コンセントの数が少なすぎたり、設置箇所を間違ってしまうと、調理時に不便なことが増えてきてしまいます。キッチンに必要なコンセント数の目安と、増設方法を紹介します。
キッチンにコンセントはいくつ必要?
4~6つあれば基本的には大丈夫でしょう。ウォーターサーバーやホームベーカリーといった家電を追加で使用する際にはさらに必要な場合もあります。
キッチンのコンセント増設はDIYできる?
コンセントの増設は「電気工事士」の資格を持っていないとできません。コンセントの増設は専門の業者に依頼しましょう。
キッチンに必要なコンセント数とは?
キッチンで使う家電といえば、冷蔵庫や電子レンジなどが挙げられます。
これらを無理なく使用するためには、コンセントがいくつ必要になるのでしょうか。
一般的に常設された家電と、調理時に必要な家電を合わせて考えた場合の適切なコンセント数を紹介します。
最低でも4つは必要【6個あると十分】
キッチンでは常にコンセントを差している家電がいくつかあります。
- 冷蔵庫
- 炊飯器
- 電子レンジ
- トースター
の4つです。
そのため、キッチンには少なくとも4個のコンセントが必要です。
また、常設する家電とは別に、電気ケトルやミキサーなど調理時のみコンセントが必要になる家電があります。
調理時のみに使う家電のコンセントは2つあれば足りることが多いです。
1つのコンセントで使える電力の上限に注意【たこ足は危険】
1つのコンセントで使用できる電力量は1500Wまでという決まりがあります。
以下で詳しく解説します。
たこ足配線をしても電力上限はかわらない
電源タップや延長コードで、プラグの差し込み口を増やしても、使える電力量は変わらない点に注意しましょう。
使える電力量の上限は1,500Wです。あくまでも増えるのは差し込み口数で、電力量ではありません。
複数のキッチン家電をコンセントに差して、電源タップが耐えられる電力(1500W)を超えてしまうと発火する可能性があります。
キッチン家電の消費電力一覧
消費電力(1hあたり) | |
IH調理機 | 3,000W |
オーブントースター | 1,200~1,350W |
電子レンジ | 1,300W |
ホットプレート | 1,300W |
電気ケトル | 1,300W |
食器洗浄機 | 1,200W~1,300W |
炊飯器 | 350~1,200W |
電気ポット | 700~1,000W |
コーヒーメーカー | 450~650W |
冷蔵庫 | 150~500W |
ミキサー | 120~200W |
キッチン家電には消費電力の高いものも多いため、たこ足配線をする際には最善の注意を払いましょう。
たとえば、1つのコンセントでオーブントースター(消費電力:1,200W~1,350W)と電子レンジ(1,300W)を使用すると、1,500Wを大きく上回ってしまいます。
キッチンのコンセントを増やす方法
コンセントの数が足りなくなっても、コンセントは後付けすることができます。
キッチンのコンセントが足りない場合の3つの増設方法を紹介します。
コンセントの詳しい増設方法や費用相場について知りたい方は、以下の関連記事を参考にしてみてください。
差し込み口数を増やす
メリット | デメリット |
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コンセントの差し込み口数を増やすだけであれば、一般的に工事費用はそこまで高いものではありません。
コンセント本体の口数を変えて、開口部を少し大きくするだけで済むからです。
口数を増やしたからといって、利用できる消費電力量は変わりません。
消費電力が低いキッチン家電を接続する場合に利用しましょう。
コンセントを増設する際は、コンセントのみでなく家全体の使用可能な総電力量も考えることが大切です。
利用する家電を増やしたことで、ブレーカーが落ちる可能性があります。
既存のコンセントから分岐して増設
メリット | デメリット |
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これまでコンセントが付いていない場所に新しくコンセントを設ける際は、既設のコンセントから配線を分岐して作ることもできます。
電圧が100Vの屋内用配線であれば分岐でき、電灯のスイッチから分岐させることも可能です。
エアコンは200Vの配線が利用されている場合があるので、注意しましょう。
配線を分岐させる際は、その場所に消費電力の大きいものが使用されていないか確認することをおすすめします。
分電盤から新しく増設
メリット | デメリット |
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電盤から新しい回路を増設することで、既設の消費電力を気にすることなく利用できます。
契約している電力を超えない限りは、消費電力の大きい家電を追加しても安心して使用できるでしょう。
ただし、分電盤に増設できるスペースがなければ実施できません。スペースがなければ分電盤自体を新しいものにするなど、対処が必要になるため注意しましょう。
キッチンをリフォームする
メリット | デメリット |
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「コンセントの配置が悪い」「キッチンが汚くなってきた」という2つの悩みを持っている方はキッチンをリフォームしてしまう方法があります。
最新のキッチンは、コンセントの位置やカバーが効果的に配置されているものが多いです。
ホコリや汚れが入りづらくなる工夫がしてあり、綺麗に使用し続けることができます。
以下の関連記事で、キッチンのリフォームにかかる費用や内訳について詳しく紹介しています。
【新築】おすすめのコンセント設置場所
コンセントの設置場所を決めるのは、新築を立てる方だけでなく、コンセントの増設を検討する方にも大切です。
あらかじめ計画を立てておくと後から困らずにコンセントを使い続けることができます。
常設する家電はコンセントを背面に設置
常にプラグを差している常設の家電(冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器・オーブントースター)は背面側にコンセントを設置すると良いです。
コンセントが表面に出ないため、引っかかったり、コンセントまわりがゴチャゴチャするのを防ぐことができます。
電子レンジなどの消費電力が大きい家電は、「専用コンセント」にしましょう。
専用コンセントとは、分電子の子ブレーカーを、1つのコンセントのみに対して使うものです。
専用コンセントを使うことで、制限電力量を超えた使用を防ぐことができます。
キッチンの背面収納に関しての詳細は以下の関連記事で紹介しています。
抜き差しの多い家電は胸から腰あたりに設置
調理時にのみ使う家電や抜き差しの多い家電を床近くに設置してしまうと、毎回しゃがむ必要があり、手間がかかります。
電気ケトルやミキサーなどの家電を使用する際には、胸から腰あたりにコンセントを設置することを意識しましょう。
床下の設置をしないことでコンセントの絡まりを防ぐことにもつながります。
コンセントの設置箇所は分散させる
コンセントの設置箇所を集中させると、コードが絡まりやすくなります。
転倒の原因にもつながるため、設置箇所を分散させましょう。
設置箇所は床以外にもキッチン作業台や壁などがあります。
自分が差し込みやすい位置にコンセントを設置することが大切です。
キッチンのコンセントを増設する場合の注意点
コンセントを増設する方法は簡単ですが、注意すべきポイントがいくつかあります。
適当に行ってしまうと、増設が難しくなるため事前に確認しましょう。コンセントを増設する場合の注意点を紹介します。
水回りには設置は控える
水回りのコンセントに水滴がついてしまうと、漏電やショートを起こす可能性があります。
水回りにコンセントを増設したい場合には、防水のコンセントやカバーが付いたものを付けるようにしましょう。
アース付きコンセントを取り付ける
アース付きコンセントは、水回りの感電を防ぐ役割を持っているため、冷蔵庫やガスコンロ付近には欠かせないコンセントの一つです。
普通のコンセントでは、感電を防ぎづらく、火災を招くケースもあります。
以下で、アース付きコンセントが必要な箇所を上げました。コンセントを増設したり、新築を建設予定の方は検討してみましょう。
アース付きコンセントをつけるべきキッチンの家電 |
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ガスコンロ付近も注意
ガスコンロで調理していると、水蒸気が発生してコンセントに付着する恐れがあります。
高い位置に増設する場合も注意が必要です。
コンセント設置箇所の下にガスコンロなどの水分を発生させる家電があると、漏電のリスクが高まります。
ガスコンロ付近から水はねしない距離の目安は200㎜です。できるだけ離れた箇所への設置を検討しましょう。
家庭で起こる感電事故については、以下の記事も参考にしてみてください。
賃貸の場合は管理会社に確認
賃貸物件に住んでいる場合は、勝手にコンセントを増設してはいけないことが多いです。勝手に増設してしまうと、トラブルに発展する可能性があります。
まずは管理会社や大家に連絡し、増設の許可をもらいましょう。
賃貸物件を退去する際は、入居時の状態で退去しなければなりません。コンセントを増設したら元に直す作業が発生する可能性があるのです。
退去時にもとに戻す必要があるかどうか、管理会社や大家さんに確認を取っておくと安心です。
コンセント増設にかかる費用は?DIYについても解説
コンセントを増設する際に掛かる費用は、増設方法によって変わります。各工事の費用目安や、DIYが可能かどうかを紹介します。
コンセントの増設費用について詳しく知りたいというかたは、以下の記事を参考にしてみてください。
コンセントの増設にかかる費用
増設工事方法 | 費用目安 |
コンセントの口数を増設 | 約5,000~7,000円 |
既設コンセントから分岐して増設 | 約12,000~14,000円 |
分電盤に新規回路を増設 | 約16,000~30,000円 |
コンセントの口数を増設する工事は、約1時間以内で完了します。しかしコンセントを分岐させたり、分電盤に回路を増設したりする作業は1時間以上かかる場合がほとんどです。
基本的に屋内で工事する際は立ち合いが求められるため、あらかじめどのような工事であるかを確認しておくとよいでしょう。
電気配線の距離が長いと高額になりやすい
コンセントを増設する際は、配線の距離によって金額が異なります。
距離が長く配線がしづらい環境であれば、費用が高くなります。穴を開けるなどの手間が掛かるためです。
ボードや壁紙を張り替える必要が出てきた場合も、費用が高くなってしまいます。
配線の距離が長くなればなるほど、工事費用が高額になる点に注意しましょう。
コンセントの増設はDIYできない
コンセントの増設は「電気工事士」の資格を持っていないとできません。
一般の人は資格を持たないため、DIYをしないようにしましょう。
資格を持たずにコンセントを増設してしまうと、罰金の可能性があります。
感電や火災を引き起こす危険性もあるため、資格を持っていない方は業者に依頼するのが無難です。
コンセントの増設を業者に依頼するときのコツ
コンセントの増設を依頼する場合は、しっかりと業者を選定した方がよいでしょう。業者選びのポイントを紹介します。
業者の対応や作業内容
まずは業者から見積もりを取得しましょう。
見積もり書の明細を見て、どのような作業をするのか確認します。的確に分かりやすく答えられる業者だと、安心して依頼を任せることができます。
施工実績の確認も重要です。
業者の経験が浅ければ、作業に時間がかかったり品質が悪かったりする恐れがあります。口コミや評価を見てから依頼すると安心です。
複数の業者から見積もりを取る
複数の業者を比較することで、金額とサービス内容に納得のいく業者を選ぶことができます。
複数の業者を比較するのが手間な方は、ミツモアで相見積もりをしましょう。無料で最大5社の業者を紹介できます。
コンセントを適切に増やし利便性を上げよう
キッチンに必要なコンセント数は、冷蔵庫や電子レンジなど基本的な接続では約4個必要です。
ミキサーや電気ポットなど調理で使う家電を考慮すると、追加で複数個の口が必要になるでしょう。
コンセントの追加には、既設のコンセントを流用して口数を増やす方法や配線を分岐させる方法などがあります。
しかし、増設するためには電気工事士の資格がないとできません。コンセントを増設する際は業者に依頼しましょう。
業者を選ぶ際は相見積もりが有効です。適切な業者を選定し、家電に必要なコンセントを増設しましょう。
ミツモアでコンセントの増設を依頼しよう
コンセントの増設には資格を持った専門業者による工事が必要です。どんな工事をしたらよいのかわからない場合は、一人で悩まず、まずは専門の業者に相談することをおすすめします。
ミツモアで簡単な質問に答えて見積依頼
ミツモアならサイト上で予算、スケジュールなどの簡単な質問に答えるだけで見積もりを依頼できます。複数の業者に電話を掛ける手間がなくなります。
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