本記事では増設工事にどれくらいの費用がかかるのかを解説します。


ライフスタイルや同居人数の変化などで、コンセントの数が足りなくなることがあります。過度なタコ足配線は事故の元なので、コンセントの増設や新設がおすすめ。費用を抑えながらコンセントを増やす方法も説明しているので参考にしてみてください。
コンセント増設の費用相場は12,000円~16,000円前後が目安
既存の配線から分岐させて新しくコンセントを設置するなら、費用の目安は12,000円前後です。消費電力が大きい家電を使うために増やす場合は、ブレーカーから増設する必要があるので16,000円前後かかります。
中でもエアコン用のコンセントを増設する場合は、通常のコンセントよりも5,000円前後高くなる場合がほとんどです。詳しくは「増設するコンセント数や設置場所別の費用」内で後述します。
また、コンセントの増設工事は「電気工事士」の資格を持った電気工事業者に依頼しましょう。家電量販店やホームセンターでも請け負ってくれることがありますが、実際に工事するのは下請けの電気工事業者なので、仲介している分費用が高くなりやすいです。
コンセント増設のケース別費用と所要時間の一覧
どこにコンセントの差込口を増やしたいのか、どれくらいの電気量を使いたいのかによって、必要な工事が変わります。
ケース①:既にあるコンセントの差込口を増やしたい場合 |
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ケース②:新しい場所にコンセントを新設したい場合 |
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ケース③:1つのコンセントで使用できる電気量を増やしたい場合 |
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なお実際はコンセントまでの距離や配線の通しづらさによって費用が変動します。距離や工事内容ごとの費用相場は「工事費用は電気配線の距離によって差がある」をご覧ください。
ケース①:既にあるコンセントの差込口を増やしたい場合
コンセントの差し込み口を増やす工事は比較的簡単にできます。元あるコンセントの差し込み口数を増やすだけで、電気配線を大きく変更する必要がないからです。
ただしこの方法で工事をしても、使用できる電気量そのものは変わらないので注意してください。消費電力が大きい家電を新しく使用したい場合は、分電盤から配線を引く方法を選びましょう。
コンセントの差し込み口を増やす工事費の一例は以下の通りです。
コンセント本体代金 | 600円 |
コンセント交換工事費 | 5,000円 |
電源ケーブル配線工事費 | 800円 |
合計 | 6,400円 |
ケース②:新しい場所にコンセントを新設したい場合
コンセントを新設したい場合は、既存の配線から分岐させる方法がおすすめです。この場合も使用できる電気量そのものは変わりません。
電子レンジなど、電気使用量が大きい家電に繋がっているコンセントの配線を使うと、ブレーカーが落ちやすくなってしまいます。業者に依頼する時は「どのコンセントにどの家電を繋げるのか」を伝えましょう。
使用できる電気量を増やしたい場合は、「1つのコンセントで使用できる電気量を増やしたい場合」を参照してください。
この工事をする場合、電圧に注意が必要です。屋内用の100Vの電気配線ならどこからでも引くことができますが、エアコンのように電圧200Vの配線が通っていることもあります。
既存の配線から分岐させる工事費の一例は以下の通りです。追加で壁紙の貼り直し費用がかかることもあります。
コンセント本体代金 | 500円 |
コンセント交換工事費 | 8,000円 |
壁穴加工費 | 4,000円 |
電源ケーブル配線工事費 | 800円 |
合計 | 13,300円 |
ケース③:1つのコンセントで使用できる電気量を増やしたい場合
回路内で使用できる電気量が足りない場合、分電盤(ブレーカー)の契約アンペア数を上げると良いでしょう。東京電力では10A上げると月額料金が300円程度上がります。
追加費用は発生しますが、ケース①やケース②で紹介した方法でコンセントを増設することができます。分電盤から配線を引く場合に比べて安価な工事が可能になるので、アンペア数を上げることは結果的にお財布に優しい手段だと言えるでしょう。
契約アンペア数を増やさなくても、分電盤(ブレーカー)から配線をしてコンセントを増設することは可能です。消費電力が大きい家電を使う場合はこの方法がオススメです。
また分電盤に空きがない場合は、新しく分電盤を購入・追加するために別途費用がかかります。以下は費用の例です。
コンセント本体代金 | 2,400円 |
エンクロブレーカー1個代金 | 3,000円 |
コンセント交換工事費 | 12,000円 |
壁穴加工費 | 4,000円 |
電源ケーブル配線工事費 | 4,000円 |
分電盤追加工事費 | 8,000円 |
合計 | 33,400円 |
増設するコンセント数や設置場所別の費用
コンセントを増設・新設する場合、1箇所辺り
ちなみに、コンセントの数は1家庭当たり(3人家族以上)30個前後が目安です。もちろん、部屋数や使用する電化製品が増えるほどに必要数も増加します。
将来的に電化製品の使用頻度が増える可能性があるなら、まとめて増設をお願いすると割引が適用される場合もあります。ライフスタイルの変化などに合わせて検討してみると良いでしょう。
コンセント個数の目安と増設費用の相場
場所ごとのコンセント数目安
場所 | 個数 | 使用頻度の高い家電製品の例 |
リビング | 6個以上 | テレビ、エアコン、パソコン、空気清浄機など |
キッチン・ダイニング | 4~6個 | 電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、ホットプレートなど |
洗面台まわり・洗面室 | 2~4個 | 洗濯機、ドライヤー、電ひげ剃り、ヘアアイロンなど |
寝室・個室 | 3~4個 | 間接照明、充電器、テレビ、エアコンなど |
玄関・廊下・階段 | 3~5個 | イルミネーションや電装、掃除機、無線LANなど |
家の外 | 2個 | イルミネーション、芝刈り機、BBQのプレートなど |
コンセントの増設費用は先述の通り、1箇所につき12,000円前後です。
ちなみに、テレビのアンテナ端子を増設する場合は数千円ほど割高になる傾向にあります(アンテナからケーブルを分配する必要があるため)。この場合は通常のコンセントと同時に工事してもらって割引を狙うのも手です。
エアコン用は専用コンセントが必要な分割高な傾向
他の箇所よりも割高になりやすいのがエアコン用コンセントです。増設費用の目安は以下の通りです。
一般的なエアコンのコンセント(100V or 200V)を設置 | 30,000円~ |
普通のコンセントからエアコン用のコンセントへ交換 | 5,000円~ |
エアコン用コンセントの電圧を「100V→200V」または「200V→100V」へ変更 | 4,000円~ |
※各作業費や部品代込みの料金目安
エアコンは消費電力が大きいため、分電盤から専用回路を作り200Vのコンセントを増設します。エアコンによって電圧やコンセントの形が違うので、事前にエアコンを決めておくとスムーズに工事が進むでしょう。
またヤマダ電機でエアコンを購入すると、エアコンの取り付け工事も依頼することができます。コンセントを交換する電気工事なども受け付けています。
新たに配線を引く場合も費用が割高になりやすい
もともとある配線から分岐させてコンセントを増設する例は先述しましたが、まれに新たに分電盤を作って配線を引かなければコンセントを増やせないケースもあります。
もしも新しく分電盤を作る必要がある場合は、必然的に増設費用は割高になりやすいです。
ただし、依頼する会社によっては様々な工夫を凝らし、同じ条件でもなるべく安くなるような配線・増設で対応してもらえるケースもあります。
コンセント増設工事の費用を安く抑える方法
コンセント増設工事を依頼するなら、できる限り安くお願いしたいですよね。費用を抑える方法を2つご紹介します。
①電気配線の図面を見せる
家の電気配線の図面を見せると、配線の調査にかかる費用を抑えられることがあります。
また配線の図面があれば業者側もどのような工事が必要になるのかが分かるため、早い段階で正確な見積もりを受け取れるかもしれません。
ちなみに新築注文住宅のコンセント増設費用は、石膏ボードを貼る前であれば1カ所5,000円程度のオプションで増やせます。電気工事打ち合わせの際に増やしたい場所を伝えておきましょう。
②複数社から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることで、自分のケースの費用相場を把握することができます。1社からの見積もりだけだと、その費用が適正かどうか判断できませんよね。
費用をできるだけ抑えたいのであれば、少なくとも3社以上を比較するのがオススメです。状況に合った必要最低限の工事を提案してくれて、かつ価格も良心的な業者に依頼しましょう。
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コンセント増設工事の前に知っておくべき3つの注意点
ここではコンセントを増設するときに、あらかじめ知っておきたい基礎知識を紹介します。
- コンセントの種類や位置、使い方を決めておく
- 賃貸の場合は大家さんや管理会社に連絡が必要
- 工事費用は電気配線の距離によって変動する
①コンセントの種類や位置、使い方を決めておく
工事を依頼するときには、あらかじめコンセントの位置や使い方を、具体的にイメージしておきましょう。とくに頭から抜けがちなのは、適切な「高さ」です。
家電の裏に隠れるようにコンセントを配置するのか、ほかの家電製品と電力の兼ね合いは取れているかなどをしっかり考えて「使いやすい場所・高さ」に増設しましょう。
またコンセントにはいろいろな種類があります。IHクッキングヒーターやエアコンには、専用の200Vコンセントや、三口コンセントが必要になるので注意してください。
②賃貸の場合は大家さんや管理会社に連絡必須
賃貸住宅に住んでいる方は、「コンセントを増設したい」という旨を大家さん・管理会社に連絡しておきましょう。
賃貸で勝手にリフォーム工事をすると、原状回復のときに元に戻す必要が出てくるケースがあり、その場合は退去費用がかさんでしまいます。
基本的に「差込口を増やす」工事なら認められるケースが多いようです。ただ新しい場所にコンセントを新設する場合は、壁の貫通工事などが必要になるので、断られるケースもあります。
③工事費用は電気配線の距離によって差がある
コンセント増設の工事費用は、配線の距離によって変わります。1mあたりの単価が設定されているからです。また工事内容によっては追加費用が発生します。下記の費用相場を参考にしてください。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
電源ケーブル配線工事費 | 800~1,000円/1m |
配管・モール敷設工事費 | 800~1,500円/1m |
壁貫通・壁穴加工工事費 | 4,000円~ |
床下作業費 | 5,000~11,000円 |
屋根裏作業費 | 6,000円~12,000円 |
分電盤追加工事費 | 8,000円~ |
電気容量増減工事費 | 30,000~50,000円 |
出張費 | 2,000円~ |
このように、コンセント増設費用は家庭ごとにまちまちです。詳細に値段を知るためには、業者から見積もりをもらっておきましょう。その際、複数社を比較するために相見積もりを取るのがオススメです。
コンセントの増設・新設は業者に依頼しよう
コンセントの増設は第二種電気工事士の資格が必要な工事で、感電事故のリスクもあります。そのためDIYよりも、工事に慣れた業者に依頼するのがおすすめです。
電気工事業者に見積もりを依頼するならミツモアがおすすめ
コンセントを増設する場合には、住宅の状況や工事方法によってかなり費用に差が出ます。納得のいく金額で依頼するためには、いくつかの業者から相見積もりを取ると良いでしょう。
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