BS放送で見たいチャンネルをつけたとき、突然画面が映らなくなってしまうと困りますよね。画面に表示されるエラーメッセージやコードを確認すると、原因がわかって自分で対処できます。


ただしアンテナ周りが原因の場合、設置場所や状況によっては専門の工事業者への依頼が必要です。自分で対処できるコード別の応急措置や業者に依頼したときの費用相場を含め、突然BSが映らなくなったときの対処方法について確認しましょう。
BSが映らないときに表示されるエラーコード一覧
BS放送が映らないとき、テレビの画面には問題の原因を探るヒントとなる「エラーコード」が表示されます。以下の表を参考に自身のテレビにどの番号が表示されているかを確認し、原因を探ったうえで対処しましょう。
エラーコード | 考えられる原因 | 自分でできる応急措置 |
---|---|---|
E201 | アンテナレベルが低下している | ・テレビ本体の主電源を入れ直す ・リモコンの「入力切替」ボタンでBS放送に合わせる ・アンテナケーブルの抜けや緩みがないか確認する ・4K8K対応のアンテナや機器の使用確認 ・天候の回復を待つ ・チャンネルの再スキャン ・テレビのアンテナレベルの確認 |
E202 | アンテナからの電波が受信できていない | ・テレビ本体の主電源を入れ直す ・リモコンの「入力切替」ボタンでBS放送に合わせる ・アンテナケーブルの抜けや緩みがないか確認する ・4K8K対応のアンテナや機器の使用確認 ・天候の回復を待つ ・チャンネルの再スキャン ・テレビのアンテナレベルの確認 |
E100/E101/E102 | B-CASカードの読取不可 | ・テレビ本体の主電源を入れ直す ・リモコンの「入力切替」ボタンでBS放送に合わせる ・B-CASカードの確認・清掃する |
BSが映らないときに自分でできる7つの応急措置
エラーコードでBS放送が映らない原因の見当がついたら、専門の工事業者を呼ぶ前に自分自身で試せる7つの応急措置があります。テレビの状況と照らし合わせて、どの応急措置が有効なのか確かめてみましょう。
応急措置方法 | 有効な症状・エラーコード |
---|---|
テレビ本体の主電源を入れ直す | 画面が真っ暗・入力表示なし |
リモコンの「入力切替」ボタンでBS放送に合わせる | 画面が真っ暗・入力表示なし |
B-CASカードの接触不良や汚れを確認・清掃する | E100/E101/E102 |
アンテナケーブルの抜けや緩みがないか確認する | E201・E202 |
4K8K対応のアンテナやケーブルを使用しているか確認する | E201・E202 |
天候の回復を待って改善できるか確かめる | E201・E202 |
チャンネルの再スキャンを行う | チャンネルが見つからない |
1.テレビ本体の主電源を入れ直す
BS放送が映らないときはリモコンの操作ではなく、テレビ本体の主電源を入れ直してみましょう。具体的な作業手順は、以下のとおりです。
- テレビの電源をリモコンで切る
- テレビ本体の電源プラグをコンセントから抜く
- コンセントを抜いた後、1分ほど待つ
- 再びコンセントに電源プラグを差し込む
- テレビの電源を入れてBS放送が映るか確認する
ただコンセントを抜き差しするだけでなく、テレビ内部のシステムを完全リセットさせるため、1分ほど待つことが大切です。BSが映らない問題に限らず、映像の乱れや音の不具合など、テレビ全般の軽微なトラブルに対応できるでしょう。
2.リモコンの「入力切替」ボタンでBS放送に合わせる
レコーダーやゲームでテレビのモニターを使った後、テレビの入力がBS放送を受信するモードに戻されていないことがあります。リモコンの「入力切替」や「入力選択」といったボタンを押して、下記の手順でテレビの画面表示を確認しましょう。
- リモコンの「入力切替」ボタンを押して入力一覧を表示させる
- 十字キーなどで「BS」や「CS」、「BS/CS」を選択する
入力切替は、これらのどの入り口からの映像を画面に表示するかを選ぶスイッチの役割です。このスイッチが意図せず切り替わっていると、アンテナからの電波が正常に届いていてもBS放送は映りません。
3.B-CASカードの接触不良や汚れを確認・清掃する
E100番台でB-CASカード関連のエラーコードが表示された場合、テレビの側面や背面に挿入されている「B-CASカード」を一度抜いて、再度しっかり差し直してみましょう。カードの接触不良やICチップの汚れが原因でBS映らないケースがあり、以下の手順で行います。
- テレビの電源を切る
- ゆっくりB-CASカードを引き抜く
- 乾いたやわらかい布でICチップの汚れをやさしく拭き取る
- カードの向きを確認しながら「カチッ」と音がするまで奥まで差し込む
B-CASカードのICチップは非常にデリケートなため、汚れや静電気、わずかなズレでも正常に認識されなくなることがあるので注意が必要です。
4.アンテナケーブルの抜けや緩みがないか確認する
テレビ本体の再起動や設定に問題がなく、E201やE202のエラーコードが表示されたときは、アンテナケーブルの抜けや緩みがないか確認しましょう。ケーブルを確認する手順は、下記のとおりです。
- テレビ背面の「BS/CS 110度入力」や「衛星入力」の端子の抜けや緩みを確認する
- 一度プラグを抜き、再度まっすぐ奥までねじ込むか差し込んでみる
- 壁にあるアンテナ端子に、ケーブルがしっかり接続されているか確認する
- 分波器やレコーダーを経由している場合はその接続も確認する
特に、ねじ込み式のF型コネクターと呼ばれるプラグは、時間とともに少しずつ緩んでくることがあります。指で軽く締め直すだけで接触が改善し、映るようになるケースも少なくありません。
5.4K8K対応のアンテナやケーブルを使用しているか確認する
通常のBS放送(2K)は映るのに、4Kや8K放送のチャンネルが映らない場合、アンテナや周辺機器が新しい放送規格に対応していない可能性があります。以下の機器が4K8K放送に対応しているかを確認しましょう。
- BS/CSアンテナ:4K8Kの新しい電波(左旋円偏波)に対応したアンテナ
- ブースター:電波を増幅する機器も新しい周波数への対応が必要
- 分配器や分波器:電波を分ける機器も対応品でないと信号が弱くなる
- アンテナケーブル:古いケーブルは新しい周波数を通しにくいことがある
機器に「SHマーク」や「4K8K対応」といった記載があるかどうかが、対応品を見分ける簡単な目安です。2018年以前に設置したBSアンテナや関連機器は、4K8K放送で使われる新しい周波数帯に対応していないため、機器の交換が必要になる場合があります。
6.天候の回復を待って改善できるか確かめる
大雨や大雪でBSが映らなくなった場合は、BS/CSアンテナが故障しているかどうか確認する前に天候の回復を待ちましょう。BS放送の電波は、悪天候時には雨粒や雪によって電波が遮られるため、一時的にテレビの映りが悪くなることがあります。
BSの電波が著しく弱まる天候は、下記のとおりです。
- ゲリラ豪雨
- 台風や積乱雲の通過
- 大雪(ぼたん雪など)
BS/CSアンテナに雪が積もった場合は、溶けて滑り落ちるまで待ちましょう。アンテナやテレビの故障ではなく、電波の性質による一時的な現象のため、基本的には天候が回復すれば自然に元どおり映るようになります。
7.チャンネルの再スキャンを行う
引っ越しやテレビを買い替えた後などにBSが映らない場合、現住所の地域のチャンネル情報が正しく受信できていない可能性があります。
メーカーによって操作方法は異なりますが、以下の手順で「チャンネルスキャン(初期スキャン)」と呼ばれる操作を行いましょう。
- リモコンの「メニュー」や「設定」ボタンを押す
- 「放送受信設定」や「チャンネル設定」などの項目を選ぶ
- 「地上デジタル自動設定」や「BS/CSデジタル自動設定」などを選ぶ
- 画面の指示に従って「再スキャン」や「初期スキャン」を行う
- 完了後、BS放送がリストに追加され、正常に視聴できるようになるか確認する
この操作を行ってもBSのチャンネルが一つも検出されない場合は、アンテナからテレビまで電波が全く届いていないことが考えられます。アンテナ本体や配線に何らかのトラブルが発生している可能性があることを確かめましょう。
応急措置をやってもBSが映らないときの対処法5選
テレビ本体の電源を入れ直しやアンテナケーブルの確認など、応急措置を試してもBS放送が映らない場合、下記の対処法を行いましょう。
対処法 | 有効な症状・エラーコード |
---|---|
テレビのアンテナレベルを確認する | ・E201やE202のエラーコードが表示 ・画面が乱れる |
BS/CSアンテナの向きを調整する | 強風や台風の後に映らなくなった |
ブースターを交換する | 全てのテレビで急に映りが悪くなった |
分配器や分波器を交換する | 特定の部屋だけ映りが悪い |
アンテナ本体を交換する | BS/CSアンテナの設置から10年以上経過している |
1.テレビのアンテナレベルを確認する
テレビには、アンテナの強さや電波の受信状況を数値・グラフで示した「アンテナレベル」を確認する機能が搭載されています。メーカーや機種によって操作方法は異なりますが、以下の手順でチェックしてみましょう。
- リモコンの「設定」ボタンを押す
- 「放送受信設定」や「アンテナ設定」といったアンテナ関連のメニューを選ぶ
- BS/CSの「アンテナレベル」や「受信強度設定」、「電波テスト」を確認する
推奨されるアンテナレベルの正常値はメーカーごとに異なり、BS/CS放送のアンテナレベルの基準は、下記のとおりです。
テレビメーカー | BS/CS放送のアンテナレベルの受信(目安) |
---|---|
Panasonic/VIERA(ビエラ) | 50以上(4K放送は54以上) |
SONY/BRAVIA(ブラビア) | 良好(緑色表示) |
SHARP/AQUOS(アクオス) | 60以上 |
TOSHIBA/REGZA(レグザ) | 50以上 |
2.BS/CSアンテナの向きを調整する
BS/CSの電波は南南西の方角から受信します。ただし、1ミリでも角度がズレてしまうと正常に受信できなくなり、画面に「E202」エラーが表示されてBS放送が映らなくなってしまいます。
BS/CSアンテナの向きが変わる主な原因は、下記のとおりです。
- 台風や強風でアンテナを固定しているボルトが緩んだ
- アンテナの皿に雪が積って重さの影響で角度が傾いた
- カラスをはじめとした鳥が頻繫に止まることでズレが生じた
- 経年劣化でアンテナに固定している金具が錆びて緩みを生じた
ベランダの手すりにBS/CSアンテナが設置されている場合は、専用の測定器(レベルチェッカー)で調整できますが、簡単な作業ではありません。
加えて高所に設置している場合は転落の危険性があります。無理をせず、専門のアンテナ工事業者に依頼しましょう。
3.ブースターを交換する
複数の部屋でテレビを視聴している家庭や電波が弱い地域では、ブースターが故障すると、受信した電波がテレビまで届かなくなり、BSが映らなくなります。
屋根裏やテレビの裏のコンセントなど、普段あまり目にしない場所にブースターの電源部が設置されているため、電源部のランプが点灯しているか、コンセントが抜けていないかを確認してみましょう。
改善しない場合はブースター本体が故障している可能性があるため、アンテナ専門の工事業者に点検や交換を依頼する必要があります。
4.分配器や分波器を交換する
アンテナで受信した電波を各部屋のテレビに分ける「分配器」や、地デジとBS/CSの混合された電波をテレビの手前で再び分ける「分波器」が劣化すると、BSが映らなくなります。
特に古い住宅では、分配器やケーブルがBSの周波数帯に対応していない古い設備のままになっているケースが多い傾向です。専門業者に分配器や分波器、アンテナケーブルの交換を依頼しましょう。
5.アンテナ本体を交換する
BS/CSアンテナの寿命は設置してから10年〜15年です。この期間を過ぎると、以下のような部品の故障が原因でBSが映らなくなることがあります。
- コンバーター(電波を集めてテレビ用の電気信号に変換する重要な部品)の故障
- ディッシュ(お皿)部分の変形や破損
- 本体のサビや腐食
もし使用中のBS/CSアンテナを設置してから10年以上経過しており、BSの映りが悪いときは、新しいアンテナ本体と交換しましょう。
アンテナ工事業者にBS放送の改善を依頼すべきケース
今までに取り上げた応急措置を試してもBSが映らない場合、安全かつ確実に問題を解決するためにもアンテナ専門の工事業者に相談しましょう。自分で対処できる範囲には限界があり、無理に作業すると転落などの重大な事故につながる危険もあります。
主に該当するケースは、下記2つです。
1.BS/CSアンテナが高所にあるとき
BS/CSアンテナが屋根の上や壁面の高い位置など、脚立を使っても簡単には手が届かない場所に設置されているケースです。屋根からの転落や工具、部品の落下、建物の破損といったリスクが伴います。
アンテナ工事のプロは、高所作業の訓練を積んでおり、万が一の事故に備えるための損害賠償保険にも加入しています。安全を確保し、確実な作業を行うためにも、高所での作業は専門業者に任せましょう。
2.自分で原因が特定できないとき
テレビの設定や配線などを確認しても、BSが映らない原因がわからないときはアンテナ専門の工事業者に依頼すべきサインです。家庭の電波環境や設備の状況によっては下記のケースに該当する場合があり、プロでないと突き止められない問題が隠れています。
- 分配器とブースターの両方が経年劣化している
- アンテナケーブルの内部が劣化や施工不良で断線している
- 目に見えないノイズ電波の干渉 など
アンテナ工事のプロは「レベルチェッカー」を使用することで、アンテナ直下から分配器、テレビの直前まで、各ポイントの電波の強さや品質を数値で正確に測定できます。
その結果、電波がどこで弱くなっているのか、あるいは途絶えているのかをピンポイントで特定できるのです。
アンテナ工事業者にBSの映り改善を依頼したときの費用相場
アンテナ工事業者はBS放送の映りを改善するため、BS/CSアンテナの向きを調整したり、本体やブースターなどの交換作業を行います。工事にかかる費用は設置場所や建物の構造、使用する部材によって変動しますが、費用相場は下記のとおりです。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
BS/CSアンテナの向きの調整 | 11,600円~16,500円 |
BS/CSアンテナの取り外し・交換 | 38,500円~48,600円 |
BS/CSブースターの設置・交換 | 24,000円~34,700円 |
※ミツモアにおけるBS/CSアンテナの修理工事費用の見積もり価格を参考(2024年1月~12月)
上記の料金はあくまでも目安であり、業者によっては、基本料金とは別に高所作業費や出張費が必要となる場合もあります。見積もりの内訳をしっかり確認することが大切です。
BSが映らない原因が分からなければプロに相談しよう
BS放送が映らない場合、テレビ本体の電源を入れ直したり、ケーブルの抜けや緩みがないか確認することで解消できます。応急措置をやっても改善しない場合、アンテナ周辺で何らかのトラブルが発生している可能性があり、1日も早く解消するためにもアンテナ専門の工事業者に相談しましょう。
ミツモアならアンテナの設置場所や日程など、簡単な質問に答えるだけでニーズに合った業者を最大5社提示します。各社から見積もりが届き、料金や作業内容などを比較した後、ニーズに合った業者を決められるので、初めての方でも安心して利用できるでしょう。