近年プラグに3つピンが付いている電化製品が数多く登場していますが、自宅のコンセントが2ピンタイプで、困っている人もいるでしょう。3ピンプラグの役割や、2ピンに変換する方法、3ピンプラグを2ピンコンセントに挿すリスクなどを紹介します。
3ピンコンセントとは?
コンセントとは壁に設置されている挿し込み口のことをいい、3ピンコンセントは写真のように穴が3つあるコンセントを指します。
電化製品に付いている電源コードの、ピンが付いた先端部分は『プラグ』といいます。先端のピンが3つ付いている電源コードは3ピンプラグです。
3ピンプラグの正式名称は「2極接地極付差込プラグ」
3つピンが付いているプラグの正式名称は、『2極接地極付差込プラグ』です。3ピン、3極、3Pと呼ばれるケースもあります。
3ピンプラグを挿すためには、3ピンに対応したコンセントが必要です。3ピン対応コンセントの正式名称は、『接地(アース)極付コンセント』です。
3ピンプラグの国産電化製品が普及し始めたのは近年なので、3ピンプラグに対して海外製品のイメージを持っている人も多いでしょう。
現在は2ピンコンセントが設置されている家庭が多いため、3ピンタイプのプラグが挿せないケースは多いものです。その場合は変換アダプタや対応電源タップを使えば、3ピンタイプのプラグを2ピンコンセントに挿せるようになります。
3ピン目はアースの役割
3ピンプラグに付いている3本目の丸い端子には、電子機器や電化製品から漏れる電気の放電を担うアースの役割があります。
3本目の端子が感電の防止、静電気の抑制などにより、事故を未然に防ぎます。電子機器・電化製品が故障して漏電したときも、アースから電流が流れていく仕組みです。
エアコンのように消費電力が大きいものだけでなく、食洗器、冷蔵庫、温水器、乾燥機など、水回りに置かれる電化製品にも、3ピンタイプのプラグが導入されています。なお楽器や音響機器が3ピンプラグの場合は、ノイズを低減する効果もあるのです。
3ピンタイプのプラグを挿す穴がない場合
近年になって3ピンプラグが国内で普及し始めたので、電化製品が3ピンプラグでも、家庭のコンセントが2ピンであるケースは多いものです。その場合は3ピンを2ピンに変換するアダプタや、3ピンタイプ対応の電源タップを活用しましょう。
2ピンへの変換アダプタを使う
3ピンプラグを挿し込んで2ピンコンセントで使えるようにする、2ピンへの変換アダプタを紹介します。アースコードが付いた製品なので、コンセントにアース口がある場合は、しっかり挿し込みましょう。
サンワサプライ 3P→2P変換アダプタ(3P・1個口)TAP-AD3LT
プラグ刃の根元に絶縁キャップが付いているため、ほこりや水滴からプラグを守るだけでなく、トラッキングによる火災の予防にも有効な変換アダプタです。トラッキングとはプラグとコンセントの間にたまったほこりが湿気を帯び、電流が流れたときに火花が発生する現象です。
しっかり挿し込めるL字型で、コンセントに挿したときにコードが邪魔になりません。アースコードが付いているので、コンセントのアース口に挿し込めば、電化製品から漏れる電気を放電してくれます。
15A・125V(1500Wまで)対応で、電気用品安全法(PSE)技術基準適合品です。
BUFFALO BSTAPA01BK
耐熱素材を採用し、熱による火災や事故のリスクを低減する変換アダプタです。約12cmのアースコードが付いているので、アースコードに対応したコンセントにつなげば、感電の防止や静電気の抑制効果を得られます。
カラーはブラックとホワイトの2色展開です。電源ケーブルの色に合わせて、違和感なく設置できるでしょう。15A・125V(1500Wまで)に対応しています。
ELECOM OA雷アダプタ T-H32N
雷サージによる電子機器の故障対策として有効なバリスタ、コンデンサにより、AV機器やOA機器の電源ノイズや雷ノイズを低減してくれる変換アダプタです。
アースコードの長さは15cmで、15A・125V(1500Wまで)対応です。
包装を極力シンプルにして環境に配慮し、ELECOM独自の環境認定基準である『THINK ECOLOGY』マークが与えられています。
3ピンタイプ対応の電源タップを使う
3ピンタイプの電化製品が複数あり、電源を取る場所が集中している場合は、3ピンプラグを複数挿せる電源タップを使うのも一案です。
製品によって『ほこり防止シャッター』『トラッキング防止プラグ』『雷ガード』『ブレーカー内蔵』など、さまざまな機能を備えています。
例えばほこり防止シャッターとトラッキング防止プラグは、ほこりと湿気によって起こるトラッキングを防止します。雷ガードは落雷時に起こる雷サージを吸収し、接続された電化製品を守る機能です。
ブレーカー内臓は消費電力の合計が許容範囲を超えた際に、電源タップ内でブレーカーが作動し、電源が自動で切れる仕組みです。
接続する電化製品や設置場所、使用環境に合った機能を備えている電源タップを選びましょう。
3ピンプラグを2穴コンセントに挿したときのリスク
3ピンプラグの電化製品は、2穴コンセントに挿しても使用可能ですが、アース線をつないでいない状態になります。アース線は漏電を地面に逃がし、感電を防ぐ役割があるため、アース線をつないでいないと、漏電、感電、火災のリスクが高まります。
そもそも漏電とは電気が流れるべきではないところに漏れている状態です。アース線をつないでいないと漏電している電化製品に触った人が感電したり、火花が発生して発火し、火災につながったりする恐れがあるのです。
3ピンプラグを2穴コンセントに挿すと、漏電や感電、火災のリスクが高まることを覚えておきましょう。
3ピンプラグを正しくコンセントにつなごう
近年国内で普及し始めた3ピンタイプのプラグを挿すためには、3ピンに対応したコンセントが必要です。3ピンプラグの3本目の丸い端子は、電化製品からの漏電を地面に逃がすアースの役割があります。
3ピンプラグを2ピンコンセントに挿しても使用できますが、アースをつないでいない状態になるため、漏電や感電、火災のリスクが高まります。
3ピンプラグを2ピンに変換するアダプタや、3ピン対応の電源タップを使って、正しくコンセントにつなぎましょう。