冷蔵庫にアースがない場合、そのまま利用しても問題がないのか悩む人は多いでしょう。アースには漏電を防ぐ効果があり、冷蔵庫を安全に使う上でとても重要です。アースの基本的な知識、取り付けのポイント、注意点などについて詳しく解説します。
そもそもアースの役割は?
冷蔵庫をはじめとする電化製品は、故障などによって電気が外に漏れ出すことがあるでしょう。この電気に人が触れてしまうと、感電のリスクも考えられます。
アース線は電気を人体ではなく、地面に向かって逃してくれる働きをする点が特徴です。そのため電化製品をアースに接続しておけば、いざというときに人が感電するリスクをかなりの確率で防いでくれます。
冷蔵庫にアースがないのはなぜ?
冷蔵庫の中には絶縁処理が施されていてアースがないものもあります。またアースが内蔵されている場合もあります。
アースがない冷蔵庫はそのまま使える?
アースがない冷蔵庫は、そのまま利用できるのでしょうか。ここからは冷蔵庫にアースの取り付けが必須のケースと、必須ではないケースのそれぞれについて解説をしていきます。
家電の感電対策は法律で定められている
家電製品の感電対策として水気や湿気のある場所で家電を使用する場合は、アースの取り付けが法律により義務化されています。
そのため安全面の理由だけでなく、法律を守るという観点からも、冷蔵庫にアースの取り付けは欠かせないのです。
ただし絶縁対策が施されているタイプやアースが内蔵されているタイプなど、例外的にアースの取り付けが必要ない冷蔵庫も存在します。
機種によっては絶縁対策が施されている
最新型の冷蔵庫には絶縁対策が施されていて、アースの取り付けが必要ない機種も少なくありません。
また昔の冷蔵庫は外側が金属のタイプが多かったのに対し、近年の冷蔵庫は人が触れる部分が非金属になっているため、電気を通しにくい点も対策のひとつです。
小型かつ大容量の冷蔵庫であれば、アースが内蔵されている場合もあります。
ただしアースがなくて不安を感じる場合には、オプションとして後から取り付けられるケースも少なくありません。
あるいは冷蔵庫を購入した販売店などで、別売りのアースを購入するのもひとつでしょう。
安全面を第一に考えるのであれば、このような方法を使って、可能な限りアースを取り付けるほうが無難といえます。
水気や湿気が多い場合はアースが必要
特に水気・湿気が多い場所に冷蔵庫を設置している場合、アースを取り付けていないと漏電のリスクが高まるでしょう。
最悪のケースでは感電あるいは電気火災をまねくリスクがあり、とても危険です。
調理場・洗い場などはもちろん、湿気の多い地下室・土間などで利用する際にも、リスクを下げるためにアースを取り付けておくと安心でしょう。
落雷によるダメージを軽減する効果も
電化製品は落雷によって直接ダメージを受けることで、故障することがあります。電化製品の買い替えが必要になったり、夏場に冷蔵庫が故障すれば中の食品が腐ってしまったりと、その損失は甚大でしょう。
落雷によるダメージを電流を地面に逃がすことで最小限まで軽減するのも、アースの役割のひとつです。
そのほかにも静電気・ノイズの発生を防いだり、強い電圧が流れることによる電化製品の故障を防いだりといった効果があります。
アース取り付け前の確認事項
冷蔵庫にアースを取り付ける前に、確認しておきたいポイントを抑えておきましょう。具体的な確認事項として、アース端子の種類と、アース端子までの距離について解説します。
アース端子にはネジ式と挿し込み式がある
コンセントに設置されているアース端子には、「ネジ式」「挿し込み式」の2種類が存在し、それぞれ取り付け方が異なります。
「ネジ式」の取り付け方
「ネジ式」とはアースのカバーを開けると、ネジの頭が見えるタイプです。
- ドライバーを使ってネジを緩める
- アース線をネジに巻き付ける
- 再度ネジを締めて固定する
「挿し込み式」の取り付け方
- カバーを開ける
- アース線の先端を差し込む
以上で接続完了です。
また最近の住宅に普及している、コンセントの挿し込み口が3つ穴になっている「3ピンコンセント」もアースの一種です。
正式名を「接地(アース)極付コンセント」と言い、プラグ側がこれに対応している3ピンプラグであれば、挿し込むだけでアースの接続が完了します。
アース端子がどの形状かによってアースのつなぎ方は異なるため、冷蔵庫の設置場所の近くにあるアース端子を事前にチェックしておきましょう。
冷蔵庫からアース端子までの距離
アース端子は、自宅のすべてのコンセントに付いているわけではありません。
冷蔵庫近くのコンセントにアース端子がない場合、アース線の長さが足りず接続できないこともあるでしょう。
冷蔵庫の位置を変えるのが難しいケースでは、冷蔵庫のアース線を取り替える、あるいは既存のアース線に延長用のアース線をつなげるといった対処が必要です。
取り替え用・延長用のアース線は、基本的にホームセンターで購入できます。
購入するときには念のため、必要最低限の長さよりもやや長さに余裕のあるアース線を選びましょう。
なお長いアース線に取り換える場合は資格は必要ありませんが、アース線同士を接続して延長する場合には電気工事士の資格が必要となります。
アースをつなぐときの注意
アースをつなぐ際の注意点について、解説をしていきます。正しく使っていれば通常つながない場所ですが、念のため把握しておきましょう。
水道管やガス管への接続は厳禁
アースを水道管やガス管に接続することは、法令によって禁じられています。
水道管は塩ビ素材のため、電気を逃がすアースとしての役割を果たせません。その上水漏れが起きた場合には水を通して感電する危険性があります。
またガス管への接続は漏電した場合にガス漏れや引火、爆発などを引き起こす可能性があり非常に危険です。
加えて電話線や避雷針への接続も、落雷などにより感電する恐れがあるため避けなければなりません。
アース端子がないときは業者に依頼する
冷蔵庫を設置する際に近くのコンセントにアース端子がないときは、アース線を延ばす以外にもコンセント自体ををアース付きのものと取り替える方法があります。
アース端子付きのコンセントはホームセンターなどで購入できるものの、施工のためには電気工事士の資格と、豊富な知識・技術が必要不可欠です。
素人による取り付けは非常に危険なので、必ず信頼できるプロの業者に依頼をしましょう。
業者選びはミツモアが便利
コンセントの施工業者は、業者とのマッチングプラットフォームであるミツモアで探すのが便利です。
「電気工事士」の資格を有する業者は全国にいくつもあり、値段もさまざまとなっています。
一つひとつの業者から見積りをとっていたのでは、多くの手間と時間がかかってしまうでしょう。
その点最大で5件の業者から無料見積りが取れるミツモアなら、条件にマッチした業者をスムーズに見つけることが可能です。
各業者の口コミも充実しているため、安心して実績と技術のある業者を探せます。
見積りの依頼はかんたんな質問に答えるだけなので、まずは気軽に利用してみましょう。
アースを付けて冷蔵庫を安全に使おう
例外はあるものの、安全に冷蔵庫を使うために、アースは欠かせません。
特に水気・湿気が多い場所はアースがないと感電・火災事故などにつながる可能性もあり大変危険です。
アース線がない冷蔵庫にも、市販のアース線を付けることはできるため、安全性を考慮するなら取り付けた方がよいでしょう。
またアース線を端子に取り付ける際は資格は必要ありませんが、コンセントにアース端子がない場合は、有資格者によるコンセントの取り替え工事が必要になります。
その際は知識・技術の豊富なプロの業者を選び、工事を依頼するようにしましょう。