さまざまなメーカーに搭載され一般的な機能として普及しつつある「お掃除機能付きエアコン」。フィルターのホコリを自動でお掃除してくれる便利な機能ですが、自分で掃除をしなくてよいというわけではありません。
この記事では、お掃除機能付きエアコンの特徴や見分け方、プロによる定期的なエアコンクリーニングの必要性について紹介していきます。
お掃除機能付きエアコンとは

「お掃除機能付きエアコン」とは、フィルターを自動でお掃除する機能がついたエアコンのことを指します。2003年に富士通ゼネラル社が世界で初めて搭載、今では多くのメーカーにて採用されている機能です。
メーカー別「お掃除機能」の名称とは
メーカーによってお掃除機能付きエアコンの呼び方が異なります。「自動お掃除」「お掃除ロボット」「おそうじメカ」の記載があります。
(※2022年5月時点による調査)
【メーカー】 | 【機能名称】 |
ダイキン工業(DAIKIN) | フィルター自動お掃除 |
パナソニック(Panasonic) | フィルターお掃除ロボット |
三菱電機(Mitsubishi Electric) | はずせるフィルターおそうじメカ/フィルターおそうじメカ |
日立(HITACHI) | フィルター自動お掃除 |
富士通ゼネラル(FUJITSU GENERAL) | フィルター自動おそうじ |
シャープ(SHARP) | フィルター自動掃除 |
東芝(TOSHIBA) | フィルター自動お掃除 |
ホコリの処理方法は主に2種類
- ホコリをダストボックスにためるタイプ
- ホコリをエアコン外部に排出するタイプ
掃除したホコリをダストボックスに溜めるタイプが多くみられますが、エアコン外部に排出するタイプもあります。
自動でお掃除してくれる部分はフィルターのみ
エアコン掃除が不要で便利だからという理由で使用している人は注意しましょう。
お掃除機能付きエアコンが掃除してくれる部分は、空気の吸い込み口にあるフィルターのみ。エアコン内部全体を掃除してくれるわけではあません。
また、長期間使用し続けるとどうしてもフィルターの奥にある熱交換器(フィン)や送風ファンにカビやホコリが溜まっていきます。「なんか部屋がカビ臭い」と感じている人は、長年使用し続けたエアコンが原因かもしれません。
メーカーによってはフィルター以外のお掃除機能付きエアコンがある
メーカーによってはフィルター以外を自動でお掃除してくれる機種も登場しています。汚れやすい熱交換器(フィン)や送風ファンを自動でお掃除する機能です。
エアコン内部をキレイに保ち、カビ予防や運転効率を落とさない工夫がされています。
機能名を一部紹介しますので、気になる方はホームページ等で調べてみてください。
(※2022年5月時点による調査)
【メーカー】 | 【機能名称】 |
ダイキン工業(DAIKIN) |
|
日立(HITACHI) |
|
富士通ゼネラル(FUJITSU GENERAL) |
|
東芝(TOSHIBA) |
|
お掃除機能付きエアコンも定期的なクリーニング作業が必要

フィルターを自動できれいにする「お掃除機能付きエアコン」ですが、実はお掃除機能が付いていてもプロによる定期的なエアコンクリーニングが必要です。
定期的なエアコンクリーニングが必要な理由
お掃除機能がホコリを落としてくれるのはエアコンのフィルター部分で、エアコン内部の汚れを掃除してくれる訳ではありません。
特に家庭内にタバコを吸う人がいる場合、キッチン近くにエアコンを設置している場合は、油汚れやヤニなどお掃除機能では落としきれない厄介な汚れがフィルターに付着します。
フィルターを通り抜けた熱交換器(フィン)の隙間にホコリも入り込み、知らずのうちにエアコン内部が汚れでいっぱいになっていることも。結果として、エアコンから異臭がしたり、運転効率が下がったりする原因にもなってしまいます。
お掃除機能で取り切れない汚れを落とすためにも、プロによる定期的なエアコンクリーニングが必要です。
エアコンクリーニングを放置し続けることによるリスク
お掃除機能付きエアコンの機能を知らなかったり、面倒くさがったりしてエアコンクリーニングを放置し続けると健康被害を引き起こすリスクがあります。
お掃除機能付きエアコンは構造上、密閉度が高いため、エアコン内部にはカビが繁殖しやすい環境になっています。エアコン内部にカビが溜まると、排出される空気も汚れているため夏型過敏性肺炎やアトピー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など健康被害を引き起こしてしまう原因になります。
お掃除機能付きエアコンの見分け方

「お掃除機能付きエアコンかどうか分からない」場合の見分け方を紹介します。次の4つのポイントを紹介します。
- リモコンに「自動お掃除」ボタンがついている
- フィルターが簡単に外せる、ダストボックスがある
- エアコン本体(室内機)の厚みがある
- ホームページで型番を調べる
①リモコンに「自動お掃除」ボタンがついている

まずはリモコンを確認してみましょう。リモコンに「フィルター掃除」「手動掃除」「洗浄」などと書かれているボタンがあれば、お掃除機能がついています。
「内部クリーン」と書かれたボタンがある場合、判断に迷うかもしれません。
内部クリーンはエアコン内部を乾燥させてカビの発生を抑制させる機能です。お掃除機能とは異なる機能です。
②フィルターが簡単に外せる、ダストボックスがある

リモコンを見てもよく分からなかった場合は「フィルターが簡単に外れるかどうか」で判断することができます。
お掃除機能がついてない通常のエアコンは、前面パネルを開けるとフィルター全体が見えるのが特徴です。
またフィルターを簡単に取り外すことができれば、お掃除機能付きエアコンではありません。

一方で、お掃除機能付きエアコンの場合は、フィルターがお掃除ロボットにしっかりとロックされているため、少しずらした程度では取り外せなくなっています。
またお掃除機能付きエアコンは、前面パネルを開けるとお掃除ロボットやダストボックスが見えることも見分け方の1つです。
③エアコン本体(室内機)に厚みがある

お掃除機能付きエアコンと通常のエアコンでは、本体の厚みにも違いがあります。
側面から本体を見た場合、お掃除機能付きエアコンは一般的なエアコンと比べて厚みがあるのです。
お掃除機能付きエアコンの中にも厚みが抑えられているタイプがあり判断に悩む場合もありますが、重要な見分け方の1つといえるでしょう。
④ホームページの製品一覧表で確認する
ホームページの製品一覧表にお掃除機能付きがどうかの確認ができます。表の1項目として存在しているのでご確認ください。
現在ホームページで掲載されているされている製品でお掃除機能付きの調査しましたので、参考にしてみてください。
(※2022年5月時点による調査)
【メーカー】 | 【型番(シリーズ)】 |
パナソニック(Panasonic) | ■機能付き ・ダストボックス方式( GXシリーズ /LXシリーズ) ・自動排出方式(ダストボックス方式)(Xシリーズ EXシリーズ PXシリーズ) ■機能なし(Jシリーズ /Fシリーズ/) |
ダイキン工業(DAIKIN) | ■機能付き(Rシリーズ/Aシリーズ/Mシリーズ/Fシリーズ/Cシリーズ/Dシリーズ/Hシリーズ) ■機能なし(Sシリーズ/VXシリーズ/Eシリーズ/KXシリーズ) |
三菱電機(Mitsubishi Electric) | ■機能付き(FZシリーズ/Zシリーズ/Rシリーズ/FDシリーズ/ZDシリーズ/XDシリーズ/Xシリーズ) ■機能なし(FLシリーズ/Sシリーズ/GEシリーズ) |
日立(HITACHI) | ■機能付き(Xシリーズ/Sシリーズ/Wシリーズ/Gシリーズ) ■機能なし(Dシリーズ) |
富士通ゼネラル(FUJITSU GENERAL) | ■機能付き( Xシリーズ/Zシリーズ/Hシリーズ/SVシリーズ/Dシリーズ/ZNシリーズ/DNシリーズ) ■機能なし(Vシリーズ/Cシリーズ) |
シャープ(SHARP) | ■機能付き(P-Xシリーズ/P-Hシリーズ/P-Fシリーズ/N-Xシリーズ/N-Hシリーズ/L-Xシリーズ/L-Hシリーズ)※ ■機能なし(P-Dシリーズ/P-Sシリーズ/P-Nシリーズ/N-Pシリーズ/N-Dシリーズ/N-Sシリーズ/N-Nシリーズ/L-Pシリーズ/L-Dシリーズ/L-Sシリーズ/L-Nシリーズ) |
東芝(TOSHIBA) | ■機能付き(J-DTシリーズ/J-Rシリーズ/DRNEシリーズ) ■機能なし(J-Pシリーズ/J-Mシリーズ/VNシリーズ) |
お掃除機能と内部クリーン機能の違い
エアコンの「お掃除機能」と「内部クリーン機能」は、機能が異なります。混同されることも多い2つの機能ですが、以下の表で違いを理解しましょう。
- お掃除機能:フィルターについたホコリを自動で取り除く機能
- 内部クリーン:エアコン運転後に暖房や送風を行って本体内部を乾燥させる機能
お掃除機能がホコリを取り除く機能に対し、内部クリーン機能はエアコン内部を暖房や送風運転で乾燥させる機能です。冷房や除湿運転後に発生する結露を乾かし、エアコン内部のカビや臭いの発生を抑えるはたらきがあります。
下記にて、エアコンの内部クリーン機能について詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてみてください。
お掃除機能付きエアコンの掃除や内部洗浄(クリーニング)、自分でもできる?
自分でお掃除機能付きエアコンを奥まで内部洗浄するクリーニング作業は避けましょう。エアコン内部を自分で掃除すると以下のようなリスクがあります。
- 内部構造が複雑、作業時間が非常にかかる
- 故障するリスクが高まる(故障しても保証が効かない)
お掃除機能付きエアコンは、プロのエアコンクリーニング業者でも作業に2~3時間程度かかります。素人が作業するとなると、さらに時間がかかってしまう可能性があります。
またお掃除機能付きエアコンは内部構造が複雑です。専門知識がないまま自分でエアコンクリーニングをしようとすると故障の原因になることも。場合によっては、最悪、火災の原因になってしまう可能性も考えられます。
掃除やクリーニングが原因で自分で故障してしまったエアコンは、メーカーの保証外です。新しいエアコンに買い替えるとなるとエアコンクリーニング業者に依頼するよりもさらに高くなってしまいます。
エアコンのクリーニング(内部洗浄)はプロに依頼
エアコン内部の掃除はプロのクリーニング業者に依頼しましょう。
お掃除機能付きエアコンは自動でフィルター掃除を可能とする細かい部品が多数存在します。複雑な構造は、自分でキレイに掃除をするのは非常に困難です。
プロのエアコンクリーニング業者に依頼をすれば、細かい部品も丁寧に分解したうえで、内部の隅々までキレイにしてもらえます。
自分で定期的に掃除すべき場所は「ダストボックス」「フィルター」

お掃除機能付きエアコンは、ホコリを「ダストボックス」にためていきます。
ダストボックス式の場合、お掃除ランプ、お手入れランプが点灯・点滅して知らせてくれる機種もあります。半年~1年に1度はダストボックスをきれいに掃除しましょう。カビの発生やエアコンの運転効率も維持できます。
また、お掃除機能付きエアコンでもフィルターを定期的に掃除することは推奨されています。ダストボックスの掃除と一緒にフィルター掃除を行いましょう。
以下、掃除する手順を紹介します。取り外しや取り付けの際は、使用機種の取扱説明書も参考にしながら行ってください。
ダストボックス掃除に役立つ道具
- 掃除機
- 脚立や椅子
- 中性洗剤
- ぬるま湯
ダストボックス掃除の一般的な手順
メーカーや機種によってダストボックスの位置が異なったり、掃除機能(システム)も異なります。
ホームページや取扱説明書を確認の上、掃除を進めてください。
- お掃除ランプが表示・点灯される
- 電源プラグを抜く
- 本体カバー(フロントパネル)を外す(高所にある場合は脚立や椅子を活用)
- ダストボックスを引き出す
- ダストボックス溜まった細かいホコリやゴミを掃除機で吸う
- (汚れが気になる場合)中性洗剤を薄めたぬるま湯で洗う、洗った後は日陰でしっかりと乾かす
- ダストボックスを取り付けて完了
【参考】 |
プロへの依頼頻度と料金相場

お掃除機能付きエアコンはお掃除機能がついていないタイプのものと比べて、フィルター掃除する頻度は減りますが、エアコンクリーニングを依頼する頻度は変わりません。
また、エアコン内部を分解する作業に時間がかかることから、料金相場は高くなります。
1~2年に1回はプロのエアコンクリーニング業者に依頼する
お掃除機能付きエアコンのクリーニングは「1~2年に1回」の頻度で行いましょう。
エアコン内にホコリやカビが多く付着したまま放置すると、エアコンの運転効率が悪くなってしまいます。
またフィルターの見た目がきれいでも、吹き出し口や熱交換器(フィン)にホコリがたまったり、カビが発生したりしている場合もあります。
「エアコンから出てくる風の臭いが気になる・・・」と感じたらエアコンクリーニングをすぐにでも検討すべきサインです。
お掃除機能付きエアコンの料金相場は1台あたり13,000~18,000円
お掃除機能付きのエアコンクリーニングをプロに業者に依頼した際の料金相場は13,000~18,000円です。
お掃除機能なしのエアコンと比べて手間と時間がかかるため、エアコンクリーニングの料金相場は高くなります。
お掃除機能なし(壁掛けタイプ) | 約8,000~12,000円 |
お掃除機能付きエアコン(壁掛けタイプ) | 約13,000~18,000円 |
お掃除機能付きエアコンは買うべき?メリット・デメリット
お掃除機能付きエアコンは、フィルターを自動で掃除してくれる便利な機能です。
エアコンを選ぶ際に気になる方向けにメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- フィルター掃除の頻度を減らせる
- 高所作業が難しい高齢者や身体が不自由な方向け
お掃除機能なしエアコンであれば、1~2週間に1度はフィルター掃除した方がよいのですが、自動でお掃除してくれるので頻度は減ります。
また、フィルターを取り外す際の脚立や椅子に上る高所作業を省いてくれますので、高齢者や身体が不自由な人には便利です。
最近では、直接掃除機にセットして吸うだけでホコリを取り除けるエアコンも登場しています。
デメリット
- フィルターに付着した油汚れが取れない
- エアコン本体の値段がやや高い
- エアコンクリーニング費が高い
キッチン近くにエアコンを設置している場合、油汚れがフィルターに付着し、お掃除機能では除去できません。
ベトベトした油汚れは空気の吸い込みを悪化させ、運転効率の低下する要因になります。
また油汚れを自分で掃除しようとしても、フィルターがお掃除ロボットにしっかりとロックされているため、取り外しが容易にできません。
またお掃除機能付きエアコンは機能なしタイプよりやや値段が高くなります。
内部構造が複雑なのでプロによるエアコンクリーニング作業も比較すると高くなります。
お掃除機能付きエアコンのクリーニングはプロに依頼しましょう
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