近年は自動お掃除機能が付いたエアコンが多く、人の手で掃除をする手間が削減されています。しかしお掃除機能付きエアコンであっても自動で掃除してくれるのは一部分だけで、全くメンテナンスしなくて良いわけではありません。むしろお掃除機能付きエアコンのほうが、汚れによるトラブルが発生しやすいともいえます。
お掃除機能付きエアコンのクリーニングの必要性や、普段の適切なお手入れについて、プロの知見をもとに解説します。
世界一謙虚なおそうじ屋さん - 東京都世田谷区喜多見
※記事全体の監修ではありません。
お掃除機能付きエアコンと通常のエアコンとの違いは?
エアコンに付いている自動お掃除機能は、通常のエアコンだと自分でお手入れしなければならない部分を自動で掃除してくれるものです。
最も多いのはフィルターのお掃除機能で、お掃除ユニットについたブラシでフィルターについたホコリをこそげ落とし、ダストボックスにためていきます。
通常のエアコンは2週間に1回のフィルター掃除が推奨されていますが、お掃除機能付きであれば定期的に掃除する必要がありません。
近年はフィルターだけでなく、自分でお手入れしづらい熱交換器やファンを掃除するモデルも発売されています。
お掃除機能付きエアコンと通常のエアコンの見分け方
「自宅のエアコンがお掃除機能付きエアコンかどうか分からない」場合の見分け方を、以下4つのポイントから解説します。
1)リモコンに「自動お掃除」ボタンがついている
エアコンのリモコンに「フィルター掃除」「手動掃除」「洗浄」などと書かれたボタンがあれば、自動お掃除機能がついています。
主要エアコンメーカーの製品における、主なリモコン表示は以下の通りです。
メーカー | リモコン表示 |
---|---|
三菱電機 | フィルターおそうじ |
日立 | フィルター掃除、洗浄など |
ダイキン | フィルター掃除 |
パナソニック | 手動おそうじ |
シャープ | フィルター掃除 |
富士通 | フィルターおそうじ |
東芝 | おそうじ |
2)フィルターが簡単に外せない
お掃除機能付きエアコンのフィルターは、お掃除ユニットにはめ込まれていることが多く、簡単に取り外せません。
お掃除機能のない通常のエアコンは、外側カバーを開けるとすぐにフィルターが見え、ずらすと簡単に外せます。
3)エアコン本体(室内機)に厚みがある
お掃除機能付きエアコンは、フィルターの周囲に自動お掃除ユニットがついている分、通常のエアコンよりも厚みがある傾向です。
ただし1つのエアコンを見ただけでは断定できないことが多いので、リモコンやフィルターの状態をあわせて確認しましょう。
4)型番とメーカー公式サイトの製品一覧表を確認する
エアコン本体のラベルには型番が書いてあるので、メーカー公式サイトの製品一覧表と照らし合わせると、お掃除機能付きかどうか確認できます。
現在ホームページに掲載されている製品のうち、お掃除機能付きのエアコンを調査して表にしました。(※2024年5月時点)
メーカー | 型番とお掃除機能の有無 |
---|---|
三菱電機 | ・機能付き:FZシリーズ/Zシリーズ/Rシリーズ/FDシリーズ/ZDシリーズ/XDシリーズ/Xシリーズ ・機能なし:FLシリーズ/Sシリーズ/GEシリーズ |
日立 | ・機能付き:Xシリーズ/Sシリーズ/Wシリーズ/Gシリーズ ・機能なし:Dシリーズ |
ダイキン | ・機能付き:Rシリーズ/Aシリーズ/Mシリーズ/Fシリーズ/Cシリーズ/Dシリーズ/Hシリーズ ・機能なし:SXシリーズ/VXシリーズ/Eシリーズ/KXシリーズ |
パナソニック | ・機能付き(ダストボックス方式):GXシリーズ /LXシリーズ ・機能付き(自動排出方式):Xシリーズ/EXシリーズ/PXシリーズ ・機能なし:Jシリーズ |
シャープ | ・機能付き:Xシリーズ/Vシリーズ ・機能なし:Eシリーズ/DGシリーズ/Pシリーズ |
富士通 | ・機能付き:Xシリーズ/Zシリーズ/Wシリーズ/RHシリーズ/ZHシリーズ/DNシリーズ ・機能なし:VHシリーズ/CHシリーズ |
東芝 | ・機能付き:N-DRシリーズ/N-DRZシリーズ/N-DZシリーズ/N-DXシリーズ/K-DRシリーズ/K-DZシリーズ/K-DXシリーズ/DRNEシリーズ ・機能なし:N-Xシリーズ/N-Mシリーズ/K-Xシリーズ/K-Mシリーズ/VNシリーズ |
内部クリーン機能との違い
エアコンには「内部クリーン機能」がついた製品がありますが、これはエアコンクリーニング業者のいうお掃除機能とは異なります。
エアコンクリーニングにおける「お掃除機能付きエアコン」は、フィルターにお掃除ユニットという機械が付いたエアコンを指します。
内部クリーンは、冷房運転でエアコン内部に発生する結露を乾燥させ、カビの発生を防ぐ機能です。
近年はパナソニックの「ナノイーX」、シャープの「プラズマクラスター」など、イオンを利用した高性能な内部クリーン機能を搭載するエアコンも発売されています。
内部クリーン機能の詳細については以下の記事をご覧ください。
実はお掃除機能付きエアコンこそクリーニングが必要!
自動でお掃除してくれるなら、普段の掃除やエアコンクリーニングをしなくてもよいのでは?と思うかもしれませんが、実はお掃除機能付きエアコンのほうが、クリーニングが必要になるケースが多いです。
お掃除機能付きエアコンのほうが汚れトラブルが起きやすい
お掃除機能付きエアコンはフィルターのホコリ取りをラクにしてくれるのは確かですが、状況によっては内部の汚れが一気に進行してしまうケースも見られます。
エアコンは熱交換器で発生した結露をドレンパンで受け止め、ドレンホースに流して屋外に排出する構造になっています。お掃除機能付きエアコンは、この一連の流れがうまくいかなくなるケースが多いのです。
ドレンパンにはフィルターをすり抜けたホコリなども落ちてくるので、水分とホコリが合わさってカビや雑菌にとって絶好の繁殖環境になります。
お掃除機能付きエアコンが自動で掃除できる範囲や汚れの種類は限られる
お掃除機能付きエアコンが自動で掃除できるのは、エアコンフィルターやその他一部のパーツだけで、内部まで全て掃除してくれるわけではありません。あくまで日常的なお手入れがラクになる機能と捉えましょう。
一般的なお掃除機能付きエアコンは、フィルター部分にお掃除ユニットが付いており、自動でブラシを動かしてホコリやゴミをこそぎ落とす仕組みになっていることが多いです。
エアコンを使っていると、フィルターよりも内部にある熱交換器や送風ファン、ドレンパンにもカビや汚れが付着しますが、これらの部品は自動お掃除機能では掃除できません。
(一部の機種には熱交換器や送風ファンを洗浄するお掃除機能がついているエアコンもあります)
また、部屋の中でタバコを吸う場合や、エアコンの位置がキッチンに近い場合などは、油汚れ・ヤニ汚れがフィルターに付着します。このような油性のフィルター汚れも、お掃除ユニットに付いたブラシでは落とせません。
お掃除ユニットはフィルターのホコリを自動で集めてくれますが、フィルターに付着した菌やウイルスの除去まではしてくれません。そのためお掃除機能つきエアコンであっても、エアコンを使うシーズンが終わるたびにフィルターを水洗いすることをおすすめします。
自分で内部を掃除するのはリスクが高い
自動お掃除ユニットが搭載されているお掃除機能付きエアコンは、通常のエアコンよりも内部構造が複雑です。
通常のエアコンであっても、専門知識のない人が自分で分解するのは難しいですが、お掃除機能付きエアコンはさらに故障や破損のリスクが高いでしょう。
お掃除機能付きエアコンは、エアコンクリーニング業者であっても分解洗浄に対応できない事業者がいるほど、扱いが難しいのです。
分解せずに内部を洗浄するエアコン掃除スプレーも市販されていますが、基本的にはおすすめできません。エアコンメーカー各社も使用しないように呼びかけています。
洗い流しきれずに残った洗剤成分がカビのエサになり、かえって汚れがひどくなることがあります。また、電装部分にスプレーがかかってしまうと故障や発火の原因にもなります。
お掃除機能付きエアコンをクリーニングしないとどうなる?
フィルターのホコリを自動で取り除いてくれるお掃除機能付きエアコンでも、内部のクリーニングは必要です。
また、目に詰まった細かいホコリまでは取り除いてくれないので、フィルターもなかなか完璧にきれいな状態にはなりません。
ダストボックスのホコリを捨てるだけでクリーニングをしていないと、ホコリやカビが少しずつ内部に蓄積していきます。
お掃除機能付きエアコンのクリーニングをしないとどうなるのか、具体的なリスクを解説します。
エアコンの風が臭くなる
お掃除機能付きエアコンの内部でカビや雑菌が繁殖すると、エアコンから出てくる風から嫌な臭いが発生することがあります。
「酸っぱい臭い」「生乾きのような臭い」「土っぽい臭い」がしたら、内部でカビや雑菌が増加している合図です。
また、キッチンが同室にある場合や、室内でタバコを吸っている場合は、エアコンが油汚れやヤニ汚れを吸い込んで、フィルターに付着してしまうことがあります。
自動お掃除機能ではこのような油性汚れまできれいにすることはできず、放置していると悪臭の原因になります。
一般的に、空気が冷たいほど臭いを感じにくく、あたたかいほど臭いを感じやすいです。つまり冷房をつけている時期は、カビの臭いも冷たい空気で抑制されていて気づきにくいのです。冬は別の暖房器具を使っていて、エアコンを夏にしか使わない方は、カビに気づきにくく汚れが進行してしまう可能性があります。
部屋にカビが拡散してアレルギー症状が出る
お掃除機能付きエアコンの内部にカビやホコリが付着していると、汚れがエアコンの風と一緒に室内に送り出されてしまいます。
カビの胞子やハウスダストが含まれた空気を吸い込むと、くしゃみ、鼻水、せきなどのアレルギー反応があらわれることがあり、吸い続けていると症状が悪化する恐れもあります。特に抵抗力の弱い小さなお子さんや高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭は注意が必要です。
エアコン内部についたカビやハウスダストだけでなく、部屋の中のホコリやハウスダストをエアコンの風が巻き上げている可能性もあります。
ある日突然、皮膚の赤みや咳などのひどいアレルギー症状に見舞われ、病院を受診したら医師から「すぐにエアコンクリーニングを頼んでください」と言われたというお客様もいらっしゃいました。エアコン内部のカビを放置していると、気づかないうちに繁殖し、体調に重大な影響を及ぼしてしまうおそれがあります。
電気代が上がる
エアコンの運転効率が下がると、同じ冷暖房効果を得るために多くの電力を消費しなければなりません。
さらに部屋がなかなか冷えない・暖まらないことによって、設定温度を必要以上に低く・高く設定してしまうケースもあります。
その結果、エアコンに大きな運転負荷がかかって電力消費が激しくなり、電気代が高くなってしまうのです。
設定温度になるまでに時間がかかる
フィルターにホコリが溜まって目詰まりすると、エアコンが一定時間に吸い込む空気の量が少なくなり、エアコンの効きが悪くなってしまいます。
一度にエアコン内で温めたり冷やしたりする空気量が減るので、室温がエアコン設定温度に達するまでに時間がかかるのです。
お掃除機能付きエアコンの場合、大きなホコリは自動で取ってくれるものの、細かいホコリは残ってしまいます。フィルターを自分で簡単に取り外せない機種もあり、お手入れができずに目詰まりしてしまう可能性もあります。
お掃除ユニットが壊れやすくなる
お掃除機能付きエアコンは、自動で掃除してくれる複雑な機能がついている分、元々シンプルな壁掛けエアコンよりも寿命が短いといわれています。
さらに普段のお手入れや内部のクリーニングを怠ってホコリやカビが溜まってしまうと、エアコンの運転負荷が大きくなり、不具合が起こりやすくなります。
自分でお掃除機能付きエアコンを掃除する方法
お掃除機能付きエアコンのうち、自分で掃除できる部品は以下の4ヶ所です。
- ダストボックス
- フィルター
- 外側カバー
- 吹き出し口
部位別に掃除の手順を解説します。
ダストボックス・フィルターの掃除手順
お掃除機能付きエアコンのダストボックスを掃除する手順は以下の通りです。
エアコンは高いところに設置されているので、脚立などで安定した足場を用意し、安全を確保してから行いましょう。
1. エアコンの電源プラグを抜く
安全に掃除をするために、エアコンの電源を切り、コンセントから電源プラグを抜いておきます。
エアコンに通電した状態で掃除をすると、感電やショートの危険があります。
2. エアコンの外側カバー(フロントパネル)を開ける
エアコンのフロントパネルの開け方は、メーカーと機種によって異なります。開ける際には少し力を入れなければなりませんが、力を入れる方向が間違っていると破損してしまう恐れがあります。取扱説明書で正しい開け方を確認すると安心です。
基本的には、エアコンの両側についている取っ手をつかみながら手前に引いて、上に押し上げるとロックが外れて開きます。そのままフロントパネルを上まで移動させると、エアコン上部でフロントパネルが固定されて落ちてきません。
3. ダストボックスとフィルターを取り外す
自動お掃除機能でフィルターから取り除かれたホコリは、ダストボックスに溜まっていきます。多くのお掃除機能付きエアコンは、定期的にダストボックス内のホコリを自分で捨てなければなりません(※一部機種には自動排出機能がついています)。
メーカーや機種によってダストボックスの位置や取り外し方が異なるので、自宅のエアコンの取扱説明書や公式サイトの案内を確認しましょう。
お掃除機能付きエアコンのフィルターはロックがかかっていたり、手前と上部に計4枚ついていたりと、通常のエアコンよりも取り外しが複雑な場合があります。ただし、フィルターを手前に引っ張ると外れるため、特に力はいりません。
フィルターを外す際に、フィルターやその周りに付着したホコリが下に落ちてくることがあります。エアコンの真下にものが置いてある場合は、ホコリを被らないようにビニール袋などをかぶせておくか、あらかじめどかせておくと安心です。
機種によっては、フィルターとダストボックスのほかにも取り外しできる部品がついていることがあります。
写真のエアコンはダイキン社のお掃除機能付きエアコンです。黒色の光触媒・脱臭フィルターがついているので、こちらも外してホコリを取り除きます。メインのフィルターと違って、水洗いしてはいけないので注意しましょう。
4. ダストボックスとフィルターについたホコリやゴミを掃除する
ダストボックス内に溜まったホコリやゴミを捨てます。表面にもホコリがついている場合、掃除機やティッシュなどで取り除きましょう。
フィルターはホコリが付着しているオモテ面に掃除機をかけます。ウラ面にかけるとホコリがフィルターに吸い付いてしまい、目詰まりするので気を付けましょう。
5. ダストボックスとフィルターを水洗いする
大きいホコリやゴミを取り除いたら、ダストボックスとフィルターを浴室や洗面所に持っていき、水洗いをしましょう。
フィルターにはホコリがついていない裏側からシャワーを当てれば、ホコリが目詰まりすることなくうまく流れ落ちます。
ホコリ以外にも油汚れやカビが付着している場合、中性洗剤をつけて泡立てたスポンジでこすり洗いをしましょう。
6. タオルで水分を拭き取り、陰干しして完全に乾かす
タオルでダストボックスとフィルターの水気を拭き取り、風通しの良い日陰で半日ほど干して乾かします。
大判のタオルや新聞紙、チラシなどを敷いて床や地面に置くか、物干しスタンドにかけておくとよいでしょう。
乾燥時間を短縮したくても、直射日光やドライヤーを当てて乾かしてはいけません。フィルターの変形や劣化につながります。
7. ダストボックスとフィルターを元の位置に取り付ける
ダストボックスとフィルターが完全に乾いたのを確認したら、取り外したときとは逆の手順で元に戻します。
エアコン本体の外側カバー・吹き出し口の掃除手順
ダストボックスとフィルターを乾燥させている間に、エアコン本体側の拭き掃除も行っておきましょう。
濡らして固く絞った雑巾やタオル、ウェットティッシュなどで、外側カバーや吹き出し口に付いたホコリやカビを拭き取ります。
フィルターを外した後に見える熱交換器などの内部部品は、むやみに触ると故障の原因になります。表面を軽く掃除機で吸ったり、やわらかい素材のモップで軽くホコリを拭き取る程度にしておきましょう。
吹き出し口の奥に汚れが見える場合、市販のエアコン掃除用モップや、割り箸にウェットティッシュやキッチンペーパーを巻きつけたお掃除棒を使って拭き取りましょう。
このとき、さらに奥にある筒状の部品(送風ファン)まで無理に掃除しようとすると、部品を破損させる可能性があるのでやめましょう。
中途半端にホコリや汚れをはがすと、エアコンの風に乗って部屋中にホコリがまき散らされてしまうこともあります。
プロによるお掃除機能付きエアコンのクリーニングの内容
エアコンクリーニングサービスは以下の手順で行われます。
お掃除機能付きエアコンは自動お掃除ロボットが内蔵されているので、通常のエアコンよりも部品の数が多く、構造が複雑です。
分解が難しく技術力が必要なうえ、時間もかかるので、通常のエアコンクリーニングよりも料金が高くなります。
STEP1. エアコン周りの養生
クリーニング作業で水や洗剤、高圧洗浄機を使用するので、周りに水や洗剤が飛び散らないように養生します。
床にブルーシートやマットを敷いてエアコン本体をビニールのカバーで覆い、洗い流した水がバケツに流れるように動線を作ります。
STEP2. 本体カバー・お掃除ユニット・フィルターの分解
ドライバーでネジを外し、本体カバー、フィルター、お掃除ユニット、フィン(熱交換器)外側のカバーを分解します。最終的にフィンが露出した状態になります。
STEP3. エアコン内部の高圧洗浄
専用洗剤を吹き付けて内部のカビやホコリなどの汚れを浮かせてから、高圧洗浄機を使って水圧で洗い流していきます。内部が汚れているほど、排出される水が真っ黒になります。
プロの事業者が使用する洗剤は市販のエアコン洗浄スプレーよりも洗浄力が強く汚れが落ちやすいです。要望を伝えれば、洗浄力が多少落ちるものの環境や人体にやさしいエコ洗剤を使用してくれる事業者もいます。
また、事業者はエアコンに対する高圧洗浄機の扱いにも慣れているので、自分で家庭用高圧洗浄機を使うよりも故障のリスクが低いです。
STEP4. 取り外した部品の洗浄
エアコンから取り外したフィルターや本体カバーは、1つ1つ丁寧に手洗いします。
洗浄するときは、事業者から浴室の貸し出しを依頼されるケースが多いです。
STEP5. 組み立て・動作確認
部品の水気を拭き取り、元の状態に組み立てます。電源を入れて問題なく作動することを確認したら、クリーニング作業は完了です。
エアコン内部を完全に乾燥させるため、しばらく暖房運転や送風運転をしておくように依頼されることがあります。
お掃除機能付きエアコンのクリーニング頻度
プロにお掃除機能付きエアコンのクリーニングを依頼する頻度は、2年に1回程度が目安です。
フィルターを自動で掃除してくれるので、通常のエアコンと比べたら多少は汚れが内部に溜まりにくいです。しかし冷房運転時に発生する結露水や部屋の生活臭など、エアコン内部が汚れる条件は通常のエアコンとほとんど変わりません。
吹き出し口のカビや風の臭いが気になったら、お掃除機能付きエアコンのクリーニングを検討しましょう。
クリーニング頻度はエアコンの使い方によっても変わる
エアコンの使い方や環境によって汚れやすさは変わります。以下のような使い方や生活スタイルの場合、1年に1回ペースでクリーニングを行っても良いでしょう。
- 冷房・除湿の使用時間が長い(1日8時間以上など)
- 冷房の設定温度を低くしている(20℃など)
- 在宅ワーク等で部屋にいる時間が長い
- エアコンの位置がキッチンに近い
- 室内でペットを飼っている
- 室内でタバコを吸っている
- 家族にアレルギー体質の方や小さな子どもがいる
エアコン内にホコリやカビが多く付着したまま放置すると、エアコンの運転効率が悪くなるだけでなく、健康に影響が出るおそれもあります。
どこまで汚れている状態を許容できるかにもよりますが、清潔でほとんど汚れのない状態を保ちたい場合、リビングのエアコンなら1年に1回はクリーニングするのがおすすめです。多少汚れていても構わないので、2~3年に1回のペースで依頼するというお客様もいらっしゃいます。
お掃除機能付きエアコンのクリーニング料金が高いのはなぜ?
お掃除機能付きエアコンのクリーニングをプロの事業者に依頼するのにかかる料金の目安は16,000~20,000円です。
お掃除機能付きエアコンが通常のエアコンよりもクリーニング料金が高いのは、内部が複雑なので分解洗浄するのに技術力が必要で、時間もかかるからです。一般的には、通常のエアコンと比べて5,000~6,000円ほど高くなります。
メニュー | 料金相場 |
---|---|
壁掛けエアコン(お掃除機能あり)1台 | 16,000~20,000円 |
壁掛けエアコン(お掃除機能なし)1台 | 7,000~12,000円 |
室外機洗浄 | 3,000~5,000円 |
消臭抗菌コート | 2,000円前後 |
通常のエアコンはメーカーごとに構造の差がほとんどありませんが、お掃除機能付きエアコンは機種ごとの違いが大きく、エアコンクリーニング業者も対応するために知識や技術力を磨くコストをかけているのです。
分解が難しい機種はさらに追加料金がかかることもある
お掃除機能付きエアコンの中でもかなり分解が難しい機種の場合、一般的なお掃除機能付きエアコンよりも高額な追加料金がかかることがあります。以下のエアコン機種を使用している方は、見積もり料金をよく確認しましょう。
- 三菱 霧ヶ峰 FZシリーズ
- 日立 白くまくん Xシリーズ
- 富士通 ノクリア Xシリーズ
- パナソニック エオリア Xシリーズ
- パナソニック CXシリーズ
- SHARP エアレストシリーズ
メニューに記載されているお掃除機能付きエアコンの料金に加えて、+ 3,000円~5,000円ほどかかるケースがあります。また上記の機種については、そもそもクリーニングの対応をしていない事業者も多いです。
必ず事前に型番か機種名を伝えて、クリーニングしてもらえるかどうか確認しましょう。
最新機種や上位グレードの機種になるほど、各エアコンメーカー独自の複雑な構造をしており、分解に時間がかかることが多いです。お掃除機能のついていない通常エアコンは45分程度で作業が終わりますが、これらの機種は2時間近くかかります。
エアコンクリーニングは所要時間も考慮に入れて料金が決まっているので、分解に時間がかかる機種は追加料金をいただくことがあります。
お掃除機能付きエアコンのクリーニングにかかる時間
お掃除機能付きエアコンのクリーニングにかかる時間は、1台あたり1時間半~2時間が目安です。特に分解が難しい機種の場合、3時間ほどかかることもあります。
エアコン種類 | 作業時間(1台) | 作業内容 |
---|---|---|
通常のエアコン | 1時間~1時間半 | ・本体カバーの取り外し・取り付け ・フィンの外側カバーの取り外し・取り付け ・内部パーツの高圧洗浄 ・取り外したパーツの洗浄 |
お掃除機能付きエアコン | 1時間半~2時間 | ・本体カバーの取り外し・取り付け ・フィンの外側カバーの取り外し・取り付け ・お掃除ユニットの取り外し・取り付け ・内部パーツの高圧洗浄 ・取り外したパーツの洗浄 |
通常のエアコンと作業の流れはほとんど同じですが、工程にお掃除ユニットの取り外し・取り付けが加わります。
お掃除ユニットは配線などが複雑な構造になっており、他のパーツよりも分解作業が難しいです。分解するパーツが1つ増えるだけですが、通常のエアコンよりも30分~1時間ほど余分に時間がかかります。
お掃除機能付きエアコンのクリーニングを依頼する事業者の選び方
お掃除機能付きエアコンのクリーニングを依頼するときに確認しておきたいポイントを解説します。
お掃除機能付きエアコンに対応できるか
お掃除機能付きエアコンのクリーニングを依頼したいとき、まず確認すべきポイントは「事業者がお掃除機能付きエアコンのクリーニングに対応しているかどうか」です。
通常のエアコンよりも構造が複雑で作業が難しいので、すべてのエアコンクリーニング業者が対応できるわけではありません。お掃除機能付きエアコンのクリーニングを受け付けている事業者は十分な技術力があると言ってもよいでしょう。
「ミツモア」では、依頼をするときにお掃除機能付きエアコンを選択すれば、自動的に対応できる事業者が厳選されて見積もりが届きます。
なお、以下の機種は特に分解作業が難しく、依頼を断る事業者もいます。
- 三菱 霧ヶ峰 FZシリーズ
- 日立 白くまくん Xシリーズ
- 富士通 ノクリア Xシリーズ
- パナソニック エオリア Xシリーズ
- パナソニック CXシリーズ
これらのエアコンを使用している方は、必ず事前に型番を伝えて対応してもらえるかどうか確認しましょう。
損害賠償保険に入っているか
優良なエアコンクリーニング業者であっても、作業中にエアコンの故障などのトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
構造が複雑なお掃除機能付きエアコンは、クリーニング時の破損・故障リスクも高いです。
そのため、万が一の事故に備えて損害賠償保険に加入している事業者を選ぶと安心です。事業者が保険に加入していれば、エアコンの故障や壁紙・家財の汚損があったときに、保険から修理費用が支払われます。
ミツモアでは、ミツモアを通して依頼された作業において事故や破損があった場合に、修理費用などを最大1億円まで補償する「損害賠償補償制度」を用意しています。
見積もり料金が適切か・見積書の内訳が適切か
見積もりで提示された料金がお掃除機能付きエアコンのクリーニング料金相場と比べて高すぎたり安すぎたりしないかどうかをチェックしましょう。
相場より高すぎる事業者は、金額が作業内容に見合わないことが多いです。一方で安すぎる事業者は、サービスの品質を下げるような無理なコストカットをしていたり、後から高額な追加料金を請求する悪質な業者である可能性もあります。
合計料金だけでなく、見積書の内訳が明確かどうかも確認しておきたいポイントです。見積もり金額の範囲に含まれる作業内容を確認し、どのような場合に追加料金がかかるのかも質問しておくと安心です。
基本料金で対応してくれる作業が不明瞭だったり、オプションサービスの内容と料金が明確に示されていなかったりすると、当日に高額な追加料金を請求されるトラブルに発展しかねません。
利用者からの口コミ評価が高いか
過去の利用者から寄せられた口コミの評価が高いかどうかも、事業者のサービス品質を判断できるポイントの1つです。
料金の満足感や作業のクオリティに関する口コミはもちろん、トラブルが発生したときの対応について書かれている口コミからは事業者の誠実さが読み取れるので、参考にするとよいでしょう。
ミツモアにおいても、これまでのエアコンクリーニング利用者から寄せられた口コミが合計5万件以上集まっているので、ぜひ参考にしてください。
お掃除機能付きエアコンも定期的なプロのクリーニングがおすすめ
ここまで述べてきた通り、お掃除機能付きエアコンが自動で掃除してくれる範囲は限られています。
快適に使い続けるには、定期的に自分でお手入れしたり、プロによるエアコンクリーニングを実施したりすることが必要です。
エアコンクリーニング業者を探すならミツモアがおすすめ
エアコンクリーニング業者を探すときは、複数の事業者の見積もりや口コミ評判を比較して選ぶのがおすすめです。
「ミツモア」にはお掃除機能付きエアコンにも対応できるエアコンクリーニング業者が多数登録しています。
サイト上で希望条件を入力するだけで、最大5事業者から見積もりを受け取って比較ができ、安くてサービス品質の高い事業者が見つけやすいです。
ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
お掃除機能付きエアコンの場合、お掃除ユニットの重みで徐々にエアコンが前傾して、ドレンパンの勾配も手前に傾いてしまうことがあります。すると、冷房運転で発生した結露水がスムーズに流れなくなってドレンパンに水が溜まってしまい、吹き出し口から水漏れしたり、カビが増殖してドレンホースの詰まりの原因になります。