感電により人間の体は痛みを感じます。電流の量によっては死亡にもつながる危険なトラブルです。感電が起きる原因や、感電事故を防ぐ方法を知っておきましょう。自分でできる防止対策以外に、業者への依頼が必要なケースも紹介します。
感電とは
電気製品や雷によって起きる「感電」は、人間の体に重大な影響を与えます。感電の仕組みや現れる症状を知り、電気を扱うときには注意しましょう。
電流によって人体が衝撃を受けること
人間の体を電気が通り抜けるとき「感電」が起きます。静電気のような軽度のものも、感電の一種です。
漏電した機械や電線に人間が触れると、体の中を通って電流が地面に移動します。人間の体が電気の通り道となり、感電するのです。
2本の電線に触れたときは、それぞれの電線に流れる電気が人間の体を通ります。どのようなパターンでも、人間の体を通して電気が移動するのは変わりません。
ドアノブを触ったとき、静電気が起きるのは少し異なる仕組みです。静電気には「プラス」と「マイナス」の2種類があります。
基本的に物質は中間を保とうとする働きがあり、異なる電子が触れ合うとお互いの持つ電子が移動して放電と感電が起きるのです。
やけどなど重大なけがを負うこともある
感電のショック度合いは流れる電気の量や時間で変わります。わずかな電流であれば体の一部に痛みを感じる程度で終わるでしょう。
対して多くの電気が体を通過すると、皮ふ表面のやけどや内臓損傷などの大きなけがにつながります。場合によっては不整脈や脳出血で、命に関わるのです。
一般的に5〜10mAの電流では体に痛みを感じる程度ですが、それ以上になると感電による症状の発生や死のリスクが発生します。ただし入浴中やぬれた手で電気製品を触るなど、状況によってはわずかな電流でも危険です。
家庭内で感電事故の起こりやすい場所
家庭では多くの電気製品を扱います。感電事故が起きないよう、取り扱いには注意しましょう。主に注意しておきたい場所と、主なケースを紹介します。
コンセント
電気製品のプラグを挿す「コンセント」は、電気の通り道です。コンセントの穴にプラグ以外の物を挿し込むと、感電の危険性があります。
特に子どものいたずらが事故につながりやすく、好奇心でコンセントにヘアピンや鍵を挿し込むと大変危険です。コンセントから金属に電気が流れ、感電につながります。
赤ちゃんがいる家庭では、いたずら防止の「コンセントキャップ」が役立つでしょう。簡単に外れないものなら、誤ってコンセントの穴に金属を入れてしまう心配もありません。
破損した配線コード
コンセントに挿し込むプラグは電気製品につながっています。コード部分が破損していると、事故の原因になるでしょう。
配線コードの中身は2本の電線ですが、通常は電気を通さない「絶縁体」で覆われています。コードを覆う膜や絶縁体が破損し、中の線がむき出しになると危険です。
ペットが配線コードをかんでしまったり、コードが重い物に踏まれて破れたりすると中身が出てきます。破損したコードはそのまま使わず、修理・交換を検討しましょう。
中身が見えていない状態でも、事故は起こります。配線コードに強い力を加えて使い続けると、中の線が損傷する可能性もあるのです。感電を防ぐためにもコードは引っかかりにくい場所に設置し、製品に付属した説明書の注意事項を守りましょう。
水回りの電気製品
水には電気を通しやすい性質があり、水回りの電気製品には注意が必要です。ぬれた手や汗をかいた状態で電気製品に触れると、少しの電気でも人体に影響を与えてしまいます。
電気製品が漏電していると危険です。電気製品がぬれて、中の回路がショートすると電気が外に漏れてしまいます。
水回りの電気製品には、「アース」を設置しましょう。万が一漏電が起きてもアースを通してほとんどの電気が地面に移動し、人間への影響が少なくなります。
洗濯機や冷蔵庫にアースを設置するケースが多いですが、設置場所によっては電子レンジも対象です。アース付きコンセントが自宅にある場合は、電気製品の線をつなぐだけで設置できます。
感電事故を防ぐ方法
大きな感電事故は、ちょっとした心がけと事前の準備で防止できます。事故を防ぐためにも、基本的な防止対策を知っておきましょう。
ぬれた手で触らない
電気が人間の体を通過するとき、影響を与えるのは流れていく電気の量だけではありません。人間が持つ「電気抵抗」も計算に含まれます。乾燥状態では人間の接触抵抗が高く、わずかな電流では痛みを感じる程度で済むでしょう。
手や体がぬれていると水によって電気に対する抵抗が少なくなり、流れている電気がそのまま体内を通過します。電気製品に触れるときは手を拭き、乾燥した状態で使用しましょう。
ぬれた手で触れることで電気製品の故障やショートにつながり、漏電のリスクを高める可能性もあります。
参考記事:感電 | 一般財団法人 九州電気保安協会 |
コンセントカバーを取り付ける
コンセントカバーは、コンセントに関わる感電事故を防ぐ際に役立ちます。赤ちゃんがコンセントに触れるのを防ぐだけでなく、ホコリよけや湿気対策にも有効です。
プラグとコンセントの隙間にホコリがたまると、「トラッキング現象」の原因になります。ホコリが周囲の湿気を吸収し、ホコリを通じてコンセントから漏電が起きる現象です。コンセント部分の焦げ付きや、発火につながります。
コンセントカバーを付けておくと隙間にホコリが付着しにくく、漏電を防げるでしょう。
赤ちゃんや子どもがいる家庭では、誤飲が起きにくいケーブルボックスやフルカバータイプの商品が役立ちます。
アースや漏電遮断器を確認する
必要な場所には「アースや漏電遮断器」を設置します。まずはコンセントにアースや漏電遮断器が付属しているか、確認しましょう。
アース線は水回りで使用する電気製品に付属する、緑または緑と黄のしま模様のコードです。アース付きコンセントにはネジ式やワンタッチ式があり、アース線を取り付けるだけで漏電対策ができます。
漏電遮断器は漏電が起きたときに役立つ機器です。コンセントに付属しているタイプと、別途設置するタイプがあります。万が一漏電によって異常な電気が流れると、すぐに察知して遮断する仕組みです。
関連記事:
▽コンセントにアースがない場合は?正しい対策と注意点を解説|ミツモア |
参考:水回りの電気製品による感電に注意しよう! | 東京くらしWEB |
業者への依頼が必要なケース
電気工事は専門業者が行います。法律で定められていない簡単な取り付けを除き、「電気工事士」の資格が必要です。電気のトラブルや増設工事の際は、専門業者に相談しましょう。
漏電が疑われるとき
漏電が起きているとき、感電以外にも察知する方法があります。急に電気代が高くなったり、雨の日に停電したりする場合は要注意です。
電気が漏れると、その分の電気代が発生します。雨の日の停電は電線やコンセントに雨がかかることで発生している可能性が高いでしょう。
どこで漏電が起きているか分からない場合でも、業者に調査を依頼できます。原因がはっきりしているときは、修理や相談も可能でしょう。
アース配線や漏電遮断器の工事
自宅にアース付きコンセントや漏電遮断器があるときはそのまま使えますが、必要な場所に設置されていないときは業者に相談しましょう。
アース付きコンセントの増設や接地工事には、電気工事士の資格が必要です。電気製品の設置前に、業者に依頼しておきましょう。
漏電遮断器の設置工事や、修理依頼も専門業者に相談できます。漏電遮断器はコンセントだけでなくブレーカーに付属しているケースも多く、動作確認や交換も必要です。
アースと一緒に設置すると漏電がすぐに把握でき、感電のリスクも大幅に減らせるでしょう。
万全の対策で感電事故から身を守ろう
感電事故は「ぬれた手で電気製品を触らない」「正しくアースや漏電遮断器を設置する」などの対策で、ある程度防げます。
アースや漏電遮断器がなく、増設を考えているときは専門業者に依頼しましょう。漏電が疑われるときは、早めの相談がおすすめです。
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