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タコ足配線が危険な理由とは?何個まで挿してOKか

最終更新日: 2024年04月24日

日常的に使用する家電製品の数は増え続けているため、タコ足配線をしている家庭も多いでしょう。しかしタコ足配線は正しく行わないと、発熱や発火の恐れがあります。タコ足配線が危険な理由や、正しい接続方法について確認しましょう。

タコ足配線とは?

タコ足配線

タコ足配線とは1つのコンセントに電源タップや三角タップを挿し、複数の電化製品を接続する配線方法です。電源タップはテーブルタップ、三角タップは栓刃式マルチタップまたはコーナータップとも呼ばれています。

コンセントから配線がいくつも延びる様子をタコの足の様子に例えて、タコ足配線と呼ばれています。

タコ足配線は家庭の電化製品と同じく、並列回路で構成されているため、挿した電化製品を同時に使っても、安定的に電力の供給が可能です。

タコ足配線がダメな理由

電化製品が多いとタコ足配線になりがちですが、電源タップを正しく扱わないと重大な事故につながる恐れがあります。タコ足配線のリスクについて理解しておきましょう。

  • コンセントで使用できる電流を超える
  • プラグの発熱や火花が生じやすい
  • 電源コードが発火するリスクがある

コンセントで使用できる電流を超える

日本では一般家庭への供給電圧は100Vで、コンセント1カ所に流せる電流は15Aまでと決まっています。そのため15A×100Vという計算から、1カ所のコンセントで使用できる電力は1,500Wです。

これはコンセント1つに対する数字ではなく、設置してある場所ごとに決まっているものなので、コンセントが2口でも3口でも1,500Wである点に注意しましょう。

さらには1つのブレーカーに複数のコンセントをつないでいる場合、コンセント1カ所で使用できる電力は1,500Wよりも少なくなります。

電源タップでタコ足配線をすると使用できる電化製品が増える分、コンセントの定格容量である1,500Wを超えやすくなります。容量を超えると電源タップが過熱し、発火する恐れがあるため、「タコ足配線は危険」とされているのです。

プラグの発熱や火花が生じやすい

プラグを長期間コンセントに挿しっぱなしにしていると、ほこりがたまりやすくなります。プラグにたまったほこりに水滴が付着したり湿気が加わったりすると、電流が流れて発熱・発火する『トラッキング現象』につながり、非常に危険です

電源タップでタコ足配線をしていると、挿しっぱなしにするプラグの数が増えるため、トラッキング現象が起こる可能性が高まります。ほこりがたまらないようにこまめに掃除をしたり、プラグカバーを備えている電源タップを使ったりといった対策が必要です。

またプラグがコンセントにしっかり接続できておらず、ぐらついたりゆるんだりしている配線も、発熱しやすいため危険です。

電源コードが発火するリスクがある

電源コードを引っ張る、折り曲げる、机の足やたんすで踏むなどすると、配線の一部が切断される『半断線』の状態になり、発熱や発火のリスクが高まります。電源コードを抜き差しする際に引っ張っても半断線になる可能性があるため、丁重に取り扱いましょう。

またコード同士を束ねる、長い電源コードを丸めるなどの状態で使用するのも、危険です。放熱しづらくなって過熱状態になり、発火につながる恐れがあるためです。

半断線や過熱状態だけでなく、電源コードの経年劣化にも注意しなければなりません。プラグやコードに傷や変形が見られる場合は、速やかに交換しましょう。

タコ足配線で火災が発生した事例

タコ足配線で実際に火災が発生した事例を紹介します。日常的に起こりうる事故なので、自宅の電化製品の接続が安全かどうかを確認しましょう

定格電流を超える電化製品を接続していた事例

10Aの電源タップに、テレビや電子レンジ、ポットなど、合計で10Aを超える電化製品を接続していた事例です。コードが長く束ねて使っていたため発熱し、発火につながりました。電源タップの定格電流を超えていた上、束ねて熱がこもりやすい状況でした。

タコ足配線につまずき接触不良が起きた事例

暖房器具、パソコン、スマホ充電などをタコ足配線で使用している部屋で、電源タップにつまずいたという事例もあります。つまずいた際にプラグが曲がったものの、そのまま使っていたため発火しました。この場合にはプラグと電源タップの接触不良が、発火の原因です。

タコ足配線は何個まで挿せるか?

電源タップでタコ足配線をする場合、差込口が10個ある電源タップを用意しても、全てに電化製品をつないでフル稼働できるわけではありません。タコ足配線をする際には、何個まで同時に使えるかという点ではなく、何ワットまで使えるかという観点で考えましょう

電源タップには製品ごとに定格容量があります。例えば1,500Wの電源タップなら、それを超える電化製品は使用できません。

主な家電製品の使用電力目安は下記の通りです。あくまでも目安なので、正確な使用電力は自宅にある製品の説明書を確認しましょう。

  • 電子レンジ:1,000W
  • 炊飯器:600~1,300W
  • ホットプレート:1,200W
  • コーヒーメーカー:800W
  • こたつ:600W
  • ハロゲンヒーター:300~1,000W

例えば定格容量1,500Wの電源タップの場合、電子レンジと炊飯器を同時に使う、ホットプレートとコーヒーメーカーを同時に使うなどすると1,500Wを超えるため危険です。

安全にタコ足配線をする方法

タコ足配線は危険だからといって、設置されているコンセントだけで全ての電化製品を使うのは困難です。電源タップや三角タップを正しく使えば、安全なタコ足配線を実現できます

電源タップにほこりがたまらないようにこまめに掃除し、トラッキング現象を防ぎましょう。掃除の際は水分やアルコールは使用せず、乾いたモップでほこりを除去します。このときプラグがしっかり挿さっているかについてもチェックしましょう。

長すぎる電源タップのコードを束ねると、熱がこもって発熱・発火の原因になります。束ねずに使えるように、最適な長さのコードの電源タップを用意する必要があります。

コードにねじれがある、折れ曲がっている、被膜が裂けているような電源タップは使用せずに、新しいものに交換しましょう。

定格電流を超えたときや漏電のときに電気を遮断する機能、ほこりがたまらないようになっているほこりカバーなど、安全機能が搭載された電源タップを使用するのも有効な策です。

いずれの場合も、定格電流を超えないように使うのが大前提です

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タコ足配線は適正なワット数で安全に使用

タコ足配線とは電源タップや三角タップを使用して、1つのコンセントに複数の電化製品を接続する配線方法です

日本の一般家庭への供給電圧は100Vで、コンセント1カ所は15Aが定格電流です。タコ足配線で複数の電化製品を接続すると、コンセントで使用できる電流の上限を超えて、過熱や発火のリスクが生じます。

またプラグを挿しっぱなしにしてほこりがたまり、トラッキング現象を引き起こしたり、電源コードの損傷や劣化によって発熱・発火したりする恐れもあります。

タコ足配線をする際は適切に電源タップを扱いながら、ワット数を超えないように注意しましょう。

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