アンテナ端子とはテレビ用コンセントのことで、アンテナから受信した電波をテレビに送るケーブルをつなぐ役割があります。
テレビの電源を入れても番組が映らない場合、アンテナ端子に問題があるかもしれません。アンテナ端子の種類や交換する際の手順を紹介します。
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【画像あり】そもそもアンテナ端子とは?
アンテナ端子とは、テレビからアンテナへとつながるケーブルの差し込み口のことです。電源用コンセントと同じように壁面に設置されていますが、コンセントの差し込み口が縦の2本線であるのに対し、アンテナ端子の差し込み口は主に円形です。
屋外に設置されたアンテナが受け取ったテレビの電波は、ケーブルを通ってアンテナ端子のところまで届きます。さらに端子からテレビまでをつなぐことで、テレビが電波を受け取れるのです。
また、状況に応じて分配器や分波器、ブースター、チューナー、4K対応のテレビを購入する必要があります。
アンテナ端子の種類
近年の住宅で見かけるアンテナ端子は、丸い差し込み口の「F型端子」がほとんどです。F型端子には差し込み口が2つあるものと、1つだけのものがあります。
差し込み口をネジのように締めて固定するタイプの端子が主流ですが、先端部分を差し込むだけの「プッシュ型端子」も見かける場合があります。プッシュ型端子もF型端子の1種です。
【F型のアンテナ端子が2個】接続方法と必要なもの
差し込み口が2つあるF型端子は、地デジ用とBS/CS用で端子が独立しています。接続方法は非常にシンプルで、地上波・BS/CSそれぞれの壁側の端子と、テレビ背面の差し込み口をケーブルでつなぐだけです。
地上波とBS/CSを反対につないでしまうと、正しく電波が受信できないので注意しましょう。
必要なもの
地上波のみを視聴したい |
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地上波とBS/CSの両方を視聴したい |
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もし地上波放送しか観るつもりがないのであれば、アンテナケーブル1本を用意すれば大丈夫です。
BS/CS放送も観たい場合、アンテナケーブルを2本用意しましょう。その中でも、「WOWOW(4K)」や「スターチャンネル4K」などの左旋と呼ばれる4K放送を視聴するには、4K放送に対応したアンテナケーブルを使用しなければなりません。
【F型のアンテナ端子が1個:BS/CS対応】接続方法と必要なもの
差し込み口が1つのF型アンテナ端子は、地上波放送とBS/CS放送どちらかしか観られないのかと疑問に思う方もいるかもしれません。
端子が1つでもBS/CS放送の受信に対応しているものは、「分波器」と呼ばれる地上波放送とBS/CS放送の電波を分けてくれる機器を使えば、どちらも視聴することができます。
必要なもの
地上波のみを視聴したい |
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地上波とBS/CSの両方を視聴したい |
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地上波放送のみ視聴する場合は、端子とテレビの差し込み口をアンテナケーブルでつなぐだけで問題ありません。
BS/CS放送を観たい場合は分波器が必要です。分波器とケーブルが一体になったタイプや、分波器とケーブルが取り外し可能なセパレートタイプがあるので、自宅のテレビ配置に合わせて選びましょう。
ちなみに分波器と似た機器に「分配器」がありますが、これは受信した電波を地デジ・BS/CSに分けずそのまま分割する道具なので、間違えないようにしましょう。
おすすめのアイテム
【ケーブル一体型】アンテナ分波器/タローズ
- サイズ展開:2.5C、4C
分波器とケーブルが一体になった製品です。アンテナ端子から分波器までを別のケーブルでつなぐタイプと、端子からテレビまでこの製品1つでつなげる入出力一体タイプがあります。
自宅の配線状況に合わせて選びましょう。
【ケーブル取り外し可能】
- 地上波、BS/CS、4K8K放送に対応
- サイズ展開:40cm、50cm
分波器とケーブルを取り外せるタイプの製品です。
付属しているケーブルの本数や長さも選択することができ、分波器単体でも購入できるので、自宅にある備品に合わせて選びましょう。
【F型のアンテナ端子が1個:BS/CS非対応】接続方法と必要なもの
差し込み口が1つのF型アンテナ端子には、BS/CS非対応のものもあります。
この場合も、自分でBS/CSアンテナをベランダなどに設置すれば、BS/CS放送を受信して視聴することができます。
必要なもの
地上波のみを視聴したい |
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地上波とBS/CSの両方を視聴したい |
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BS/CS放送を視聴したい場合は、BS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)を設置してテレビに接続しなければなりません。
アンテナのよくある設置場所はベランダや外壁です。高層ビルなどの障害物がなく、通信衛星がある南西の方向に窓が向いていれば、室内に設置しても受信できる可能性があります。
もしアンテナの設置が難しい場合は、「光・ケーブルテレビを契約する」「TVerなどの配信サービスで見たい番組だけ見る」という手段もとれます。
関連記事:
▽テレビのパラボラアンテナとは?特徴や種類、設置に関する疑問を解決!|ミツモア |
【直付端子】接続方法と必要なもの
「直付端子」は、数十年前に建てられた住宅でよく採用されている古い型のアンテナ端子です。ケーブル先端のビニル膜をはがし、むき出しになった銅線を差し込み口に直接固定してつなぎます。
必要なもの
地上波のみを視聴したい |
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地上波とBS/CSの両方を視聴したい |
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直付端子にケーブルをつなぐには、先端にプラグがついていない未加工のケーブルと、テレビ側に接続するためのテレビプラグを用意しなければなりません。
また、直付端子はつなぐだけではBS/CS放送が視聴できないため、観たい場合はアンテナを用意する必要があります。
おすすめアイテム
未加工ケーブル
- サイズ展開:4C、5C
アンテナ周辺機器の有名メーカーであるDXアンテナ製のケーブルです。
必要な長さにカットし、先端の塩化ビニル膜を取り除いて使用しましょう。
テレビプラグ
ケーブルの先端を差し込み、銅線部分を内部のネジで挟んで固定して使います。
直付端子の弱点
先端部分は、電波を通すための線が露出していることから、以下のようなデメリットがあるといえます。
- 送られてきた電波の信号が漏れやすい
- ケーブルの先を自宅の端子に合わせて加工する手間がある
- 差し込み口のすぐ下にある金属プレートに網状の銅線が接している必要があり、接続が難しい
現在販売されている接続用アイテムはF型端子用が主流なので、思い切って端子を交換するのも手です。
【フィーダー端子】接続方法と必要なもの
「フィーダー端子」は直付端子同様、昔の日本の住宅でよく採用されていたアンテナ端子です。ネジ式の接続部分が横2つに並んだ形をしています。
フィーダー端子にケーブルを接続する場合は、片側にY字型の金具がついた整合器が必要です。
フィーダー端子の接続方法は以下の通りです。
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必要なもの
地上波のみを視聴したい |
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地上波とBS/CSの両方を視聴したい |
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フィーダー端子とテレビを接続するには、アンテナケーブルをフィーダー端子に変換する整合器が必要です。
BS/CS放送には対応していないので、観たい場合は別途アンテナを用意しましょう。
おすすめアイテム
整合器
地上波テレビのほか、FMラジオ受信にも使うことができます。
アンテナ端子は老朽化したら交換を!【DIYできる?】
アンテナ端子が老朽化したり故障していたりすると、画面にモザイクのようなノイズが発生する場合があります。快適なテレビ視聴のために、使い古したアンテナ端子は新しく交換しましょう。
また、直付端子やフィーダー端子のような古い端子の場合、対応する周辺機器が手に入らなくなったり、不具合が起きやすかったりするので、交換したほうが快適にテレビを使えますよ。
DIYに慣れていれば、アンテナ端子は自力で交換できるのでしょうか?
自力で交換する手順
アンテナ端子を交換する場合、新しいアンテナ端子と端子を取り付けるための金属枠、化粧プレート(コンセントカバー)、そしてドライバーを用意します。手順は以下の通りです。
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化粧プレートと取り付け枠は、元々使用していたものを再利用しても問題ありません。新しくする場合は、既存のものと同タイプであるか確認してから購入しましょう。
アンテナ端子を交換した方が良いタイミングですが、交換のポイントは主に2つあります。
- テレビの受信状態が悪くなるとき
- 部屋に合わせた端子に交換したいとき
因みにアンテナ端子の寿命は、アンテナ本体と同様おおよそ10年です。
不安がある場合は業者に依頼
DIYに慣れていればアンテナ端子の交換は簡単にできるかもしれません。しかし少しでも作業に不安がある場合は、事業者に依頼することをおすすめします。
数種類ある端子の選び方を間違えたり、電気配線の処理を誤って映りに悪影響が出たりする場合があります。
賃貸の場合には大家や管理会社からの許可なく自力で作業し、壁や配線自体に傷をつけると、賃貸の契約をめぐるトラブルに発展するでしょう。
業者を探す際にはミツモアを利用すると便利でしょう。無料で複数の業者から見積もりをとることができるので、端子の交換を検討しているのであれば活用することをおすすめします。
アンテナ端子がない部屋でテレビを見たい場合は?
すべての部屋にアンテナ端子があるとは限りません。アンテナ端子がない部屋でテレビを見たい場合は、主に2つ方法があります。ぜひ参考にしてください。
分配器を使用する
「分配器」とは、アンテナから受信した電波を家の複数台のテレビに分散させる機器です。分配器があれば、アンテナ端子がある部屋からない部屋に電波を送ることが可能です。
分散させたいテレビの数が多ければ多いほど、1つのテレビに送られる電波は弱くなります。電波の弱さが気になる方は、ブースターという受信した電波を増幅させる機器を購入することをおすすめします。
アンテナ端子を新たに設置する
アンテナ端子を部屋に設置することもできます。設置費用はおおよそ1万円~です。事業者によっては出張費や部品代が別でかかる可能性があるので、依頼時にきちんと見積もりをとりましょう。
マンションやアパートなどの賃貸は、アンテナ端子の増設を認められていないケースが多いです。増設を検討する前に、必ず大家さんや管理会社に許可をもらうか、賃貸契約書を確認してください。
アンテナケーブル(同軸ケーブル)の選び方
アンテナケーブルを選ぶときには、以下のポイントに注意しましょう。
- テレビ環境に合った太さ・長さのケーブルを選ぶ
- 視聴したい放送に対応しているかどうかを確認する
ケーブルについては以下の記事でも詳しく解説しています。
アンテナケーブルの適切な太さ・長さとは?
ケーブルの太さは「〇C」で表され、アンテナケーブルでよくあるのは「3C」「4C」「5C」あたりです。数字が大きくなるほど断面の直径が大きい(ケーブルが太い)ことを表します。
太いほど電波が減衰しにくい一方で、硬くて曲がりにくいので細かい配線がしづらいです。
だいたい以下のような目安で選ぶと良いでしょう。
- アンテナ部品やチューナー間など、短距離接続に使うケーブル:3C(3m以下目安)
- 端子から機器の間など、メインで使用するケーブル:4C(10m以下目安)
- アンテナ~端子間や部屋間の接続に使用するケーブル:5C(10~20m目安)
視聴したい放送に対応したケーブルを選ぼう
アンテナケーブルは地上波放送、BS/CS放送、さらにその中の4K・8K放送に対応しているかどうか確認する必要があります。
対応する放送電波の情報はケーブルのパッケージに書いてあるので、必ず購入前に確認しましょう。
アンテナ端子周辺のおすすめグッズ
アンテナ端子周辺のおすすめグッズを2つ紹介します。どちらも500円以下と手ごろな価格であるため、迷ったら購入してみると良いかもしれません。
アンテナカバー
アンテナカバーを使用すれば、ほこりからアンテナ端子を守ることができるので便利です。万が一ほこりが溜まって掃除をしたい場合は、掃除機で吸い取るか、乾いた布で軽く拭いてください。
変換端子
他にも「F型端子」から「L字型」や「プッシュ型」に変更する変換プラグもあるようです。
アンテナ端子の種類を知って視聴環境を整備
テレビ視聴にトラブルが発生した場合、テレビ本体やアンテナに目が行きがちです。しかし、アンテナに届く番組情報はアンテナ端子がなければテレビには届けられません。映りが悪いと感じたらアンテナ端子も確認してみましょう。
アンテナ端子が古いままだと、テレビ自体に問題がなくても画面映りが悪くなります。直付端子もフィーダー端子も、正しくつなげれば地デジや衛星放送が楽しめますが、現在主流のF型端子は抜けにくく電波が漏れにくいため、F型端子への交換がおすすめです。
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