「家の外観が気になる」「台風などで外れないか不安」など、BS/CSアンテナを室内に設置したいと考える方は多いのではないでしょうか。BS/CSアンテナは、いくつかの条件さえ満たせば、室内にも設置可能です。
ここではBS/CSアンテナを室内に設置したい方へ、条件とともに具体的な方法を解説します。
BS/CSアンテナを室内設置するための条件
BS/CSアンテナの室内設置はBS/CS電波が弱いため、難しくなっています。
障害物や窓などの条件も厳しいため、あらかじめ受信できる条件を満たしているか、確認してから室内設置用のアンテナを購入しましょう。
周囲に建物や枝木などの障害物がない
BS/CS放送は「通信衛星」から電波を受信します。
この通信衛星とアンテナの間に障害物があると、電波が遮断されてしまうため放送を視聴することができません。
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主な障害物になりやすいものです。洗濯物や葉などの、障害物ではなさそうなものも、電波を遮ってしまいます。
基本的にはすべて障害物になりうるので、あらかじめ障害物になりそうなものがないか確認しておきましょう。
窓が二重窓やペアガラスではない
窓が二重窓やペアガラスの場合、ガラスで電波を遮断してしまうことがあります。室内設置は電波が窓を超えてこないと受信できません。二重窓やペアガラスの部屋に設置を考えている方は、別の部屋へのアンテナ設置を検討することをおすすめします。
南西の方角に窓があること
BS/CSの電波は南西の方角から受信します。そのため安定的に視聴するためには、南西の方角に窓がなくてはなりません。
日本アンテナが提供しているBSコンパスというアプリでは、方位・角度でアンテナを設置することができるか診断することができます。
無料でダウンロードすることができるので、設置可能かぜひ試してみてください。
BSコンパスのアプリ:Google Play ストア Apple Store |
BS/CSアンテナを室内設置するメリット
BS/CSアンテナを室内に設置すると、次のようなメリットがあります。
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自分で設置できるので費用が安く済む
BS/CSアンテナを室内に設置する場合、自分で設置することができるので、業者に依頼する費用がかからず安く設置することができます。屋外への設置を業者に依頼するとアンテナ本体やスタンドに加え、工事費が10,000~13,000円ほどになってしまいますが、室内の場合は工事費がかからずアンテナ代のみで済みます。アンテナ本体やスタンドなどで15,000円ほどから販売されているので、自力の場合は15,000円ほどで取り付けられます。
壁穴あけ工事が不要
通常ベランダに設置することが多いBS/CSアンテナは、受信した電波をテレビまで届けるために、ケーブルを引きます。ケーブルを通すために壁に穴を開ける必要がありますが、室内設置の場合には壁の穴あけが必要ありません。そのためできるだけ家に傷をつけたくない方でも安心です。
賃貸物件でもアンテナが設置できる
規約などでベランダへのアンテナの設置が禁止されている場合でも、室内設置であれば自室にアンテナを設置することができます。特殊な工事の必要がないので、管理会社への相談なども不要です。
BS/CSアンテナを室内に設置する際に把握しておきたいこと
BS/CSアンテナを室内に設置するときは、下記のポイントに注意しましょう。
電波の受信感度が低い
一方でデメリットもあります。基本的にアンテナは外に置いておいたほうが電波感度は良くなります。特にBS/CS放送の電波は雨や台風をはじめとする天気に弱く、不安定な傾向があるため、室内設置にすることでより放送が不安定になる可能性がある点は留意しておきましょう。
設置スペースが部屋を圧迫する
BS/CSアンテナはおおよそ30~40センチと大きいです。アンテナを置くことで部屋が狭くなることもデメリットとして挙げられます。
BSを視聴できるのは接続したテレビのみである
BSテレビを視聴できるのは、アンテナと接続しているテレビのみです。工事もBS/CSアンテナとテレビを直接ケーブルで接続するシンプルな手法のため、複数のテレビで視聴することはできません。
アンテナ1台につき、視聴できるテレビも1台のみとなっています。
室内に設置するBS/CSアンテナを選ぶ際のポイント
BS/CSアンテナを室内設置用に購入するときは、トラブル防止のためにいくつかのポイントを意識して選ぶことが大切です。アンテナ選びで注意したいポイントを紹介します。
サイズ
BS/CSアンテナは複数のサイズが販売されています。室内設置を前提に購入するのであれば、邪魔にならない大きさのものを選びましょう。
ただし、小さすぎるタイプは避けることが大切です。BS/CSアンテナは、ディッシュと呼ばれるお皿型の部分で電波を受信します。ディッシュ部分が大きいほど電波を受信しやすくなるため、最低限の大きさは確保する必要があります。
室内設置の場合は一般的な45型のほか、天候に左右されにくい50型や60型もおすすめです。
受信できる画質
BS/CS放送を視聴するためには、電波を受信できるBS/CSアンテナが必要です。
BS/CSアンテナには、従来の2Kのみ対応のものや4K・8K対応のものがあります。アンテナによって受信可能な範囲は異なりますが、厳密にこだわる必要はありません。近年のアンテナはほとんどが幅広い放送に対応しています。
形状のタイプ
テレビ受信用のアンテナは、複数のタイプがあります。
卓上型
テレビや机の上などに置くタイプのアンテナです。
BS/CSアンテナとして使用する場合、電波受信にディッシュの大きさが影響するため、サイズは大きくなります。受信感度を優先すると必然的に大きくなるため、床置きタイプといえます。
ペーパー型
薄型で壁などに貼り付けて設置するタイプのアンテナです。壁や家具の側面など、デッドスペースを活用した設置もできるメリットがあります。
インテリアとの相性を重視する方におすすめです。
平面型
ペーパー型と同じく、非常に薄いのが特徴です。専用の台座や器具で手すりに括り付けたり、卓上の狭い場所に置いたりできます。
屋内外兼用となっているタイプも多く、小型なので、屋外設置も選択肢に加えたい方に適しています。
受信感度
BS/CSアンテナを選ぶときは、受信感度も重視したいところです。安定的に視聴するためには、ディッシュの大きさが最低限45型以上のものを選びましょう。
ディッシュが大きいものほど受信感度は高くなるので、設置場所のスペースと相談して、より大きなサイズも検討してはいかがでしょうか。
BS/CSアンテナの室内設置に必要な機材・道具
室内にBS/CSアンテナを設置するときは、機材と工事用の道具をあらかじめ用意しておきましょう。BS/CSアンテナ1台の設置にかかる機材や道具は、15,000〜30,000円程度で揃えられます。
室内設置の工事で必要となる機材や道具は、下記のとおりです。
BS/CSアンテナ本体 | 室内用として販売されているものがオススメ |
BS/CSアンテナ専用スタンド | アンテナを設置するための土台 |
アンテナケーブル | アンテナとテレビ・レコーダーを接続する |
方位磁石・スマホアプリ | アプリを使ってアンテナの向き・角度を調整する |
工具(スパナ・ドライバーなど) | アンテナとスタンドなどを固定する |
BS/CSアンテナ本体
BS放送・CS放送を受信するためには、BS/CSアンテナが不可欠です。パラボラアンテナと呼ばれるお皿のような形状が特徴で、さまざまなサイズがあります。一般的に使用されるのは、ディッシュ部分が直径45cmのBS/CSアンテナです。
BS/CSアンテナは自分で作ることも可能ですが、受信精度と寿命年数を考えるとDIYのアンテナより既製品を使用することをおすすめします。
BS/CSアンテナ専用スタンド
BS/CSアンテナはサイズが大きいため、設置するための専用スタンドも用意しましょう。専用スタンドはBS/CSアンテナの角度を安定させる役割もあり、きれいな映像を楽しむためには欠かせない道具です。
ただし、あくまでBS/CSアンテナを支えるための機材なので、人やペットがぶつかった衝撃で角度がずれることがあります。人やペットがぶつからないような位置に設置しましょう。
アンテナケーブル
テレビで放送を視聴するためには、BS/CSアンテナと合わせて専用のアンテナケーブルも必要です。テレビ用のケーブルなら何でも良いわけではなく、BS/CSの放送を受信できるタイプを購入しなくてはなりません。
必ずBS/CS放送に対応したアンテナケーブルを使用してください。
方位磁石・スマホアプリ
BS/CSアンテナの設置で重要となるのが、アンテナの角度です。BS/CSの弱い電波を受信するためには、適切な角度に向けることが大切です。
BS/CSアンテナを適切な角度で設置するには、方位磁石を用意しておくと便利です。最近はスマホ用のBS/CSアンテナの設置角度を調べられるアプリもあるので、積極的に活用しましょう。
工具(スパナ・ドライバーなど)
BS/CSアンテナの取り付けに必要な工具も用意しておきます。最低限必要となるのが、スパナやドライバーです。
スパナは、簡易的なものがアンテナ本体に付属している場合もあります。工事のためにスパナの購入を検討している方は、事前にBS/CSアンテナの説明書などで付属していないか確認することをおすすめします。
BS/CSアンテナを自分で室内設置する方法・手順
次に、室内用BS/CSアンテナの設置方法を解説します。ほんの少しでも向きが違うと映らない原因となりますので、慎重に設置していきましょう。
室内設置にかかる時間は2時間ほどです。
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手順①:アンテナスタンド(突っ張り棒)の組み立て
普段の生活で邪魔になりづらいスペースを確保して仮置きしておきます。
手順②:アンテナ本体の組み立て
取り付け方も非常にシンプルで、反射鏡の裏側にある金具に、コンバーターアームをネジ・ボルトで固定するだけで完了です。
手順③:アンテナの上下角(仰角)を合わせる
アンテナの上下角(仰角)は、金具の部分で固定します。金具にある「マウント」という部分を使い、使用する地域に適した角度に調整して、仮固定します。(※あとで微調整するため、締め切らないこと)
近年はマウント部分に日本地図を描いてあるアンテナがあり、自分の住んでいる地域にポイントをあわせるだけで上下角を固定できます。
スマートフォンアプリ「BSコンパス」を使うと、アンテナの仰角を簡単に調整することができます。
①アンテナを確認するをタップ | ②地域を選択 | ③アンテナを垂直にする |
④仰角を表示角度に合わせる | ⑤アンテナの向きを調整する | ⑥最大になるアンテナレベルを探す |
手順④:スタンドとアンテナを固定
この後テレビ画面を見ながら受信レベルの微調整をするので、取付器具は落下しない程度に仮固定しておきましょう
アンテナを固定するための支柱がある場合は、こちらもネジなどで固定します。
手順⑤:テレビとアンテナをケーブルで接続する
テレビやチューナーと、アンテナとを、ケーブル・分配器などの器具で接続しましょう。
アンテナ側では、「同軸ケーブル」をコンバーターに差し込みます。このケーブルをテレビまで引いて、もう一方の端子を「アンテナ入力(BS・110度CS)」に差し込みます。
このとき、アンテナへの電源供給が必要です。テレビのメニュー画面を開き、「アンテナ電源ON」になっていることを確認しましょう。
手順⑥:アンテナレベルを見ながら角度・向きを調整
最後は、アンテナの最終的な角度・向きを決定するための微調整をおこないます。テレビの設定画面を開いて「アンテナ設定」などのメニューを選択し、アンテナレベルを表示してください。
角度・向きをゆっくり動かして微調整をしながら、アンテナレベルが「50以上」になるように位置を合わせていきましょう。
調整が終わったあとは、BS放送が映るかどうかを確認すれば設置完了です!
室内に設置後、BS/CS放送を視聴できないときは?
BS/CSアンテナを無事に設置できても、きれいに映らなかったりまったく視聴できなかったりする場合があります。室内にBS/CSアンテナを設置した後、視聴に問題が生じたときは、下記の方法を試してみてください。
障害物の有無を確認する
BSの電波は非常に弱いため、アンテナと空の間に障害物がある場合は受信に問題が生じやすくなります。大掃除や模様替えの後に突然視聴できなくなったのであれば、BS/CSアンテナと空の間に障害物を置いている可能性が考えられます。
まずは室内の状態を見まわして、BS/CSアンテナの受信の障害となっている家具や小物はないか確認しましょう。疑わしいものが見つかったときは、可能な限り取り除きます。
天候の良い日に再度確認する
前述のとおり、BSの電波は衛星から電波が届くまでに距離があることで、さまざまな干渉を受けやすく視聴に問題が生じます。たとえば雨や雪など悪天候の影響で電波が弱まるケースも、珍しくありません。
天気が悪いときに問題が生じた場合は、晴れる日を待って再度確認してみてください。天候の良い日に問題なく映るのであれば、BS/CSアンテナの位置や室内の障害物が原因である可能性は低いでしょう。
また、映りを調節したりBS/CSアンテナを移動させたりするときも、天候の良い日がおすすめです。雨や雪で電波が弱まっていると、角度の調節も困難です。
B-CASカードを差し直す
障害物や天候に問題がないにもかかわらず、映りに問題が生じたときは、BS/CSアンテナ以外の原因も考えられます。たとえば、テレビ本体に挿入されたB-CASカードです。テレビなどデジタル放送受信機には、B-CASカードが付属しています。
B-CASカードの読み込みが原因となっている可能性はないか、下記の確認事項4つを試してみましょう。
- B-CASカード挿入の向きは正しいか
- ICチップにホコリや汚れが付着していないか
- 挿入部にホコリが溜まっていないか
- 奥まで差し込まれているか
単純な読み込み不良であれば、B-CASカードを差し直すだけで症状は改善されます。一見するとただしく差し込まれているように見えても、実際は奥まで差さっていない可能性もあります。一度B-CASカードを引き抜いて、カチッと手ごたえを感じるまで再度差し込みましょう。
配線を見直す
BS/CSアンテナとテレビを繋ぐ配線に、原因があることもあります。たとえばBS/CSアンテナに対応したケーブルを使用していなかったり、ケーブルの種類とテレビまでの距離が適切ではなかったりするケースです。
BS/CSアンテナとテレビを接続するときは、ケーブルの種類と適切な距離に注意することが大切です。BS/CSアンテナからテレビまでの距離が開いている場合は、ケーブルを交換すれば症状が改善されることがあります。
ケーブルは3C、4C、5Cそれぞれ対応できる距離が異なります。3m程度までなら3Cで問題ありませんが、5m以上は4Cを、10m以上は5Cのケーブルでなくてはなりません。
また、ケーブルを挿し込む位置もBS放送受信用かどうか再度確認することも大切です。
再度方位を調整する
BS/CSアンテナは、設置する角度が1度違う程度で大きな差が生じます。調節がシビアなため、設置そのものが自力でできても、受信できずに困ってしまうケースが珍しくありません。
調整時は、BSコンパスの利用がおすすめです。BSコンパスとはアンテナ調節用の無料アプリで、誰でもスマホやタブレットにインストールして利用できます。電波を受信しやすい角度を、画像などで教えてくれます。
ミツモアでプロにアンテナ工事の見積もりを依頼しよう
BS/CSアンテナは、道具さえ用意すれば初心者でも手軽に設置できます。しかし設置する角度や場所が映りに大きく影響するため、満足のいく結果になるとは限りません。
アンテナ工事は設置後の角度調整が難しいため、適切な角度や場所にBS/CSアンテナを設置したい方には、プロへの依頼をおすすめします。どこに依頼すれば良いか分からないと悩んでいる方は、ミツモアで最適な業者を見つけましょう。
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室内でBSアンテナを取り付ける際によくある質問
初心者でもBS/CSアンテナを室内に設置することはできる?
アンテナの室内への取り付け作業自体は簡単なので、初心者でも設置することができます。しかしながらBS/CS放送電波の特性上、障害物や方角などの条件があるため、あらかじめ確認が必要です。
室内にBS/CSアンテナを設置したときのデメリットは?
室内にBS/CSアンテナを設置したときのデメリットは、①電波を受信するための調整が難しいこと、②室内のスペースを大きく取ることが挙げられます。
そのほか、アンテナに関することは以下の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。