比べ、どんなときに追加費用がかかるのかも確認しましょう。
②作業実績が豊富で口コミ評価が高い
エアコンクリーニングには特別な資格が必要ありません。なので技術力やサービス内容は、事業者ごとに差が出ます。
ホームページなどで利用者による口コミや作業実績を確認しましょう。
口コミが多い=利用者数が多い、かつ高評価な意見があれば、満足いくエアコンクリーニングをしてもらえる可能性が高いでしょう。
③損害賠償保険に加入している
プロによるエアコンクリーニングは、エアコン部品の取り外し作業、高圧洗浄機を使用した作業を行います。
部品を取り外すときに破損させてしまったり、高圧洗浄機の水が他の家電にかかって故障させたりといった事故が起こる可能性はゼロではありません。
損害賠償保険に加入していれば、作業中に万が一エアコン本体が故障したり、家具・家電に傷がついたりした場合、保険によって補償金をまかなうことができます。
一方で損害賠償保険に加入していないと「修理費用を負担できない」というケースも考えられるので確認しておきましょう。
エアコン掃除後のカビ・におい予防のコツ
エアコン掃除した後はキレイな状態を保ち、カビの発生を予防しましょう。カビ予防のポイントを2つ紹介します。
①エアコン使用後に内部クリーン・送風機能で内部を乾燥させる
冷房や除湿モードを使うとエアコン内部に結露水が発生します。すぐに電源を切ると水が残ったままになり、カビが生えやすい環境になってしまいます。
エアコンを使い終わったら、1時間ほど内部クリーン機能や送風モードで内部を乾かしましょう。
内部クリーンはエアコン内部を乾燥させる機能で、送風時間の目安は60~90分、電気代は1回あたり約0.6~2円です。メーカー各社も、エアコン使用後に内部クリーンをすることを推奨しています。
②定期的に窓を開けて換気する
エアコンを稼働開始後、10分を目安に窓を開けて換気しましょう。部屋を換気することで室内のホコリを外へ逃がすことになり、フィルターにホコリが溜まりにくくなります。
また室内のこもった気になる臭いや汚れも、エアコンが吸い込まなくなるので臭い予防にもつながります。
③定期的にフィルターを掃除する
ホコリがたまるほど、カビや雑菌が増えやすくなり、汚れやにおいがひどくなります。汚れを拡大させないためには、こまめな掃除が効果的です。
今回紹介した「エアコン本体の掃除方法」を参考に、冷房や暖房のシーズン中は月1回程度フィルターの掃除をしてみましょう。
エアコンクリーニング業者選びは相見積もりで比較を
エアコンのクリーニングは、自力で行おうとすると意外と難しいものです。頻繁に掃除をしないと汚くなってしまうので、一度プロに徹底的に汚れを落としてもらうことをおすすめします。
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