4Kアンテナは必要？いらない？変更すべきか判断する方法と工事費用の相場

「4Kテレビを買ったけど、今のBSアンテナや設備で見られるのかな？」と疑問に思っている方が多いのではないでしょうか。4K放送対応のテレビやチューナーなどがあれば、2K対応のBS/CSアンテナで視聴できます。

ただしすべての4K放送を視聴したい場合は、新たに4Kアンテナの設置工事が必要です。工事金額は既存のアンテナよりも5,000円高くなりますが、設置する高さや使用機材によって変動します。

4K放送に対応できるアンテナなのか見分けるポイントや、工事費用相場を含め、「4Kアンテナを買うべきか」検証しましょう。

そもそも4Kアンテナとは

4Kアンテナとは、2018年12月からはじまった4K放送を受信するのに必要な装置です。従来のBSアンテナでも4K放送は見られるものの、一部の番組に限られます。すべてのBS4K放送を見たい場合は、4Kアンテナが必要です。

4Kアンテナは既存のBS/CSアンテナと同様に、お皿のような形状をしています。ちなみに、アンテナの表記にある「K」とは、テレビ画面に映像を表示する画素数を表す記号です。一般的に、画素数が多いほど映像は鮮明になり、臨場感が増します。

現行の地上波デジタル放送は、2Kです。4K放送の画素数はデジタル放送の約4倍と高く、ご家庭でより臨場感溢れる映像がお楽しみいただけます。

あわせて、8Kアンテナについても知っておきましょう。

8Kアンテナは、2018年12月から開始された8K放送に対応する装置です。4Kアンテナと同様に、お皿のような形状をしています。8K放送で実現する表現は、地上波デジタル放送と比較して約16倍と緻密です。8K放送なら、より迫力のあるリアルな臨場感を味わえるでしょう。

BS/CSアンテナでは一部の4K放送が見られるものの、8K放送は視聴できません。一方で、市販されている8K放送に対応するアンテナはBS、CS、4K、8Kのすべての放送が受信可能で「4K8K放送対応」と表示されています。

4Kアンテナは必要？既存のアンテナで視聴可能なチャンネルは限られる！

既存のBS/CSアンテナでも、4Kテレビや4Kチューナーがそろっていれば一部の4K放送は見ることができます。では4Kアンテナと既存のBS/CSアンテナは何が違うのでしょうか？

簡単に説明すると、既存のBS/CSアンテナと4Kアンテナでは「視聴可能なチャンネルの多さ」が違います。

結論からお伝えすると、4Kアンテナが必要かどうかは以下のように判断できます。

• 一部のBS4K放送のみの視聴で良いなら4Kアンテナは不要
• 全てのBS4K放送を視聴したいなら新しく4Kアンテナの設置が必要

一部のBS4K放送のみの視聴で良いなら4Kアンテナは不要

既存のBS/CSアンテナで見られるBS4Kチャンネルは以下の通りです。

有料チャンネルではありませんが、NHKの衛星放送契約が必要なので注意してくださいね。

全てのBS4K放送を視聴したいなら新しく4Kアンテナの設置が必要

4Kアンテナでなければ見られないBS4Kチャンネルは以下の通りです。

見たいチャンネルがこの中にあれば、4Kアンテナとその周辺機器を購入して設置しましょう。

上記のチャンネルを見たいのであれば、4Kアンテナを新しく購入しなければなりません。その場合は設置業者にアンテナ選びをサポートしてもらうのもおすすめです。あなたの家や予算にピッタリのものを購入できますよ。

地デジの4K放送はされていない

今のところ地デジの4K放送が開始される予定はありません。

地上波放送は現在2Kで行われていますが、これを4Kに変えるとなるとアナログ放送からデジタル放送に移行した時のように、全家庭がテレビを買い替えなければいけなくなってしまいます。

さらに電波にのせる情報量も膨大になってしまうため、技術やコストの面で地デジ4K放送の実現は難しいようです。

4Kアンテナと既存アンテナは対応周波数が違う！

4Kアンテナと既存のBS/CSアンテナで、視聴可能なチャンネルの数に違いがあるのはなぜでしょうか。下記の表をもとに、アンテナと電波の仕組みについて解説します。

「周波数帯域」を見ると、既存のBS/CSアンテナよりも、4Kアンテナの方が対応する周波数の幅が広いことがわかります。視聴可能チャンネルの幅に差が出て周波数が広い分、多くのチャンネルが視聴できるのです。

4K放送の種類「右旋」「左旋」とは？

BS/CS放送で4Kチャンネルを視聴する際、衛星から送られる電波は、らせん状に回転しながら地球に届くのが特徴です。右回りに回転しながら電波を発信する「右旋（右旋円偏波）」と、左回りの「左旋（左旋円偏波）」に区別されます。

今までのBS放送では「右旋」が使われてきました。しかし4K放送を行うにあたって周波数の「空き」がないため、左旋が導入されたのです。

この電波方式の違いによって、視聴に必要なアンテナは下記のように異なります。

左旋と右旋で視聴できるチャンネルは、次のとおりです。基本的に無料ではあるものの、NHK BS4Kを含む一部チャンネルでは、別途受信料が必要です。

アンテナを買い替えるなら4Kアンテナにすべき？

現在4Kアンテナでしか見られない左旋放送は13チャンネルのみですが、今後は左旋放送が増えていくと考えられます。

新しくアンテナを取り付けようと思っている場合や、アンテナの買い替えを検討している場合は、これを機に4Kアンテナを設置するのもよいでしょう。

4Kアンテナの設置金額は、BSアンテナの設置費用と比較して5,000円程度高めと、それほど負担感は大きくありません。

今後は、政府の方針として4K、8K放送へシフトしていく予定です。BSアンテナの需要が低下するにつれて生産数が減り、故障したときに修理や交換ができなくなる可能性があるので、新しくアンテナを設置するなら、4Kアンテナをおすすめします。

今あるアンテナが全ての4K放送に対応しているかどうかの見分け方

自宅のBS/CSアンテナについて、「このアンテナで全ての4K放送を視聴できるのだろうか？」と疑問に思われるかもしれません。

BS/CSアンテナが4K放送に対応しているかどうかの見分けるポイントは、以下3つです。

見分け方①：SHマークがついているか

4Kアンテナを見分ける方法の1つ目は「SHマーク」がついているかどうかです。SHマークとは「BS4K放送を受信でき、一定以上の性能を持っている機器である」という証明のこと。スーパーハイビジョン受信マークの略称です。

アンテナ本体や取扱説明書を確認してみて、SHマークがついているアンテナかどうか確認をしましょう。

あわせて以下の周辺機器も、SHマークがついていれば4Kに対応していることがわかります。

見分け方②：対応周波数を確認する

4Kアンテナを見分ける方法の2つ目は「対応周波数」を確認することです。新しく追加されたチャンネルほど、高い周波数で受信されます。

取扱説明書を確認して、周波数が3,224MHzまで対応しているかチェックしてみましょう。

見分け方③：QVCチャンネルが映るかどうか試してみる

アンテナ本体の確認や取扱説明書の参照が難しい場合は、リモコンでBS/CS放送を選び、「4K QVC」（チャンネル464）が映るかどうか試してみましょう。 このチャンネルは無料で視聴できます。

もし「4K QVC」が問題なく映れば、お使いのアンテナや受信機器（テレビやチューナーなど）が左旋の4K放送に対応している可能性が高いです。

おすすめの4Kアンテナと選び方

新しく4Kアンテナの購入を検討する際、何を基準に選べばよいか迷うこともあるでしょう。4Kアンテナを選ぶ際のポイントと、おすすめの製品を紹介します。

4Kアンテナの選び方

国内メーカー製の4Kアンテナであれば、基本的な性能や形状に大きな違いは少ない傾向にあります。 そのため、以下の点を基準に選ぶのがおすすめです。

もしアンテナ選びに不安を感じる場合は、アンテナ設置の専門業者に相談しましょう。設置作業だけでなく、最適なアンテナや周辺機器の選定までサポートしてもらえます。

あわせて見積もりを依頼する際、アンテナ選びの相談も可能か確認するのもおすすめです。

おすすめの4Kアンテナ

自分で4Kアンテナを選びたいときは、下記3つのアンテナをおすすめします。

4Kアンテナ工事の料金シミュレーション

4Kアンテナの設置工事費用は、アンテナ本体費用のほかに出張費や工事料金、養生費などが含まれています。

ただし、八木式アンテナをはじめとした地デジアンテナとの組み合わせや部材費といった条件によって変わります。

下記シミュレーションに入力すると、4Kアンテナの設置費用の概算がわかるので試してみましょう。

4Kアンテナの設置工事を依頼する

4Kアンテナ工事の費用相場はいくら？

業者に4Kアンテナの設置工事を専門業者に依頼した場合の費用相場は、アンテナ本体代と基本的な設置工事費を含めて、18,000円〜40,000円が目安です。

ただし設置場所の高さや、電波状況に応じて必要となる周辺機器の有無によって、費用は変動します。

4Kアンテナ工事費用を設置場所別で比較

4Kアンテナの設置費用は、アンテナを取り付ける「場所」によって大きく変わります。

特に設置場所が高くなればなるほど、作業の難易度や安全対策の必要性が増すため、下記のように費用が高くなる傾向です。

※ミツモアにおけるテレビのアンテナ工事・取り付けの見積もり価格（2024年1～12月）

費用相場は11,600円〜61,300円で、業者や視聴したいテレビの台数によって変わります。

加えて高所で作業する場合は、安全確保のための足場設置や特別な機材が必要になるケースがあり、その分費用が加算されるので注意しましょう。

周辺機器もまとめて設置する際の費用

4K放送を安定して視聴するためには、アンテナ本体だけでなく、電波を増幅する「ブースター」や、電波を複数の部屋に分ける「分配器」といった周辺機器が必要です。

特に電波が弱い地域や、複数のテレビで視聴したい場合には、これらの機器の設置が推奨されます。アンテナ本体と合わせて、代表的な周辺機器である「ブースター」を設置する場合の費用相場の目安を見てみましょう。

ブースターの設置費用だけでも幅がありますが、6,100円〜36,500円が相場です。自宅の電波状況や視聴したいテレビの台数によって、必要な周辺機器や工事内容が変わり、さらに費用がかかる可能性があるでしょう。

4Kアンテナ工事費用を安くするコツ3選

4Kアンテナの工事費用を少しでも安く済ませるコツは、下記3つです。

なお古いBS/CSアンテナを4Kアンテナに交換する場合、国から助成金が支給される制度がありましたが、2021年度に終了しています。

1.複数の業者から見積もりを取る

4Kアンテナの設置工事費用は、依頼する業者によって大きく異なります。同じ工事内容でも、数千円から数万円の差が出ることも珍しくありません。

複数の業者（2〜3社以上）から見積もりを取ったうえで依頼したい業者を選びましょう。

料金だけでなく、工事や保証内容などを比較し、信頼できる業者を決めることで最終的に費用対効果の高い工事につながります。

複数の業者から4Kアンテナ工事を見積もる

2.必要な機器のみを買い替える

「すべてのBS4Kのチャンネルを見たいわけではない」場合は、現在使用中のBS/CSアンテナを利用できる可能性があります。工事費用はかからず、4K対応テレビやレコーダー、4Kチューナーといった機器の購入費用だけで済むため、数万円単位で費用を抑えられます。

ただし、WOWOWやJ SPORTSなど、すべての4K放送を楽しみたい場合は、4Kアンテナの交換工事が必要です。

3.自分で設置する

自分で4Kアンテナを設置するのも選択肢のひとつです。主に屋根や軒下、ベランダなどが最適な設置場所ですが、屋根と壁面への設置は危険を伴います。業者に依頼するようにしましょう。

なお自分で「ベランダ」、または「室内」に4Kアンテナを設置する際の費用相場は、1万円〜2万円です。業者よりも8,000円〜2万円安く抑えられますが、正確に電波を受信できる角度を探すのは難しいのでおすすめはしません。