テレビが急に映らなくなったら、まずその原因を突き止めてから、適切な対処をとりましょう。突然のことに慌ててしまうかもしれませんが、実はテレビが故障したとは限りません。表示されたエラーコードをよく見て、ケーブルの不調か、アンテナの不具合についても確認していく必要があります。
症状別:テレビが映らないときの原因・対処法一覧
テレビが映らなくなる原因と、その対処法を表にまとめました。それぞれ詳しく解説しているので、状況に応じて対処してみてください。
エラーコード別のテレビが映らない原因
エラーコードが表示されている場合は、テレビの故障が原因ではありません。それぞれのコードの意味によって、なぜテレビが映らないか、そしてどうすれば解決するかがわかります。
①【E201/E202】 | アンテナレベルに問題がある/アンテナに不具合がある |
②【E100/E101/E102】 | B-CASカードに不具合がある |
③【E209】 | ケーブルや配線に不具合がある |
④【E201】 | 悪天候や電波障害で電波が受信できていない |
⑤【E103】 | 未契約・放映していないチャンネルを選んでいる |
⑥その他 | テレビが故障している |
症状別のテレビが映らない原因
症状からもテレビの不具合の原因を特定することができます。
①音が出ず、映像も映らない | 入力切替や配線が適切でない |
②音は出るのに映像が出ない | ケーブルの接続不良 |
③地デジだけが映らない | 地デジ用の端子に問題がある |
④BS/CSだけが映らない | 配線の接続不良 |
⑤4K放送だけが映らない | 端子や接続に異常がある |
①アンテナレベルに問題がある【E201/E202】
エラーコードが「E201」か「E202」の場合は、アンテナレベルに問題があります。
現在のアンテナレベルの確認方法
アンテナレベルとは、受信強度のことを指します。アンテナレベルはメーカーによって確認方法が異なりますが、例えばSHARPのAQUOSの場合は、ホームボタンからホームメニューを開き、設定から「テレビ放送設定」を選択、「アンテナ設定」の画面で「電波・受信強度の表示」で確認できます。
エラーコード | 意味 | 対処法 |
E201 | 電波が弱い | アンテナレベルを調整する |
E202 | 電波が届いていない | アンテナレベルを調整する |
E201・202は電波がテレビまで届いていない(弱い)状態であることを意味します。そのため、アンテナレベルを上げなければなりません。
具体的にはアンテナの向きを調整、ブースターの設置などの対策が必要です。
以下の関連記事ではエラーコード別に詳しく対策を説明しているので、参考にしてみてください。
なお、「ブースター」とは、テレビの放送電波を増やすための機械のことです。ブースターがあることで、微弱な電波を強め、テレビ放送がより安定したものとなります。
アンテナレベルが低いときの対処法
アンテナレベルが低いときは、まずテレビの端子とアンテナケーブルの接続が正しくできているか確認しましょう。
また、アンテナケーブルが長すぎるとテレビに送られてくる信号が減ってしまいます。できれば短いケーブルを用意してください。
テレビそのものの不具合も考えられるので、一度電源を切ってからコンセントを抜いてみましょう。1分程度経過したら、もう一度電源をつけてください。アンテナレベルが上がることがあります。
どうしてもアンテナレベルが低い場合は、室内用のブースターを導入してみましょう。屋外用とは違い、低コストで設置できるので、アンテナレベルの改善に役立ちます。
アンテナレベルが高すぎるときの対処法
アンテナレベルが高すぎるときは、アッテネーターを「ON」にしてみてください。アッテネーターとは、電波を調整してくれる「減衰器」のことです。
主要メーカーの推奨アンテナレベル
メーカー | 全くない~不足している | 十分にある |
Panasonic(パナソニック) | 0~4未満 | 44以上(50以上あれば安定) |
SONY(ソニー) | 赤~黄 | 緑 |
SHARP(シャープ) | 60未満 | 60以上 |
東芝 | 0~30未満 | 30以上(30~60を推奨) |
三菱 | 0~22未満 | 22以上 |
日立 | 0~18未満 | 18以上(18~37を推奨) |
アンテナに不具合がある【E201/E202】
アンテナケーブルではなく、アンテナそのものに不具合が生じている場合もあります。アンテナの修理は高所での作業を伴うため、業者に依頼することをおすすめします。
アンテナ本体が故障している
テレビのアンテナは、電波塔や人工衛星からの電波を受信しています。アンテナが故障していると、正しく電波を受信できず、テレビが映らなくなってしまうのです。
アンテナの向きがずれている
アンテナは一定方向からの電波のみを受信しています。強風や大雨などの自然災害によってアンテナの向きがずれてしまうと、電波を受信できなくなることがあります。
②B-CASカード関連の不具合がある【E100/E101/E102】
B-CASカードに不具合が生じていると、それに応じたエラーコードが表示されます。B-CASカードとは、デジタル放送受信機に挿し込むカードのことです。
万が一、カードが激しく汚れていたり、破損していたりする場合は再発行することもできます。ただし、再発行には手数料として2,160円かかります。
【E100】B-CASカードの挿入や読み込みに不具合が生じている
エラーコードが【E100】の場合は、B-CASカードを抜き差ししたり、向きを確認したりしてみてください。
奥まで挿入されていないと、正しく読み込んでくれません。また、向きが反対になっているのはよくある間違いなので、気を付けて見てみましょう。
【E101】B-CASカードをうまく読み込めていない
エラーコードが【E101】の場合は、B-CASカードの挿入口を掃除してみてください。ほこりが溜まっていたりすると、読み取りの邪魔になってしまいます。
また、挿入方向もあわせて確かめておきましょう。
【E102】B-CASカードが使えない
エラーコードが【E102】の場合は、B-CASカードを抜き差ししてください。それでも反応がない場合は、正しいカードか確かめましょう。
もし対応していないカードであれば、再発行をする必要があります。なお、前述の通り、再発行には手数料として2,160円かかるので注意しましょう。
③ケーブルや配線に不具合がある【E209】
エラーコードが【E209】なら、ケーブルや配線の不具合が考えられます。
アンテナケーブルの不調なので、一度テレビや周辺機器のアンテナ端子からケーブルを全て抜きましょう。
また、室内にあるアンテナ端子に挿し込まれているケーブルも一度抜き、挿しなおしてください。
これらの対応でも直らない場合は、ケーブルそのものを交換するか、屋外のケーブルの修理の必要を視野に入れましょう。
④悪天候や電波障害で電波が受信できていない【E201】
天候や電波障害も放送妨害の原因として挙げられます。
【E201】大雨などの悪天候、電波障害
台風などによる大雨や強風などで、特にBS/CS放送の電波がクリアに届かなくなるケースもあります。
この場合は、天候が回復すればテレビも元通りに映るようになります。ですが、もし落雷などでアンテナそのものが故障してしまったら修理や調整が必要です。
また、周辺地域で電波障害が起こっている可能性もあります。近くに大きな建物が建ったり、強い電波の発信源があるとテレビのアンテナに電波が届かなくなることがあります。
電波障害が起きている場合は、地域の自治体などに相談しましょう。
⑤未契約・放映していないチャンネルを選んでいる【E103】
エラーコードが【E103】の場合は、元々見られないチャンネルを選んでいる可能性があります。
【E103】契約・放映しているチャンネルではない
契約していないチャンネルや、そもそも現在放映していないチャンネルを選んでしまうと、テレビはエラーコードを表示します。地上波などの別のチャンネルではエラーコードが表示されずに、視聴できるでしょう。
このエラーコードが表示されたら、未契約・未放映だと判断しましょう。万が一契約しているチャンネルで表示される場合は、チャンネルのカスタマーセンターに問い合わせてみてください。
⑥テレビが故障している
テレビ本体の故障もあり得ます。さまざまな対処法を試してもうまく映らなかったら、テレビ本体の故障を疑ってみましょう。
音も出ず、映像も映らない
音も映像も出力されないときはまず以下の3点を試してみてください。
|
これらを確認して正常であるのにも関わらず、音・映像が出ない場合はテレビ自体が故障している可能性があります。
音は出るのに映像が映らない
音声が聞こえるのに、映像が映らない場合はケーブルの接続不良が考えられます。
|
上の2つでケーブル類が正しく接続されているか確認してみてください。
ケーブルの接続を確認する手順はこちらの関連記事で詳しく説明しています。
液晶テレビの寿命は8〜10年程度
テレビの種類 | 寿命 |
液晶テレビ | 8~10年 |
有機ELテレビ | 4~5年 |
プラズマテレビ | 15~30年 |
最も普及している液晶テレビの寿命は8~10年です。
テレビ自体の使用可能期間は約20年なのですが、液晶パネルの「バックライト」という部品の寿命が8〜10年なので、メーカーの部品保有期間も8年とされていることが多いです。
寿命が近づくと電源が入りづらい、音声・映像が乱れるといった症状が現れます。
これらの症状が出てきたら買い替えを考える時期でしょう。
テレビが故障したら保証期間を確認
故障かなと思ったらまずは保証期間を確認します。メーカーの保証期間は1年間に設定されている場合が多いです。期間とあわせて内容も確認しましょう。
同じ修理内容でも、保証期間内かどうかで費用も変わってきます。
メーカー側の問題によるテレビ本体の不具合
メーカー側の製造過程の不備やアップデートによって、テレビ本体に不具合が生じることもまれにあります。
このようなシステム障害が原因の場合、他のユーザーのテレビにも不具合が生じていることが考えられます。
メーカーに問い合わせるか、メーカーの公式発表を確認し指示に従うなどして焦らず対処しましょう。
解決できない場合や原因がわからない場合は業者に依頼
さまざまな対処法を試してみても依然としてテレビが映らない場合や原因が特定できない場合もあります。
無理に自力で修理しようとしたり手あたり次第に機器を購入したりせず、業者に相談してみましょう。
修理を業者に依頼した場合の費用相場
工事の種類 | 費用相場 |
アンテナ修理/点検 | 4,000~10,000円 |
アンテナ交換 | 地デジアンテナ:15,000~35,000円 BS/CSアンテナ:12,000~25,000円 取り付け:30,000~50,000円 取り外し:7,000~15,000円 |
既存アンテナ処分 | 5,000~15,000円 |
業者に依頼した場合の費用相場は上記の通りです。
別途で出張料(交通費・駐車料金の実費が多い)が、依頼する場所によってかかります。
優良な業者を選ぶポイント
業者に依頼する際には以下のような点を満たした業者を選ぶようにしましょう。
|
はじめてテレビのアンテナ修理を依頼する方は、見積もり段階でも丁寧に説明してくれる業者を選んで依頼すると安心です。
複数業者から見積もりをとると料金のほか、サービス内容や説明のわかりやすさなども比較することができます。
マンションやアパートでテレビが映らない場合は管理会社に相談
マンションやアパートなどの集合住宅でテレビが映らない場合に、アンテナに問題があると、自分で直すことができません。
管理会社に連絡してアンテナの点検・修理をしてもらう必要があります。
まずは自室の機器や配線の異常を確かめる
「アンテナの問題かな?」と思っても、配線が抜けていたりすることはよくあります。
また自室のテレビやチューナーが故障している場合も。まずは自分のテレビが正常に接続されているか確認しましょう。
ご近所付き合いがある場合はテレビが映らないか聞いてみるとよいでしょう。
自分以外も映らない場合はアンテナ不調の可能性が大きいです。
建物のテレビが映らない場合は管理会社へ連絡
集合住宅では「共聴アンテナ」と呼ばれるアンテナで電波を受信し、そこから各部屋に送信する仕組みになっていることが多いです。
共用部分の設備を入居者が勝手に触ることはできないため、家主や管理会社に連絡し、アンテナの修理を手配してもらう必要があります。
アンテナ工事業者選びは相見積もりで比較を
質問に答えるだけで最大5社から見積もりが届く
スマホやパソコンからかんたんな質問に答えると、自動で条件にぴったりのおすすめ事業者から最大5件の見積もりが届きます。
手作業で条件や日程が合う事業者を1件ずつ探す必要はありません。
料金・口コミ評判を比較して選べる
見積もりの料金を比べられるのはもちろん、過去にミツモアでお仕事を依頼した利用者からの口コミ評価も確認できます。
口コミからはサービスの質や人柄などがうかがえることが多く、金額以外の判断材料も得られるので安心です。
チャットで事前に仕事内容の相談ができるので安心
契約前にサイト内のチャットで事業者と直接メッセージのやり取りをすることも可能。事前に見積もり内容に関する質問や相談ができるので、不安を解消した上でお仕事を依頼できます。